昭和6年、栃木県真岡。日本拳闘倶楽部の創立者・渡辺勇次郎がボクシング興行で訪れたとき、飛び入りでプロ・ボクサーの花井に挑み、もう少しで勝ちかけた少年がいた。真岡中学柔道部主将・堀口恒男である。早稲田大学に進んだ堀口は、その大器を見込んだ渡辺に歓迎されて日本拳闘倶楽部に入門した。防御を無視しひたすら打ちまくる独自のスタイルに徹した堀口は、日仏拳闘戦の日本選抜戦に出場。その戦いぶりに『ピストン』と冠された。決勝に進出した堀口は、大先輩で『ノックアウト・アーティスト』と呼ばれた中村金雄と対戦し、勝つ。そして日仏決戦へ! 梶原一騎の処女作にして遺作となった巨編。梶原ワールドの原点を見よ!!
1945年3月10日、その日東京は米軍の爆撃機B29によって、大規模な絨毯爆撃を受けた。死者8万~10万ともいわれ、日本の敗戦を決定づけた東京大空襲であった。爆撃と炎は全てを消し去り、家はおろか街までをも人々から奪い取った。瓦礫の街とは対照的に、空はどこまでも青く広がっていた。幸運にも生き延びた者達は、廃虚の街を徘徊し、生き延びるために必死だった。そしてそんな人たちで駅の地下道は埋めつくされていた。東京上野の闇市を舞台に8人の戦争孤児たちが終戦直後の激動の時代を生き抜く、感動の大河ロマン!
旧東京都豊島区椎名町四丁目――戦後の日本漫画界の礎となった手塚治虫や石ノ森章太郎、赤塚不二夫などの天才作家が住んだ「トキワ荘」。今なお、漫画史に燦然と輝く伝説の「トキワ荘」に当時、出入りしていたパロディ漫画の第一人者・長谷邦夫がSF風に描いたもうひとつの“トキワ荘体験”!
人生の目的とは何か、幸せとは何か、生きがいとか何か。永遠にして最も難しいテーマについてヒントを与えてくれる、心暖まる作品。──青木ゆきは風俗嬢。風変わりなおじいさんとの出会いをきっかけに絵を描き始めるが、下手な絵しか描けない。しかも彼女の絵を見て激怒する人さえいた。しかし彼女の才能を見込む人も現れて……。上手い絵とは、下手な絵とは、才能の有無とは、いったい何なのか?悩める人におすすめです。
(施川ユウキ先生のタイトルをモジッてみた) この作品、雰囲気でビッグコミック連載の漫画と勘違いしてましたが、2000年代前半のスーパージャンプで連載してた作品だった。主人公が風俗嬢という設定が引っかかってましたが、掲載誌の影響もあったのかも。 「ゆきのいろ」は、絵の下手な主人公・青木ゆきが、とある画家と出会い、本格的にプロの画家として成長していくストーリーでなんとなく朝ドラのような雰囲気を感じるマンガ。画家といっても、都会的でモダンな画家の世界とは程遠い、とても純朴な感覚と、人と自然の中にある美しさを大事にするタイプの絵描きの物語。漫画の絵と、画家の絵をいかにして融合させるか、非常に難しい部分に果敢に挑まれている作品。