漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌詳細をご覧いただけます。
作品の詳しい時期は分かってないのだが、状況からして1990年代頃の設定と思われる。広島での戦争体験を語り継ぐの”一人のおばちゃん”を通して、戦時中の自身の半生を振り返るところから物語は始まる。巧みな語り口と、曽根先生お得意の、不幸で陰湿な心理描写にグイグイと引き込まれてゆく。そしておばちゃんは不幸のドン底と同時に、原爆の日を迎えるのだが…。
変わり果てた広島の街を、怨念そのものとも言える鬼気迫るタッチで描き出し、一度目にしたら忘れられないような光景がこの漫画にはある。おばちゃんは最後に「あれは地獄だったよ」とだけ語る。と同時に、この出来事が教科書の中のたった数行に収まってほしくない、と願うのだった。
個人的には「はだしのゲン」と同じく、ぜひ読み継がれてほしい戦争漫画の一つだ。
第二次世界大戦―― その時、銃後といわれた国内の女性たちも闘った。自由からほど遠い時代、生きるために何を想い、何を見たのか。「ヒロシマのおばちゃん」「戦慄」「敗北せざる魂」「片翼の男」「別れた男」を収録。
第二次世界大戦―― その時、銃後といわれた国内の女性たちも闘った。自由からほど遠い時代、生きるために何を想い、何を見たのか。「ヒロシマのおばちゃん」「戦慄」「敗北せざる魂」「片翼の男」「別れた男」を収録。