麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、前回放送の「人気書店にマンガ沼の本棚を置いてもらおう!」TSUTAYA編の模様をお送りします(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。
TSUTAYAの本棚は「誰もが楽しめる王道ポップ」
川島 今回のテーマは「人気書店にマンガ沼の本棚を置いてもらおう」! 番組が始まって2年ちょっと、おすすめマンガを定期的に紹介させていただきましたが、ついに大手の人気書店から「マンガ沼の本棚を作ってほしい」とオファーが来たそうでございます。しかも2社! TSUTAYAとヴィレッジヴァンガードでございます。新しいマンガを読みたくなって行く書店は、だいたいこの2つですから、そこに呼ばれるのは、感慨深いものがあります。
山内 番組の認知度も上がってきましたね。
川島 ということで、TSUTAYAとヴィレッジヴァンガードに実際に置く本棚を、今日は2人で作っていきたいと思います。目の前にあるのは、われわれ2人がこの2年間で紹介させていただいたマンガたちです。合計80作品あります。
山内 どうりでいいのばっかりだ(笑)。
川島 ルールはこのようになっております。
- 本棚に入れるマンガは、これまで川島・山内が紹介したおすすめマンガの中からチョイス。
- 選んだマンガは、現在発売されている巻数まで本棚に入れなければいけない。
- 過去に紹介したおすすめマンガに加えて、「各書店に合わせたおすすめマンガ」を川島・山内で 1作品ずつ加える。
- 最後に、その本棚を総括したPOPを1枚ずつ書いてお届けする。
川島 やっぱり「TSUTAYAらしさ」「ヴィレッジヴァンガードらしさ」というのがあるわけです。この番組でも取り上げましたけど、ヴィレヴァンは結構攻めてましたもんね。松本大洋さんの作品が売れていたり、ザ・センスという感じ。逆に渋谷のTSUTAYAは若者が広く集まるんで、分かりやすいけどポップで売れるみたいな。ではまずTSUTAYAからいきましょう(と言って『アマゾネス・キス』を手に取る)。
山内 最初はそれじゃないです(笑)。TSUTAYAじゃなくてヴィレヴァンです。ヴィレヴァンの奥のほう。
川島 始球式、始球式(笑)。俺がこの番組で『アマゾネス・キス』を紹介したことに、意志強先生が驚かれてるらしくて。『るなしい』はいろんな番組でちょいちょい取り上げられるけど、『アマゾネス・キス』はあまりないらしくて、Twitterでめっちゃ反応してくれたんですよ。それで今度、対談することになった(笑)。
山内 会うんですか!?
川島 どういう姿で俺が帰ってくるかもう分からん。ろうそく持って帰ってくるかもしれへん(笑)。チョイスする前に、TSUTAYAからの要望があるそうです。
TSUTAYAの客層は主に若い男女、売れるのはアニメ化や実写化されるような売れ筋作品。近年で言えば『鬼滅の刃』や『東京卍リベンジャーズ』など、平たく言えば、誰もが楽しめる王道ポップ。
山内 そういうことですよね。一番売れるのはやっぱこれでしょ。よいしょ(と言って『ガンニバル』を押し込む)。
川島 よいしょやない(笑)。何がよいしょや。
山内 これも実写化されて話題になりました。
川島 そうか、もう今やTSUTAYA向きのマンガかもね。『ガンニバル』こそ、山内がマンガ始まってからずっと言い続けてきたマンガやもんね。そこからのヒットですから素晴らしいですよ。『ダーウィン事変』もこの番組で紹介してから賞を取りました。これも渋谷っぽいよな。
山内 『BLUE GIANT』は映画化されて、すごいことになってますよね。
川島 見に行きましたけど、僕、2時間近くずっと泣いてました。ほんまに。
山内 おじさんがみんな泣いてるというのは僕も聞きました。
川島 最高ですよ。ほんまに後半はジャズのライブを見てる感じで。すごいのよ、前のお客さんがもうノリノリになってて、ソロ終わったら拍手が起こるくらい。『BLUE GIANT』は日本編、ヨーロッパ編、アメリカ編、全部読んでほしいね。
山内 全部入れたいですよね。全部入れて、棚のコントラスト見てみましょうか。
川島 いいんじゃない? これ、めっちゃいいわ。最初は学生服、次にドイツに行って、アメリカに渡るという。この成長度合い。
山内 絵面もおしゃれ。2段目の空いたところに何か欲しいっすね。
川島 これ、幅的に『ガンニバル』ビタハマリちゃうん?
山内 本当だ、『ガンニバル』の幅ですね。全然いける。
川島 青春と、不気味さが来て、そうなると3段目どうするか。
山内 『三日月のドラゴン』とかは? 『ダーウィン事変』の横に置くの、いいんじゃないですか。
川島 ホッとするからね。ちょっと難しいマンガの横に、チェイサー的に置いといたほうがいいかも。
山内 この段にもう一個入りますね。ここで『サンダー3』、どうです? 巻数的に。
川島 『サンダー3』めっちゃいいかも。ここらへん、ビタハマリやん。
川島 テトリス的な気持ちよさがあるな。『ダーウィン事変』『三日月のドラゴン』の流れできて、『サンダー3』があんなことになってると思わないもん。
山内 4段目は「何や、このマンガ知らないな」くらいのを置きたいっすよね。
川島 打順的にはそうですね。このクリーンナップの後ですから。
山内 ポップさも残しつつで言うと、『イリオス』とか?
川島 神話と任侠。『イリオス』、表紙も映えますね(と言いつつ、『こづかい万歳』入れる)。
山内 『こづかい万歳』、TSUTAYAじゃないですって。
川島 いやいや、でも図式的には一緒やから。
山内 全然違いますよ。
川島 一緒やて。そっちはリンゴを手に持ってて、こっちはおこづかいを持ってる。図式やん(笑)。カメラ目線で何か大事そうに持ってるシリーズだと、『ハイパーインフレーション』も、おこづかい持っとるやん。おこづかいつながり。『ハイパーインフレーション』は、こづかいを変な能力で増やしていくマネーバトルマンガ。『イリオス』はお金を持ち逃げするわけやから。ここ、めっちゃええ棚や。お金を増やしていくマンガばかり。
まだ番組では発表していないおすすめマンガ
川島 5段目は川島・山内がTSUTAYAのために送り出す、まだ番組では発表してないマンガを置きましょう。私がおすすめするTSUTAYAの本棚に置きたいマンガは、あえてこれ、『1日外出録ハンチョウ』。
ギャンブルマンガの名作『カイジ』シリーズのスピンオフ作品という。地下労働施設でカイジと壮絶な八百長バトルを繰り広げたあのハンチョウを主役に、というマンガなんですけど、正直これ、最初は「もって5巻までかな」と思ってたんですよ。こんな日常の細かい切り取り方してたら、もたへんよと思ってたんですけど、15巻まで出てる。そしてさらに勢いを増してるという。
山内 そんなに出てるんだ。
川島 これが今、マンガの中で一番日常を切り取ってるんじゃないでしょうか。先生が毎日何かしらメモしながら散歩してんのやろなと思えるような、「お金なんて特になくても、こんなに幸せはあるよ」というところで僕が感動した話があって。
ハンチョウが「今回は遊ぶぞ」と外出券を持って地上に出るんですけども、まさかの風邪気味。普通はそれでも「俺は豪遊するぞ」という人間が多い中、ハンチョウはしっかりとビジネスホテルで1泊使って風邪を治す。
山内 ハンチョウやなー(笑)。
川島 ハンチョウですよね。そこのアイデアがちょっとやばいなと。自分でショウガたっぷり使った鍋を作って、その後、バケツに丸めた新聞紙をいっぱい突き刺してオリジナル加湿器を作って、ぐっすり寝る。起きた時には熱下がってるんですけど、「よし、これで風邪治った、遊びに行こう」と見せかけて、もっかい寝るというシーンがあるんです。
だいたいの人間はここで浮かれて、体の中のウイルスが活性化してしまう。そこをハンチョウは、ウイルスをだましてもっかい寝ると。それでその後ちゃんと遊びに行くんですよ。風邪気味の状態を、こんなに面白く描くマンガがあるのかということで、非常に感動しました。
山内 風邪をもだまそうとするハンチョウ。
川島 これはマンガ読まない人にも読んでいただきたいし、「マンガ読みたくないな」って疲れてるときに読みたいマンガなんですね。読もうが読むまいが別に人生変わらないと思うんですけど、読んでるときのほうが気持ちよくなる。さあ、山内君は。
山内 僕がおすすめするTSUTAYAさんの本棚に置きたいマンガは、春日井晶先生の『踊る千年家族』。僕は基本、おすすめで出てくるのってグロい系のマンガが多いんですよ。で、急にこれがおすすめに出てきたんです。パッと見あんまグロくないけど、とりあえず買ってみたんです。
川島 どんなマンガ?
山内 この家族がイギリス生まれの7人きょうだいなんですけど、特徴がありまして、全員不老不死なんですよ。その彼らの体を生きたまま人体実験するために、裏の組織がずっと狙ってて、家族の誰かがさらわれたりする……というのを1,000年繰り返してる家族なんです。家族全員が集まると狙われやすくなるから、みんな世界に散り散りに暮らすようにしてるという。
で、きょうだいの1人が 100年、200年、家族に会わずに平穏な暮らしをしてたんですけど、久しぶりに兄から「妹がさらわれたから助けに行くぞ」って招集がかかる。全員集合して悪の組織のところに行って、妹を奪還する。妹は人体実験されてて泣いてるんですけど、実はコミケに行きたかっただけなんですよ。
川島 はい?
山内 痛さはどうでもよくて、コミケに行きたかったのに、さらわれてしまったから間に合わない、と思って泣いてるんです。さらわれて拷問とかはもう慣れっこで。
川島 1,000年やってるから。
山内 1,000年やってるから、さらわれても「またかよ」くらいの感じなんです。グロさもあるけど、コメディ要素もある。グロいだけだと渋谷のTSUTAYAには合わないかなと思ったんですけど、くすっと笑っちゃうコミカルな要素が、意外に合うんじゃないかなと思って、こちらをおすすめしました。
川島 TSUTAYAの本棚、完成です。これ。強いですよね。王道の『BLUE GIANT』や『ガンニバル』も押さえて、期待の『サンダー3』がある。安定の『三日月のドラゴン』で、センスの『ダーウィン事変』。『アマゾネス・キス』も入りました。
川島 最後に、ここに貼るポップを1枚ずつ書いていきましょう。では私から。
川島 分かりやすくいきました。「TSUTAYAに流れ込むマンガの源流」。エースの皆さんもいるし、根元にはけっこう濃いめの作品もありますんで、非常に分かりやすいんじゃないでしょうか。さあ、山内さん。
山内 私はこちら。
山内 「WBCの日本代表くらいメンバーそろってるやんけ!!!(笑)」。ちょうど今、流れてたんで。
川島 恥ずい、恥ずい(笑)。これ生放送ちゃうねん。確かに今、日本・メキシコ戦で、日本サヨナラ勝ちしたけど、その熱意をここに持ってきたらあかんの!
山内 今、熱いんで。さっき見たばっかりで。これで出していただきます。
川島 じゃあ、こちらの本棚がSHIBUYA TSUTAYA、TSUTAYA あべの橋店に置かれます。TSUTAYAの皆さん、よろしくお願いします!
次回放送は「人気書店にマンガ沼の本棚を置いてもらおう!」ヴィレッジヴァンガード編をお送りします。
【放送情報】
次回放送
読売テレビ●5月13日(土)深1:28~1:58
日本テレビ●5月18日(木)深2:59〜3:29
「人気書店にマンガ沼の本棚を置いてもらおう!」ヴィレッジヴァンガード編を放送。(TVerでも配信中!)
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