女の子が抱いちゃダメですか?

男女の"受け攻め逆転"ラブコメ!? #1巻応援

女の子が抱いちゃダメですか? ねじがなめた
sogor25
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主人公の24歳のOL、梶谷美月は有名商社勤めのエリートサラリーマン篠宮孝之さんと付き合っている。清楚な雰囲気の美月と爽やかで優しい孝之は傍からみると理想的なカップルに見えるが、美月には孝之に対して隠していることがありました。それは"男の人から積極的なアプローチを受けることが苦手だ"ということ。 例えば彼氏に頭をポンポンされたりだとか肩をぐっと抱き寄せられたりとか、そういう行為に対してすごくむず痒い思いをしてしまって気持ちが引いてしまう。そしてそのせいで今までの彼氏とは長続きせずにすぐに振られてしまう。そのことずっと悩んでいた。 孝之のことは本当に素敵だと思っていて、できれば長く付き合っていきたいと思っていた美月だったが、彼に愛想を尽かされないために隠そうとしていた彼女のこの性質が、本人も想像だにしなかった、彼からのアプローチではなく逆に自分から迫っていってしまう、という形で発露する。しかもそれが孝之さんと初めて一夜を共にするというタイミングで…という物語。 この作品、単行本の帯にも「男女逆転セックスラブコメディー」と書いてあるんですが、実は男女の”受けと攻め” が逆転したカップルというのを描いた作品です。 こう聞くとかなり特殊な設定の作品のように見えるんですけども、実はマンガ好きの方々には意外と受け入れられやすい設定なんじゃないかなと思います。 というのも、例えばBLマンガや百合マンガだと同性どうしで"攻めと受け"が描かれていて、つまりそこには "女性の攻め" 男性の受け" が存在しているわけです。そしてそれを読者はごく自然に受け入れているはずです。 ということは、男女カップルの中でも “女性の攻め"×"男性の受け” という組み合わせがあっても不思議ではなく、そう考えれば今作の設定もすんなり受け入れられるのではないでしょうか。 この作品は、美月と孝之、それぞれが相手との恋愛に悩む様子を描くことで、"女性の攻め" 男性の受け" という関係性をすごく自然に描いている作品です。1巻の段階では2人が思い描いていたいわゆる “普通の恋愛” とのギャップに悩む姿も描かれるんですが、2人が悩みながら試行錯誤した結果どのような関係を育んでいくのか、今後の展開が非常に楽しみな作品です。 また、漫画を楽しむという上でも、そして現実世界に当てはめたとしても、新しい価値観を得られる作品になってると思うので、恋愛漫画をよく読まれるという方はもちろん、BL や百合漫画が好きだとという方にも是非読んでみて欲しい作品です。 1巻まで読了

茶の湯のじかん

この2人のやり取りをいつまでも見ていたい…!

茶の湯のじかん 早川光 pikomaro 木村宗慎
天沢聖司
天沢聖司

契約社員として日々無味乾燥な毎日を送っている主人公・ミズキは、心機一転シェアハウスに転居したことで抹茶好きのフランス人の学生・エマに出会うのですが、毎日2人で楽しそうに過ごしている姿は見ているこっちが思わずホッと和んでしまう優しさにあふれています。 2人で東京近辺(そして京都)の実在のお店やワークショップに出かけてお抹茶の世界を楽しむので、まるで自分も一緒にお出かけしているような気持ちになれます。まるで上品な街歩き番組を 見ているようなリアルさがたまりません。 自分は電子書籍で購入したのですが、何より素敵なのが白黒の紙面の中に毎話カラーのコマが挿入されていること…! いつもパッと鮮やかな和菓子や陶器が目に飛び込んで来くるので、次は何が来るのかなぁと、思わずワクワクしてしまいました。 また、もう1人の主人公エマはフランス人ですが、だからと言って「日本語お上手ですね」とか「外国人なのにすごいね」のような、外国人がよく言われるであろう鬱陶しいやり取りが一切ないところも、読んでいてすごく自然でスマートで読んでいて心地よかったです。外国人ではなく、あくまでエマという女の子を描いている感じがしてすごく好きです。 非常に残念なことに、第3巻は集英社から出版されないようで、昨年行われたクラウドファンディングも実行に至らなかったため、2巻の続きはアプリ「ヤンジャン!」のみでしか読むことができないようです…。コツコツ1話ずつ読んでいきたいと思います。 https://ynjn.jp/app/title/837

トナリはなにを食う人ぞ

スパルタ料理指南から恋は生まれるか

トナリはなにを食う人ぞ ふじつか雪
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

晴れて都会の大学デビューの稲葉すずな。一人暮らしを始めるも、彼女は全く料理が出来ない!テキトーな生活で大変な事になりそうな所を、隣の部屋の瀬戸晴海に救われる。飯ウマ男子の瀬戸君に、稲葉さんは料理を教わり始めるが、彼はめっちゃスパルタで……。 ○○○○○ この作品、私はマンガParkのアプリで知りましたが、掲載誌は白泉社の『AneLaLa』。『LaLa』の増刊とのことで、大学生や社会人、そこを見据える高校生が対象なのかな? 家を出て一人暮らしって、切実ですよねぇ。高校出るまで料理なんてした事ないっていう、稲葉さんみたいな人いっぱいいると思う。そういう人にはこの作品、切実に刺さるはず。その上、私のようにいい歳まで自活を回避してきた人にも、恐々読ませてしまうものがある。 「この漫画読んで、わたし最近、料理始めました!」(あうしぃさん・40代男性) 瀬戸君はスパルタなのですが、真剣で生活を大切にする人。稲葉さんは彼を尊敬し、厳しい教えについて行くうち、少しずつ、料理は上達していきます。 稲葉さんも真剣で、今まで切り捨ててきた「生活」を、丁寧にしようという努力には好感が持てます。さらに結構食いしん坊の稲葉さん。意外と料理、上手くなるかも……?彼女の着実な成長に、ちょくちょく感動させられます。果たして瀬戸君が、彼女を認める時は来るのか? そして実は最初に「タイプじゃないから」と瀬戸君に言い渡されてしまった稲葉さん。このまま何もない、ただの隣人として……?さあ、どうでしょう?

お姫様のお姫様

女子が好きな女子を好きな女子 #1巻応援

お姫様のお姫様 ホマレ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

女子が好きで、「運命の人」を探すために超巨大女子校に入学した南山ハイジと、そんな彼女が好きな北町さらら。ハイジのために「運命の人」探しを手伝うと宣言したのに、さららはハイジを諦めきれない。15万人の対象者から「運命の人」を探すのが先か、その前に二人は結ばれるのか......。 ♡♡♡♡♡ 序盤から驚かされるのは、「運命の人」探しが、割とあっさり成功しそうなところ。ハイジは庇護欲を唆るモテ体質。あっという間に周囲の注目を浴びる。 ......とは言ってもそう簡単にはいかず、とある理由から、ハイジとさららと、SNSでバズりたい陰キャの沼丘ていの、三人ぼっち行動が多くなる。 女の子を見てはキラキラしているハイジ、彼女のためにあたふた奔走するさらら、雑に扱われるていのコメディはテンポが良く、情緒のブレとツッコミのキレが強烈。「例のプール」「女子の情報を書き込んだノートの名前」など、細かなネタを随所にブチ込んできて、つい笑ってしまう。 ハイジも実はさららを大切に想っていることは随所に描かれていて、その度に「さっさとくっつけばいいのに......」と思いつつ「尊い!尊い!」とふぁぼを押したくなる自分がいる。 これは定期的に摂取したくなる百合コメディ!

ハコヅメ~交番女子の逆襲~

ギャグとシリアスが絶妙な警察漫画

ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 泰三子
六文銭
六文銭

元警察官が著者が描く、実録?警察漫画。 基本1話完結形式。 ぬるりとしたギャグ中心かと思えば、かなりシリアスな展開もあり、その配分が絶妙です。 警察官を見ると、何もしてなくても反応してしまいますよね。 警察手帳出されて 「・・・わかっているな?」 と言われれば、 「はい・・・申し訳ありません。」 と、誰だって言ってしまうと思うんです。(言わないか?) それくらい、権力というか存在感があると思うんです。 言ってしまえば「嫌われ役」を一手に担っている感じ。 そんな風に思っていましたが、本作を読んで、警察官が厳しく口うるさく取り締まる背景には、凄惨な事件の現場に立ち会ったことがあるんだと、痛感しました。 同じような事件を二度と起こしたくないし、我々市民に同じような経験をしてほしくないという強い思いがあるのだと。 取り締まられてグチグチ文句言われても、そんなことをおくびにも出さず対応していく様に格好良ささえ覚えました。 ちょっとした不注意が大事故になったり、ちょっとした見落としが大事件になったり。 解決したことよりも、解決できなかったことばかりマスコミに取り上げられたり。 労働基準法なんてあってないような労働環境だったり、だけど言うほど給料高いわけでもない。 読めば読むほど、警察官の実態がわかり、襟元正す思いでいっぱいです。 特に、ギャグを交えながら飄々とすすむので、説得力が増すんですよね。 「こんなに大変なんですよ」と言いまくるような感じがなく、説教臭くないところもグッときます。 あと、1・2巻の表紙が変わったように、どんどん絵もうまくなるし、どんどん面白くなってきます。 ドラマ化とかしたら映えそうだな。

まかない君

夢ならば醒めないで

まかない君 西川魯介
野愛
野愛

ほのぼの絵柄と美味しそうなご飯と永遠に続いてほしくなる日常感をまといながら、ハチャメチャに美化された初恋みたいな甘酸っぱいエロスを放り込んでくるとんでもない飯漫画です。 トキメキと劣情のちょうどど真ん中を刺してくるような漫画です。 なんて言うと誤解を招いてしまうでしょうが、従姉妹3人と同居っていうのがファンタジーでドリーミングなシチュエーション。 翻弄されつつも楽しい日常をおくり、いちばん歳の近い弥生ちゃんと何かが芽生えちゃいそうになる感じももう夢でしかない。カジュアルファッションででっかい眼鏡で地味そうなのに無邪気で時折セクシーさも感じさせるという弥生ちゃんもどう考えても夢です。 ピンク髪の姫騎士と同等の夢具合です。 なのに浩平ときたら、弥生ちゃんをはじめ従姉妹たちにドギマギしながらも慈愛に満ちた目で美味しそうな料理を作り続けるもんだから…浩平こそ夢じゃん!!という感情でいっぱいです。 気づいたらハーレム的な鈍感主人公じゃないのがよい。わたしも浩平の従姉妹になりたい。 100%日常にひそませた非日常と、ほのぼのに隠したほんのちょっとの色がどうにもこうにも心を捉えて離さないのです。まかない君おそるべし。 芋煮とおにぎりの組み合わせ最高です。家で食べる手作りおにぎりって特別感があってよいですよね。