かしこ2021/04/04やっぱり土田世紀いいなぁ各短編に作者のコメントがあるのがいいですね。前中後期それぞれの作品の要素が凝縮されているような気がするので、土田世紀を何から読んでいいか迷っている人はとりあえずこれから読んでみるのもいいのではないでしょうか。全1巻ですし。私は「HOT MOON」が一番好きでした。それについてのコメントもよかった。ここ最近読んだ漫画の中でダントツ「自分も頑張ろう」って励まされた。土田世紀短編集 ノーサンキューノーサンキュー土田世紀
かしこ2021/04/03漫画家・高野雀さんも憧れる才野!普段どんなことを考えて生きてたらこんな漫画を描けるようになるんだろう。同人誌で発表された作品が主なので万人向けな話ではないし、自分の理解も全く追い付いてないと思うのですが、傑作なのは間違いないです。雪国生まれの青年が東京の蕎麦屋で働く女の子に恋をする「タグレッツ」、ボケちゃった元高校球児のおじいちゃんを見守る「アルプススタンド」は割と分かりやすい話でした。芸術家が宇宙に行く「ママール・フ・モモール、なりに」は難しかったです。しかし難解でもこれが一番の傑作です。それだけは分かる!各作品に解説も付いているので、何度も読み返して理解を深めようと思います。関根美有傑作選 はびこる愛関根美有1わかる
かしこ2021/03/30私が初めて読んだ近藤ようこ先生の作品表紙がすごくカッコよかったので手に取りました。内容は坂口安吾の小説をコミカライズしたものになります。原作小説が発表された当時はGHQから大幅に検閲された影響もあって評価はあまり高くなかったそうですが、近藤ようこ先生は2001年に講談社文芸文庫から出版されたGHQ無削除版を元に漫画にされているのでパンチがすごいです。まず「夜の空襲はすばらしい」から始まります。 戦時中にどうせ日本は負けるんだと思いながら生きていた男女がいて、二人は夫婦同然に暮らしてるんだけど、戦争が終わったらこの関係も終わるんだろうってお互いに心の中では思っている。女は貞操観念にダラしなくて、でも不感症で、男は全部を知っていて一緒にいたけど、戦争が終わりを迎えて…という話です。 読んでいて理解はしていると思うんですが言葉にするのが難しいですね。改めて読み返してみたら、あとがきに「青林工藝社に漫画化のアイディアを承諾してもらってから完成までに6、7年かかっている」と書かれていたのに驚きました。でも、こんなにすごいものはそれ程の年月がかかって当然だと思います。戦争と一人の女近藤ようこ 坂口安吾
かしこ2021/03/29モノローグが切なくて胸が苦しくなるけど最高ヒモ男に捨てられたイラストレータの塔子、塔子とルームシェアしてる普通のOLちひろ、自由人のフリーター里子、学生の頃からの男友達に今も片思いしてるデリヘル嬢の秋代。4人の「どこにでもいるような」女の子達のお話です。 塔子、ちひろ、秋代は色んなストレスを抱え込んじゃってて、ハッキリ言って病んでます。でもそんな彼女達のことをどこか他人事とは思えないんですよね…。フリータの里子だけは割と心が平和なんです。朝寝坊して公園を散歩しただけの何も起きない一日でも幸せだと言える里子がいるから、他の3人のエピソードも暗い気持ちになり過ぎないで読めました。でも最終的にはちゃんと闇から抜け出してると思うんだよなぁ〜。単純なハッピーエンドではないけれど。strawberry shortcakes魚喃キリコ1わかる
かしこ2021/03/28永島慎二先生公認?パロディ永島慎二先生の「漫画家残酷物語」を読まれたことがある方はぜひこちらもお読み下さい。第1話は登場人物もストーリー展開もそっくりなパロディ作品です。かなり下ネタが多いですが、クオリティーが高くて感動しました!第2話からは永島先生風のキャラクターが登場するオリジナルストーリーになっています。なぜかオチが日野日出志のパロディになっていたり、新トキワ荘を名乗る若者達が登場したりして面白かったです。唐沢なおき先生の元版と新版のあとがきと、評論家の呉智英さんの作品解説も読み応えがありました。漫画家超残酷物語 青春増補版唐沢なをき1わかる
かしこ2021/03/28これこそが真の漫画家マンガかもしれない「東京ヒゴロ」を思い出しながら読みました。松本大洋先生って永島慎二先生お好きなんでしょうか?それとも漫画家はみんな「漫画家残酷物語」が好きなのかな。 どの話にも漫画家が登場するオムニバスになっていますが、最近の漫画家マンガとはちょっと違います。唐沢なおき先生のパロディ「漫画家超残酷物語 青春増補版」に収録されていた評論家の呉智英さんの作品解説を読んでてピンと来た言葉がありました。それは『マンガの業』という言葉です。描ける描けないじゃなくて、生きると漫画が一緒になってるみたいな話なんですよね。 「東京ヒゴロ」を読んだら「漫画家残酷物語」を読んでみて欲しいです。出来れば「漫画家超残酷物語 青春増補版」も読んでもらうと超楽しいと思います。漫画家残酷物語永島慎二1わかる
かしこ2021/03/27土田世紀は熱心な宮本輝ファンだったそう文藝春秋が発行していた「コミックビンゴ」という雑誌で連載されていたらしいです。原作は宮本輝の同名小説。土田世紀は熱心な宮本ファンだったそう。 【あらすじ】普通の大学生だった主人公は父親が急死したことで、いきなり借金取りに追われる生活を送ることになる。まだ電気も通っていない夜逃げ先のアパートで帽子をかけようと柱に釘を打ったところ、偶然にもトカゲを刺してしまう。しかしトカゲは生きていた。こうして釘が刺さったままのトカゲを飼育しながら、借金取りに追われ八方塞がりになっている自分を重ねて生活していく…。 宮本輝の小説は「錦繍」を読んだことがあるんですが、どんな内容だったか忘れてしまいました。映画監督の是枝裕和のデビュー作も宮本輝原作の「幻の光」で、これも観たんですが忘れちゃいましたね(主演の江角マキコがよかったことだけは覚えてます)…。久々に宮本輝作品に触れて「そういえばこういう作風だったなぁ」と何となく思い出しました。普通のコミック雑誌だったら物足りない連載になっていたかもしれないけど、文藝春秋の雑誌だし、土田世紀との相性はとてもいいです。 「生き方は死に方なんやと…」と言いながら借金を残した父親がものすごい形相で死んでいくんですが、もっとすごい死顔の人も出てくるのでギョッとしてしまいました。ちょっと笑えるくらいすごかったです。春の夢土田世紀 宮本輝
かしこ2021/03/25私の「思い出せないマンガ」はこれだった!マンバには「思い出せないマンガ」を探してる方がたくさんいますが、そういえば私にもそういう漫画あるな〜と最初に思い出したのがこの作品でした。たぶん小学生の時にネットで試し読みをしたんだと思うんですけど、「少女漫画」「誉ちゃん」「メイド服」の記憶があったので、検索したらすぐヒットしました。えっ!『山田太郎ものがたり』の森永あい先生の作品だったのか…!どおりで20年前に数ページしか読んでないのに強烈なインパクトが残っていた訳だ。そして森永あい先生が2019年に亡くなられたと知ってショックでした。 『まにあってます!』はイケメン三兄弟の家に借金のカタとして誉ちゃんがやって来て平和な暮らしをめちゃくちゃにしていくコメディーです。家の中では雇われの身としてメイド服を着て家事をするのですが、コロッケを揚げたら家を燃やすなど散々な出来です。でも三兄弟が通っている私立の名門校の編入試験に満点合格するし、去年まで男子校だったから女の子は一人だけっていう逆ハーレム状態で、むしろ誉ちゃん無双な漫画だったりします。イケメンを天然ドジっ子がブンブン振り回すTHE漫画なマンガで面白かったです。また読めて嬉しかったなー。まにあってます!森永あい5わかる
かしこ2021/03/24実は漫画家マンガです楠本まき先生って作家性が強くて難解な作品を描いてそう…というイメージがあったのですが、エッセイ漫画「A国生活」を読んでから印象が変わりました。思ってたより読みやすくて、でもセンスがあってユニークな作家さんなんだと。 この作品は「赤白つるばみ」のスピンオフらしいのですが、これだけ単体で読んでも内容を理解するのに問題ありませんでした。色々と話題になったジェンダーバイアスについてのセリフがある作品ですが、全編通して読んでみると漫画家マンガとして面白かったです! 美大生のノエル子さんは少女漫画誌ガーマレットで新人漫画家としてデビューしますが、編集者からは読者が共感してキュンキュンするような漫画を描いてくれと言われてしまい、自分の作家性との違いに悩みます。そんな時に大ファンの谷崎真珠先生のアシスタントをしに行くことになり、谷崎先生はどんなことを思いながらガーマレットで連載しているのかを聞くことになります。 ノエル子さんも谷崎先生も楠本まき先生ご自身がモデルになっているところが多分にある気がします。マーガレットでデビューされて今もココハナで活躍されている楠本先生のまんが道のような側面もある漫画です。ぜひ気軽に読んでみて下さい!赤白つるばみ・裏/火星は錆でできていて赤いのだ楠本まき1わかる
かしこ2021/03/23幸せになれそうな優しい世界観2010年にYOUで連載されていたものなので最近の作品ですね。私はりぼんっ子だったのですが陸奥A子さんの作品を読んだことがなかったので、いつか読まねばとずっと思っていました(それなのにりぼんで連載してた作品じゃないけど…)。 この「花かご便」という作品は、素敵なアレンジメントをしてくれるお花屋さんとそこへやって来るお客さんのオムニバス漫画です。両親が離婚した小学校3年生の女の子の話が印象的でした。「でも本当はずっと心の中に雨が降っているみたい」と言うんです…。登場人物にはそれぞれの事情がありますが、花束には受け取った人が幸せになれるよう願いが込められているので、どの話も世界観が優しかったです。花かご便陸奥A子2わかる
かしこ2021/03/21初めて読みました!第一印象は「遊ってママレードに似てる。ほんとはすっごく苦いとこあるのに、みんなうわべの甘さにだまされて気づいてないの。ママレード・ボーイ!ね、ピッタリでしょ?!」だったけど、一緒に過ごしてるうちに好きになっていって「だって遊はかんじんな時はすごく優しかったもの。クールなふりしてるけど、ほんとはすごく優しい、思いやりのある人だもの…」に変わっていくんですね。タイトルの「ママレード・ボーイ」にはこんな意味があったんだなと今更ながら気づきました。 実写映画を観たことはないんですが、どうしても遊が吉沢亮に見えてくるので自分でもびっくりしました。遊って男の子キャラだけど下まつげがあるんですよね。現実にそれを再現できる人が登場するなんてすごいな。やっぱり映画も観てみようかな。ママレード・ボーイ吉住渉2わかる
かしこ2021/03/20グレゴリ青山の最新エッセイグレゴリ青山さん。お名前はよく見かけていた作家さんでしたが、ちゃんと作品を読んだのは初めてでした。めっちゃくちゃ面白い人ですね!京都にお住いのようですが、大阪の古書店で働かれた経験があったり、元バックパッカーだったり、猫・手芸・フィギアスケートがお好きだったり、多趣味で物知りで面白い人だなぁ〜。琵琶湖一周ぶらり旅はマネしてたいです。これからグレゴリさんのエッセイを読み漁っていこうと思います。今まで何で読まなかったんだろう…?グレさんぽ ~猫とかキモノとか京都とか~グレゴリ青山
かしこ2021/03/20ラスト3編が特に面白かった!小学館から出てる本だけど色んなとこで掲載された短編が収録されてるんですね。描かれた順番に収録されてる訳でもないんですがラスト3編が特に好きでした。アパートの隣の部屋にバラバラ殺人事件の犯人が住んでた漫画家と編集者が会話する話、古本に挟まっていた写真に写っていたお尻にアザがある女の人を探す話、自分がどうして幽霊になってしまったのか分からない男に取り憑かれちゃう話、この3つです。途中の小ネタには笑わずにいられないしオチもよかった。太田基之 傑作短編集太田基之
かしこ2021/03/19トキメキが欲しかったので読みました!トキメキ…トキメキが欲しい…しかも純粋で上質なやつ…こういう時は何を読めばいいんだ…そうだ!吉住渉先生だ!ということで読んでみました「ママレード・ボーイ little」。実は前作の「ママレード・ボーイ」は昔アニメを観ていた記憶があるくらいで未読なんですけど、なるべく最近の作品が読みたいなと思ったので読んじゃいました。もちろん前作を読んでいた方が楽しいのは間違いないですが、あの複雑な家庭事情を知ってれば読んでいて困ることはなかったです。 今作は「ママレード・ボーイ」の主人公カップルの両親ズにそれぞれに産まれた女の子と男の子が主役になります。2人は同じ家で姉弟のように育ったけど血は繋がっていないので、あとはご想像どおりの展開に…♡という感じです。すっっっっごくキュンキュンしました。中学生の恋愛にこんなにキュンキュンして自分は大丈夫なのか?!と心配になるくらいでしたが、求めていたトキメキを得られたので大満足です。順番が逆になってしまいましたがこれから「ママレ」を読もうと思います!ママレード・ボーイ little吉住渉3わかる
かしこ2021/03/18ラストの演奏シーンが神がかってるラストのたった2日間の演奏会の為に3巻分の物語がある訳ですが、このラストがマジで神がかっていて腰抜かしました。正直に言うとそこに到るまでのストーリー展開は「神童」の方が面白いな〜という気持ちで読んでいたし、音楽の天才っていうキャラクターもジジイの指揮者より女の子のピアニストの方がやっぱり華があるよな…と思っていたのです。でもラストの演奏シーンは「神童」を超えてましたね。もうジジイなんて呼べない。彼は正真正銘のマエストロです…!さそうあきら先生の描く音楽シーンは本当にすごいなぁ。読んでて興奮しました。マエストロさそうあきら3わかる
かしこ2021/03/17「バッファロー5人娘」って未完なんだ…何も知らずに読み始めたらもうすぐクライマックスだ!っていう感じのところで終わってた。なんで未完なのか検索したらCUTiE Comicが休刊になったからと出てきた。しかも未完なので10年以上単行本化されなかったから、掲載された雑誌はネットでプレミアが付いていたらしい。いや〜そうなるよ…。 ちなみに発売された時にクラウドファンディングでオールカラーの豪華本も制作されていて、「バッファロー5人娘」の単行本化について安野先生がコメントをされていました。 https://camp-fire.jp/projects/534/activities/2767 たとえ未完だとしても作品を読んだら20代の安野モヨコが描いた名作を本の形にして残すことは大正解だなと思いました。バッファロー5人娘安野モヨコ
かしこ2021/03/14これがデビュー作!マジか!本当にデビュー作なのかと疑いたくなるくらいのクォリティー。こんなに完成されてデビューする人って中々いない気がします。すごく面白かったです。 主人公は触れると他人のすべてが視えてしまう女性・草野慧。とある宗教団体が彼女の力を利用して勢力を拡大していた一方で、政府もその力を手に入れようと画策していたが、彼女に接触する任務を任されたオジサン・駿河だけはその境遇に同情していた。そして宗教団体から逃げ出した主人公は政府からも追われていることを知らないまま放浪生活を始める…。 特に主人公が視えているシーンがすごかったです。何回でも読みたくなります。私はうっかりアクションコミックス版を買ってしまったのですが、2巻のラストに「3巻へつづく」とあったけど、3巻は発売されてないんですね…。ビームコミックスから出ている新装版も同じ内容なんでしょうか?そもそも未完なのかな…。でも完結してなくても読む価値ありました。面白かった〜。ミツバチのキス 新装版伊図透5わかる
かしこ2021/03/14河井克夫さんって文章を漫画にするのが上手いんだなぁこれまでそんなこと気づかずに読んでしまっていたなぁ…。久生十蘭という小説家のことも初めて知りましたが、江戸川乱歩とか横溝正史がデビューした雑誌で活躍していたそうです。本当は色んなジャンルの小説を書いているらしいですが、漫画化された「予言」はそういう感じのストーリーでした。久生十蘭漫画集河井克夫
かしこ2021/03/12エリート銀行員の加賀谷次長に育成されたい男子達最近のエレガンスイブの漫画って(「凪のお暇」とか「10年シてないスダチさん」とか…)どれも面白いよな〜と思ってこちらも読んでみました! みどり銀行まちなか支店に勤めている加賀谷次長は、生まれつき備わっていたかのようにスマートな人心掌握術の持ち主。上司や部下のハートをガッツリ掴んでいるので、彼のことを嫌いな人なんて一人もいません。正直モテモテです。しかし彼は心の中でこう思っています「女性を口説くより誰かを育てる方がずっと楽しい」と。 そうです。この漫画はやる気が空回りしている若手社員や、親の借金で卑屈になっていた苦学生を、エリート銀行員の加賀谷次長が育成する漫画です。しかし育てられる側はどちらも恋愛感情を持っちゃうし、加賀谷次長も思わせぶりな態度を取ったりします。なかなかハッキリしない感じが長かったですが、2巻のラストで思いっきり加賀谷次長のことを抱きしめたので確信しました。これはBLです。 作者の小山田容子さんの他の作品も銀行が舞台になっているものばかりだったので調べてみたら、金融機関で10数年間勤務されていた経験があるんだそうです。どうりで銀行員の業務の描写がリアルな訳だ!お仕事マンガとしてもオススメです。加賀谷次長、狙われてます!小山田容子
かしこ2021/03/11一人で二合を平らげる!白米大好き主人公!一人で二合を食べるといっても主人公は別に大食い女子な訳ではありません。米どころの新潟で生まれ育ったので白米が大好きなだけなんです。そして社会人になった今もその情熱は変わりません。朝は必ず起きてから米を研ぎ、炊き立てのご飯を食べてから出勤します。 気になるご飯のお供は漬け物、明太子、海苔などのTHE定番はもちろん。純胡椒とか天仁(梅干しの中の種)のような珍しいものもあります。でも一番はやっぱり主人公の白米に対する情熱ですね。仕事を頑張った自分へのご褒美におひつを買うなんて…米が好き過ぎる!!でもおひつに入れたご飯は冷えても美味しそう〜。読むと釣られて白米が食べたくなること間違いなしです!白米礼賛にしだかな
かしこ2021/03/11日本と西洋の妖怪による異文化交流!!海外に住んでいる漫画家さんのエッセイが好きだと書き込んだ時にオススメして頂いた「とつげきドイツぐらし!」を先に読んでいたので、白乃雪先生がドイツを舞台に漫画を描かれていると知ってトキメキました! 絵本作家を目指して留学したコテツに付いて(憑いて?)座敷わらしの花緒もドイツにやって来ます。グリム童話が生まれた地であるドイツには古くから物の怪がたくさんいてコテツにとって創作の刺激になっていますが、取り憑かれやすい体質なので花緒が守ってあげるというお話です。 日本の妖怪である花緒が西洋の妖怪と出会って異文化交流するのがとても面白いです!!コテツは色んな国の人とシェアハウスで暮らしているのですが、同居人達も自分の出身国の物の怪を連れて(憑いて?)きてしまっていて、登場するのがドイツの妖怪に限らないところがまたいいです。現代ですね〜。 個人的には花緒がおじゃる丸みたいで可愛いなと思ってます。癒される…。あやかしメルヒェン白乃雪1わかる
かしこ2021/03/08「龍宮殿」読んでみた松永豊和の漫画を初めて読みました。恥ずかしながら最近まで存在を知らなかったのですが、マンバの書き込みでバクネヤングが面白いというのを見かけて気になりました。先に手に入ったのが龍宮殿だったのでこちらから読んでみた次第です。失礼になっちゃうけど…知識も期待もゼロの状態で読んだので、読み進めていくごとに「お、思っていたより面白いぞ…!」となりました。傑作というにはあと少し何か物足りないような気がしますが、また読みたい作品であるのは間違いないです。 タイトルと表紙で「あ〜男の子が竜宮城に行くんだろうな」というのは分かっていましたが、深海の遊郭「龍宮殿」ではメスは人間の姿で産まれるけど、オスは頭が魚の形をしている魚人の姿で産まれて、ある事情でオスは産まれたらすぐに殺されることになっている…という事が判明してから一気に面白くなりました。ちなみに主人公兄弟がうさぎの着ぐるみを着てますがストーリーとあまり関係なかったです。 作者さんがホームページで公開してくださってるので、次は「パペラキュウ」を読んでみようかな。自伝小説?「邪宗まんが道」も気になったので早速kindleもダウンロードしました。龍宮殿松永豊和
かしこ2021/03/06一条ゆかり先生にとってのプロフェッショナルとは子供の頃に有閑倶楽部を読んで育ったので一条ゆかり先生が大好きです。大人になってから他の作品も読み始めましたがどれを読んでも面白いし、自分がどれだけ一条ゆかり節に影響されていたか分かりました。 プライドはオペラの話です。生れながら環境と才能に恵まれてプライドが高い主人公と、貧乏育ちでプライドを捨ててでものし上がろうとするライバルが、戦いながら世界的に活躍するオペラ歌手になることを目指します。てっきり一条先生がお好きだからこの題材を選ばれたのかと思っていましたが着想段階では知識ゼロだったそうです。しかも途中でアナログ作画からデジタル作画に移行されたそうですが言われないと気づかないくらい完成度が高いです!これには本当に驚きました! 読むことで一条先生が考える「プロとして仕事をするってどういうことか」と「自分のプライドの正しい磨き方」を教えてもらえます。普通の人に同じような話をされても何も響かないと思うんですけど、やっぱり言葉の重みが違いますね。プライド一条ゆかり4わかる
かしこ2021/03/06ヴェルサイユ宮殿×惣領冬実漫勉neoで「チェーザレ 破壊の創造者」の制作現場に密着されていた時も思いましたが、惣領冬実先生の描き込みはすごいですね。ちなみに今作はヴェルサイユ宮殿が取材や資料提供の協力、衣装・建築・王宮儀礼の監修されてるそうで、本物の臨場感があります。多くの日本人が持っているマリー・アントワネット像はベルばらが基になっていると思いますが、これを読むとイメージが変わるかもしれません。特にルイ16世が長身のイケメンだったのには驚きました。2人のやり取りが少女漫画のようにキュンとして微笑ましかったので、物語はフランス革命が起こるよりずっと前で終わりますが物足りなさはありませんでした。漫勉neoで「海外の人が評価してくれるのがモチベーションになってる」とおっしゃられてましたが、こんな傑作を描いてくれたらフランス人も嬉しいに決まってるよ…!マリー・アントワネット惣領冬実