今回は私を4コマ沼にはめてくれた作家さんを取り上げます。
その方は、90年代後半から2000年代前半の4コママンガ界を牽引しました。
そう、『まんがタイム』系のすべての雑誌に連載をしていたこともある秋吉由美子先生です。
秋吉先生は現在、連載を持っていませんが10作品20冊と単行本が出ております。
秋吉先生の代表作といえば6巻まで出ている『はるなちゃん参上!』でしょう。
主人公の「安藤春菜」の自由奔放な高校生活に振り回される周りの人達を描いた作品です。
特に注目すべき点は担任の女教師「今野さえ子」とのやり取りです。
今の時代ではコンプライアンスに引っ掛かるようなネタもありますが、その破壊力は皆さんの想像を超えることを保証します。
最大で月3誌に連載をされていました。
それなのにネタ切れを全然感じさせませんでした。
『まんがタイムジャンボ』においては表紙を飾っていました。
次に紹介するのは、そのまま表紙を引き継いだ『うちの母親待ったなし』です。
単行本は3巻まで出ています。
主人公の深津おかん(名前不明)と彼女に振り回される夫・深津おとん(名前不明)と息子・深津翼太を中心に繰り広げられるドタバタ劇です。
おかんは天然ボケであり、おとんとはバカップル振りを発揮しています。
翼太という名前は、良く食べる子に育つようにと名付けられました。
この作品の最大の魅力はおかんの大ボケ具合とそのベクトルです。
「えっそっち!?」と想像を超える展開をしてくれます。
次に紹介するのは『まつのべっ!』です。
全2巻のストーリーマンガですが、1冊あたり約250ページあり読みごたえがあります。
主人公は子供の頃に引っ越して行った幼なじみのことを忘れることが出来ない新人幼稚園教諭の「松延綾人」。
彼の勤める幼稚園にはその幼なじみそっくりの園児が……。
彼女のことを思い出しているとテレビには新人女優として活躍している彼女「大園皇香」の姿が……。
これ以上はネタバレになるのでとにかく読んで自分の目で確かめて下さいとしか言えません。
個人的には、「桜沢鈴」先生の「義母と娘のブルース」の様にドラマ化して欲しい作品です。
最後に紹介するのは、こちらもボリュームたっぷりのストーリー4コママンガ「チェンジアップ!」です。
この作品は、甲子園を目指すエースとマネージャーの青春すれ違いラブコメです。
ライバルや頼もしい味方も登場し野球マンガとしても読みごたえがあります。
こちらは上下巻の2冊です。
ちなみにこの単行本は『まんがの装丁屋さん』の小石川ふに先生が装丁を担当しています。
以上4作品紹介してきましたが、秋吉先生作品の楽しみ方で注目して欲しい所が2点あります。
まずは基本の「起承転結」を守った上で崩したネタもある点です。
「起転結結」だったり、「結起転結」だったりと。
俳句で言う「破調」に通じるモノを感じます。
もう1つは「小見出し」に仕掛けがあるネタもある点です。
4コマを1本読んでからまた小見出しを確認して下さい。
2倍楽しめること間違いなしです。
秋吉由美子先生の作品は今の時代でも充分通用するハズなのでまた連載作品を読みたいですね。