投稿
217
コメント
346
わかる
1581
ひさぴよ
ひさぴよ
2021/09/20
ビル窓ガラス清掃の仕事を通じた人間ドラマ!
camera
昔の学生時代に求人誌を見て、ビルの窓ガラス清掃って楽しそうだなぁと思ってアルバイトに応募しようとしたことがあったけど、高い所が好きだということと、高所で作業することは全く別次元の話だと気付いて結局やらなかった。それでもいつかはビル窓拭きの仕事やってみたいなあと思っていて、今でも高所で作業する人たちにはどことなく憧れを抱いている。 さてこの漫画、窓を拭くだけの地味な漫画と思うなかれ。高所からの構図が半端なく上手く、ザイル、ブランコ、ゴンドラといった道具設備がやたらとリアルに描かれ、高所作業の臨場感といったら凄い。そこに加えて人間ドラマが展開されるのだから、面白くないわけがない。 主人公は夢を諦めかけているミュージシャンで、社員ではなくアルバイトという身ながら、現場のトラブルに怒りながら対応し、この危険と隣り合わせの仕事を、何かの意地とプライドだけでこなしている。同僚もヤンチャな奴が多くて、すぐ殴りかかってくる奴、薬をキメて現場に来る奴などさまざま。途中、漫画の展開が売れないミュージシャン漫画みたいに変わるが、主人公が大量の葉っぱを一気に吸ってガンギマリになる絵面が衝撃的なのでそこも見所の一つ。 ラストはグッとくる話だが、単行本だけで読み進めると「川室」という男が突然登場するので???となると思う。あらかじめ「染盛はまだか 単行本未収録作品集」(2)を読んでおくと、最後に登場する「川室」のくだりが分かりやすくなるんで併せて読むのが良い。ちなみに未収録作品集は各巻110円。 https://manba.co.jp/boards/134900 できれば一冊にまとめて販売してほしかったが、とにかくこの素晴らしき窓拭き漫画を電子書籍で復刻してくれたことが嬉しい。
ひさぴよ
ひさぴよ
2021/08/17
いい短編が多い
昭和50年代世代から見ても、全てがノスタルジックで、一回り上の世代の、思い出の記憶を見ているような気持ちになる。作品内にがこの時代だったからこその描写があるので、今の若い人が読んだらかなりギャップを感じる場面があるかもしれない。そういう時代だったんだなーくらいの感じで読むのが良いと思う。 どの作品の登場人物にも共通するのは、恥ずかしいほど本音を赤裸々に語って不器用にぶつかってく姿。一色まことの描く人物たちは、男女どちらの視点にも長けていて、特に男目線で読んでいると、作者は男性作家なんじゃないかとすら思ってしまう生々しさを感じる。 改めて読み直してみると、3話目の「野郎なんかにゃわかるまい!」をはじめ、女性のルッキズムに関わる話も多く、マンバ通信のトミヤマユキコさんの連載コラム「少女マンガのブサイク女子考」のテーマとも少し被る部分がある。青年漫画とはいえ、同じテーマとして興味があれば読んでみるのも有りだと思う。 https://manba.co.jp/manba_magazine_authors/18 短編の中で、特に好きで何度か読み直してるのは、「いつも一緒」という幼馴染の太った男女が一緒にダイエットするお話。これも見た目の悩みから端を発するストーリーなのだけど、2人が頑張る過程と、オチ終わりは何度読んでも良い読後感があるので、この短編だけでも強くお勧めしたい。もちろん表題作も。 過去の初期短編集「どいつもこいつも」も読みたいのだけど、絶版で未だに読めてないのでいつか読みたい。(電子化のリクエストをしておこう)
ひさぴよ
ひさぴよ
2021/07/31
「フェンシングは努力でなんとかなる」
フェンシング銀メダリストの太田雄貴さん曰く、「フェンシングは努力でなんとかなる」スポーツなんだそうですが、このマンガではその言葉を体現するかのように、細身でガリ勉メガネの主人公が、ある日フェンシングをはじめて、その魅力に取り憑かれて強くなっていくという王道スポ根マンガです。剣道と似ているのに、汗臭い感じはないし、見た目にも華麗で映える競技だなーという印象ですね。 監修・太田雄貴だけあって、フェンシングをあまり知らない読者でも、読んでいくうちに何となくルールがわかるようになってます。「ガンバ! Fly high」と同じように、メダリストが監修することで、漫画がより面白くなり、読者が増えて競技人口も増えることを狙ってたと思います。人気が振るわず5巻で終わってしまいましたが…。絵はややクセ強ですが、1対1の心理描写だったり、王道の熱い展開を盛り上げるのが上手いです。特に終盤の心と平子のレギュラー争奪戦は、実力下位同士の戦いでありながら、感情を揺さぶられる試合でした。最後まで軸がブレずに走り抜けたことで、自分の中で、記憶に残るスポーツ漫画の一つとなりましたね。少年サンデーの連載で読んだっきりの人も、単行本でもう一度読めばさらに面白い作品だと思いますね。あと、「アイシールド21」みたいなノリが好きな人には特におすすめです。
ひさぴよ
ひさぴよ
2021/07/18
アスリートのメンタルを救え!
camera
寺沢大介先生初となるスポーツもので、脳科学でメンタルを治療するスポーツドクター“飯合”の仕事を描いた漫画。ゴルフやバレエ、ラグビーなどさまざまな競技のアスリートが抱える心の問題を、メンタリスト飯合先生がそれっぽい言葉で克服させていきます。 ※何名かの顔がアンパンマンのように丸くて、他の人たちは普通に描き分けされてますが、深い意味はないみたいなので気にしないで大丈夫です。途中から慣れます。 若干、胡散臭い感じもありますけど、セリフや構成が非常に巧みで、読み進めるうちに読者をも洗脳…じゃなくて共感できるようになってます。最初は半信半疑のアスリートたちも、ちょっとした言葉ひとつで心が変わり始め、本来のプレーを取り戻していく姿を見るのは本当に爽快で、いつの間にか前向きな気分になれます。 終盤で飯合先生はスポーツの「本質」についても語り始め、なぜ私たちにはスポーツが必要なのか?なぜ社会はスポーツを求めるのか?という話をしてきます。そのシーンが激アツで不覚にも感動しました。まぁ、東京オリンピックの時期に読んだせいもありますが…。自分にとってのスポーツって何だろう…?なんてことを考え直すきっかけになりましたね。