野鳥の情報量がすごい! わらびもちきなこ『しあわせ鳥見んぐ』はあなたの青い鳥になる

ある日いつものように『まんがタイムきらら』を読んでいると、1枚の広告ページが目に入ってきました。
それは『BIRDER(バーダー)』と言うバードウォッチング専門誌でした。

『BIRDER』(文一総合出版) 2021年11月号

バードウォッチングの雑誌があることにも驚いたのですが、その表紙を『きらら』作品が飾っていたことにも驚きました。その作品が今回紹介する「わらびもちきなこ」先生の『しあわせ鳥見んぐ』です。

『しあわせ鳥見んぐ』(芳文社)

内容はもちろんバードウォッチングモノ。
『きらら』系お得意の女の子×○○でのガールミーツガールです。

4コママンガではないですが「あfろ」先生の『ゆるキャン△』や「うちのまいこ」先生の『スローループ』が好きな方には合う作品だと思います。

主人公は、山形の芸術大学の油絵科の「宮内すず」。
すずは、「君の作品には色がない」と言われて悩んでいました。

そんな時に鳥見(バードウォッチング)をしていた他校の大学生「時庭翼」(ときにわつばさ)と出会い、なりゆきで一緒にバードウォッチングをすることになります。

『しあわせ鳥見んぐ』(わらびもちきなこ/芳文社)1巻より

すずは、スズメ・シジュウカラ・カワセミ達に魅せられたことにより自分の中にある色に気づきます。
ずっと探していた描きたいモノがようやく見つかりました。

バードウォッチングが楽しかったので、鳥達を見てキャンバスに描きたいと思ったすず。
その想いをキャンバスにぶつけ、カワセミの翠(あお)と青髪の謎の美少女(翼)との図という満足のいく作品を仕上げました。

翼は、シジュウカラの着ぐるみの姿で野鳥に関してのレクチャーをする「鳥チャンネル」と言う番組を配信しているT(鳥)チューバーでもあります。

その動画配信の手伝いをしている親友の「今泉ひな」が、すずの絵を観て翼に報告します。
そして、翼がすずに会いに行くことで物語が加速して行きます。

さらに、すずと同じ大学に通う写真科の「荒砥岬」(あらとみさき)を加え、4人で奏でるバードウォッチングストーリーです。

この作品の一番の見所は何と言っても野鳥に関しての情報量です。
知っているようで知らなかった身近なスズメ・カラス・ツバメ。
名前ぐらいしか知らないシマエナガ・ジョウビタキ・アオゲラ。
ここに挙げたのはほんの一部ですが、多種多様な野鳥のことを知ることができます。

中でも私が一番興味を引かれたのが、野鳥のキャッチフレーズです。
「野鳥界のファッションリーダー」オシドリ。
「空飛ぶ宝石」カワセミ。
「渓流の忍者」カワガラス。
他にも多くのキャッチフレーズを持った野鳥が登場しますので、この作品を読んで確認してみてください。

私は昨年、私用で仙台市に行く機会があったので近くの栗原市まで足を伸ばして作中に出てくる伊豆沼へ聖地巡礼して来ました。

駅から遠いのでレンタカーを利用しました。
伊豆沼を一周したことで、より作品の気分を味わうことが出来ました。
実際に行ってみたいと思われた方にもオススメします。
時間に余裕がある方は駅を挟んで逆方向ですが、芸人の狩野英孝さんの実家「桜田山神社」に行ってみるのも良いでしょう。

私の希望的観測ではありますが話が溜まればアニメ化すると思うので、決定の際には山形市にも聖地巡礼で訪れたいですね。

作中すずが、「すぐそばに青い鳥はいるんだ」と言っていますが『しあわせ鳥見んぐ』があなたにとっての青い鳥であれば幸いです。

 

 

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