※ネタバレを含むクチコミです。
転校生男子は、同じ学校の女子に「学食の食券」を貰う。学食に行ってみると、そこには働く彼女がいた……そんな始まりのこの作品。全体的に「美味しさ」と「小さな博愛」に溢れた物語となっています。 学食というと、安くて味はまぁゴニョゴニョ……みたいに言われがちですが、この学校の学食はとても美味しくて激混み。評判の学食を切り盛りする、まだ高校生なのにしっかりした彼女に驚かされます。 何故か姉と二人暮らし?の転校生男子。元気がなさそうだったのを、学食女子と学食でも、それ以外でも共に過ごすうち……少し活き活きし始めた?私達も一緒に元気を貰っている気持ちになれます。 学食女子は本当に優しいのですが、それはこの男子にだけではなく、親友から迷子まで、一人ひとりに気を配っている。目の前の人をよく見て、少しの優しさで相手を支える、そんな「博愛」を持った女子。 べったりとした愛情ではなく、小さくても細やかな気遣いに救われる、そんな優しさがある学食……とても良い! 何故学食で働くのか、という理由は語られますが、まだまだ何かありそうな予感。その辺も気にしつつ、再び優しさをもらう為に次巻も読みます!
タイトルから、コメディタッチで萌えっぽい画風を想像していたのですが、大分違いました。 ペンのガサガサしたタッチを残した陰影、直線をフリーハンドで描く、細やかで味のある絵。コミックDAYS連載とのことですが、絵柄的にはハルタっぽい感じで、雰囲気のある背景の中でメイドさんが何が食べている絵が、とてもいい感じです。 そしてこの絵柄、食べ物が美味しそう!コンビニおにぎりがここまで艶やかに……。食べるメイドさんの頬張る顔も可愛く、食べ物漫画として最高に楽しい!『東京黄昏買い食い部』に匹敵するかも。 食べる物の情報も面白く、お馴染みの食べ物の知らなかった話が新鮮。え、信玄餅ってそうやって……? 明るく真っ直ぐでちょっとぼんやりした、食べるの大好きメイドのスズメちゃん。周囲の人との交流、英国のお勤め先の謎など、次巻以降の注目ポイントも豊富です!
気の弱い嫁の姑が最後の辰巳芸者で江戸っ子魂溢れるババアの話。「本物の『粋』ってのは損得抜きで意地を通すこと」という言葉は、ちょっと無償の愛に通じるものを感じてグッと来た。 孫がめっちゃいい子なのでクソガキとモンペに負けないでほしい。
表紙は圧倒的に『鳥山明○作劇場』の方がいいけど、収録作が若干多いらしいので文庫版の『鳥山明 満漢全席』で読みました。個人的に『DRAGON BALL』より『Dr.スランプ』の方が好きなので、純粋なギャグモノの「SONCHO」「剣之介さま」「CHOBIT」が読んで楽しかったです。鳥山明の漫画が神がかってることは言うまでもありませんが、それ以上に自分にとって読むと子供に戻してくれる存在なんだと気づきました。『DRAGON BALL』の連載前に「騎竜少年(ドラゴンボーイ)」なんて作品があったのも今回初めて知ったのですが、もう初期の雰囲気はほぼ出来上がってましたね。でも本格連載に向けてのブラッシュアップが凡人のそれとはやっぱり全く違うんだな…。アイディアが溢れるというよりは自分をワクワクさせたいからそうなったって感じがするのが、みんなが鳥山明に夢中になっちゃう理由なのかなと思いました。
原因は不明だけど、何かが起きて人類がどんどん減少している世界が舞台。 学校も美術部仲よし3人組と、先生がひとりだけ。 ほぼ廃校と化した校内で、3人の日常が続いている様子が描かれます。 図らずも、とあるのでコロナがあったから描かれたマンガではないのかもしれません。1年前に読んでいたら「終末ものね」で終わっていたかもですが、今だと、こうして地球が終わる日が来るかもな、そんなときどんなふうに過ごそうかな、と考えます。 あと、コマ割りとかが独特です。光と影を表現するトーン使いも印象的でした。
ナポレオンを描いた長谷川哲也先生の歴史マンガ。優れた画力で絵が綺麗であり、戦争シーンでは多くの説明があり歴史的知識を多く得られる。 ナポレオンの知識とその時代の考証を知りたいと思ったら、ぜひ読んで欲しい漫画です。
普通、女の子が寒がりで、男の子が暑がりの事が多いけど、・・・。 雪は、平熱が、37.4度って微熱でしょ?! 幼馴染の男女っていつ頃からお互いのを大人として意識し始めるのだろう? 無意識を意識し始めるその瞬間の、驚きと初々しさが、これから始まるって感じが楽しみな作品。
なんだよもーこいつら(^_^) こういうのを平和と呼ぶんだろうな… クラスのカースト上位の子がガチオタ男子と対等に接してるの好き。
マンバで教えてもらって読んだ作品。 エロティクスFの作品だけあって割とストレートなんだけど、女性視点で展開していくのが面白かった。 コンセプトを統一した短編集的なものかなと思っていたがちゃんと繋がってきたりして、自分がこういうの好きなんだなと実感。 最終的なまとめ方も非常に良かった、締め括りというか。 学生編もあって、当然そっちも繋がっていてあそこで出てきたあの子の話だ!ってなる。 こちらを読み終わったら学生編もどうぞ。
おっっっっもしろい漫画を読むとやっぱり元気が出ますね。湯浅政明のアニメを観たことがないのですがそれきっかけで知りました。表紙はアニメに合わせて変えたのでしょうか。このイメージで読むと全然違いました。サイバーなゲームの話だと思ったら、精神の解放!な話だったし、ちょっとメルヘン(鯨が出てくるあたりとか)で、コメディーでもありました。この予測不可能の展開と画面の疾走感はどうしたら生まれるんでしょう。合間に宇宙の心理やら名言(一番好きなのは「くじけそうになったら小3」)がたくさんあるのも何かしらのゾーン入って描いたとしか思えないです。考えて作ったというより全部が即興っぽいのですが、そんなことあり得るのだろうか。とにかく今夜はいい夢を見れそうです。
風景がたまらなく愛おしい。体験したことがないはずなのに、何となくこんな日があったような気持ちになる。僕らが歴史的な風俗画を眺めて昔の人ってこうだったんだなぁとしみじみ思うように、200年後の人が読んでも面白いんじゃないだろうか。
ペンギンぽいベンジャミン、人間の女の子ふきちゃん、猫のこなつの日常を切り取った漫画です。 台詞はなく絵だけで展開していく物語…いや、日常すぎて展開なんてほぼないかもしれません。 本や新聞をめくるのが好きなベンジャミンが、こなつや扇風機に邪魔されたり お昼寝するふきちゃんの上でお昼寝するこなつを見て、ベンジャミンもふきちゃんの上でお昼寝したり ふきちゃんにいってらっしゃいしたり、おかえりなさいしたり なんでもない日常が描かれています。 あまりにも普通に過ごすふきちゃんとこなつのせいで、ベンジャミンもあまりにも普通の存在に感じられて、その違和感のなさが愛おしくて可愛いんです。 ベンジャミンが漫画になったんだよって言ったらベンジャミンはどんな反応をするんでしょう。ちょっと照れながらページをめくるのかな。こなつは何にも考えずに乗っかって邪魔するのかな。 きっとこの世界のどこかで、当たり前のようにベンジャミンとふきちゃんとこなつが暮らしている気がしてなりません。それくらい可愛くて穏やかで普通の日常がここにあります。
主人公は、弱くも強くもないくらいの傭兵で、なんとか孤児の状態から這い上がり、町外れでもマイホーム獲得まで成し遂げた。 自分の強さにある程度自信を持っていたが、山賊討伐の任務が予想以上に困難で山賊が強すぎるし、ケモミミの感情無い少女・コハクも強すぎるし、なんだこいつらーとなってたら殺され、ハッと気づいたら傷は治り時は経ちマイホームは朽ち果てコハクは小さくなっていた。 第0話 https://urasunday.com/title/1349/126872 絵がきれいで、ヒロインがちょうど可愛いかつキレイな感じで、小さくなってからはかわいいし、寿命長いので中身ババアなロリババアで運命語ってたり訳知り顔な感じでいろいろ乗ってるのいいですよね。 主人公もめっちゃ強くはないけど弱すぎもせず、口は悪いけどいざとなったら人は助けるタイプで好感持てるし、時が経ったあとも二人で拠点見つけて畑とか作っていく展開が楽しい。 「異剣をめぐる、拠点防衛ファンタジー」 らしいので、 ・拠点で酒場を経営しつつ食料と金を確保して ・めちゃ強かった山賊が持ってたような「異剣」を拠点で待ち構えて探しつつ ・拠点を守りつつ って感じのあんまり見たことがないタイプのファンタジーになりそうで期待しちゃう。 マンガワンで更新を楽しみにしていきたいと思います。
『あの娘にキスと白百合を』の著者・缶乃先生の短編集。新連載作『合格のための! やさしい三角関係入門』との同時刊行です。 表題作『無職とJK』は、電撃コミックの百合アンソロジー『エクレア』シリーズにて〈連載〉。金持ちJK(素直ないい子)が、「ヒモ稼業」のお姉さんを養いたくて、グイグイ迫って行くけど……というお話。 コミカルなやり取りと、「金」というドライで生臭い物を介しても尚、お嬢様の強い恋情と、子供を思い遣るお姉さんの真摯さは、胸に迫るものがあります。 その他、一迅社・双葉社のアンソロジーと『百合ドリル』、同人誌掲載の小品が集められていますが、缶乃先生の一貫したカラーは、昏さも明るさも「しなやかに」描く、という感じでしょうか。 明るい絵柄で描かれる女子達のコミカルなやり取りから、不意に昏さが立ち現れて来る。それを明るさが救うか、昏さが飲み込むか、という物語の、どの終局からも「終わり」という声は聞こえない。聞こえるのは「続く」という声。 昏い感情も切なさも、生きている限り明日も続く。抱えて進むか、立ち直るか……いずれの物語も、へこたれなさ・次に繋げること・生きる力を表現していて、それ故に本質的に明るく、しなやか。読んでいて打ちのめされない、自然と力を貰えるような作品達だと思いました。
「民主主義はもういらないあなたのための全体主義」日本政府国民クイズ省がお送りするテレビ番組、国民クイズ。決勝クイズに正解すればどんな野蛮な願いでも政府によって叶えられ、それ以外の失格者はA〜Dランクの戦犯扱いされる。そんな狂ったクイズ番組に熱狂する人々が異常すぎて面白いのですが、司会者のK井K一の暗殺未遂をきっかけに、後半では反体制派が革命を起こそうとする話になります。実はK一も過去に国民クイズに出場していてB級不合格者の身なのです。反体制派の協力者になったK一の革命家としての変貌ぶりも見所ですが、熱狂にあおられた人々が選んだ結末が容赦無くて好きです。現実の日本で何か運動を起こしたとしても同じ選択をしてしまいそうでヒヤリとしました。「バカとゴッホ」でも思いましたが加藤伸吉の絵って読んでてすっごく楽しいですね。
レッド・ベルベットというケーキがあるそうです。歴史もあって、アメリカではメジャーなスイーツなんだとか。画像を調べてみましたが、その名の通り赤色がキレイなケーキです。 幼い頃に母を亡くしたアールはふさぎ込む父親と反駁しながらも、母の遺したレッド・ベルベットのレシピを探し求めています。 一方の親友のランディは重病の母親を抱え、こちらも父親とはうまくいっていません。おまけに窃盗グループに目をつけられ犯罪の片棒を担がされているという状況。 失った母の面影を追うアールと、母を失いつつあるランディの対比は痛々しく、物語には常に薄ぼんやりとした閉塞感が漂っています。ふたりの毎日は決して順風満帆ではありません。 それでも互いを支え合い、未来に目を向けられているのはふたりには目標があるからです。かつてアールの母のケーキ店があった場所で、再びお店を開くこと。 少年だったアールとランディの人生は2巻の時点で大きな節目を迎えました。希望にあふれた道筋ではなかったかもしれませんが、ふたりは確実に前へと進んでいて、その事実が勇気を与えてくれます。 レッド・ベルベットのケーキがアールのお店に並ぶ日が来るのを楽しみに、次巻以降もふたりを見守りたいです。
めちゃくちゃ久しぶりにフィーヤンに載ってたびっくりそして嬉しい。次号予告には載ってなかったから不定期かな…。阿弥陀先生いろいろ大変そうだったので無理のないペースでお願いします🥺 あー、最新話読む前にRの1巻読み返したけどやっぱり久我くん好きだ
若い人たちはご存じないかもしれませんが「江戸城天守閣の再建を!」といったスローガンは、昭和戦後の昔から、日本が不景気になるたびに、たびたびあがった話です。でも、天守閣再建の話が、具体的な計画になったことは、ほとんどなかったわけです。
今まで食べた中で一番うまい飯の話を語り、思わず唾を飲みこんだ人が多ければ多いほど勝ち。 今そこに飯があるわけじゃないからこそ面白い、それを漫画でやるのがこれまた面白い。 落語とか怪談とか民話とか、語りの良さってやっぱり語りにあると思うんです。語られてる事象や世界はそこに存在しなくて、でも語り口であったり表情だったりがその世界に引き入れてくれる。想像の余地があるからこそ面白い。 漫画は絵と文字だからある意味想像の余地がない…美味しそうな料理も、それを食べたときの表情も、見た瞬間にわかる。 でも、味は想像するしかないんですよねえ…。 想像の余地がないって言ったけど、いっちばん知りたくて知りたくて仕方ないところだけ想像するしかないっていうのがたまらなく面白い。 さらに、語りにおいて重要な声も聞くことができない。唾を飲みこむ音ももちろん聞こえない。 凄いなあ。漫画的面白さ詰め込んでるなあ。 料理における味、語りにおける音、この2つがわからないから余計に面白いんだなあ…。 なんてことを考えてもう一周読んだら面白かったです。漫画って面白いですね。
グルメ漫画でもありビジネス漫画でもあり 人間ドラマでもあるという感じがする良い漫画。 いきなり第一話から第三話くらいにかけて 青果市場・仲卸という野菜流通の現場が とてもリアルに判り易く描かれている。 漫画らしく都合よすぎではあるがテンポが良いし、 深刻な場面も適度に愛嬌のある展開で面白く読める。 その中に野菜への愛着と人間関係の愛情みたいなものも ちゃんと、たっぷりと入っているが、 けしてくどくなく、ベタベタしたところがない。 まさに新鮮野菜の風味が生きている煮物、 という感じの美味しい面白さ(笑) グルメ漫画は、美味いが絶対、になりやすい。 ビジネス漫画は、リアルに描きすぎると怜悧な感じになりやすい。 人情漫画は強く描きすぎると、重くてクドクなりがち。 その点「八百森のエリー」は、どれかの要素が突出しすぎたり することがなくて話が上手く整っている感じがする。 バランスがとれているというか。くどくなくて後味がいい。 読後感は健康的に良いと言ってもいいだろう。 野菜をメインに扱った漫画だけに。 リアリティがない?部分をあえてあげるとすれば、 やたらと長身イケメン、ややジャニーズ系、少々BLっぽい、 そんなキャラが市場男子として多数登場することか(笑)
タイトルはコメディ調なのに、読み進めるごとに切なくなる物語。登場人物皆が心の奥底に何かを隠し、その感情が昂る瞬間に、胸が苦しくなる。 登場人物は ●憧れの先輩を追って難関校受験を目指す中3女子・真幸 ●真幸の家庭教師になる高1の凛 ●真幸の憧れの先輩で、凛の親友でもあるあきら 主人公は真幸のように描かれるが、物語のキーマンは、家庭教師の凛。 彼女は実は「複数の人を愛する女」。そのことは誰にも理解されず、ずっと仲良しだと思ってきた大切な仲間も、傷つけ失ってしまう。その過去話も、辛い話だ。 〈倫理にもとる〉本能を持つ人の、絶望的な感情……傷つけたい訳ではないのに、存在するだけで誰かを傷つける、という凛の苦しみは、とてつもなく切ない。救われて欲しいと思うが、そのために越えるべき〈倫理〉の壁は高い。 そんな過去故に、もう友人は作るまいと思って来た凛だが、思いがけずあきらという親友を得て、さらに生徒の真幸に自分を肯定される。 意図せず新たに生まれた、大切な「三人の」関係。1巻にしてもう、波乱の予感しかない。凛と真幸の危なすぎる距離、親友としての凛とあきらの関係のおぼつかなさ、そして凛の生徒が後輩の真幸である事を、あきらが知る時は来るのか……この困難、この複雑さと切なさ、2、3巻程度で「やさしく」完結する筈がない……のか?
『ジョジョ』の荒木飛呂彦先生の連載2作目の今作 イタリア旅行で肉体美にこだわった ルネサンス美術に出会い、 そしてリドリー・スコット監督の 『エイリアン』を見て究極生物という 概念に気づき作り上げられた作品です! バオーという寄生虫みたいな生物に寄生され超人的な生物に変身できるようになった育郎を主人公に小さな女の子を助けるために戦う超王道ストーリーです! 『エイリアン』のイメージを少年漫画的な フォーマットに昇華させた見事な作品です。 当時B級と呼ばれながらも画期的なアイデアが詰まったホラー映画のエッセンスを 少年漫画の中に持ち込むという 革新的な荒木流創作術が開花した 荒木先生の歴史の中、そしてマンガの歴史の中でも大きな転換点となる作品だと思います ので、荒木ファンだけでなく全マンガファン必見の作品ではないでしょうか? 主人公の育郎が戦闘中は喋れないので、 代わりにナレーションが心情などを説明してしまうので感情移入がしにくいという問題点があるからか、打ち切りとなってしまった 作品ですが、この打ち切りは後の『ジョジョ』での大爆発に繋がるので、 意義のある打ち切りだったと思います。
『ジョジョ』の荒木先生の初連載作品 作品の雰囲気はロマン・サイコホラーと言った感じです。 正義漢でもなければ悪役でもない ダークヒーロー的な造形の主人公のビーティは当時のジャンプでは相当新しかった のではないでしょうか? 荒木先生が同じ歳で『キン肉マン』を描いたゆでたまご先生に負けないために自分の個性を探っている時の作品で、当時ではあまりなかった『バビル2世』風の知力を使っての戦いと高橋葉介先生風のロマン・サイコホラー に影響を受けて作った大クセ漫画です! 『ジョジョ』に至るまでの荒木先生の格闘が窺える荒木ファン必見の作品でだと思います! この格闘は次回作の『バオー来訪者』に引き継がれていきます!
緩い、癒される。 日々楽しみを見つけながら生活してる三歩の日常ずっと読んでいたい。笑 時々、ドキッとする発言もあるし、意外に深い内容なのかも。 普通に街歩いてそうな三歩の日々を楽しめると思います。
主人公の日常生活を中心にした一話完結的話の連載形式で、 古い漫画だけれど当時としては斬新なギャグも出てきたり、 ちょっともの悲しい話も交えたりしながらの、 読後には心が温まる、そんな漫画でした。 いまでも何かをキッカケに思い出すことがあります。 抜き打ちテストを連発する先生とか、 飼い猫についての話とか。 最初はギャグが面白くて読み始めたけれど、 ギャグ話で日常生活感が壊れることもなく、 話のシリアスな部分を壊すこともなく、 各話ごとに面白くて考えさせられる話で、 何度も読み返しました。
家族全員が同じ高校に通うという設定でギャグもテンポ良くて面白かったのだが、「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」のインパクトに比べると、少し物足りなく感じてしまったな。絵も現代が舞台だと少し増田こうすけ寄りになるんだな。主人公の親父とペットの猫の活躍に期待してる。
描いた順番でいうと「お願いだから」「緑茶子ちゃんのこと」「秘書・恵純18歳」になる。連載デビュー作の「秘書・恵純18歳」は最初の構想では恵純が20歳で結婚するまでを全3巻で描く予定だったらしい。だけど途中から同じヤングユーで『SWEETデリバリー』『雲の上のキスケさん』を並行連載し始めたので続かなかったとか。他の2作品はしっかり完結してるのでちょっと勿体無い気がしますね。「緑茶子ちゃんのこと」には高橋由佳利先生が「トルコで私も読んでいた」を特別寄稿されていてテンション上がりました。お二方とも大好きな作家さんなので嬉しかったです。出来ることならタイムスリップしてヤングユー読者になりたい…。
百合といわれれば、そうなのかもだけど、その言葉でくくってしまっては表現しきれないものが沢山ある。 本作は、そんな作品。 舞台は、代々卒業生の「髪」で縫い上げた制服を着るという伝統がある、女子校。そこで過ごす女学生の群像劇。 卒業生の「髪」で制服をつくる…若干ホラー臭がしますが、そんなことはありません。 むしろ、その女学生の髪の毛、女性の命ともいえる髪が1本1本美しく、それこそ生きているかのような描写に息を呑みます。 恐怖よりも、そっちが強いです。 そして全体的に漂う、どこか儚い雰囲気が、この伝統とよくマッチしてて、物語に惹き込まれてしまいます。 随所に散りばめられた繊細で詩的な表現が、また良いのです。 百合か~と避けていた人、百合は少し苦手~という人にこそ、おすすめしたい作品です。 美しさの中に、少しの狂気を孕んだ展開にゾクゾクして続刊が気になりますよ。
なんだこのおじさんだらけのギャグ漫画?は…と思ったら今を生きるおじさんの心に刺さりまくる切実な漫画だった。これはすごい来る予感がする。自分は出てくるおじさんたちとはちょっと立場が違うのになんかわからんが刺さりまくった。 はたから見れば即通報案件なおじさんたちの遊びも、頼むからそっとしといてあげてくれ…と願ってしまう。
続編と知らずここから読んでしまったので、最初の方はなんか説明不足だなぁと思いながら読んでしまった。あと主人公の鈴にあんまりギャル感がないのも期待と違った。 けど最後の鈴の姉の祀が出てきた話はかなり面白かった。滅びた山奥の山村を支配するミイラっぽい神さま…リアルに居そうな土着の神さま感がすごく良い。 途中、福助でおなじみの溶けた肌の表現があって、福助ファンとしては「おおっ」と嬉しくなった。前作のとこよかくりよの方も読んでみたい。
イーグルス、ホテルカルフォルニアからきているのであろう、バーカルフォルニアが舞台。(台詞が歌詞とリンクしている)これは世代としてはとても面白く、新しい解釈を見せられたなと圧巻。 絵のタッチや、ぱっとした流れは綺麗なのに 『この作品を読み続けたら自分の中のなにかが変わりそう』というなんともいえない不安感すら感じる。バーカルフォルニアの常識をすっと理解し受け入れてる自分がいたりする。不思議の国のアリス的な空気を放つ異質な作品でした。作者は過去にどんな作品を描いたのか?と見たらドコメディで「いやっええええ!?」感のギャップも良かった笑 万人受けしないであろうテーマに、強くせめた作品でした。ぜひ連載してほしい。
今ちゃんみたいに、聞こうと思わないのに聞こえてくる音って精神的にかなり辛いよね。 理解者も少ないだろうし。 そういう意味では、鶴見先生と出会って共有できてよかった。 一巻で完結かしら? 渦子と今ちゃんのお母さんが似ているってところ話が広がるかと思った。 あと、渦子・・・。 渦の子と書いて『カコ』。 渦に消えて、元居た場所に戻ったのかな?
この漫画はベンチャー企業に務めた経験がある人には刺さるんじゃないだろうか。 もちろん、それ以外の人にも普通に面白いし、ザーッと流し読みするだけでもどうなっていくんだろうと展開が気になってくると思う。 物語の大半は主人公である堀川が「自社役員会」や「取引先」ひいては「国民」「皇室」を相手取って立ち振る舞う大活劇。 (皇室を相手取るというと不敬に聞こえるかもしれないけど他意はないです) 実際にハードルとなるのはどういうところなのか?現代に江戸城再建したい、しかも皇居内に、となると「そういう問題もあるのか」と全く知りもしなかった障壁がどんどん出てくる。 もちろん日本という国のもとに生まれ育った日本人ならではの感性であったり、東京で暮らしている人たちは肌で感じているであろう皇居という存在と尊厳の重要さ、さらには現代におけるジャパニーズエンペラーが世界中にとってどういった可能性を持つ存在なのかをしっかりと描いてくれている。 モニュメントがない!と言われる東京。東京タワーやスカイツリーなんかはあくまで高い塔で、心で支えられていない。これも他意はないんだけど、日本という国の象徴にはならないであろう。 何故なら日本の象徴は皇居内にあるもので、目に見えているものではなかったりするから。この曖昧さが逆に日本人の自由さかもしれないけれど。 色々と考えさせられるし、堀川の背景も深いものを感じる。 適当に取って付けたような設定ではなく、本当にやろうとしたらこうなるだろう、こういうのが必要だろう、というのがしっかり描かれていてとてもとても興味深い(本当に足りてるかはわからないけど) あとテンポもいい、すごくサクサク進むし、面白い。 これを学生時代に読んだ若者の誰かが偉業を成してくれると日本の未来は明るいだろうな。 追記:1巻のあとがきにある「誕生秘話」がちょっと良い。こういう感じならここまで真剣なのも納得できるなと思った。
「ふたなり」は百合にとって、最大の禁忌の一つ。それ故にこの作品を試し読みした百合好きは、嫌悪の眼差しを向けるかもしれません。 また、そういう禁忌を超えた、新たな百合(?)が待っているのかも、という期待も、ラストに軽く打ち砕かれます。 そう、この作品は、百合ではありません! ……だとしたら、ふたなりでも問題なしですね!物凄く生々しくお下品な下ネタギャグを、心置きなく堪能していただきたい。 (補足すると、百合的な部分はネタとして笑いに昇華されていくので、百合ギャグ作品として捉えても全然アリだと思います。百合と捉えるかどうかは読む人次第という事で、ひとつ) とてつもなく古い一族の男系継承を守るため、亡き兄のイチモツを移植された女子高生と、彼女の為にあたふたする親友のお話……もうこの時点でどうかしている……。 ふたなりの秘密も命を狙われる危険も、とにかくあっけらかんと描き、イチモツのグロさも「グロい、グロいよ!」とギャアギャア笑いにしてしまいます。これが可笑しいんだ……。 女子高生の言葉と共に動くイチモツが、段々可愛く思えて来ます。横山まさみち先生のオットセイを思わせる、生きているみたいな?イチモツ表現は、意外とBL読者に親和性が高いかもしれません。あとは『寄生獣』が好きな方とか。
※ネタバレを含むクチコミです。