完成された短編
ウシジマくんの前に描かれたブラックユーモアが多めの短編集です。良作が多く、作者の感性を読者に媚びずに描ききっているので、強いメッセージが原寸大で伝わってきます。
真鍋昌平の経歴を見てみると、四季賞の前に渋谷パルコのフリーペーパーが主催した漫画賞でしりあがり寿賞を受賞してるんですよね。え?なんでしりあがり寿?作風が全然違うじゃん!って違和感があったんですけど「青空のはてのはて」にその受賞作が収録されてて読んで納得しました。最初はしりあがり寿が好きそうな作風だったんですね。逆にいえば今の商業的に成功してる作品の根底にはこのアーティスティックな才能があるんだなと納得しました。この「青空のはてのはて」を読めば「闇金ウシジマくん」を描くに至るまでの道筋が見えてくるので、漫画は作品よりも作家を重視して読む方にオススメです。
個人的には「最後の居場所」という作品が一番好きです。絵柄も「青い春」の頃の松本大洋っぽくて自分好みだし、拾ったネズミがトラックに轢かれる描写とか見せ方もカッコいい。原点回帰みたいな感じでまたこういう漫画を描いてくれないかな。
『闇金ウシジマくん』の著者、待望の初作品集! 妄想癖のサラリーマンが遭遇する事件を描いた表題作をはじめ、ヤングマガジンにて集中連載された『暴力(バイオレンス)ポコペン』、アフタヌーン四季賞入賞作群(雑誌未掲載作含む)、そのほか文芸誌、同人誌などさまざまな媒体で発表された十四編を集成。著者による全作品コメントも収録。シリアスからギャグまで、希代の作家の真髄を味わえる圧倒的な一冊!
『闇金ウシジマくん』の著者、待望の初作品集! 妄想癖のサラリーマンが遭遇する事件を描いた表題作をはじめ、ヤングマガジンにて集中連載された『暴力(バイオレンス)ポコペン』、アフタヌーン四季賞入賞作群(雑誌未掲載作含む)、そのほか文芸誌、同人誌などさまざまな媒体で発表された十四編を集成。著者による全作品コメントも収録。シリアスからギャグまで、希代の作家の真髄を味わえる圧倒的な一冊!