かしこ2021/01/16鶴谷香央理の初期作品集メタモルフォーゼの縁側の最終巻でうららちゃんがコミティアに初参加するシーンを読んでからレミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015を読んだので、鶴谷香央理先生がコミティアで発表されていた作品「吹奏楽部の白井くん」も何だか普通に読むよりも感極まったような気がします。先生もあの場所にいらっしゃったんだなぁ…。 ちばてつや賞の準大賞を受賞された「おおきな台所」が商業誌デビュー作なのでしょうか。これぞ原点という感じはありますが、背景の生活感とか人物描写のリアリティは最近の作品と同じくらい巧みに表現されています。私にも年の近い妹がいるので自分の思い出を重ねながら読みました。 最後に収録されてる「ル・ネ」は、香水の調合師としてズバ抜けた才能を持ってるけど今はその道を選ぶことに気が進まないでいる女子高生が主人公のモーニングに掲載された読み切りです。ささやか過ぎて日常的には見逃しがちですが、この作品を読んで「匂いに感情が宿ることって確かにあるなぁ〜」と思いました。今からでも遅くないのでぜひ連載化して欲しいです。レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015鶴谷香央理2わかる
かしこ2021/01/16最終巻で泣いちゃった最終巻で市野井さんが自分が好きなBL作家さんに伝えた言葉を読んだ瞬間に目が開けられなくなりました…。我々読者が漫画家さんに言えることは「漫画を描いてくださってどうもありがとう」まさにこの一言だけです!!ギュッと目を閉じたまま涙が溢れてきて次のページもめくれないくらい泣いてしまいました。割りとすぐウルウルしてしまうタイプなので漫画を読んで泣くことはよくあるのですが、こんな泣き方をしたのは生まれて初めてでした。これが心に刺さるということなんでしょうか。 市野井さんとうららちゃんが年齢を超えてお友達になったきっかけが漫画なのがいいですよね。基本的に漫画って一人で考えて描いて一人で読むものだけど、だからこそ自分以外の誰かと好きを共有できた時の嬉しさが倍増する気がします。漫画は描くのも読むのも語り合うのも楽しいですね。連載当初からどんな最終回を迎えるのか不安だったのですが、タイトルの「メタモルフォーゼの縁側」にふさわしい素敵なラストでした。メタモルフォーゼの縁側鶴谷香央理12わかる
かしこ2021/01/09男性目線のパリエッセイかわかみじゅんこ先生のパリパリ伝説を読んでて「パリに住んでみたいな〜」と思ってたのですが、じゃんぽ〜る西先生のパリ愛してるぜ〜を読んで「やっぱ観光だけでいいや…」と思いました。割と取り上げてる内容も近いと思うんですけど、捉え方が違うと印象も変わってくるんでしょうね。私が夢を見すぎていたかもしれないので、じゃんぽ〜る西先生に現実を見せてもらえてよかったです。 日本人男性同士でビズをしたらどうなったかの話には笑ってしまいました(笑)パリ愛してるぜ~じゃんぽ~る西1わかる
かしこ2021/01/09地味な絶望感が面白かった表紙の宇宙人は一体何なんだと思ってたけどまさか主人公だとは!「いてもいなくてもいい比率が完全に完璧に半々になった人間が稀にこうなる」って、いらない存在だって言われるよりショックがでかいですよね…。ラストもかなり絶望度が高くて(だけど何となく笑えるところもあるし)単なるハッピーエンドよりもいいなと思いました。全2巻だし軽く読めそうだなと期待せずに読みましたが、かなり好きな作品でした!またバウムを焼ける日が来るといいですね…☆ゲレクシス古谷実1わかる
かしこ2021/01/03没入感が半端なかった一日中フリージアを読んでたら脳が疲れた…。でも途中でスーパーに行っても世界観が頭から離れなくて、現実でも敵討ち法が適用されている気がしながら夕飯を買ってました。一度読んだくらいじゃストーリーを把握できないけど、没入感は半端なかったです。主人公の叶ヒロシがすごくいいキャラクターだったから、幽霊殺しの時みたいなカッコいい戦闘シーンがもっと見たかったけど、そこはストーリーの本質ではないということなんでしょうね…。ケイコのこととオチには上手くハメられました。面白かったです!!フリージア松本次郎1わかる
かしこ2020/12/30サメマチオ結構好き「はつみ道楽」「三分間のアニミズム」を読んでサメマチオ作品が好きになり、全作を読もうとコツコツ集めています。今作の「サメマチオ随筆集 そういえば&といえば」は珍しく全編エッセイでした。今まで名前的に男性だと思っていましたが女性の方なんですね。あえてエッセイと言わず随筆集というところがサメマチオらしいです。特にお弁当にまつわる話が好き!ふと思い返して何度も読みたくなりそう。やっぱり漫画家さんって面白い人とかエピソードに出会うことが多いんだな。サメマチオ随筆集 そういえば&といえばサメマチオ
かしこ2020/12/26ネタバレ平成版「アイドルを探せ」「アイドルを探せ」の完結から10年後に描かれた続編ですが、あれから3年後という設定になっています。も〜う!さらに続編は無いの??と思うくらいよかったな。この漫画は登場人物がみんなイキイキしててキャラがいいから好きになっちゃうんですね〜。 あれからのチカちゃんは広告代理店で働いて3年目、岩田くんと交際して5年目と順調な日々を過ごしていました。心配になったのはカンロちゃんと浜さんカップル…!新人漫画家ながら連載を持つようになったカンロちゃんは過度なプレッシャーを抱えてしまい、浜さんとの同棲生活にも不満を持つようになってまうのです。なんとそこで妊娠が発覚して結局は浜さんの包容力でハッピーエンドとなるのですが、ここからチカちゃんと千明さんもオメデタであることが判明して主要キャラ3人が全員ママになる超ハッピー展開になります。でもそれが「アイドルを探せ」らしくてよいです!チカちゃんと永江くんの友人でも恋人でもない特別な関係ってこれからも続くのかな?それってなんか不思議じゃない?とも思わなくはないですがそれも永江くんらしいからいいか…。 続編って上手くいってない作品もありますがこちらはとっても面白かったです。吉田まゆみ先生すごいなと思いました。夜をぶっとばせ吉田まゆみ
かしこ2020/12/26変わらない絵柄とセンスアイドルを探せを読んですっかり吉田まゆみ先生に魅了されたので、今はどんな作品を描かれているのか調べてみところ、ちょうど1巻無料だったので読んでみました。原作が石田衣良さんなのと掲載誌が女性セブンということでエロティックなシーンもありますが、全然下品な感じもないし絵柄もセンスも変わらなくて素敵だなと思いました。これ以降は漫画を描かれていないのでしょうか…?眠れぬ真珠石田衣良 吉田まゆみ
かしこ2020/12/2680年代カルチャーと花の女子大生ライフ♡私は一応平成生まれなので80年代のカルチャーに疎いのですが(大江千里は名前だけ知ってる…くらいのレベル)、それでも面白かったのはやっぱりあの時代そのものに魅力があったのと、それを描き切ることが出来るパワーとセンスを持っている吉田まゆみ先生だからこそだと思いました。アイドルを探せを連載していた「mimi」という雑誌のことも初めて知りました。講談社から発行されてた10代後半の女性向けの漫画雑誌(主な連載作品はあさきゆめみしや白鳥麗子でございます!)で、アイドルを探せは当時大人気でドラマ化や映画化(ちなみに同時上映はLet’s豪徳寺!)もされたそうです。 「アイドルを探せ」といっても「私にとってのアイドルは誰?」という意味なので要は普通のラブコメなのですが、生まれも育ちも東京でオシャレな主人公のチカちゃんが風呂無しの木造アパートで一人暮らしするところとか、自分でも手が届きそうな夢の世界を見せてくれるので共感しちゃうんですよね。主人公は花野女子短大に入学したチカちゃんですが、漫画家志望のカンロちゃんとバスガイドをしている千明さんもアパートの入居者であり準主役です。ショートカットが可愛いチカちゃんはモテモテでいかにも主役って感じがいいのですが、地味でモテなかったカンロちゃんの恋が成就したことが何よりも嬉しかったです。番外編もカンロちゃんの話が一番好きでした。どうやら続編「夜をぶっとばせ」があるようなので、そちらも読んでみようと思います!アイドルを探せ吉田まゆみ1わかる
かしこ2020/12/18実は全120ページの短い作品読まねば…読まねば…と思いつつ未読だった名作「11人いる!」ですが、実は全部で120ページの短い作品だったんですね!なんと手に取りやすい。 舞台は宇宙大学受験での最終テスト。10人一組で宇宙船に乗り込み53日間、誰一人として欠けることなく生き延びること。しかし船の中には…11人いる!!という話。密室に招かれざる人物がいるなんてハラハラドキドキの最高にサスペンスな始まりで一気に引き込まれました。 他の方もクチコミを書かれていましたがフロルが可愛いですね。「続・11人いる!東の地平・西の永遠」、番外編「タダとフロルのスペースストリート」と可愛さがどんどん増していくのも見どころでした。11人いる!萩尾望都3わかる
かしこ2020/12/15文庫版の巻末にあ〜みんのコメントがあって感動した文庫版で読んでたら最後の最後に岡田あ〜みん先生のコメントがあってビックリしました。文庫版が発売されたのが1997年なので20年前のコメントになりますが、あ〜みんって編集者でもなかなか連絡が取れなくなっている作家さんというイメージがあるので…。そのコメントによるとりぼんコミックスも生原稿も実家に置いてあって手元にはないとありましたが、文章はあ〜みんそのままで何だかうるっとしてしまいました。りぼんで連載していた当時の気持ち、自分の作品のテーマについて、ありのまま語られていていました。 お父さんは心配症の中盤にビートルズ好きな新担当が登場するのですが、これってみーやんじゃないかな。新担当になってからお父さんが安井さんとお見合いをして展開が変わっていくのですが、今まで普通のかっこいいボーイフレンドだった北野くんがお父さん並みにヤバい人になっていくのが面白かったです。お父さんは心配症岡田あ~みん2わかる
かしこ2020/12/14池上遼一×山本英夫スペリオールでトリリオンゲームの連載が始まりましたが、そういえば池上遼一先生の異色コラボって他にもあったような、そうだ!山本英夫先生とのアダムとイブだ!あれ読みたかったんだ〜と思い出したので読んでみました。池上先生って何でも描いてくれるんですね。NGナシかよ!!山本先生としては「池上遼一とやるならこれぐらいやらないと面白くないだろ」っていう感じなんでしょうか。『明らかな凸と凹。』のシーンとか冷静になると「一体、私は何を見せられているんだ…?」と思えてこなくもないのですが、圧倒的な絵力によって「カッコいい!名シーンだ!」と思ってしまいました。どちらの作風も活かされてて面白かったです。対談とかしてないんだろうか?アダムとイブ池上遼一 山本英夫2わかる
かしこ2020/12/13続編があったんだ!文字通り数寄です!の続編になります。数寄屋に住み始めた話、茶室に合う掛け軸を自分で作ろうと思い立った話、ご両親と家にまつわる話など、続編も盛りだくさんでした。現代人が数寄屋に住むことの意外な問題点も面白かったですが、ご両親についての話が心に残りました。柳沢教授のモデルになったお父様はエピソードの宝庫なのですが、お母様の話では泣きそうになってしまいました。 数寄です!ではモーニングの編集長が「100本映画観ないと次の打ち合わせしないから」と言っていましたが(厳しいですね…!)、続 数寄です!では新作のネームを描かれていました。これがランドだったんですね。そういえば漫勉に出演された時のご自宅って数寄屋でしたね。当時は立派な家だな〜としか思ってませんでした…。続 数寄です!山下和美
かしこ2020/12/11今さら読んでないと言えなかった名作なのに読んでない漫画が自分にはたくさんあるのですが、中でも「寄生獣」がそうで、今さら読んでないと言えない漫画の第一位だったのですが、もう読み終わりましたので一安心です。ずっとミギーだけで会話を乗り切ってきましたが、これからはパラサイトとか田宮良子とか言ってやろうと思います。 読むのが遅かったので、偶然にも「骨の音」「風子のいる店」「寄生獣」の順番で読んだのですが、「寄生獣」がズバ抜けて面白いとは思いませんでした。完全版に収録されてた岩明均先生のコメントを読むと「自分には登場人物よりも出来事をベースにしたストーリーが合っていた」とあったので、その違いはあるかもしれません。あくまで個人的な意見ですが…。寄生獣岩明均4わかる
かしこ2020/12/09学級文庫にオススメされていたのでマンバのオンライン読書会で学級文庫にオススメの漫画として紹介されていたのがきっかけで読んでみました。 主人公の長見良くんは中学生ながらマジシャンとして超一流の腕を持っていますが、難読症(ディスレクシア)で読み書きが苦手な為に学校生活や両親との関係が上手くいかずにいました。良くんのマジックの師匠の孫である北條と出会ってからは本格的にプロのマジシャンとして見出されるようになりましたが、才能を活かすのも簡単なことではなく、様々な問題と向き合いながら成長していく物語です。 世界で活躍するにはメディアに出るべきということで途中から芸能界入りをしますが、良くんが抱えている悩みは普通の中学生だった自分と重なるところがあったりして勇気づけられものがありました。社会にはいい大人ばかりいる訳じゃないというのも勉強になりますね。実際にマジックを観に行ってみたいと思ったし、難読症について学んだことがたくさんありました。ラストも素敵です。 大人になってから読んでも面白いですが、良くんと同じ年齢くらいの子にオススメしたくなる作品ですね。ぜひ感想を聞いてみたいです。ファンタジウム杉本亜未5わかる
かしこ2020/11/29胸糞悪いの一言で片付けられないものが確かにある一緒に「えれほん」も読んだのですが面白いけど内容が難しくて脳が理解するのを拒否したので、読んだらとにかく何かを考えずにはいられなくなる「一匹と九十九匹と」の方が自分には合ってると思いました。 重い話なのは間違いないです。一巻は一話完結の短編が多いのですが、二巻は一冊で一話になっています。特に重いのは二巻ですね…。ヒミズのラストが延々続くような重さ…。しかも暴力的シーンがかなりあるので無理な人も多いかも。一巻を読んでみて大丈夫だったら二巻も読んでみるのをオススメします。 タイトルの「一匹と九十九匹と」は聖書が元になっているようですね。一巻の最初のページにも(百匹の羊を飼っていたとして、そのうちの一匹がなくなったら、残りの九十九匹を置いて、いなくなった一匹を探さないだろうか)という内容の一節が引用されていました。 どの話にも共通して世の中と交われない外れ者の一人が登場しましたが、彼らに対して自分がどう思ったのか、しばらく考える日々が続きそうです。一匹と九十九匹とうめざわしゅん1わかる
かしこ2020/11/28Instagramでも人気の鴨居さんちのマルティくん「にれこスケッチ」をきっかけに鴨居まさね先生のファンになりました。ねこねこ横丁で猫エッセイマンガを連載していたことは知っていたのですが、先生が猫のマルティくんメインのInstagramをされていて、フォロワーさんが一万人いることは知りませんでした…!先生ネコスタグラマーだったんですね!!そしてマルティくん大人気!!すごい!! マルティくんはスコティッシュフォールドの男の子ですが、よく犬に間違えられるらしいです。鴨居先生と一日でも離れると不安になっちゃうくらい甘えん坊で、先生も目に入れても痛くないほど溺愛されています。現在14歳を超えて高齢になったマルティくんのお世話は心配なことも多いようですが、先生が愛情と責任をもってお世話されてるからマルティちゃんも幸せそうです。鴨居家のマルちんは猫です鴨居まさね
かしこ2020/11/27清原なつの先生の猫マンガであり自伝マンガでもある金沢大学の薬学部に通いながら少女マンガにSFを描いていた清原なつの先生。『じゃあまたね 完全版』は、編集者さんからの「猫のマンガ描きませんか?」という提案をきっかけに描かれたそうで、猫のタイガーを飼い始めた少女時代からタイガーが亡くなる大学卒業までを回想した自伝マンガになっています。 読んでみてオリジナリティに溢れた作品がどうして生み出されたのか少しだけ分かったような気がしました。りぼんでデビューしたのが偶然だったのには驚いたし、ペンネームにまつわるエピソードも面白かったです。就職ではなくマンガ家を専業に選ばれた理由も先生らしいと思いました。 大学生の頃にはすでに花岡ちゃんシリーズも描き始めていたそうで、これから先の清原なつの先生のまんが道も知りたい!というのが正直なところですが、タイガーが亡くなってから40年ペットロスだと語られていたので、これはこれで完結するべき作品なのでしょう。でも気が向いたらぜひ続きを描いてくださいね! ちなみに紙版の単行本には収めきれなかった複数のエピソードが電子版には収録されています。なので電子版はタイトルが『完全版』となっています。じゃあまたね 完全版清原なつの1わかる
かしこ2020/11/265年ぶりの単行本!ドゥフフ!みちくさ日記の続編になります。 内容としては下北沢のカレー屋や学童でバイトしながら、トーチwebに漫画の持ち込みをして、初連載作のみちくさ日記が完結して単行本なり、そして続編のよりみち日記を描くことになるまでのお話です。 下北沢ってオシャレだから人気なんじゃなくて、本当にいい街なんだって初めて分かりました。やっぱり道草晴子さんのはただのエッセイ漫画じゃないですね! ちなみに今はよりみち日記2を連載中のようです!よりみち日記道草晴子2わかる
かしこ2020/11/22松方弘子28歳 週刊誌編集(元巨乳)仕事うんぬんの話はもちろんだけど人物設定のセンスが好き。主人公の名前も松方弘樹からネーミングしたんだろうな〜って感じさせるところにクスッと笑えるし、男勝りなところがピッタリ!って思う。わざわざ自己紹介で〈元巨乳〉って入れるところとか、イソフラボンを摂取する為にいつも納豆巻き食べてるところとか、リアルにいそうな人物像ながら漫画のキャラ設定としてガッチリ立ってる。まさに匠の技。 今回久しぶりに読み返して奥付を見たら15年前の作品なんだって驚いたけど、まったくそんなこと気づかなかった。まだまだ今を感じる作品だった。いつまでも待ってるから連載再開してほしい。後ハッピーマニアみたいに続編という形でもいいから。私は松方弘子が編集長になるのを見届けるまで死ねません!!あと出来れば菅原さんがカッコいいので2人に付き合ってほしいです。よろしくお願いします。働きマン安野モヨコ
かしこ2020/11/22「ぼくの地球を守って」のシリーズ第3章『ぼくの地球を守って』『ボクを包む月の光-ぼく地球(タマ)次世代編-』の続編になります。現在も雑誌MELODYで連載中です。『ボクを包む月の光』よりも『ぼく地球』の世界観が戻ってきたような気がしました。前世の記憶を持つ7人も活躍しますし、絵柄にもあの頃に近い雰囲気を感じる時があります。 単行本ではまだ6巻しか発売されていませんが、謎の少女が現れて「大母星が消滅したのはキチェスのせいだ」と言い始め月基地を欲しがり、輪たちが東京タワーの秘密装置にキィ・ワードを入力しようとする展開にワクワクしています。同時進行で蓮くんと妹の地球子(ちまこ)ちゃんにも前世があり、それがある重要人物だったことも判明しました。これまでの『ぼく地球』の登場人物が全員集合する壮大なストーリーになりそうですが、今回の主役は間違いなく蓮くんですね。ぼくは地球と歌う 「ぼく地球」次世代編II日渡早紀
かしこ2020/11/22「ぼくの地球を守って」から16年後の物語元々は『ぼくの地球を守って』を長年愛読してくださってるファンの方々へのお礼として読み切りのつもりで描かれたそうです。完結から約10年を経ての続編になるので絵柄はだいぶ違います。かなり現代風です。最初は亜梨子と輪の息子である蓮くんの成長物語なのですが、最終的には〈亜梨子と木蓮〉〈輪と紫苑〉の関係がある形でようやく決着を迎えることになるので、この続編でも主役はやっぱり亜梨子と輪だったなと思いました。しかし両親の力を受け継いだ蓮くんの存在が大きな意味のあるクライマックスをもたらしていて感動しました。『ぼく地球』のもう一つのラストとしてぜひ読んでほしいです…と言い切りたいところですが、物語はさらに続編の『ぼくは地球と歌う 「ぼく地球」次世代編II』へと繋がっていきます。ボクを包む月の光-ぼく地球(タマ)次世代編-日渡早紀
かしこ2020/11/13びっくりするくらい名作だった下吉田本郷先生の代表作といえば「万福児」ですね。このイメージがとても強いので「アキンボー」を手に取った時も、ほのぼのギャグ漫画なのかな〜?と思っていましたが、最終的に私の心の名作10選に選ばせて頂きました。 詳しく説明すると、妻に先立たれて海辺の家に犬と二人で暮らしていた元大工のじーちゃんが人魚の赤ん坊のアキちゃんを拾って育てる話なので、ほのぼの育児ギャグ漫画といっても間違いではないです。小さい頃のアキちゃんのふてぶてしさは万福児の福志にも似ているし、そんなアキちゃんとじーちゃんと犬のフジオのやり取りはめちゃくちゃ面白いです。しかしこの物語は赤ん坊だったアキちゃんが中学生になるまで続きます。じーちゃんにはアキちゃんを人魚として育てるべきか人間の女の子として育てるべきかという葛藤が生まれたり、アキちゃんも成長して外の世界が見てみたくなり学校に行ったら初めてじーちゃん以外の人間との出会いがあったり、色々あるんだよ………。 最後まで読むと、こんなに立派に育てたじーちゃんは偉いし、アキちゃんがいつまでも幸せでいられるように願わずにはいられない。すごくいい漫画なんです。アキンボー下吉田本郷6わかる