天才ラガーマン・久我遼介と堂島隆一郎はライバルであり、無二の親友だった。しかし父親が背負った借金のため久我家は危機に瀕する。親友と信じていた御曹司・堂島に助けを求めた久我だったが、堂島の取った行動は久我を奈落の底へ突き落とすものだった。久我家は心中、一人残された遼介は金と権力を手に入れ憎き堂島とこの世の全てに復讐するべく、修羅の道を歩みだした!!巨匠入魂の大河ピカレスクロマン!
銀座の女帝・彩香の娘として育った明日香。名門の娘が多い私立校で水商売の娘と蔑まれ、鬱積した不満を抱えていた。女帝の母にも反抗。憧れは祇園の舞妓に…。そんな時、育ててくれた安西のお婆ちゃんが死に、明日香の心に穴が空いてしまう。相談した菱和会会長の伊達に「ママに反抗するなら、ママの手から離れてお前の力で生きろ」と言われて決心、十七歳で家出して京都へ出た。祇園甲部にある屋形を兼ねた茶屋の『よし野』に入ろうとするが、身元のしっかりした者でないと駄目だと断られ、母を頼れない明日香は、伊達のもとに…。名作『女帝』の、続編がリリース!彩香の娘・明日香の新たな女帝伝説が始まる!!
鶴岡城下の最上川木流し人足をしていた砂田の鉄。極悪非道の暴れ者として悪名が高かったが、茶店で働く娘・志乃と恋に落ち、夫婦の誓いを交わしてから、人が変わった様に仕事に打ち込むようになった。しかし酒井藩の伐採方組頭の凌辱から志乃を助けようとして、その結果藩士二十余名を殺害してしまう。武家殺しとして追われる身になった鉄は、山野を彷徨い湯殿山派注蓮寺に逃げ込んだ。鉄を匿った名僧寛能和尚は、鉄を仏門に入れ、「鉄門海」と言う名を与える。仏教修業に一生を捧げる決心をした鉄は、追ってきた志乃を思い切るため自らの一物を切断した。江戸では眼病に悩む人々のために、自らの片目を抉り取って平癒祈願を…。
アメリカ留学中の女子大生・藤川紗奈は、ひょんなことから「S&Kコーポレーション」という会社でアルバイトする事に。そこは年間100万人以上が行方不明となるアメリカで、警察でも探し出せない行方不明者を確実に探し出す知る人ぞ知る会社なのだという。そして、依頼成功のカギを握るのは入れ墨びっしりなのにどこか憎めない調査員・桜井カズヤ、通称「K」。なんと彼には、人や物に残った記憶の断片、残留思念を読み取るサイコメトリー能力が備わっているのだという!? 人智を超えた難事件にサイキックの力で挑む、アクション・マンサーチャー・ミステリー!!
今日は日曜日、探偵部部長、岸田流星(通称コスモ)たちは、ファミコンのディスクシステムを買いに街へ出ていました。もちろん徹夜で並んで発売日に手に入れます。そして開封し、ディスクシステムの美しいフォルムに見とれるコスモ部長。このアングルが一番格好いいな! と、眺めていたら…。なんとそこにはプラスチック爆弾が…!!? 今度の相手は爆弾魔(ボンバーマン)だったのだ…! 80年台、一世を風靡した「ファミリーコンピュータ」通称「ファミコン」の人気ゲームをテーマに起こる事件の数々! レトロゲーム好き必見の一冊です!
主にヨーロッパを渡り歩いて15年になる職業不定の男、羅生豪介・33歳。ありとあらゆる外国事情に通じているため、仕事には不自由しなかった。今日はパリで、日本のアン・ノン族ツーリスト相手のにわか添乗員。浮かれる女性達の中に、勝手な単独行動で警察に保護された女性・瀬川京子がいた。彼女は自分の婚約者・片岡と、彼を追ってパリに行った友人の恵子を探しているのだと言う。予想通り二人は一緒に暮らしていたが、恵子は画家を志す片岡を、売春婦をして養っていた。パリは、自分を物語の主人公にして悲壮ぶる日本人に満ちている…。全てが秀作!ヨーロッパを股に翔ける男の読み切り短編シリーズ。
強すぎたためにムエタイの母国・タイでさえ、対戦相手がいなくなってしまった御門七九郎は、祖国・日本に帰国することに。私立堂園高校に入学した彼は、そこでも圧倒的な強さを発揮する。が、高校生日本ウェルター級チャンピオンの氷室が現われて…!?
「兄ちゃん、あたしも来年で二十五よ。いつまであたしを縛っておく気?」事故で両親を亡くし、中学にもまともに行かずに働いて妹・洋子を育てた信。自分の幸せを捨てて妹のために生きる兄と、そんな兄にこそ幸せになってほしいと願う妹。大切だからこそ他人に妹を奪われたくない…そんな兄の気持ちを痛いほどわかっていたからこそ、いままで自分の恋をあきらめていた洋子だが、ついに上司のプロポーズを受けることを兄に伝え…(「哀しい人々」)。社会の片隅で懸命に生きる人々の姿を哀感を込めて叙情豊かに描き出す、あすなひろし珠玉の短編集。
店は持たず、お客の家に出張して料理を振る舞う出張料理人・初雁福介(はつかりふくすけ)! ある日、七星電子株式会社大社長・喜一郎の古希のお祝いの場で料理を振る舞うべく出張にきた福介は、到着するなり何やら穏やかじゃない一家の状態を察する。喜一郎は若干ボケが始まっており、実質は息子の博文と重信が会社を動かしている状態。博文らとしては喜一郎の財産を会社の経営に充てようと考えているが、会社経営にタッチしていない三人目の息子・高士はこれに大反対。実は高士だけ腹違いの子供なのだ。「俺だけ腹違いの子だから相続放棄しろって言うのかよ……!」激昂した高士を止めたのは、福介の料理だった!? さすらいの出張料理人・初雁福介が自慢の「食」で全てを解決してゆく料理&人情コミック!
昭和30年――北海道・夕張炭鉱に向かう男たちがいた…喧嘩屋の花田鉄次と同じく喧嘩屋の源。二人が夕張炭鉱に向かう理由は賭けゴロで金儲けの為である【賭けゴロ】とは、気性の荒い抗夫などの間で行われる金を賭けたケンカの事。しかし、喧嘩屋(プロ)が金目的で参加することはご法度…バレればすぐさま処断されるのである。喧嘩屋・花田鉄次の日に日に増す危険相手や危険なリングなど喧嘩屋の生き様を描いたストーリー作品!!
1860年3月3日江戸・桜田門外…薩摩藩士を含む水戸浪士17名が大老井伊直弼を暗殺。この暗殺が後に会津藩にとって悲劇の始まりになろうとは誰一人考えもしなかったであろう…。――会津藩士七百石・井上丘隅(六十才)無役ながら、子供たちに論語・会津の歴史を教え、その人柄に重役から農民まで誰もが慕っていた。そしてその中には後に飯盛山で壮烈な最期を遂げる…白虎隊二番隊の少年たちがいた…。白虎隊の壮絶な生き様を描いた作品!
戦後を駆け抜けた伝説のアウトロー、安藤組組長・安藤昇(あんどうのぼる)の半生を描いた実録任侠コミックの決定版! 戦時中、大日本帝国海軍の特攻隊員として生命を捧げる使命感で生きてきたものの、終戦を迎え安藤の心は空っぽな状態に陥ってしまう。敗戦の4ヵ月後、疎開先の藤沢から新宿に戻るも、跡形もなく変わり果てた故郷の姿に涙する。そんな矢先、一人の娼婦に浴びせられた怒声が安藤昇の虚無感を粉々に打ち砕いた。何かやってやると決意した安藤は軍資金を作り、下北沢の喫茶店を根城にして「安藤軍団」を結成する。そして、新宿・渋谷・銀座へと進出を始める安藤たちだったが……。
市役所員の黒部亜紀彦は『いい人』として評判。線路に転落した酔っぱらいを命がけで助けた事もある。そんな彼の正体は『妖怪』。日中は人間の姿でいられるが、深夜0時になると元々の怖ろしい見た目に戻ってしまうのだ。そんな彼は、兄・波留彦と共に「人間になる」事を目指している。しかしそのためには『善行』を積まなければならなくて…。――棲む場所を失った妖怪の悲哀をユーモラスに描く、味わい深いヒューマン(?)ドラマ。『善』とは、『悪』とは何か…!?
昭和46年夏、新宿――。今にも崩れ落ちそうなおんぼろアパートの2階の部屋で、一心不乱に漫画の原稿を描いている一人の若い男がいた。すべて描き終えた男は、原稿を手に、そして希望を胸に部屋を出ていく。向かう先はもちろん、今をときめく漫画雑誌『劇画トップ』の編集部だ。持ち込みである。しかし原稿を一読した編集者は、全く駄目、出直してこい、の一言だった…。夜の公園で悲嘆に暮れる男は、なけなしの小銭で屋台の酒を求めるが、飲んだあとに支払いが足りないことに気づく。店主と揉めそうになったとき、横にいた美少女が突然酒を奢ると言い出して……この出会いが、奇跡的ドラマの始まりだった! 心が退廃し蝕まれていく現代日本において、あえて「海賊」たらんとした、若き男女の本流のような青春!
年の暮れ、場末の酒場の男の視線の先には、毎年恒例の歌謡界の音楽賞の発表会を映すテレビ。ちょうど今年のグランプリが岬あゆかに決まったところだった。岬あゆか…それはこの男、瀬尾俊太郎が3年前までマネージャーを務め全身全霊を込めて育てていた歌手だった――。3年前のある事件を契機に、マネージャーとしての立場も何もかもを失った瀬尾は、いまではごみ溜をうろつくハイエナのような暮らしにおちぶれていた。だが、この時にはまだ、自分に新たなる闘いの日々が訪れることなど瀬尾には知る由もなかった…。ドロップアウトした元敏腕マネージャー、落ち目の元人気作曲家、そして芸能界に命を懸けた少女の決死の成り上がり計画の行方は!? 芸能界の暗黒面を活写した傑作長編ドラマ!
フランス国王陛下の銃士隊長トレヴィルの銃士隊に入るべく、田舎からロバでパリへ向かったダルタニヤン。誇り高いダルタニヤンは旅の途中、酒場にいた剣士から挑発され得意の剣を抜くも軽くあしらわれ倒されてしまう。いつか決着をつけてやると決意しつつパリに着き父の旧友のトレヴィルにも出会うが、持ち前の性格から次々と3人もの銃士とそれぞれ決闘の約束をしてしまい――。アレクサンドル・デュマによる名作「三銃士」を、南波健二、久保田千太郎の実力派コンビで堂々コミック化!
原作に大友克洋・辻真先を迎えた、松森正の貴重な未単行本化傑作短編が電子書籍で登場! ふとしたきっかけから恐ろしい事件に巻き込まれるカップルの恐怖を、とことんスタイリッシュかつ疾走感満点に描いた表題作(原作・大友克洋)。そして戦国の風雲児時代の織田信長を、超美麗な筆致で魅せる「信長」前後編(原作・辻真先)を収録。こちらは電子ならでは、カラーページをそのまま収録しています。類まれなる才能がガッチリ組み合った、必見の一冊です!
その美貌と超ミニのスカート姿で、パンチラを物ともせず豪快なショットを連発する、新進気鋭の女子プロゴルファー・秋月愛25歳。芝(グリーン)の貴婦人の異名を持ち、その華麗な一打はギャラリーが愛(ラブ)ショットと呼ぶほど。そんな愛の恋人・桐山は新ゴルフ場建設という悲願を持っていた。その夢をめぐって暗躍する政財界の首領、ゼネコン……男たちのドス黒い野望に翻弄されてしまう愛だったが……? 牛次郎と平野仁のタッグで、艶めかしく描かれるゴルフ・ロマン!
赤城恭介(あかぎ・きょうすけ)……生まれた時から天涯孤独。幼なじみの洋子が自殺するきっかけを作った男を刺して入った少年刑務所で麻雀を覚え、シャバで少刑の同輩の手引きで、麻雀の腕で暮らしていたが、ある日同輩にハメられ、新宿の街を追われることに。独り、雀ゴロとして生きていく決意をするが……? 本格麻雀ロマンの決定版!
羽賀六冠のタイトル制覇か、谷山名王の防衛か、大注目の対局中に記録係がまさかの居眠りをしていた。彼の名は奨励会6年目の田村一平。結果、対局は羽賀の勝利に終わったが、一平は谷山にも勝利への手があったと発言。誰も気づけなかったその一手に周囲は驚嘆する…!!
「麻薬密売の金で…首相の座を買わせてたまるか!」──日本人の暴力団幹部と、タイ人の少女がバンコクで惨殺された。犯罪制圧特科のワッサン大佐は捜査を始めるが、突然タイ国首相から直々に電話がかかってきた。その上、車を爆破され……!? この事件は危険過ぎる!──ミステリー小説ファンにもお薦めの重厚なストーリーと、タイの風景を精緻に描くドラマティックな絵が魅力の、読み応えのある作品。
西暦63年、冷酷非道な皇帝・ネロに支配されたローマ帝国で市民が熱狂していたもの…それがコロッセオで連日行われる格闘士たちの生死を賭けた闘いであった。市民に人気で心優しき格闘士・アリオンは、その人気に嫉妬するネロの策略により愛するライザを失い、冷酷な悪役格闘士のレッテルを貼られてしまった…。
江戸末期の鳥取藩・因幡郡円柱寺村。間引きされかけた男の子忌吉は、とろい上に盗み食いをして脚を折られた。役立たずと馬鹿にされるが、将棋を覚えて1文を賭けて勝負し、飢え死にを免れていた。願光和尚に負け、教えを請う。父が死んで一家離散した忌吉は、寺に引き取られて碁も覚えた。鬼封じの天元打ちを教えた願光は、城に呼ばれての争棋で体力をすり減らし、忌吉に九登寺に行けと言い残して死ぬ。「奇手鬼封じ」数奇な運命に弄ばれた天才棋士の物語。
起倒流柔術家・柳秋水は日本講道館柔道の創始者・嘉納治五郎に挑戦し敗れた無念を一人息子・勘九郎に託した。それからくる日もくる日も秋水と勘九郎の激烈な稽古が始まった。過酷な修練は勘九郎が19歳になるまで続いた。その後、秋水の命に従い、勘九郎は郷里の九州・小倉から東京へ。起倒流師範・松柴久三を訪ねるため上京した日は明治38年6月×日…おりしも日露戦争の勝利祝賀に沸き返る日であった。明治から昭和にかけての激動の世相を背景に勘太郎、勘太郎、勘一、勘平の柔道一家・柳家4代、足掛け100年余りの歴史を描いた壮大な大河ドラマである。1970年から「漫画アクション」(双葉社)に連載された柔侠伝シリーズの1作目。
昔どこかで「金!暴力!SEX!な漫画を教えてくれ」みたいなスレッドがあったと思う。この漫画は数少ない正答の一つだろう。 漫画紹介はこの口コミのタイトルだけで一応足りてしまうのだが、以下に補足と私見を書き連ねる。 漫画タイトルを見てピンと来た人もいるだろう。明らかに「野望の王国」の影響を受けて描かれた、というかそれが元となって生まれた作品である。特に第一話の導入なんか隠す気がなくてニヤリと来る。 しかし大胆にして最高のアレンジがある。「野望の王国」は主人公・橘と無二の友にして相棒の片岡が協力し、明確な目的が明かされぬまま裏社会でのし上がる物語だが、「野望の群れ」は言うなれば橘と片岡が敵同士になり、復讐するという明確な目的を果たすためにのし上がる物語になっている。作品全体を貫く物語の背骨はこちらの方が骨太だ。 闘争の空間もこちらの方がやや大きい。復讐相手が大企業の御曹司なので、闘争の空間には社会の表裏の両面が使われる。場所も東京を起点に北海道から九州、果ては海外(香港)まで広がる。素寒貧の一匹狼だった主人公が、度胸と頭脳と復讐心で裏社会を駆け上がっていくのは素直にかっこいい。 裏社会を駆け上がっていくのに重要な役割を果たしたのが「金」「暴力」そして「SEX」なのだ。この漫画、ライバルと取り合うメインヒロインの他にも登場人物に女性が複数登場する。そして大体主人公とSEXする。謀略のために利用してやるだけのSEXだ。主人公以外にもSEXシーンがある。その大体が、付け入られる隙として主人公に利用されるSEXだ。無駄なSEXはそう多くはない。 細かいところをつついていけば、闘争の各元ネタなどここに書き連ねたいことはまだある。でもあまり長々と紹介していてもしょうがない。それを読む時間があるなら、作品そのものを実際に読んで欲しいのがファンの心だ。本作はありがたいことに、マンガ図書館Zなどの漫画配信サイトで全編無料公開されている。そう、タイトルでググればすぐ読めてしまうのだ。というわけで皆、今すぐにググって本作を読もう。それか「野望の王国」の方を読もう。