怖いものが読みたいけど寝られなくなるようなトラウマになるやつは嫌だなって人にオススメです。自分がまさにそういうタイプなので。怖い話が好きな人なら大体こういう流れだなって掴めるようなストーリーが多いのですが、それを絵で見るとなるとまた違う実感がありますよね。次のページをめくるのが怖くなるようなハラハラを味わえますが、端正な絵柄なのでそんなに恐怖心が残らない…タチが悪くないホラーだと思います。上手いアナログ絵って読みやすくていいですよね。
※ネタバレを含むクチコミです。
すごく面白かった!講談のこと全然知らなかったから、史実を元にした話をするとか女性が多いとか勉強になった。 そしてなにより講談で儲けたから「講談社」なの!?全然知らなかった 今夏モーツーで連載開始とのことなので楽しみにしてます!
あまりにも面白くて読み終わるのがさみしく、1巻を読んで二日あけて2巻を読みました。 明日からまた頑張るぞ〜!と思えるような充実した3人の日曜日。 大人になっても子供でいさせてくれる懐の深いリンジさんは、チャーミングなところも魅力的で、私もマックスのようにダッドに憧れます。もちろんヤスもいいキャラしてる。 オノ・ナツメさんの作品もっと読みたい!と思いました。
良かった点 仕事が出来るがそれ以外はおかしい二階堂が最高。確かにおかしいんだが自分に近いところがあるのでより共感する 総評 どの巻から読んでもどれも面白いので、寝る前に軽く読むのには最高の漫画 もう何回も読んでる
これを読んで何を思えばよかったのかを… でも作者は、今これを描かなければという強い気持ちがあったに違いないと思うから…できるかぎり多くの人に読んでもらいたい。 あと、連動してるってどういうこと???
変態遺伝子が覚醒すると、ヒトはサナギになって成虫になり、今までとは別人に生まれ変わる。 ある日サナギから美男子が孵化するところに遭遇した主人公の花井さんは、地味で何もない自分から生まれ変わるために、美男子の村崎さんの抜け殻を食べ続けると… 誰も予想できないオチが待っています。 主人公がこれでもかと地味に描かれているところも良いですし、なによりこの設定がよく思いついたな〜と感心する突飛さ。突飛なのにすんなりストーリーに馴染み、読者は置き去りにならない。 もうこの作家さんのファンになったので、次回作を首を長くして待っています!よろしくおねがいします!!
この漫画どうなんですかね・・・ こんなになんの心の動きもなく読み終わる漫画って事あるんですね・・ という印象です。 オチもウケを狙ってるという事なんでしょうか? 正直面白いとは思いませんでした。
はたらく細胞シリーズ最新作は「女性の体内」が舞台。 見た目はまるきり眼鏡執事のマクロファージさんを中心に、免疫細胞たちが毎日身体を張って女性特有の身体の変化や不調から守ってくれているようです。 第一話は「冷え性」によって免疫力が低下したところに侵入してきたウィルスから守ってくれました。 というより生姜ドリンクの即効性がすごい。 個人的には中性的なヘルパーT細胞さんが好きです。 https://twitter.com/saibou_lady/status/1219915929464651776
内容はあらすじに全て書いてあったがプロの漫画家でありプロの草野球選手の「徳光康之」の草野球での話。この漫画で一番好きなのは漫画家チームと対決でビッグネームのオーラと超大物漫画家とぶつかった編集の末路、深夜のバッティングセンターでの出来事の話
漫画ばっか読んでいると漫画家漫画も読みたくなるんですよね。 漫画家の生態に興味湧いてくるというか。 板垣巴留先生の『 パルノグラフィティ』のようなエッセイも良いのですが、非現実的な漫画も好きなんです。 本作もそんな感じ。 大ヒットとはいえない、中ヒットくらいの中堅漫画家の話。 編集者には頭が上がらず、アシスタントには舐められ、それでも締め切りは守るという苦悩を描いております。 締め切り守らないと、他の漫画家に取って代わられてしまうから。 なんともやるせない感じなのですが、基本、全身使ったアクション全開のハイテンションギャグ風味なので、暗くなるどころか、読んでいて気持ちいいです。 元気バカっていいですよね。前向きになれます。 1巻目はアシスタントとの関係が中心でしたが、2巻目には主人公美空の恋物語が描かれそうで楽しみです。 しかし、登場人物全員、丸の内OLみたいな格好しているのが気になるところ。なんでだろ。
80年代に大人気だったキン肉マンが2011年から再開されたものですが、次々と全盛期が更新されていく面白さで、新たに登場した敵キャラクターも大変魅力的です。旧作の必殺技もほとんどが改良を加えて登場しており、進化した絵柄と合わさって実に見ごたえがあります。
「私たちは恋を描けない」のあかまる先生が、名字をつけてグラジャンでオフィス百合…!他人にも自分にも厳しくてお局と呼ばれる立場になってしまった上司の蓮水さんに容赦なくグイグイくる新入社員の佐々木さんのコンビは読切だけではもったいない。蓮水さんが完全におちるところまで見届けないと気がすまない。
正直結構忘れてたけど、分かりやすいあらすじがあって、良かった。国を変えるようとする者と、それを追う者。なかなかグッとくるな
自分は確実におたくなんですが、コスプレという分野に興味はそれほどなくて、話題になっていたから読んだのですが、本当に色々考えさせられ、心に深く突き刺さりました。 もしこの作品を読んで何も感じない人は、幸運なのか無趣味なのか想像力がないのか、そのどれかだと思います。 コスプレイヤーがいつまでコスプレを続けるのか。その問いかけを「容姿」だけに限定して読んでいるならば、無縁に考えるかもしれません。しかし、この作品が問いかけ、そして考えさせるのは、誰にとっても「年齢」というのは無縁ではいられないからです。 例えば、身体を動かす趣味、ランニングやスキー、草野球やサッカーやフットサルを一番の趣味にしている人は、それを加齢によって諦める未来を想像してしまうと思います。あるいは、スタンディングのライブに行けなくなる年齢。老眼で文字か読めなくなる未来。この作品の表象はコスプレですが、読者は恐らく、自分自身にとって大事な趣味というものを諦める瞬間を、嫌でも考えてしまうのではないかと思います。 勿論、結婚や出産で趣味と離れてしまうことはあると思います(作中でも語られています)。しかし、多分我々の生きている「今」は、それらの人生のイベントの後でも趣味を続けられる環境がある程度整えられています。 かつて、「老いは恥ではないのだよ」と語って40歳を過ぎてからチャンピオンにカムバックしたボクサーもいました。しかし、どうあっても「老い」は現実に訪れるものです。寿命が伸びている今、自分が趣味を諦めることになる可能性について考えることは、体験として貴重なものなのではないかと思います。
数あるドカベンシリーズのなかでも、亜流なのかもしれないですが、地味に好きなのがプロ野球編です。まず、ドラフトからいって滅法おもしろい。巨人とホークスを除いた10球団が、山田、山田、山田、山田、山田、山田、山田、山田、山田、山田、と山田を一位指名して、岩鬼が学校のグラウンドでラジオを聞きながら怒っているという。たしか、岩鬼はノックをしながらで、一年か二年の誰かが受けているんですけど、全部かっ飛ばしちゃって、これじゃあ練習にならないですよーとか言われている。とても印象的な始まりでした。そんな岩鬼は、巨人とダイエーから一位指名を受け、気持ちは巨人の長嶋監督だったけれど、ホークスの王監督が当たりくじを引く。岩鬼は涙ぐみながら、これも勝負の定めとか何とかそれっぽいことを言ってホークス入りを決める。外れ一位戦線では山田のライバルたちが次々と指名される。 日ハム→不知火 横浜→土門 中日→影丸 ヤクルト→中 近鉄→坂田 阪神→武蔵 広島→犬神 本格派の好投手を獲ってしっかり育てているイメージのある日ハムが不知火を指名しているのが、いかにもって感じです。こうしてみると、みんなけっこうハマっているような気がします。坂田なんかは地元球団ですしね。 そして、里中が三位で千葉ロッテ、微笑が三位で巨人。五位でオリックスがピアノの道に進む殿馬を強行指名と続きます。 肝心の山田は西武ライオンズ。これは清原から直に打診があったそうなんですね。俺はドカベンから四番バッターの心得を学んだんだ、と。だから、ぜひとも続きを描いてほしい、と。まあ、清原が言うんじゃ仕方ないというわけで、山田は清原が在籍していた西武に入団することになります。ちなみに殿馬のオリックス入りはイチローが頼みこんだみたいですね、ぜひとも殿馬とプレイしたい、と。これはもうナイスアシストとしか言いようがないですね、ここに夢の1・2番が誕生するわけですから。 そんなこんなでプロ野球編がはじまるわけですが、捕手を主役に置いたドカベンの特異な構造が高校のときよりもふんだんに生かされていると思います。これこそがプロ野球編ひいてはドカベンの醍醐味だと思うのですが、本来なら主役におさまるべき投手を主役にせず、あえて捕手を主役にすることで、かえって個性豊かな投手たちをライバルとして描けることになるのです。そればかりではなく、プロ野球編では、山田が受ける投手がもはや里中だけじゃない。何なら里中は高校時代にはなかったスカイフォークを引っさげて山田のライバルとして立ち塞がり、山田は、渡辺久信(ナベQ)、松坂大輔、犬飼知三郎、蔵獅子丸らを巧みにリードしていきます。対ホークス戦では、岩鬼の打席で、大先輩のナベQに対してど真ん中の直球を要求して、マジかよ、なんて言わせるわけですから、これが面白くないわけがないんです。 プロでも山田殺しのワンポイント・リリーバーが大勢現れます。なかでも印象深かったのは、牛虎というピッチャーですね。のらりくらりとした牛のようなフォームから、星野信之ばりのスローカーブと直球を投げ分ける投手で、90キロのスローカーブを見せられたあとの直球に山田は金縛りにあう。しかも、スピードガンには150キロの表示が。まさに牛虎という名を体現した投手でした。 そんなこんなで投手はむしろ、贅沢なことにも有り余ってきたような感じになり、坂田や犬神を野手としても活躍させたりしています。坂田はわかるとしても、犬神の野手転向は渋かったですね。あくまでも、どっちもできるユーティリティープレーヤーみたいな感じでしたけど、一時期はカープの四番打っていましたからね。 時代が進むごとに野手でもオリジナル・キャラクターが増えてきます。いちばん最初は、里中とバッテリーを組むことになる瓢箪だったでしょうか。里中のスカイフォークを捕球できるのが一緒に特訓をした瓢箪だけだったので、里中とともに一軍登録になり、ロッテの守護神バッテリーとして活躍します。のちに山田とバッテリー組むことになる蔵獅子丸も、当初は野手として登場しました。清原の抜けた四番に山田を押しのいて座るんですけれど、まあ、高飛車な選手で山田をコケにしまくる。背番号は440(ししまる)、もうこれだけで勝ちのキャラクターです。でも、じつは変化球がまったく打てないことが判明して、いつのまにか投手として山田のいい相棒になっていましたね。イチローの後釜として、オリックスに入団した不吉霊三郎なんてのもいました。名前のごとく、対戦相手に怪我とかイレギュラーとか不吉なことが起こりまくるというドカベン史上もっとも意味不明なキャラクターでしたけれど、まあ、トリッキーの殿馬との相性はバッチリでした。 岩鬼がバント等の小技に目覚めるなんて年もありました。お客さんからの野次が秀逸で「何でもありじゃあスーパースターじゃなくて、スーパーマーケットだろうが!」とか言われていましたね。大笑いしたのを憶えています。 最後まで名前の出てこなかったことからお察しいただけるように、微笑をいかに活躍させるか、みたいなところもひとつの見所ですね。 シリーズの中では、つまらないと言われがちなプロ野球編ですが、いやあ、滅法おもしろい! ドカベンならではの良さがいちばん出ているのがプロ野球編だと思います!
お化け屋敷って言われてるような洋館に引っ越してきた友達いない女子高生が呪いの人形に「オマエニ一生ツキマトッテ不幸ニシテヤル…」と取り憑かれて、「私も一生一緒にいることを誓います」って友達できたって喜んで、絡みが濃厚すぎて呪いの人形が逆に逃げ出そうとするホラーコメディ漫画めっちゃ面白いからみんなに読んでほしいよー! 呪いの人形、通称のんちゃんが愛されすぎてどんどん可愛くなっていく様子も見逃せない! ↓1話↓ https://viewer.heros-web.com/episode/10834108156740407901
複雑な事情がありバラバラになりかけているとある家庭のもとに、やけに毒舌な介護ロボットがやってくることで知らず知らずのうちに問題を解決していく、コメディです。 「家族=血の繋がり」ではないというメッセージを込めたハートフルな展開も、一冊完結作品として完璧な締め方をしてますが、 なにより、所々に散りばめられたシュールなギャグが最高です。 いつ読んでも声を出して笑える抜群のセンスがあるのですが、悔やまれるのは作者のあらい・まりこ先生が現在活動してない(と思われる)こと。 こんな作家さんがいたということを可能な限り広めたい。
自分の場合はチケットを買ったからというのではなくて、無駄を愛でるというか、つまらない映画はつまらない映画として楽しもうとしてしまう…。この発想はなかったから新鮮だった。
姉と弟がSMプレイをする話です。痛いことはしません。弟は姉への好きをこじらせてますが、姉の方は弟にどんなことされても「優しいお姉ちゃん」として受け入れてくれます。保育園の先生で天然だけど優しくて美人な姉のキャラが好きでした。打ち切りになってしまったそうですが、完結巻も発売されなかったんでしょうか。秘密の関係がどういうラストを迎えたのか気になります。姉弟のやり取りをもっと読みたかったです。
サメマチオの新作。たぬきの置物とか蛍光灯とか人間の身の回りにあるモノたちが主人公。 モノ視点で人間の生活が描かれていて面白いし、頑張ってたり落ち込んでいたりしている時も、別に神様が見ているってわけじゃないけどモノは見ていてくれるみたいなちょっと救われるような話もある。何かをしてくれるっていうわけじゃないけど。 三分くらいで読める長さの1話完結ストーリーなので寝る前とかちょっと空いた時間に読んだりするのにちょうどいい手軽さもいい。
『歩くひと』完全版の発売にともない、その一話の『よしずを買って』が暑い季節がらもあって大変話題になっています。喜ばしいことです。『歩くひと』ひいては『よしずを買って』は、谷口ジローの数ある作品のなかでも、もっとも谷口ジローらしいというか、彼の真骨頂が発揮されている一作だと思います。 サイレント映画ならぬ、サイレント漫画とも言うべき、台詞の一切ない『よしずを買って』は、いかにも谷口ジローらしい。もともと谷口ジローの描く作中人物はどちらかといえば寡黙な人物が多い。お茶の間にもっとも迎えられた『孤独のグルメ』の井之頭五郎を筆頭に、いちばんコンビを組んだ狩撫麻礼の作中人物もザ・寡黙という人ばかりです。あるいは『坊っちゃんの時代』の夏目漱石にしても寡黙な人として描かれ、漱石が語るのはなく、漱石が世相を"見る"ことで物語が運ばれてゆきます。 そう、夏目漱石の代表作といえば『吾輩は猫である』ですが、これにも全く同じことがいえて、猫は喋れませんから、猫が世相を観察することで小説が持続してゆきます。この漱石の猫をもっと健気にやってみせたのが、大島弓子の『綿の国星』になると思います。 このことは谷口ジローの作風にとても深く関係していると思います。このことから、漫画家でありながら、原作を置くことをまるで躊躇わない谷口ジローの立場というものが明らかになると思います。ふつう、作者心理としては、イチから全部みずからの手で作りたいという想いがあると思うのですが、谷口ジローにはあんまりそういうところがない。たとえば、黒田硫黄や、最近では田島列島なんかは映画作りの側から漫画に流れてきた人です。彼らは他人との共同作業ができなくて、全部みずからの手でやらなければ気が済まなかったんですね。 なるほど、映画作りは分業制です。とくに映画産業がもっとも盛んだった1920年代から40年代ぐらいの映画監督は往々に職業監督と言われ、つまりは映画会社お抱えのサラリーマン監督として、会社が求める映画をその通りに撮っていました。当時の映画監督はどっかの知らない脚本家が書いた脚本をその通りに忠実に撮っていたのです。たとえば西部劇でよく知られるジョン・フォードという人がそうで、それこそ会社の要請で馬車馬のように西部劇を撮りまくり、100本以上の映画を監督しています。現代の優れた映画人の代表のように言われるクエンティン・タランティーノですら10本そこらしか監督していないのですから、この本数の差はあまりにも如実というほかありません。では、当時の映画監督が手抜きで質の悪い映画を量産していたのかといえば、必ずしもそうではない。これは私見ですが、ジョン・フォードの任意の1本は、タランティーノの10本を束にしても勝てないと思います。それほどまでにジョン・フォードの映画は美しい。そして、その美しさは谷口ジローの美しさにもよく似ていると思うのです。 職業監督とはいっても、腐っても映画監督です。どっかの誰かの脚本をその通り忠実に撮るとはいっても、その撮影現場でカメラが何を映すのかは監督に委ねられています。そういう意味で、職業監督は喋ることのできない猫によく似ている。語ることはできないけれど、カメラの目で映すことはできる。そう、たとえば、脚本にはそんなことが一切書かれていなくても、撮影現場に煌めいている木漏れ日の光や影を映すことはできるのです。 谷口ジローの仕事も、まさしく彼の目に見えたものを丹念に描き映すことに捧げられています。彼が一番影響を受けたと語っているメビウス(=ジャン・ジロー)は、メビウス名義で自由で独創的な作風のものを描き、ジャン・ジロー名義では40年間『ブルーベリー』という硬派な西部劇を描き続けました。ひとつのジャンルにあえて固執し続けるということは、自ら拘束着を身にまとい、寡黙に徹することにひとしいでしょう。メビウスに影響を受けたという漫画家が多いなかで、谷口ジローは『ブルーベリー』のジャン・ジローに影響を受けたという数少ないひとりでした。おそらく、語ることよりも見ることに自身の芸術性の発露を感じるジョン・フォードや、ジャン・ジローや、谷口ジローのような作家は、環境が不自由であるほうがむしろ都合が良いということがあるのではないでしょうか。たとえば、散歩をしていて、頭のなかであれこれと考え事をしているときは、周囲の風景が目に入ってこないものです。同じように語ることと見ることは同居が難しいのではないでしょうか。 ところで、『よしずを買って』は、夏の陽射しをトーンで見事に描き映していますよね。トーンの魔術師とは、『絶対安全剃刀』で世にでた高野文子に当てられた言葉ですが、谷口ジローのトーンもじつに素晴らしい。高野文子は何から何まで全部自分でやらなければ気が済まないほうのタイプだと思いますが、やはり、まずテーマがある。よし、ここはひとつトーンを使って漫画に革命を起こそうじゃないか、そういう気概でもって漫画を描いて、しかも、いちど称されたテーマをその一回限りで暴力的に使い果たしてしまう。同じトーン使いの極致とはいっても、谷口と高野ではアプローチの仕方がちがいます。谷口には良い意味でも悪い意味でも発端となる語りのテーマがなくて、丹念に夏の陽射しを描き映した結果があのような見事なトーンとして表現されているように思えるのです。 いま、谷口ジローの境地に近い存在として、『ちーちゃんはちょっと足りない』の阿部共実がいると思います。連載中の『潮が舞い子が舞い』は、寡黙というよりは、むしろ、コマを台詞で埋め尽くしていくのですが、これが逆説的に寡黙のような作用をしているのです。そして時折、たとえば谷口や高野のような素晴らしいトーン描写が挿入される。なんだか話がだいぶ逸れてしまったので、この辺りで切り上げたいと思います。
という言い方をすると、生まれなければよかったのか、生まれてよかったのか、どっちなんだという話ですが…漫画好きとしては読みたいと思える漫画が多いに越したことはない… ショート・ショートの詰め合わせという感じで、短期集中連載とのことですが、共通しているのはコロナ禍の世界だということ。創作もあれば、会期が延期してしまった著者が参加する展覧会のドキュメント(っぽい)話もあり。 そりゃあ、電車がガラガラだったら流星課長の出番も無しだわな。 しりあがり寿が描くコロナウイルスが思いの外かわいい。
漫画家って破天荒なイメージなんですよね。 生活スタイルが乱れていることもそうですが、そもそも漫画を描く上で、ものの見方が「普通」ではないわけで、それを表現することで読者に新しい価値観なり考え方を与えてくれると思っております。 なので、必然的に「一般家庭とは異なる」という先入観があるのです。 だが、しかし。本作を読んで、その考えが全く変わりました。 もう公になっておりますが、『BEASTARS』の作者:板垣巴留氏は、日本男児必読の『刃牙』シリーズの作者:板垣恵介氏のご息女です。 刃牙を読んだことある人は同じように思ってくれるかもしれませんが、刃牙で表現される「父親像」(父性)がとにかくすごいので、一体、どんなふうに育ててきたのか?と気になってました。 結論いうと 破天荒なんてもんじゃない、めっちゃ良い家庭で育った ということ。 板垣家、なんという幸せ家族。その一言です。 性格の異なる二人の姉妹。 いつも褒めてくれる愛くるしい母。 イケてる祖父。 そして圧倒的な父! 本作内で父親を描く瞬間は、そう多くはないのですが、その分存在感があってすごいです。 また良き父親らしいシーン ーたえず気にかけてくれたり、子供ではなく一人の人間として扱ったりー があってほっこりします。 特に自分が印象深かったのは、巴留氏が学生時代に父親と会って別れる際に「スイカに2万円ほどチャージ」してくれるというシーン。 ここに感銘をうけた。 現金を直接渡すのではなく「スイカにチャージ」という点。 国民的大ヒットの刃牙の作者であれば、うなるほどお金があるはずなのに、子供に無尽蔵にお金を分け与えない姿勢が垣間みえて、めちゃくちゃしっかりした教育方針をもっているのだと感じました。 お金に関する親の考え方が一番教育に出て、ひいては子供の人格面に影響を与えると思うんですよね。 金持ちの親がドラ息子抱えるのは、お金に対する明確な方針がないからだと考えているので。 (作中でも出てきますが、巴留氏はバイトをしたり意外と貧乏学生もしております。) デビューも親の七光りでなんとかしようとしない姿勢も、こういうところからなのかしら? また、こんな家庭の一幕を垣間見せながらも、 基本は、作者独特の目線で描かれていてそれもまた面白いです。 スポーツ中継を見ながら、突然、TVにうつる選手と入れ替わったら?とか、ふつー考えないですよね。(その対策もまた独特で笑えます。) 『BEASTARS』は「多様な種と共存していく社会」を描くという意味で、ダイバーシティをうたう現代社会の写し鏡的な作品だと、私はとらえております。 そこには、他者に対する想像力が重要なのですが、 この『パルノグラフィティ』を読んで、作者のその能力の一旦(ないしは、育まれた過程)を見ました。 『BEASTARS』がより楽しめること請け合いです。
ちぃの起動方法がすごいエッチだ…
鉄鍋のジャン、鉄鍋のジャンRに出てきた登場人物の子供たちによる中華バトル開幕! 秋山醤と五番町キリコの息子である秋山ジャンが主人公。かつてのライバル達の息子や娘がバンバンと出てくる。小此木の息子や、五行道士の娘、大谷一族など「鉄鍋のジャン」のファンであれば楽しくなる面子が勢揃いしている。 ただ、主人公の秋山ジャンがキリコの息子(さらにマザコン)であるがゆえに「心の料理」を最重要視しているために作品特徴であった「邪道感」は薄まっている。前作からのファンとしては少し残念。加えて2巻まで妨害のような行動を取るキャラクターもいなかったため寂しい思いをしていた。が、3巻では前作のような「他者を蹴落とす料理」を五行の娘が作ってくれたので、今後に期待。
ちょっとぬけてる飼い主・りえ子と、賢い犬・ポン太のお散歩漫画がまた読めるの嬉しいです🐕 読切のときから、ポン太の無表情と鋭いツッコミのファンです。
昔からつくおきにはお世話になってます。休みの日に(元気だったら)ある程度まとめておかず作っておくと仕事の日めちゃくちゃ楽なんですよね。 そんなつくおきにお世話になってる青年・梅尾くんが主人公の漫画。毎日自炊するぞ!と決意しながらもハードな仕事に追われ、具なしのお好み焼きを食べて生活しています。 正直、具なしお好み焼きつくるだけでも偉い。 お湯沸かすのとか弁当あたためるのも面倒でコンビニの前でおにぎりとかパン食べてゴミ捨てて帰ってたこととかあるし…。 そんなひとにもつくおきは優しいのです。休みの日につくっておけば、仕事終わりにくたくたになってもレンジでチンするだけで手作りご飯が食べられるのです! まあ正直そんなことはつくおきのサイトを見ればわかることなのですが、これを利用してこんなにQOL爆上がりしました!というのを目の当たりにできるのが漫画のいいところ。 梅尾くんが幸せそうにしてるし自分もなんかつくってみるか〜なんて思えます。 疲れて帰ってきて煮物とか漬け物とかあると嬉しいもんね、自分で作ったものだとしても用意してあるってのが嬉しいの!わかる! 毎日ちゃんとしたもの食べよう、というモチベーションが上がる漫画です。
イザベラ・バードの日本紀行を漫画にしている。 バードさんのキャラクターもかわいいし、日本の大衆習俗が細かく描写されてて面白い 乙嫁語りっぽい面白さ
読み切り読んだ時から応援してましたので、連載化うれしいです。 まだオジサンのほうは律ちゃんにそんなに関心なさそうですが… ひとまず年齢と干支を知ることができてよかったね…!(柴犬ハンカチ自分で買ったのかな…笑)
ドラえもんを知る前にこれを読んでたら短絡的なのびたが嫌いになりそうな作品。 アニメでも原作でも甘ったれてるなあと思うことは多々あるけどドジなのに自分の利益のためにドラえもんを利用している感じがありありとでていてちょっと笑ってしまいました。
11号に掲載された読切『五十六の密命』をゼロ話とする新連載。第1話は昭和19年、250kg爆弾を積んでの体当たり戦法実行を前に、作戦撃墜王・菅野直が厚木基地へゼロ戦を受け取りに向かい源田実と出会うところから始まる。 75回目の終戦の日を前にして始まった新連載。須本壮一先生の所信表明から始まるところに気迫を感じました。
「キャンディ・キャンディ」のいがらしゆみこ先生の最新作です。デビュー50周年の記念作らしいのですが、週刊誌「女性自身」で連載されていることもあり、ちょっとドロドロした大人が読んで楽しい物語になっています。 主人公は元天才子役の女優です。10年間日本を離れていましたが、突然帰国して女優業に復帰します。実は彼女には複雑な生い立ちがあり、復帰の理由は亡くなった父のカタキを取る為なのです。でもやっぱり一番の見所は主人公が女優魂を見せつけるところですね。復帰宣言を親友の授賞式で堂々して主役を奪っちゃうとか、そんなのしょっちゅうなんです。お家騒動や人間関係のドロドロした部分もあるけど、それだけじゃなくて全体的に優雅さも感じます。さすがベテラン作家さんだなと思いました。
蚩尤(しゆう)の元ネタってあるのかな。
美大時代の同級生、男女3人のお話。3人集まって、パクパク、ホクホクと、おいしそうにご飯を食べます。料理は手の込んだものではなく、すぐに真似したくなるものばかりでした。ホイル焼きとか餃子とか、自分でも試して作れそうなところがいいです。作り方も絵の解説がわかりやすい。 食事や食べている人の描き方がうまくて、味やあたたかさ、その場の雰囲気が伝わってきます。読んでいると登場人物が抱えているものが少しずつ見えてきて、それがとてもリアルに感じました。友達という存在の大切さも思い出させてくれる作品です。
まさにゴッドハンド。一般の獣医師として病院に勤めていた朝井が、内閣府に勤める先輩に突如拉致され、神獣・麒麟の治療にあたるよう命じられる! 戸惑いながらも体の様子をみると、内臓に異常が確認され…?という、設定も展開も壮大で目まぐるしすぎる新連載。 ぜひ読んで目の当たりにして欲しい…これが、麒麟の手術だ!!
どう考えても駄目なのにぽっと出の新人作家に振り回されている編集部の滑稽なことよ…だって売れるんだもん仕方ないじゃんね。タイトルに「ンニック」てつけるのもなんとも絶妙なチョイスじゃないですか。「ンニえもん」でいいのにあえて。 むしろ今の御時世で3巻まで続いたことが奇跡だと思うし、数十年後にはパクりすぎて打ち切りになった漫画としてプレミア付きそう。笑 オチも良かったです。ちょうど忘れかけていたネタだった。 前作「御蚕様改良記録」との落差も凄いです。
にくをはぐのタイトルで「小川千秋は男だ」のモノローグ、女性がジビエを捌いてるコマで始まります。 まさかトランスジェンダーと漁師を一緒にするとは。 奇をてらっただけで中身はないのではないか。 そう思いつつ読むとそんなことは全くなく、ちゃんとテーマがあって唸らされるストーリー。 これジャンプ+なんですね〜 人の心と人生に肉薄した話、好きです。 読んで色々感想聞いてみたい漫画です。
京都を舞台に、ある日突然火事で家をなくした女子大生・芹が謎の陰陽師・北御門に出会い、衣食住を保証する代わりにかたちだけの婚姻を結ぶという、ちょっと怪しいラブコメという感じです。原作は小説なんですね。 芹は両親も亡くなっていて、親戚にも迷惑をかけたくないためにしかたなく契約結婚を承諾するのですが、はじめから式神の姿が見えたりと特殊な体質は花嫁としてふさわしく、孤独な身のため自分の居場所ができたことが思ったよりいい感じみたいです。鬼嫁というので怒りっぽい子かなと思ったけど聡明で性格良さそうな子です。 亀のまもりちゃんが非常にキュート。 というか陰陽師ってもとは国家公務員だったんだ…!
怖いものが読みたいけど寝られなくなるようなトラウマになるやつは嫌だなって人にオススメです。自分がまさにそういうタイプなので。怖い話が好きな人なら大体こういう流れだなって掴めるようなストーリーが多いのですが、それを絵で見るとなるとまた違う実感がありますよね。次のページをめくるのが怖くなるようなハラハラを味わえますが、端正な絵柄なのでそんなに恐怖心が残らない…タチが悪くないホラーだと思います。上手いアナログ絵って読みやすくていいですよね。