本当にデビュー作なのかと疑いたくなるくらいのクォリティー。こんなに完成されてデビューする人って中々いない気がします。すごく面白かったです。

主人公は触れると他人のすべてが視えてしまう女性・草野慧。とある宗教団体が彼女の力を利用して勢力を拡大していた一方で、政府もその力を手に入れようと画策していたが、彼女に接触する任務を任されたオジサン・駿河だけはその境遇に同情していた。そして宗教団体から逃げ出した主人公は政府からも追われていることを知らないまま放浪生活を始める…。

特に主人公が視えているシーンがすごかったです。何回でも読みたくなります。私はうっかりアクションコミックス版を買ってしまったのですが、2巻のラストに「3巻へつづく」とあったけど、3巻は発売されてないんですね…。ビームコミックスから出ている新装版も同じ内容なんでしょうか?そもそも未完なのかな…。でも完結してなくても読む価値ありました。面白かった〜。

読みたい

ビームコミックスの新装版も同じところで終わっています...

単行本未収録があるから新装版が出たのかなと思ったんですけど違うんですもんね…。

作者さんの頭の中には続きがありそうな気がしますけどねぇ…。アクションでも今も漫画を描いたりするから仲が悪くなったわけじゃないし、なんかこだわりがあって描けなくなってしまったのかな。

銃座のウルナとおんさのひびきは前に読んだことがあったんですけど、ミツバチのキスを読んでようやく伊図透のすごさが分かったような気がします…!

2009年6月まで「ミツバチのキス」を連載していて2009年8月から「おんさのひびき」の連載開始なので未収録があるとしてもそんなに多くはなさそうとは思っています。

ビームコミックス版はアクションコミックス版を底本としていると書いてありました。

この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもあえて女性のリアルな部分を描きすぎない選択をしたのは、原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

野球で話せ

漫画で話せ

野球で話せ
かしこ
かしこ

何を隠そう私も自分の描いた漫画を第11回青年漫画賞に応募していたのです。とはいえ私は記念受験のようなものなので箸にも棒にもかからないのですが…それでも言わせて下さい、私のライバルって中原とほるだったのかよ!!と。いや〜でもこれは完敗です。だって全編を通して「漫画を描くのが楽しい」って感じだったじゃないですか。働きながら漫画を描くのは大変です。やりたいことがあるのは幸せだけど、休みの日なんかに一人で引きこもってコツコツ描いてると「誰にも求められてないものをこんなに一生懸命やって何になる?」と虚しくなります。それよりも情けないのは描きたいから描くのではなく「漫画家になりたいから描いている」という気持ちのブレが起きてしまうことです。それでは本末転倒なのです。だからこそ作中で叔父さんが言っていた『表現を続けなさい』というセリフに胸を打たれて勇気づけられました。それは連載デビューを経験された後も医師として働きながら投稿を続けられたご自身に対しての言葉なのかもしれませんが、私もこんな風に漫画と向き合いたいと思わされる姿でした。いつか私の漫画を中原さんに読んでもらいたい。漫画で話したいです!

ダイヤモンドの功罪

最新話で綾瀬川が覚醒したぞ!!

ダイヤモンドの功罪
かしこ
かしこ

最新話でついに!綾が覚醒をしましたね!エヴァで言うところの覚醒と同じ意味なので心配ではありますが、これから益々タイトル通りの「功罪」っぷりを発揮してくれることでしょう。 ということで単行本を読み返してみました。運動神経だけではなく、身体能力、そして頭脳と、スポーツをする為の全てに恵まれた小学5年生の綾瀬川。U12の日本代表でもエースに選ばれ、他の代表選手からも「俺の世代にはずっとコイツがいるんだ…」と恐れられる程の逸材っぷり。しかし綾瀬川の本心は只々みんなと楽しく野球がしたいだけ。そう、綾本人も自分の才能に傷ついているのです。でも誰もそれを知らない。いてもイガくらいかな? 私は野球に関して全くの無知なんですがそれでもハマるのは、これが「才能」の話だから。やはり圧倒的な才能は人を翻弄するんですよ!!恐ろしやです。 日本代表の並木監督があのまま綾の面倒を見てくれたらよかったけど、このまま足立フェニックスで限界まで投げ続けたらプロになる前に選手生命が絶たれそうで心配ですね。ストーリーの冒頭で何回か高校球児になった綾が出てくるけど「この試合で壊れてもいい…!」と言ってたのが気になる。それがどういう意味なのか。やけっぱちなんだろうか。今のところ理解者になりそうな人が大和しかいないけど、東京と大阪で距離もあるし、大和もプレイヤーになりたそうだし、どうなっちゃうんだろう…。 将来は大谷さんのようになってくれたらいいのにな〜と思うのも綾にとっては大きなお世話なんだよね。とにかくハッピーエンドであってくれ!!と願いながら読んでます。

みつばちのきすしんそうばん
ミツバチのキス 新装版 1
ミツバチのキス 新装版 2
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犬釘を撃て!

犬釘を撃て!

エリオットは、盗難・破壊されたレールを施設及び保線する車両「エストリャル・フガス号」を取り仕切る男・ケニティの不正について調査することに。はみだし者たちに紛れ作業員として潜入したエリオットが目の当たりにしたのは、あまりに過酷な作業環境と、その現場をギリギリのところで捌くケニティの姿だった……。大陸を渡す唯一の遠距離移動手段である“鉄道”と、そこに関わる男達の壮絶なアクションドラマを、『銃座のウルナ』の伊図透が渾身の筆致で描き出す!

化外の地

化外の地

「聖鉄軌協定」それはルウス大陸における唯一の遠距離移動手段たる鉄道、そのレール(鉄軌)を盗んだり破壊することはいかなる理由によっても許されないことを取り決めた協定である――。そこへ現れた男の仕事は、犯罪はびこる中での“鉄軌”の保線。静けき情熱の大陸ドラマ、開幕!!

試し読み
オール・ザ・マーブルズ!

オール・ザ・マーブルズ!

女が野球をすることに、まだ世間があまり興味を示さなかった頃。リトルリーグで男子に交じりエースを務めるほどの圧倒的な才能を持った草吹恵と、女性離れした体力を誇るスラッガー結城愛。ふたりの“めぐみ”は、ともに大好きな白球を追って、青春のすべてをグラウンドに懸けることを誓う。その出逢いは、女性にとっての野球の未来を、世界を変えるほどの、大いなるストーリーの始まり。『銃座のウルナ』で第21回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した鬼才・伊図透が挑む、真っ向勝負のガールズ・ベースボール・ロマン、満を持してのスタート。※“(go for) all the marbles”は「いちかばちかやってみる」「すべてを懸ける」の意。月刊コミックビーム連載『全速力の。』改題

エイス Aiming for the ace

エイス Aiming for the ace

峠軌八(とうげ・きはち)は、偽装と盗聴を繰り返す悪徳白アリ駆除業者。身辺で怪しげな出来事が続いたある日、奨学金の財団・TGAスカラシップを名乗る美女・デュアが、彼の盗聴技術を利用しようと接触してくる。ある情報を得るため、やむを得ず協力することに決めた峠――、最初の調査対象はIQ160を持て余す少年だった。人は、理念に殉じて生きる事ができるか。虹の音が鳴り響く時、人々の選別が始まる。

伊図透作品集

伊図透作品集

第49回ちばてつや賞大賞受賞、第5回漫画アクション新人賞入賞を経て、『ミツバチのキス』『エイス』、そして『銃座のウルナ』(第21回文化庁メディア芸術祭[優秀賞]受賞)と、漫画シーンから熱い注目を浴びる意欲作を発表し続ける鬼才・伊図透。未発表作から最近作まで、その多彩な魅力に溢れた独創性豊かな作品群を一冊に編んだ、待望の初短編集。

銃座のウルナ

銃座のウルナ

彼女の名はウルナ・トロップ・ヨンク。遠い村から、辺境の地に赴任したスナイパー。彼女は、初めての戦場で、なにを知るのか…。第49回ちばてつや賞大賞受賞、第5回漫画アクション新人賞入賞を経て、『ミツバチのキス』『エイス』など、漫画シーンから熱い注目を浴びる意欲作を発表し続ける鬼才・伊図透が、そのすべての才能を込めて解き放つ、マージナルなイマジネーションに溢れたSF巨篇。新しい物語の始まりを“目撃”せよ!

おんさのひびき 新装版

おんさのひびき 新装版

母子家庭で暮らす順基、真っ直ぐな優等生少女マコ、そして、自らの“人生”を生きようとするエト。『銃座のウルナ』で第21回文化庁メディア芸術祭[優秀賞]を受賞した伊図透が、ライフワークとして描きつづける燦めきに溢れた青春シリーズ。描き下ろし作を加えた新装版!

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