『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』――それは日常の退屈と喜びを描いたノンフィクション漫画の白眉である。著者の清野は、あたたかい眼差しで我々の生活を見つめ、日常に潜む「おこだわり」を抽出する。「僕は貧乏な人は格好がいいと思う」と清貧に生きる人々を賛歌したのは、劇作家の山田太一だったか。清野もまた、ツナ缶、ポテトサラダ、白湯、さけるチーズなど、ゼニのかからぬ喜びを賛歌して余りない。実にタマラン。
淡島百景
恋とも友情とも、憧れとも執着とも、嫉妬とも恐れとも、言葉にできない、大切なきもち。 舞台に立つことを夢みて歌劇学校に通う少女たちの心を、鮮やかに切り取った青春群像シリーズ。 淡島(あわじま)歌劇学校合宿所――通称“寄宿舎”には、舞台に立つことを夢みる少女たちが全国から集まってくる。ミュージカルスターに憧れて入学した若菜。親友の思いを背負って学び続ける寮長の絹枝。周囲の視線を集める美しき特待生の絵美。かけがえのない季節をともに生きる少女たちの青春グラフィティ。 【目次】第1話 田畑若菜と竹原王子 第2話 竹原絹枝と上田良子 第3話 岡部絵美と小野田幸恵 第4話 伊吹桂子と田畑若菜 第5話 柏木拓人と吉村さやか 【番外編】拓人くんの日常志村貴子まつり リレーマンガ(4)
36歳の小学校教諭・直行(ナオユキ)は、出産を控えた妻と幸せな日々を送ってい た。そんな中、突如地球侵略にやって来た宇宙人。彼らの侵略を防ぐには「愛の存 在」を証明するため、友達100人作らなければいけないのだ。その調査対象に選ばれた 直行が宇宙人に連れて行かれたのは、一九八〇年、直行が小学3年生の頃の世界。期限は小学校を卒業するまで!! 地球の命運をかけたミッションが始まった!!
東京育ちの渡海隼人は、どういうわけか四国の妖怪たちが通う学校へ転入することに。そこに通う妖怪たちはみな、その認知度の低さゆえ色々こじらせていた…!! 脇の甘すぎる秘密主義者・飴宮さんを筆頭にクセだらけの面々とのこじらせ学園生活、果たして渡海くんの青春は…何色に染まる!?
夜は千の眼を持つ
祝! シリーズ第5弾『夜の眼は千でございます』が、第21回文化庁メディア芸術祭[優秀賞]受賞!感涙、驚愕の電子書籍化! 圧倒的クオリティとコストパフォーマンスの悪さで業界に名を馳せるギャグ漫画家が、その才能のすべてを賭けて贈る、笑いの百科全書! ギャグのすべてが、ここにある!※巻末には、電子化記念特典として、作者自ら書き下ろした【全話解説】を収録!(書くのも読むのも大変な、シリーズ全190話分! ※各巻ごとに各収録作の解説が付きます)
オッドタクシー
オリジナルアニメ最速のコミカライズ!! しがないタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。
世界の平和を守るため、今日も戦う者たちがいる! 彼らの名は純情戦隊ヴァージニアス!! 彼らの力の源は「純潔である」こと。そんなヴァージニアスのレッドは33歳を迎えるおじさん! そして彼に恋するピンクは28歳、年齢詐称中!! 隊員の純潔を奪おうとする悪の軍団との戦いの行方は!? そして2人の恋はどこへ向かうのか―!? 拗れ、すれ違い、暴走する戦隊ラブコメ!!
まくむすび
「高校演劇」との出会いが、すべてを変えた―― 仙台星見高校に入学した土暮咲良には、誰にも言えない創作活動への秘めた熱意があった。ある“きっかけ”で創作を諦めかけていた彼女だったが、「高校演劇」や仲間との出会いによって、彼女の日常は“劇的”に変化していくことに―― いま、誰もが輝く青春群像劇の幕が上がる!
その日、江月朝一(65歳)は定年退職を迎えた。家に帰ると妻、夕子(70歳)から信じられない事実を告げられる。「私、妊娠しました」。終活、そんな言葉もよぎる夫婦が、突然授かった大きすぎる未来。超高齢出産夫婦がおりなす全く新しい家族の物語が始まる。夫婦の愛に、あなたもきっと涙する。
フリーター生活を続けていた東雲薫は一念発起して、中古マンションを一棟買い! 夢の不労所得生活がスタート! ……と思いきや、マンションでは心霊現象が多発して入居者はゼロに……!? それならいっそ、霊を住まわせちゃえばよくね? 新規入居霊、勧誘スタート! 【電子版特典】巻末には2022年9月にTwitterで掲載した番外編を収録!
ピンポン
松本大洋が描く卓球というスポーツ!!青春真っ只中の高校生・月本(スマイル)と星野(ペコ)が、冷たく、そしてカッコイイ“スポ根”の世界を駆ける!!月本(通称・スマイル)と星野(通称・ペコ)とは幼馴染み。小学生時代に駅前の卓球場タムラでラケットを握っていた頃からの仲だ。天才肌の星野はいつも好き勝手やり放題。今日も部活をさぼっていた。先輩たちに「星野を部活に連れてこい」と命令される月本だったが…。
愛してやまない佐久間
COSMOS
『べるぜバブ』作者…新境地、SFドラマ! 人の嘘が見抜ける高校生・水森 楓はドライに生きてきた… 謎の女子高生・穂村 燐に出会うまでは。失踪した水森の友人・相澤を 地球外生命体と言い放つ穂村。彼女が語る…宇宙人専門の保険会社「COSMOS」とは―――!? 『べるぜバブ』の田村隆平…最新作にして新境地! “未知との遭遇”が織り成す、鮮烈SFヒューマンドラマ…開幕!
私的に密かに静かに拘って楽しんでいる趣味や嗜好。 そういう趣味を持っている人は、オタクだの根暗だの 世間からは批判もされがちだが、 モラルに反さず周りに迷惑をかけない趣味であれば 本来なら許容されてよいことだろう。 誰が何を好きで何にこだわりを持とうが、 周りの人間は、そういうことには触れないでおけばいいこと。 黙認とか見守る・・というのも高飛車になってしまうし、 そしらぬそぶりをする、くらいが世間の、大人の、 正しい対応だろう。 だが、他人が何かに拘っているなら、それを知りたいと 思うのもまた当然の感情。 まして「これだけは拘らずにいられない」 「実は凄く楽しい」という世界があるらしいとなれば、 実態を知らずにはいられなくなるのもまた人間の心理。 そうはいっても、教えてと迫るのも野暮。それも真理。 作者の清野先生は、その辺の欲望がおさえられない。 だから中途半端に相手を気遣ったりしない。 野暮だよ俺は野暮!ゲスの勘ぐりで聞きたいんだよ、 話せよ、お前のこだわりについて!と真正面から叫ぶ。 自分が知りたがりの野次馬だと確信犯として堂々と、 その「おこだわり」俺にもくれよ!と怒鳴るのだ。 御教授下さい、みたいに下手に出ない。 それどころじゃなくツッコミを入れ捲る。 その「おこだわり」が理解不能ならディスり捲って罵倒する。 そのあげく、彼ら彼女らの孤高にして至福の拘りに圧倒され、 泣いて帰って自宅で自分も「おこだわり」を試し検証する。 ある意味、漢(おとこ)だぜ清野先生。 私なんかは「ツナ缶」「アイスミルク」くらいなら 共感できる範囲だし「ポテサラと金麦」あたりは 肯定して尊重して自分も試してみたくなる。 「白湯」とかになると軽く皮肉なツッコミを入れるくらいか。 しかし「ベランドしちゃう」人とか「帰る」人の話なんか聞いたら 戸惑い無反応になるのがせいぜいだろう。 とてもじゃないが清野先生みたいにツッコメない。 しかし清野先生は私とは違う。 興味があることでも無駄にモラルを意識して聞けない、 あきれても失礼だからとツッコメない、 常識外の話には言葉を失って会話が止まる、 そんな私のような小市民に成り代わって、清野先生は 果敢にも相手の「おこだわり」に踏み込み、 聞きたいことを聞き、ツッコミ、打ちのめされてくれる。 もう一度言わせて貰う。漢(おとこ)だぜ、清野先生。 現実の「おこだわり人」との対談時には、 相手にそれほどには真正面からツッコンでも いないでしょうけれど、心の中ではテンション高く ツッコミまくっているんでしょうね(笑)。 インタビュアーとしてもストーリーテラーとしても、 そして「おこだわり人」を発見する臭覚がある人としても、 凄い人だと思います、清野先生。