かつて地上にあった商店街がビル建設によって地下に移動してどこか懐かしい雰囲気をもった迷路のようになった地下街の話。 おじいさんが孫二人連れて映画帰りに寄ったのはウィンナコーヒーが名物の地下街にある喫茶店。 トイレに行こうとした孫は迷ってしまい、同じく迷ったおじさんと会い一緒に地下街を彷徨うが・・。 具体的に時代は分からないけど、昭和後期から令和のどこかなのかな、そこから昭和初期、中期あたりを振り返って、全体を通してずっと懐かしい匂いが充満していてキラキラと輝いている様子がきれいでステキでした。
安野モヨコ展で原画を観ながら「そういえば花とみつばちって読んだことないな〜」と思い読んでみました。さえない男子がモテたくて努力する話だから『モテキ』みたいな感じかなと思ってたけど、そうじゃなかったかも。女の子の方が蜜蜂だったんですね。リアルな男女のモテ心理が描かれてるのはもちろんだけど、マンガっぽさが強烈なのが面白かった。メンズエステの店員さんがいきなり美人姉妹にチェンジするとか、山田くんの突然の整形とか、ザ・マンガな展開がベタだけど読んでて楽しい。一番好きなのは山田が小田原城でデートする話。本当になんであいつがモテるのか解せない!けど、逸材なのは認めざるを得ない…。整形しなくても光ったんじゃないかな。工事現場にいた異常にモテるオッチャン小橋さんも面白かった。安野モヨコのマンガテクを堪能したければぜひご一読を!
古谷実…まだ全部読んだ訳じゃないけど「わにとかげぎず」「ヒミズ」より「ヒメノア〜ル」好きだったかも。生れながらのサイコパス・森田の狂気と苦悩のダークな面と、恋のテロリスト(笑)・安藤さんの言動のギャグ面が同時進行するけど、両方とも面白かった。自分みたいにリアルタイムで古谷実を読んでない人にまず何読んだらいいかを聞かれたら「ヒメノア〜ル」を推そうかな。「ヒミズ」の衝撃的なバッドエンドとかに比べたら静かなラストだけどあれが逆によかった。次は「ゲレクシス」読んでみよう。
マンガのすばらしさは幾つもありますが、自分の知らない世界を教えてくれる、知見を広げてくれる、という点も挙げられると思います。 AVを見たことのない男性というのは日本にほとんどいないと思いますが、この業界に関して詳細な知識のある男性もまた、ほとんどいないと思います(AV女優や男優、作品レベルの話ではありません)。かくいう自分も、好きな作家のエッセイや漫画で取り上げられたエピソードやインタビュー程度の知識しかありませんが、それでも恐らく世の中の平均的な男性よりは「作品」以外について「知っている」人間になってしまうと思います。 作者の村西てんがさんは、実際に制作会社で働いた経験があり、我々のような無知な人間に、AV業界や撮影というものを、少しずつ見せてくれます。 パッケージングされた作品には、それを作っている人達がいる。至極まっとうなことなのですが、AVに関してはその事が意識する人間は殆どいないように思います。それもまた無知のもたらすものであり、想像力の翼を届かせることのない原因になってしまっているのではないかと思います。 描きたいことが沢山あるんだろうな、というのが1巻を読んで自分が感じたことでした。それは、作者の物語を紡ぎたいという願望と同じくらい、この業界に向けられる「無知」に起因する眼差しを変えたい、という祈りなのではないかと。 世の中には、色んな仕事があるし、そこで働いている人は多分自分とそんなに違わない。彼ら彼女らも自分と同じくらい懸命に毎日を生きている。そんな当たり前のことを教えてくれる、現代の日本で特殊とみられる世界をやさしく教えてくれる作品です。作者が描き切ったと言えるくらい、連載が続くことを祈り、細やかでもエールになればと思います。
短編集だから読みやすいだろうと思ってこちらを選んだのですが、最初に収録されてる長〜〜〜〜い脇毛が一本だけ生えてくる男の子の話でもう面食らいました。なんだこれは…!後半からは雑誌「本人」に掲載された自伝的な作品が収録されています。自分の身の回りで起きた出来事を描いているのでジャンル分けするとしたらエッセイ漫画になると思うのですが、なぜかストーリー漫画を読んでいるような気持ちになる話ばかりでした。とても面白いのですが初めましての作品としては適さないかもしれません。他の作品を読んでからの方がより楽しめそうだなと思いました。
てんかちゃんよりも、てんかちゃんを溺愛するパパとママにホッコリしてしまいました…。とにかく両親がいい人たち過ぎる!こんな幸せな家庭があって良いのか…と思いましたが、カワイイ盛りの子を持つ親って皆そういう風に見えるものかもしれません。どこにでもある家庭の、人生で最も幸せな時間を見せて貰ってる感じがします。かと思いきや、後半にやや重たいテーマも控えてたりするので、カワイイだけでなく僅かな毒もある作品です。
よしもとよしとも、なんてふざけたペンネームを掲げてしまったことが全ての発端なのかもしれません。永遠の放課後居残り組ことよしもとよしともは、いつまでも漫画界から反省文を書かせられて家に帰れないのです。 大友克洋、高野文子、さべあのま、岡崎京子、望月峰太郎等からの大きな影響を受けて、遅れてきたニューウェーブとして彗星のごとくデビューしたのがこの『日刊吉本良明』になります。基本軸は、業田良家の『自虐の詩』や、吉田秋生の『ハナコ月記』の系譜にあたる同棲4コマ漫画ですね。とはいっても、どこまでが本当なのかは分かりませんけども、作者本人の生活臭が全面に押し出されていて、途中からは同棲生活や大学生活に原稿生活が紛れ込んできますから、そういう意味では漫画家漫画としても機能しています。ファンレターについて描かれた回があったと思ったら、幕間に実際に届いたファンレターを載せたりしている。メタフィクション的というか、挑発的というか、まあ、かなり挑戦的なんですよね。 それで、まあ、1ページめの初っ端から、あからさまに高野文子のジーンズの描き方で同棲する二人が描かれています。そして、ページが進むごとに、大友克洋の漫画を隣に置きながら原稿を描いているとか、『バタアシ金魚』のファンから猛攻撃を受けているとか、人の絵をめちゃくちゃパクって描いていることを隠さなくなる。そういうのをどんどん自虐ギャグにしちゃう。このように数々の作家の長所だけを寄生虫のように吸収し、すげー絵を描いていく俺、将来大物、なんてセリフまでありますからね。いっぽうでは、岡崎京子のところにアシに行く回とか、とても貴重な記録もあったりします。 で、ダラダラとしょうもない4コマが続いていくんですけど、これが不思議と滅法おもしろいんです。ギャグなんかだいたい滑ってるし、絵は人からの借り物だし、それはそうなんだけど、エルヴィス・コステロのPump it upのポスターが部屋に貼ってあったり、XTCのセーターで喧嘩したり、妙にディティールが行き届いていたりするのが憎めないんですね。その後、よしもとよしともは何本かの何とも言えない中編を残して消えてしまい、今となってはテレビ番組の『消えた天才』みたいな状態になっていますけど、デビュー作の『日刊吉本良明』をはじめとしたいくつかの漫画には荒削りで未完成なところが多分にありながら妙な魅力が記憶に残って離れないんです。 たぶん、よしもとよしともという漫画家は、漫画というものを見る目と想起する才能には溢れていたけれども、致命的なことにそれらを自らの手で具現化する体力みたいなものが欠けていたんだと思うんですよね。そういう意味では江口寿史に似ているのかも知れません。そんなこんなで決定的な傑作を残せないまま、いまだに放課後居残り組として家に帰れないでいるわけですけど、じつは二本だけ隠れた大傑作を残しています。 黒田硫黄と組んだ『あさがお』(『大王』収録)と、 衿沢世衣子と組んだ『ファミリー・アフェア』(『おかえりピアニカ』収録) がそれにあたります。両方とも、よしもとよしともがネームまでを描いている。しかも、それらの収録された二冊の短編集は、黒田硫黄にとっても、衿沢世衣子にとっても、ともに単行本デビュー作にあたるわけです。これはただ事ではないというか、なんて怖ろしい目利きをしているんだろうと驚かずにはいられないのです。数打って当たった二本ではなくて、めったに仕事をしなくなったよしもとが重い腰をようやくあげて選んだ二本ですからね。 しかし、まあ、かれこれ10年くらいは沈黙しちゃってますから、そろそろ次の反省文をしたためてもらいたいものですなあ。
原点にして頂点という言葉をこの漫画に捧げたい!! 現代的なアイテムや背景が登場すればするほど、時代感のアップデートされなさが浮き彫りになっていく酒のほそ道。 楽しく美味しく呑めればいいじゃないかと言いながらもめんどくさい酒呑みばかりが登場し、でも結局みんな楽しければいいじゃないかというところに収束していく酒のほそ道。 アプデ前の人も後の人も、楽しくなるまで呑んで食べればそれでいいよね。自分がよければいいの極地がここにある。みんな自分勝手に楽しければいいんです! という空気感が絶妙に好きなんですよね。 めんどくさいこと言いながら、干渉し合っているよいでありながら自由に酒を楽しんでいる宗達がなんだかんだ好きなんだなあ。 自宅でつまみを作りながら酒を飲む回はレシピ漫画としても重宝するし、一人酒も飲み会もちょっといい店もいろんな酒の楽しみ方が学べる(?)のもいいところ。 時代に迎合することもなく、自分の信念を押し付けることもなく、適度にめんどくさいリアルなスタイルを貫いてくれる酒のほそ道が好きです。 誰よりもめんどくさいカスミちゃんがどんどん宗達に影響されてるのかわいい。めんどくさかわいい。
やっと読みました、ヤンマガ40周年読切<我漫>の永井豪回。この作品は電子版ヤンマガには収録されていないため、紙雑誌のヤンマガ読むしか方法がなむ、コミックDAYSで購読している者としては、読む機会を奪われた状態でしたので「それなら絶対に読むものか!」と半ば不貞腐れ気味な態度でいましたが、結局読まずにはいられなかった。 ”吉川英治“史観とも言うべき従来の宮本武蔵観と異なる永井豪ならではの〈鬼〉宮本武蔵。佐々木小次郎の子孫、佐々木小太郎(女性)との決闘に至るまでの異説を交えた件がこれまた面白い。 やっぱり永井豪は凄い、この読切は永久保存しなければと思った次第でした。
平和な街を守る婦警さんと、営業を装う暗殺者。一人の資産家の命を巡り、二人は……あれ?なんだか和やかです。 資産家を警護する婦警さんですが、彼を狙う暗殺者を疑うどころか、何かと暗殺者に助けられ、暗殺者を信頼していきます。一方婦警さんに恋して彼女を手に入れたい資産家と、彼の魔の手から婦警さんを守りたい暗殺者は、暗殺と関係なく対立し……この人達何やってんの?チグハグな可笑しさのシチュエーションコメディに、笑っていいのやら戸惑った方がいいのか……。 抜けているけれど、いつもはキリッと緊張感のある婦警さんですが、時折暗殺者に向ける疑いのない明るい笑顔が、本当に愛らしい!のですが……婦警さんの意味深な発言に、暗殺者も読者も惑わされます。彼女、どこまで真相を分かっているのか、はたまた何にも分かっていないのか……色々な事がはっきりとしないままだけれど、お願いだから婦警さんの笑顔を守って、暗殺者さん! 2巻は2020年11月13日発売!
大和は素直な性格なのに光臣に対してはちょっと拗れちゃうの、いいねえ。このふたりを見るまわりの目も暖かい。多幸感溢れて洪水起こってる。ラストにはうるっときます…
※ネタバレを含むクチコミです。
まったく可愛くない犬タロちゃんはお稲荷さんに二十歳の誕生日だけ人間の言葉を話せるようにしてもらいました。可愛くないけどとても礼儀正しい、落ち着きのある老犬です。そして自分を拾って育ててくれた飼い主のお墓参りに奥さんと一緒に向かうと…と言うお話です。 人間を装って子供服を着てお墓に行ったところが笑えました。
背が高いというだけでバスケ部の先輩に勧誘された主人公つばめが徐々にバスケにのめり込んでいく様が素晴らしいです。 ライバルも登場しこれからますます熱くなる予感!
姉ちゃん…姉ちゃん;x; 主人公高嶺竜児、ヒロインは実の姉となる高嶺菊。 拳で語るのみの本作だが、この後に控えた聖闘士星矢が小宇宙を燃やしセブンセンシズに目覚めないと超えられないぐらい生身の人間たちが限界を突破しまくる少年漫画の常識を揺さぶりまくったジャンプ黄金期(初期)の代表作。 黄金期に関しては諸説あると思うので正確には未だそこは違う!とかあるかもですがw ギャラクティカマグナムは当時リアルタイムで読んでた世代ならきっと撃ったことがあるだろう(ごっこ遊びで) 自分の場合はペガサス彗星拳でしたが。 必殺技、というのは本当に少年の心をいつの時代も掴んで離さないもので、そのハシリと言っても過言ではないこの作品では主人公やライバルたちが皆超かっこいい必殺技を持っています。 竜児のブーメランフック、河合さんのジェットアッパー、石松のハリケーンボルト(スパイラルタイフーンってどこからだっけ?)、そして志那虎のローリングサンダー。 私は志那虎が好きだったのですが(かっこいい)イケメンは河合さん。 ※志那虎が若かりし頃に狂気じみたマシーンのせいで大怪我をした後、父親にローリングサンダーを見せるところは狂気じみてて素敵なので必見です。 今見るとどこもツッコミ満載な感じで最後まで突っ走りますが、本当に胸アツな彼らの血まみれなボクシングは日本中の少年を虜にしたと聞いています。 リアルタイム世代じゃないのが少し悔しい作品。 2の方にもレビュー書きましたが、今挙げた4人+剣崎は日本を代表とするボクサーなので、是非今の世代のボクシング好きの人たちは一読していただいて、同じくボクシング好きのおっさんたちに話を振ってみるといいと思います。 画像は志那虎の若かりし頃と問題のマシーン。
画家×ヌードモデルの恋愛?的なマンガ。 すごく良いんです。 二人共、少しズレていて、勘違いも加わり、会話が噛み合っているような、どこか噛み合っていないような感じで関係がすすみます。 もう、1話でやられました。 死ぬつもりだった主人公が、ひょんなことでとある有名な画家と出会い、魚につられて、ついていったらヌードモデルになって、画家がつくる美味しいご飯を食べたら死ぬ気も失せて・・・という流れ。 (字になおすと意味不明ですね。でも、こういう内容です。) 色男で自信過剰な画家は、携帯番号渡すけど、 主人公、連絡せず、1年後の画家の個展で再会 「え、なんで連絡しないの?」 と思わず画家のセリフとシンクロして、もう、ハマりましたよ。 ご飯食べているときは、いい雰囲気だったのに、まるで全てなかったかのように裏切る感じ。 たまりません。 全体的に、微妙なボタンの掛け違いのようなやり取りが大笑いではないのですがクスリと笑えてクセになります。 主人公が、天然ぽくちょっとヌけているけど、恋心を意識しはじめて、これからどうなるか楽しみな作品です。
1話では、まだ主人公が入試試験を受けるだけだった!でもしっかりオカ研の先輩たちと絡んだし、可愛い友達もできていて、合格すると良いね…するんだろうけど。笑 ある意味入学前からオカ研に入ることが約束されているような、今までにないパターンの漫画?
あらすじには「イチャつきすぎ」と書かれていますが、イチャつくと言うよりは、「じゃれ合っている」と言う方がしっくり来るかと……。 二卵性双生児の高校生、元気な女の子モモと、しっかり男の子アオ。二人は双子ではありますが二卵性なので、容姿も性格もそんなに似ていない。 生まれた時からずっと一緒にいる二人の関係は……「競争相手」かな?どちらが姉か兄かを巡って意地を張り合うのですが、主導権を握りたいモモの行動はどこか抜けていて、それをアオがフォローしたり突っ込んだり……という構図が最初から定着していて、謎の安定感があって可笑しいです。 そんな二人のドタバタコメディの中に、時々お互いを自然に思い合い、心配し、助け合う様子が見えると、ああ、きょうだいっていいなぁと思わされます。 恋愛のドキドキではない、二人の「当たり前な」信頼関係が物凄く尊い!ズケズケと言い合いつつも互いを気にする、究極の安定した関係性コメディを、安心して楽しむべし! (欄外のカワイイ生き物と一緒にね!) 2巻は2020年10月14日発売! (追記:紙書籍はこの日に発売されていますが、電子書籍はこの1ヶ月後になるとのことです)
とても、良かったです! 失礼ながら、思ってたよりもグッと涙腺緩むお話でした。 タカシとオカン、過去に色々あったら少年達の関係の変化もジーンとくる。 何よりも、カラスと卍(タカシが拾ったネコ達)によって前向きに更に男らしく変化していくタカシがカッコいいし、愛おしくも思える。まだまだ読みたい。 そんな素敵な作品と思います!
最近の「アクタージュ」や「累」「マチネとソワレ」のような役者(舞台・演劇)系マンガのブームを鑑みて改めて評価されるべき作品。 よくブラックジャックと比較している人がいた気がするのだけど、チャンピオンでの連載枠としてブラックジャックの次がこの「七色いんこ」だったらしい。 人情物語は手塚治虫ならではなので当然のようにあるのだけど、役者としての顔と裏側で見せる怪盗七色いんこはとても魅力的なキャラで、人としての弱さというか深い情が見え隠れする。 ヒロインの背景も面白く、登場人物たちも今読んでも適当なようでしっかり作られていくので読んでいて思い入れが出来てくる。これらの伏線がグチャグチャ絡んでいくのに最後にギューッと回収していくところは一つの劇を見終えたような気持ちになれただろう。 最終話はほんとに評価が高いのだけど、当然そこまでの流れがあってこそなので最後だけ読んだりしないで順を追って全部読んで欲しい。
テンポ良くて面白いけど、・・・。 100人覚えられるか心配! 途中、読み返します。 それにしても、恋太郎の優しさは、罪だわ~。
妻が妊娠中の主人公・土岐耕一には忘れられない初恋の人がいる。夫婦喧嘩をした次の日に何気なくネットカフェに立ち寄ったところ長年想い続けていた土岐ゆきえと再会する。嬉しさのあまり「あー神様どうか…このまま…ずっと夜が明けなければ…」なんて考えがよぎった瞬間、館内の電子機器に異変が起こり、突然の土砂降りで入口が浸水してしまう、仕方なくそのまま宿泊することにしたが、朝になって外に出てみるとネットカフェの建物以外に何もない砂漠地帯になっていた。突然サバイバルをさせられることになった客の中には、極限状態で発狂する者、暴力で支配しようとする者、異変があったネットカフェはパワースポットとして有名だったと証言するオカルトマニア達が現れる…。 絵的にはそんなに怖くないのですが暴力で心理的に追い詰められるのでしんどいです。けれども途中からは意外な人物が活躍していくので応援しながら読むのが楽しくなってきます。めげずに最後まで読むのがおすすめです。でもしばらくはネットカフェに行きたくなくなるかもしれません(笑)
芥見下々先生が描く王通のバトルマンガ!設定が非常に練り込まれておりストーリー及びバトルにリアリティがある。キャラクターが魅力的で、 行動原理に一貫性があり読ん心いて違和感がない。絵に迫力があり、読んでいて面白い、おすすめのバトル漫画です。
超凄まじいインパクトのバナー広告を見て買ったのがこれ。まだ一巻しか読んでないけど超面白い…!!男を金で選ぶ女と、女を体で選ぶ男が互いに「金欲しい!!/ヤリてぇ!!」という本音を隠しながら交際を目指して頑張る話。 実は最初っから互いに両想いなんだけど、互いにゲスな本性を隠すのがうますぎて両想いなのが伝わらないとこがいい…! 元々2人は「本命の異性のことは札束/全裸にしか見えない」ため、今までは簡単に外面取り繕えていた。しかし、互いに恋心が芽生えてしまったため相手が札束/全裸に見えなくなってしまい、上手く振る舞えないのが面白い。(アラサーゆえ真剣に相手を落としにかかってるところもまた面白さに拍車をかけていていい) すっかり短話で5巻出てるんだと思って買ったんですけど、コミックスで5巻分出てるんですね…人気作だ。早く続きが読みたい…!!
ハンバーガーというひとつの料理だけをテーマにした狭くてディープなグルメ漫画なのに、その広範な知識量と誰にでも受け入れられそうな上品な作風に心を掴まれました。 ハンバーガーの世界ってこんなに広いんだ…!こんなハンバーガーがあるんだ…!という月並みな感想を抱いてしまいました。神宮寺ばりの知識がある人以外は同じ感想を抱くでしょう。神宮寺のハンバーガーを食べた人も同じ感想を抱いたことでしょう。 グルメな客が訪れて無理難題をふっかける、大きな悩みを抱えた人間を料理で救う、超強力なライバル店との対決…グルメ漫画あるあるが繰り返し描かれ、その度に神宮寺は軽やかに上品にハードルを越えていきます。 肝心のハンバーガーもめちゃくちゃ美味しそうです。とんでもなく美味しそうです…!!シズル感もあるしアツい食レポももちろんあるけれど、やっぱり上品なんです。 ジャンクフード、ファストフードであると思われがちなハンバーガーだけど、さまざまな食文化を受け止める懐の深さ広さがあり、ひとつの料理として確立されたものなのだ…ということをこの漫画の上品さが示しているのかなと思いました。 ハギスバーガーとマカロニチーズバーガーが食べたいです。
「のび太の恐竜」〜「のび太のワンニャン時空伝」までを全部読んだ。 おそらくリアルタイムでは「のび太と竜の騎士」ぐらいまででそれ以降は全く読んでいなかったが今回全部読んでみた。 昔読んでいた「のび太と竜の騎士」あたりまでは懐かしいという気持ちでだったがそれ以降はなんとなく流れで読んでしまった。 やはり子供の頃に一年に一冊づつ読んでいくのが正解で中年になってから一気に読むと、素直には楽しめず「歌が出てきたからもうそろそろ終わりかな」とか「大長編はいつも同じ道具を使うんだな」とか「最後のまとめ方がすごいな」とかその程度の感想になってしまった。 なんとなく予想はしていたが「のび太のねじ巻き都市冒険記」以降は「大長編ドラえもん」だが藤子・F・不二雄の「大長編ドラえもん」と違う感じを受けたがそのへんみんなはどう思っているかは気になるところだ
大日本天狗党絵詞を読まないと黒田硫黄を好きと言ってはいけない気がしていたものの機会がないままでその評判ばかり聞いていたのですが、ようやく手に入れて読んでみると結構自分には難しくてどういう話なのかイマイチ分からないまま終わってしまった。最終的に絵を眺めていたと言っても過言ではない…。今あらすじを読んだら「天狗にさらわれた子はそれからどうなっちゃったのか?」と書いていてやっとピンときた。そういう話だったのか。これから読む人はここに焦点をあてて読むといいかも。自分ももう一回読み直してみます。
女性二人の同居を描く本作ですが、この二人の関係は、職場の「上司と部下」。しかも立場にかなり隔たりがあります。 ●三十代にして部長を任される、頼れるけれど真面目で堅い東(あずま)さん ●新入社員の明るくゆるふわな西さん どう見ても性格が正反対の二人が、たまたま同居する事に。険悪にならないの?と心配になりますが、実はこの二人、共通点があります。それは…… 生活力が、無い。 驚く程何もできない二人が一緒に住むと、0からじゃなくてマイナスからのスタートになるんですね。最初は結構、酷い日々。 でもそこから、協力しながら生活を共にし、上司の東さんが引っ張るようでいて部下の西さんがいろいろ教えたり、そのうち二人には連帯感が生まれ……。失敗ばかりの日々も、冒険じみていて楽しそう! 西さんのキャラクターが本当に素敵です。普通「部長」に、あんなにフレンドリーに出来ませんよ……「ぶちょー♡」って甘える女子新しいな……。その明るさで、ちょっとぼっちを拗らせ気味の東さんは救われている。 笑いも温かさも沢山の、二人のドタバタ生活は始まったばかり!
3巻完結作品だと、読むのに躊躇しますよね。 広がるだけ広がった風呂敷に、回収されな伏線・・・そんなものが、あったらどうしようと思うと、手を出すのに勇気がいりますよね。 でも、安心してください。本作は大丈夫です。 田島列島先生の、この空気感、唯一無二だなと感じます。 セリフの一つ一つ、場面展開による独特の間のとり方、ストーリーの進み方、どれをとっても、作者の個性がピカリと光って、だからこそ好き嫌いも出そうですが、自分はドンズバでした。 少しづつこじらせた人間関係の妙味が、面白いんですよね。 物語上必要な「設定としてのキャラクター」みたいなのがいなくて、リアリティというか、皆イキイキしていて読んでいて共感できるんです。 怒りたくても怒れない。どうにもならない、やり過ごすしかない状況。 わかるわーと思いながら、主人公と榊さんを見守ってました。 主人公の自分がいなければ、という罪悪感が、 自分がいたことで幸せになった瞬間は、なんとも言えない幸福感に包まれました。 心の底から、本作に出てくるキャラ達に感情移入していたのだなと痛感しました。 何度も読み返したくなる作品です。
不思議な世界観にスッと連れて行ってもらえます。 暗闇のコンビニで人間模様、そして、闇・・・。 生きて行くことの楽しさを死んでしまってから感じるなんて悲しいし、虚しい。 でも、死んでしまうことによって冷静に客観視できるのかなぁ? 生と死の間に生きているってどんな気持ちなんだろう。 『最後の3秒』決断の時!!
『NARUTO』本編終了後から『BORUTO』開始までの時系列の間には映画『THE LAST』や小説の列伝シリーズなどさまざまな作品が名を連ねています。 本作『七代目火影と緋色の花つ月』もそのひとつで『BORUTO』の映画と同時期に単行本が刊行されました。なんとなく夏のアニメ映画っぽくてかわいいタイトルだなと思います。 しかし内容はと言うと、サスケの娘・サラダの生まれに迫るなかなかシビアな内容。連載中も話題になっていましたが「サラダの母親、サクラじゃないんじゃないの…?」というちょっと生々しい話も出てくることに…。 家になかなか帰ってこないサスケ(この概念が面白すぎる)に愛想を尽かしたサラダがナルトに懐いていくのも涙を誘います。サスケ、そういうとこだぞ。 ナルトやサスケ以外にも『NARUTO』キャラ沢山出てくるのでアイツ今こんなことしてんだ…っていうのが楽しめるのもいいですね。 『BORUTO』も本作もテーマになっているのは家族。果たしてサスケは失った娘の信用を取り戻せるのか、ラストシーンに最高の答えが用意されています。 サラダが火影を目指すことになった理由が描かれるオリジンストーリー、『BORUTO』に手を出す際には合わせて読んでおくのがおすすめです!
「伝染(うつ)るんです。」「ぷりぷり県」などなど…読んだことなくてもタイトルは知っているという人もきっと多い代表作をはじめ、数多くの漫画を世に送り出してきた中で、ご本人曰く「描かせてもらえる様々な場所で、ちびりちびりと描いてきた、点在するすきま仕事かき集めた」のが本書であります。 いわゆる自伝漫画とは違うので注意。漫画と出会ってからいかにしてプロとなったのかは、冒頭にテキストでまとめているだけです(ただ非常に面白いので必読)。 置かれた場所で咲きなさい、じゃないけど、与えられた場所でふさわしい力を発揮し続けるというのは並大抵のことではないと思うので、作者が恥ずかしいと思うようなものでも、読者にとっては宝物のような漫画だったりしますね。 面白いのが「苦悩戦士」という漫画を、スコット森という名義で石ノ森章太郎タッチをほぼ完コピして発表したにもかかわらず、ネット上で「吉田戦車では?」と見破った人も居たという話。通常の2倍の時間をかけて描いたのに悔しいと語っていますが、分かる人にはわかるんだなとじんわりしました。
『すんどめミルキーウェイ』まで 行っちゃうと『ヤリ過ぎ!』ってなるし、 かと言ってここまでまともにやられると 面食らう。やっぱり『微エロ』くらいは欲しい。 本当ワガママですいません。 でも、ふなつ先生の描く女の子は可愛いので 今後に期待。
すごく正直な話、あんな名作がもう一度読めるとは言えない。 そのぐらい「リングにかけろ」は名作だったわけだけど、2世の物語はキン肉マンのソレにも似て決して駄作でもない。 ここから入るよりは先に初代を読んだほうがいいとは思うが、あえてここから入ってもいいかもしれない。感想求む。 当然だが2世たちの活躍がメインの本作ではあるものの、個人的には影で支えるオヤジたち(特に石松)のほうがかっこよく描かれているシーンが多く割と満足なのである。 初代を読んでる人はわかるけど、いくらすごいやつとはいえガキどもなのでガキになめられるような奴らじゃないわけですよ。そこはブレてなくてよい。
表題の『サスピション』シリーズ3作を中心にサスペンス色たっぷりの短編集です。3作はどれも20p前後と短いながらも人の心の行き違いが生む皮肉な結末がスリリングに描かれるのが特徴です。 ロボットを使った完全犯罪を目論む「ハエたたき」、山奥に住む男と金貸しとの命の駆け引きを描いた「峠の二人」など、人の猜疑心や臆病な心が思わぬ結末に向かっていくのが読んでいてハラハラします。 なかでも自分の一番のお気に入りはカバーイラストにも採用されている第3話「P4の死角」でした。 P4レベルという最高度セキュリティの研究所で行われる遺伝子実験中、作業員が誤って実験用のDNAを体に注入してしまうところが物語の始まり。隔離措置を取られ、防護服を着た研究員に囲まれるようすは臨場感があります。 このリアルな描写が後半効いてくるのでじっくり味わってほしいですね。 彼の体は一体どうなってしまったのか…というところが物語のキモなのですが、コンパクトに纏まっているのでなにか説明すると面白さが半減してしまうもどかしさが…。 とにかく読んでみてほしいです。手塚治虫の物語の構成力、人の心情の描写力が高密度で味わえます。
陽気なようでシリアスなノリが面白い、ガチ除霊モノ×BLな傑作。 これは面白い。あとやっぱり和ホラー(呪いなどの理不尽さが特に)が苦手なのだけど思いっきりソレなのでしっかり怖い。 でもこのコンビは魅力的ですね。
かつて地上にあった商店街がビル建設によって地下に移動してどこか懐かしい雰囲気をもった迷路のようになった地下街の話。 おじいさんが孫二人連れて映画帰りに寄ったのはウィンナコーヒーが名物の地下街にある喫茶店。 トイレに行こうとした孫は迷ってしまい、同じく迷ったおじさんと会い一緒に地下街を彷徨うが・・。 具体的に時代は分からないけど、昭和後期から令和のどこかなのかな、そこから昭和初期、中期あたりを振り返って、全体を通してずっと懐かしい匂いが充満していてキラキラと輝いている様子がきれいでステキでした。