マンバの新刊ページを眺めていて目に止まり、なんとなく縄文に興味があったので買って読んでみたら非常におもしろかった。縄文遺跡の発掘アルバイトに携わる作者が、考古学関係者や縄文フリークな人々への取材をもとに、最新の考古学的知見を織り交ぜながら、縄文当時の暮らし方を想像力豊かに描いたエッセイマンガ。

1万年も続いた縄文時代の中でも、年代によって文化や生活スタイルの変化だったり、縄文人のに長けているセンスに驚かされる。発掘品から、現代の科学の力で当時の生活がかなり正確に推測できるようになってきたことも解説されていてとても興味深い。作中では学術的な説明が多いものの、堅苦しさを感じさせない構成で読みやすかった。

この作品を読むまで、作者さんのことは全く存じ上げなかったけど、元々コミティアで作品を発表されていた方だそうで、過去の同人作品や書籍なども機会があれば読んでみたい。

ちなみに本屋で購入する際は、マンガ棚に置かれてない可能性が高い(自分が訪れた大型書店では、日本史コーナーに置いてあった)ので、探すのに苦労するかも。

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特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」

「ヒロシマのおばちゃん」を読みたくて購入

特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」
ひさぴよ
ひさぴよ

https://www.shogakukan-cr.co.jp/book/b110795.html 『漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌』(小学館クリエイティブ)で読んだ曽根富美子の短編「ヒロシマのおばちゃん」が衝撃的だったので、もう一度読みたいと思って電子書籍版を探してたら、この短編集に収録されていた。 「ヒロシマのおばちゃん」以外の短編は、戦争の話というよりちょっと昼ドラっぽい話が多いものの、それでも表題作を読むためだけに買っても損はないと思う。 作品の詳しい時期は分かってないのだが、状況からして1990年代頃の設定と思われる。広島での戦争体験を語り継ぐの”一人のおばちゃん”を通して、戦時中の自身の半生を振り返るところから物語は始まる。巧みな語り口と、曽根先生お得意の、不幸で陰湿な心理描写にグイグイと引き込まれてゆく。そしておばちゃんは不幸のドン底と同時に、原爆の日を迎えるのだが…。 変わり果てた広島の街を、怨念そのものとも言える鬼気迫るタッチで描き出し、一度目にしたら忘れられないような光景がこの漫画にはある。おばちゃんは最後に「あれは地獄だったよ」とだけ語る。と同時に、この出来事が教科書の中のたった数行に収まってほしくない、と願うのだった。 個人的には「はだしのゲン」と同じく、ぜひ読み継がれてほしい戦争漫画の一つだ。

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