うみべの女の子 浅野いにお
これ映画にして大丈夫?
海辺のさびれた田舎町の女子中学生の佐藤小梅ちゃんは先輩に軽くあしらわれた腹いせに同級生の磯辺くんと関係を持ちます。どんどん人には言えないような関係をしていくうちに小梅ちゃんは磯辺くんに本気になりますが、反対に磯辺くんの気持ちは離れていってしまいます。主人公は小梅ちゃんで間違いありませんが、タイトルにもなっている「うみべの女の子」はもう一人います。いじめを苦に自殺した磯辺くんの兄がおそらく好きだった女の子です。磯辺くんの性欲には自分の誕生日に自殺した兄に向けての色んな感情が含まれているんだと思いました。上手くはいかないと分かっていても失恋シーンは読んでいて辛かったです。でも最終話の高校生になった小梅ちゃんが元気そうで安心しました。磯辺くんのその後については触れられないのですが、なんとなく前よりは幸せなんじゃないかと思えるような読後感のよさでした。彼も優しい人に好かれているといいな。