数少ない囲碁を題材とした漫画。江戸時代の貧しい百姓の子・忌吉が、囲碁の才に導かれるままに、囲碁の名家、本因坊家、安井家、井上家の高名な棋士たちと勝負を繰り広げてゆく。
囲碁が分からなくとも充分楽しめるけど、この時代の囲碁の世界というのが、政と密接に結びついており、かなり独特の世界である。天地明察にその辺の事情を細かく描かれているので、余裕があればそちらも合わせてを読むとわかりやすいかもしれない。
主人公は囲碁の才はあるけれど、決して最強というわけではなく、さらに優れた才能に敗れ悩み続ける。その間にも恩人との離別、裏切りなど数々のドラマチックな苦難があるのだが淡々と描かれる。そこが逆に勝負ごとに迫真さを増していてとても良かった。
江戸末期の鳥取藩・因幡郡円柱寺村。間引きされかけた男の子忌吉は、とろい上に盗み食いをして脚を折られた。役立たずと馬鹿にされるが、将棋を覚えて1文を賭けて勝負し、飢え死にを免れていた。願光和尚に負け、教えを請う。父が死んで一家離散した忌吉は、寺に引き取られて碁も覚えた。鬼封じの天元打ちを教えた願光は、城に呼ばれての争棋で体力をすり減らし、忌吉に九登寺に行けと言い残して死ぬ。「奇手鬼封じ」数奇な運命に弄ばれた天才棋士の物語。
江戸末期の鳥取藩・因幡郡円柱寺村。間引きされかけた男の子忌吉は、とろい上に盗み食いをして脚を折られた。役立たずと馬鹿にされるが、将棋を覚えて1文を賭けて勝負し、飢え死にを免れていた。願光和尚に負け、教えを請う。父が死んで一家離散した忌吉は、寺に引き取られて碁も覚えた。鬼封じの天元打ちを教えた願光は、城に呼ばれての争棋で体力をすり減らし、忌吉に九登寺に行けと言い残して死ぬ。「奇手鬼封じ」数奇な運命に弄ばれた天才棋士の物語。