かしこ
かしこ
2021/08/07
母と娘の関係の真理をついてる
絶世の美女として有名な大女優・若草いずみには誰にも言えないコンプレックスがあった。それは普段はドーランを塗り固めて隠している顔にできた大きなアザと、どうしても抗うことのできない老いである。しかし主治医からある提案をされたことにより、彼女は女の子を産む。そして芸能界を捨てて表舞台から姿を消した…。数年後、大女優だった面影がないほど醜くなった母親は、昔の自分のように美しく育った小学生の娘・さくらを襲う。そして娘の身体に自分の脳を移植する手術を行うのだった!美しい身体を手に入れた母親は、これまでの人生では手に入れられなかった平凡だけど幸せな生活を送る為に、新婚だった担任の家に潜り込み、その妻を殺そうとする…。 母親と娘の関係って怖いですよね。仲が良くても悪くても怖いよな〜って、自分を見ても、他人を見ても感じます。やっぱり似てしまうからしょうがないってところもあるんでしょうけどね。脳移植後の見た目は少女だけど中身はオバサンっていう恐怖は「エスター(映画)」にも似てるなって思いましたが、オチは「洗礼」の方が怖かった。自分が娘だからより怖く感じたんだと思う。これを少女コミックで連載してたってヤバすぎる。笑!
かしこ
かしこ
2021/07/17
ネタバレ
女子高生が海賊と宝探しする夏休み!
ひと夏の冒険譚だから夏休みに読むのにぴったりだし、これが本当のONE PIECEだ!って思ったくらい(こんなこと言うと怒られそうだけど…) 面白かったです!主人公の女子高生・大和鮒子は「強い子になってね」というママの遺言を勘違いして格闘技を極めてしまったようなちょっとおバカな女の子。漁師だったおじいちゃんが建てたマグロ御殿にパパと暮らして、地元の水産高校に通うだけの退屈な毎日を過ごしていたところに、海賊・カトーが下宿人として鮒子の家にやって来たことから、ひと夏の大冒険が始まります。 遠い遠い海の果てにある宝島には100兆円超えの財宝が眠っていて、実は鮒子のおじいちゃんがその島に辿り着いて生還した唯一の人物だったことから、カトーは宝島のヒントを探しに鮒子に近づいたのです。そして16歳の誕生日におじいちゃんから手紙が届き、海の中の岩穴に隠されていた漁業権利書、巨大な銛、宝の地図のプレゼントを発見します。その地図をカトーに奪われ、それを追うように鮒子も異種格闘技部の先輩・鴨林らと共に船出するのです! ネタバレになっちゃうけど、3巻で海に出て、7巻で宝島に着く、全11巻のこの2つのタイミングでギアが上がるように面白くなったと思います。おじいちゃんからの鮒子宛のメッセージが手紙として度々登場するんですが、作者の望月峯太郎が読者に伝えたいテーマそのものって感じでとても深かったです。そして因縁のカトーはラストですごくカッコいい人になって、これが本当の海賊王だ!と思いました(怒られる…)。
かしこ
かしこ
2021/07/12
ネタバレ
こっちの夫婦もたぶんヤバいぞ #1巻応援
「ただ離婚してないだけ」がすごく好きだったので、新連載も夫婦ネタと知って楽しみにしていたのですが、1巻を読み終えて謎しかありませんでした…。これは一体どういう漫画なんだろう?ただし今回も夫がヤバいのは確実だから、妻もヤバい奴なんだと思う。読んでいて訳が分からないながらも、至るところに狂気が漂っているのを感じました。 結婚してから5年間、生活費を切り詰め、極貧の中で多額の費用をかけて不妊治療をしたものの上手くいかず、夫から「これからはお互いにやりたいことをしよう」と提案されます。一見するといい夫のようですが、妻のことを平気で叩きますし、妻はそんな夫のことを「自分を叱ってくれるから」好きなのです。42歳と26歳という歳の差も気になりますが、とにかく主従関係で繋がっているような夫婦なのです。 夫の提案を受け入れて、社会経験がほとんどなかった妻は弁当屋でアルバイトを始め、そのバイト仲間に歓迎会をしようと連れて行かれた合コンでAV男優と出会い、なぜか彼から夫婦一緒に「愛あるセックス」とは何かを学ぶという展開になります。ここで夫から不妊治療中はプレッシャーを感じていてセックスが怖くなっていたと初めて告白されるのですが、本当は優しい人だったみたいなことは絶対にないと思う…。 妻が働き始めた弁当屋に怪しい男がよく来るのも気になるし、個人的にはこの男がストーリーの肝なんじゃないかと思ってるんだけど…。2巻からどうなっていくのか全く読めない。でも「ただ離婚してないだけ」の狂気を超えてくれたらいいなと期待してます。
かしこ
かしこ
2021/06/27
きみは天下のお天気お姉さん
お天気お姉さんこと仲代桂子はその美貌で世の男たちを虜にしているが、性格は凶暴である。下着姿でテレビ出演することなんて屁でもないし、ライバルの女子アナを性奴隷にするほど奔放だが、誰も彼女には逆らえない。むしろ崇拝してしまうのだった。 ほとんどが無茶苦茶な内容で完全に度が過ぎてるのだが、それでも私が桂子さんのことを不快に感じることはなかった。それがなんでかっていうと最初の方でのエピソードでこんなのがあるからだ。 ライバルの策略によって自分の人気がなくなったと思い込んでショックを受けた桂子さんは「お天気お姉さんを辞めてお茶汲みでもするワ」と言い出す、しかしそれを聞いた高校時代から桂子さんと因縁の関係にある山岸君が心の中でこう思うのだ「”女っておもしろいこと考えるな”男が女を尊敬するのはこういう時だけだ 男のマネなんかしなくていいんだ 男の予想範疇で動かないでくれ…!」そして叫ぶのだった「きみは天下のお天気お姉さんなんだぞーーーーーッ」と。 こういうのって現代の価値観でいうとアウトなんだろうか?でもなんか私も山岸君と同じ気持ちになるんだよな。でもラストで2人がああいう関係になるのはよく分からなかった…。