転校生男子は、同じ学校の女子に「学食の食券」を貰う。学食に行ってみると、そこには働く彼女がいた……そんな始まりのこの作品。全体的に「美味しさ」と「小さな博愛」に溢れた物語となっています。

学食というと、安くて味はまぁゴニョゴニョ……みたいに言われがちですが、この学校の学食はとても美味しくて激混み。評判の学食を切り盛りする、まだ高校生なのにしっかりした彼女に驚かされます。

何故か姉と二人暮らし?の転校生男子。元気がなさそうだったのを、学食女子と学食でも、それ以外でも共に過ごすうち……少し活き活きし始めた?私達も一緒に元気を貰っている気持ちになれます。

学食女子は本当に優しいのですが、それはこの男子にだけではなく、親友から迷子まで、一人ひとりに気を配っている。目の前の人をよく見て、少しの優しさで相手を支える、そんな「博愛」を持った女子。

べったりとした愛情ではなく、小さくても細やかな気遣いに救われる、そんな優しさがある学食……とても良い!

何故学食で働くのか、という理由は語られますが、まだまだ何かありそうな予感。その辺も気にしつつ、再び優しさをもらう為に次巻も読みます!

読みたい
博愛の「学食JK」に癒される… #1巻応援にコメントする
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ヘレナとオオカミさん
創作者の物語として #1巻応援 #完結応援
ヘレナとオオカミさん
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
作家、画家、漫画家など、創作者の物語はたいてい苦しい。独自の表現を追求する戦いは必ず、己のつまらなさ、発想の貧困、そして個人的な問題とどう向き合うかのせめぎ合いになる。 まだ幼い子どもが創作と向き合うのは、さらに困難だ。絵が上手な本作の主人公・ヘレナは孤児で、弟の命も失われようとしている。そんな中で「願いを絵にしてみよう」と絵本作家「悪いオオカミさん」に言われ、できずに涙を流すが、自分でもその苦しみを理解できていない。 物語を完成させるために「悪いオオカミさん」と共同作業に挑むヘレナは、その過程で作家に煽られ、引っ張られて、自分の本心に踏み込んでゆく……それまで明るく振る舞ってきたヘレナが感情をむき出しにする様に、苦しみを感じると共に、子供らしさを見出して少し安堵してしまう。 泣いて眠った夢の中で見せる心の解決は、切なくも美しい。 ヘレナのあまりの境遇に、彼女の明るさがいつか崩れてしまうことを想像しながら読むことになる物語だが、優しい大人たちの支えでヘレナは心に安寧を取り戻す。そしてその感動的なラストから、さらに彼女が創作者としても成長することまで想像してしまう。ヘレナはきっと素敵な絵本作家になると思う(もちろん悪いオオカミさんとは全然違う方向性で)。 (『ヘレナとオオカミさん』台湾の漫画賞「金漫奨」の年度漫畫奨&金漫大奨をダブル受賞おめでとうございます!)
女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました
女性差別社会をブン殴れ! #1巻応援
女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました
あうしぃ@カワイイマンガ
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女性差別がはびこる異世界で、パーティに理不尽な扱いを受けた魔導士の主人公は、八つ当たりの中で伝説の魔女の封印を解いてしまう。二人が手を組みパーティへの復讐を目指す物語は、現実世界にもある女性差別を数多く描き出す。 現実世界での女性差別は、とても見えにくい。例えば〈女性議員が少ない〉という問題意識に「実力のある女性議員希望者が少ない」「そもそも議員になりたがる女性が少ない」という、もっともらしい反論がある。しかしこれは女性に対する教育の不平等(女性に教育は要らないという意識、入試不正等)や女性は表に出るべきではない(=女性は男性に庇護されるべきだ、女性は家庭を守る人だ)という意識等、社会構造に練り込まれた多様な通念、しきたりが起因していて、それは男性にも、そして多くの女性にも気付かれない。 本作の異世界でも、現実世界で行われる差別が全く同じ形で表現される。主人公は身に降りかかった決定的な差別をきっかけとして、社会にある差別構造を伝説の魔女に教わりながら少しずつ自覚するようになる。主人公と一緒に、私もいちいちハッとさせられる。 魔女に肯定される主人公、主人公が肯定する女性達。世の中のおかしな構図に武力で立ち向かう二人の進撃は痛快だ。難しく考えずに勧善懲悪をなしてゆく水戸黄門的なカタルシスを与えながら、差別構造を分かりやすく描いて「女性差別はこんなに分かりやすく〈悪〉なんだ」と気付かせてくれる。 二人が社会をギッタギタにするのを期待したい。
琥珀の夢で酔いましょう
付箋を貼って読む漫画
琥珀の夢で酔いましょう
あうしぃ@カワイイマンガ
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こんなに寄り添ってくれるメッセージに溢れた、胸熱くなる作品ってそんなにあるだろうか……大好きすぎるので6巻までを再読して、大切なところに付箋を貼ってゆく。 クラフトビールの話題が満載な本作。しかしそれと同じくらい、苦しい人・心折れそうな人の再生を描いて切実な物語でもある。 就労地位格差、身体的特性、人種差別、男性性に脅かされる女性性、性差別……さまざまな苦悩を秘めて生きる、大人になりたての登場人物たち。しかし彼らはクラフトビール専門店「白熊」で、次第に前向きになる。 クラフトビールを盛り上げるべく、打たれる幾度かのイベント。好きなものを学び、広げながら、人と繋がる。出会いの中で、自由へと解放されてゆく人たちに共振する……何かを始めたくなる! 燻る現状を告白し合うことで、主人公の派遣デザイナー・七菜は女性俳優の慎と同志になる。ピアノを諦めた同級生に、写真家の鉄雄は作品で、いつの間にか何かを伝える。ページを捲るたびに心が沸き立つ。 一方随所で、冷静かつ痛烈に、私の中にある残酷さ、思い込みや偏見を言葉にして伝える。はっとさせられたり、胸が痛くなったり。それでも西陣麦酒のブランドコンセプト「多様性(ダイバーシティ)と社会的包摂(インクルーシブ)」を取り上げ、ビールを介した人の輪の中でエンパワーメントの連鎖が起こるビジョンを語る本作は、とても力強く優しい。 私の本は、付箋でいっぱいになった。特に3巻と5巻が多いようだ。お読みの方はどうだろうか。
ローラ・ディーンにふりまわされてる
恋愛クズに振り回されるな! #1巻応援
ローラ・ディーンにふりまわされてる
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
「恋愛クズ」という存在は確かにいる。自分がモテることに自信があって、恋愛をゲームのように楽しんで、いつも自分が好かれていないと嫌で……という人物であると気付いた時には既に振り回された後。あぁぁクズ、お前に割いた時間を返せ! 本作の主人公は、人気者のクズ女に振られては復縁し、を繰り返す女子。別れるたびに友人達に慰められるけれども、何が辛いってクズ女しか見ていない主人公が、次第に親友をなおざりにしてしまうところ。 舞台はアメリカの、同性愛もポリアモリーも当たり前になっているコミュニティー。そこでは多様なパートナーの形、恋愛の形が描かれ、女性同士の恋愛も当然のことと描かる。それゆえ視線は別の点にフォーカスされる。 画面がとてもPOPだったり、ちょっとサイケだったり。ピンク+スミの二色で鮮やかな画面が楽しく、しかしそのピンクは、恋愛に振り回される主人公の閉塞感、息苦しさを演出するようでもある。 恋愛にはまり込んで大切な物を失うのはもったいない、ということがひしひしと伝わる。もっとバランスよく恋愛できないのか……とヤキモキし、渦中にいると気付かない恋愛の難しさに思いを馳せ……と一段上の次元に視点を誘う本作。恋愛と人生の見方がクリアになる、かも。 ※余談だが、本作の「恋愛クズ」はポリアモリーなのかというと、「当事者同士で合意をとった上で行う複数間の関係」がポリアモリーの定義で、それには当てはまらない。作中でも「ノンモノガミー」と紹介されている。
スピン
迷走する私とフィギュアスケート
スピン
あうしぃ@カワイイマンガ
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フィギュアスケートを惰性で続けている少女の物語。なまじ出来てしまうことに加えて、ある理由でフィギュアスケートに固執している主人公。やりたくはない、けれどもやめられない、という苛立ち・うんざり感……一冊を通じて、鬱々とした気持ちに支配される。 周囲が全てクソという認識。生きづらさ、世界に受け入れられない絶望感。解決策が無く、無力感を共有することになる。 しかし、ぐいぐいと読めてしまう。そこにある無力感は、過去の私も持っていたものに似ているから。 学校でも、リンクでも、うまくいかない主人公。彼女を支えるのは、それぞれの場所で彼女を受け入れる女性たち。おかげでぎりぎり立っていられる主人公に感情移入する。 過剰に女性の支えを求める理由の中には、彼女の同性愛もある(作中ではゲイと表現)。そこにはときめきがあるものの、決して受け入れられないだろうという諦めが彼女をいっそう荒ませるのが辛い。 幼少期から思春期にかけての迷走は歯痒いし、自分と照らし合わせるのも辛い部分がある。一方で心の奥底で同調し、その辛さがどう癒されるのかを追いたくもなる。 起こる出来事に一貫性が無く、突然なのがリアルに感じる。作者の自伝として、恐らく自分の感情に向き合って、歯を喰いしばって描いたのだろう生々しい描写に触れて、ひどく動揺している私がいた。
守娘
台湾怪奇譚と抑圧される女性 #1巻応援 #完結応援
守娘
あうしぃ@カワイイマンガ
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『陳守娘(タン・シュウリョン)』の伝説を題材にした物語は、墨っぽい美麗な作画で幻惑と苦悩の物語へと私を誘う。 舞台は清代の台南。不思議な祈祷師・守娘と出会うのは、名家のお転婆お嬢様。彼女は謎の水死体を皮切りに、様々な女性の苦しみの声を聞き、寄り添い、行動し……そうしてある巨悪の構造に巻き込まれてゆく。 彼女は当時の女性達がする、纏足をしていない。その分自由に走れる彼女は「女性のために」走る存在。一方で守娘は主人公を導くが、彼女自身も元は苦しむ女性であり、意外と無力な存在でもある。 描かれるのは、女性にあまりにも厳しい家父長制社会。そこで女性達は神や霊に縋り、まじないに頼り……その社会構造を恨むのではなく、その社会構造をなんとか生きのびようとする。その理不尽に、男である私は言葉を失う。 さらに描かれるのは、人間社会の恐ろしさに対する霊的存在の無力さ。膨大な怨念が、せいぜい足に痣を付けて何かを知らせることしかできない。でも、それをきっかけに何かが変わる時……そしてやはり無力な守娘がお嬢様に「諦めない事」を伝える時、そこに残る僅かな希望に安堵する。 しかしその希望を前にして「この時代に生まれなくて良かった」と男の私は言いたくない。この怨念と希望は、何千年も受け継がれ、そしてこのままでは、これからも受け継がれる物だから。 この物語にある「女性の抑圧」は、恐らくあらゆる時代の女性に接続する。『アンナ・コムネナ』は千年前の皇宮でも女性は不自由だった事を描き出す。そして『女の子がいる場所は』は現代の世界中・そして日本の少女への抑圧を描く。 今を生きる男の私は「抑圧はなくなった」「差別は解消しつつある」と簡単に言ってしまいそうになる。しかし現在も抑圧される女性は存在し、その言葉は彼女たちにも届くかもしれない。彼女たちははどう思うだろうか。 この事はあらゆる差別・抑圧に通じる。苦しみは私に見えない所で生まれ続けるだろう事を、忘れずに言葉を紡ぎたい。
ネコと海の彼方
幼いロマンシスと喪失の海 #1巻応援 #完結応援
ネコと海の彼方
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
本作を読み終えて数日が経った。その印象はあまりにも鮮烈で、私は日々の隙間を見つけては主人公と、彼女の大切な人について考える。美しい友愛と、その喪失を。 主人公を暗闇から助け出してくれたあの子。二人の日々は眩しくて、私は自身の幼い恋や友情を思い出す。 ナイショがあってもいい、寄り添うことが相手への想い。そんな二人だけの独特な関係に、心温まりつつ強く魅了される……それだけに、後半の展開は辛い。 主人公は単純に悲しむだけではない。その言動はキューブラー・ロスの「死の受容5段階」がモデルにあるのだろうか。喪失を否定するように怒ったり、取り戻そうとしたり。 「彼女を留めておきたい、忘れたくない」という強い想いはしかし、足掻けば足掻くほど苦悩の深みに嵌まっていく……絶望感を共有する。 しかし生き残った人には、明日が来る。 恐らく友情も恋も、人生の目的ではない。それは人生を支えるもの。大切な物を沢山くれた、特別なあの子を特別なままに相対化する主人公の、漆黒の海に夜明けは来る……その静かで晴れやかな終局は、今もさざなみのように心に打ち寄せる。
銀太郎さんお頼み申す
未知の文化に飛び込む勇気
銀太郎さんお頼み申す
あうしぃ@カワイイマンガ
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この作品で印象深いのは「言葉の通じなさ」だ。 カフェ店員の主人公女性が、お客の着物美女を師匠と仰ぎ着物文化に入ってゆく物語だが、この主人公、徹底的に素人。文化が違う。 師匠が発した言葉が誤変換されて主人公に届くやりとりが面白いのだが、そこにあるのは完全な文化の断絶。懸命に喰らいつく主人公だが、一つの用語を理解するまでがもどかしい。 私は着物文化に憧れて、いくつかの着物マンガ(『恋せよキモノ乙女』『またのお越しを』など)を読むのだが、知識が足りずについてゆけないことがある。詳しく解説がついているにも関わらずだ。 『銀太郎さんお頼み申す』は、主人公のゆっくりな理解速度が素人の私を置き去りにしない。そして彼女に教える師匠や周囲の女性たちが(時々呆れながらも)きちんと教えてくれるのが良い。失敗のフォローも優しい。 主人公はどうして助けてもらえるのか。それは彼女が本気で喰らいついているから……それくらいしか今のところ思い当たらないが、案外そういうことが大事なのかもしれない。 恐らく私が未だに着物物文化を理解できないのは、そこに入ってゆかないから。一方本作の主人公は無知だが、自分の求めるものはこれと決めて飛び込み、上手くいかなくても諦めず、少しずつでも成長を喜ぶ。そんな姿勢が文化を楽しむための、いちばんの「センス」だとしたら……そう思うと、不器用な彼女を羨ましくさえ思った。
琥珀の貴女
喪失と影が生に輪郭を与える百合 #1巻応援
琥珀の貴女
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
あらゆる物事は始まり、終わってゆく。生まれ、死んでゆく。物語も、恋も、そして命も。 死の波打ち際で生を振り返る時、または仮初の死から生還するとき、生は強く輝く。あるいは現実感がない喪失は、反芻していつまでも心を縛る。喪失が生きることに、輪郭を与える。影が光の世界にディテールを与える。 そんな影と光が描かれるのが、この大人百合短編集だ。強い物語も、ふんわりとした物語も、そこには喪失や影があり、それゆえに登場人物たちは複雑で、切実になってゆく。 どの物語もなかなか真相が明らかにされず、ショッキングな体験をくれる。そしてその核を貫くのはまごうことなき百合だ。昏くても明るくても、その百合は暗闇に差す細い光のように印象的だ。 ●chandelier 恋を失い死を願うレズビアン風俗のキャストは、好きな人との予行練習だと言う客に惹かれる。死の淵で手を取る二人。 ●ふたりの楽園 政略結婚に臨む花嫁と、彼女を束縛する幼馴染。昏い関係の真実に驚く。 ●えりちゃんのハイヒール 二丁目で私にキスをした、ゴツいハイヒールの小さな女性。たまさかの出会いと不在にぼんやりと心を縛られる感じ、なんかわかる。 ●水際 レズビアン風俗の30代のキャストは日本画の大家の女性にモデルとして雇われる。「よぼよぼのババア」に惹かれてゆく恋は強力だった。 ●転石苔むさず バイト先の苦手な先輩を、一晩泊めてやる。一瞬近づき、離れてゆくその距離感をこちらも想像する。 ●ひかり 母を亡くした新興宗教二世は、昔世話してくれた信徒の女性のために「神の子」になる。信頼を巡る物語は複雑に正しさを挫いてゆく。すごいものを見た……。
ドラゴン養ってください
ドラゴンが焼いた焼きおにぎりを食べてみたい #1巻応援
ドラゴン養ってください
兎来栄寿
兎来栄寿
今年は辰年なので、龍マンガやドラゴンマンガは積極的に推していきたいです。ということで、今日も良いドラゴンマンガが発売されました。 『スティアの魔女』の牧瀬初雲さんが元々は同人で描かれていた作品を、『しいちゃん、あのね』の東裏友希さんが作画を担当してリメイクした作品です。 皆さんも、一度はドラゴンと一緒に暮らしてみたいと思ったことはありませんか? 私はあります。とはいえ、大人になってから考えるとその大きな体を保つために必要な大量のカロリーを摂取するためにはどれくらいの餌が必要なのかとか、そもそも田舎の広い家でないと飼えないよなぁとか現実的なことを考えてしまうわけですが。 本作の主人公、村上もさまざまな苦労を抱えながらアパートの一室でドラゴンのイルセラと暮らしていくことになります。 上位種としてプライドは高いけれどチョロいところもあるイルセラとの掛け合いが面白いです。 「人間はホモ・サピエンス、賢い人という意味」 と伝えると 「思い上がってますね クソザコハダカザルとかで十分」 と返してくるシーンなど大好きです。 4話で描かれる人間の愚かしさを描いたエピソードなどはさもありなんという感じで、こちらもかなり笑えました。焼き氷屋さん、好きです。その前提となる、3話で焼きおにぎりを焼かされるドラゴンという構図も珍妙で良いです。 舞台となる辰居町は、読んで字のごとく竜神にも縁がありドラゴンと龍が共演していくのも辰年に読みたいドラゴンマンガとしてポイントが高いです。 商店街の皆さんやヒロインの犬飼さんも癖が強くて良いキャラしています。 たまに大きい設定が出てきつつも、概ねギャグに回収されていくので肩肘を張らずに気楽に読んで楽しめます。 見た目は高貴、中身は知的と見せかけて人間味溢れるドラゴンとの暮らしを楽しんでみたい方はぜひ。
相席いいですか?
仕事極振り女とコミュ力極振り女の出逢い #1巻応援
相席いいですか?
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兎来栄寿
兎来栄寿
『三十路病の唄』の河上だいしろうさんの新作です。 仕事はバリバリにできるものの、対人コミュニケーションに難があるアラサーの椿。 コミュニケーション能力だけ激烈に高いものの、実務能力が壊滅的な大学生で飲食店でアルバイトをしている桃子。 ランチの相席でたまたま一緒になったふたりが、互いが互いにないものを持っていることを感じてお近づきになっていくコメディです。 隣の芝生は青く見えるのが世の理。自分からすると相手が持っているものはすごく良いものに見える一方、相手からすれば自分がごく当たり前に持っているものがとても良いものに見えているらしいという、大小や多寡はあれど現実的にもあるあるな構図が面白いです。 椿はこの時代に私用のスマホすら持っておらず、撮った写真をSNSに上げることの機微もわからないという想像以上のコミュニケーション難を見せつけてきますし、桃子は桃子で初日から店の皿のほとんどを割るなどの規格外のドジっぷりですが、そんなふたりのささやかながら強い秘密の結びつきが何だかとても良いです。 相互に感化されて、自分なりに頑張って部下や同僚とのコミュニケーションを改善してみようといろいろな方法で頑張っていく椿や、生活習慣から改善していこうとする桃子。人と人との出逢いによって、少しずつ変化が訪れる瞬間が切り取られているのが趣深いです。 椿を強く意識する柊と親しいヤニカス子ちゃんや、桃子の大学の友人で会うたびに卑猥なぞなぞを出してくる八重ちゃんなど癖の強いサブキャラたちも良い味を出しています。河上だいしろうさんのスタイリッシュな絵もあいまって、魅力的です。 楽しく読めて、読んだ後は少し背筋を伸ばして自分が不得意な部分も頑張ってみようと思える作品です。
おくれまして青春
制服デートをしたことがある人もない人も #1巻応援
おくれまして青春
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兎来栄寿
兎来栄寿
″この世には2種類の人間がいる 制服デートをしたことがある人間と 制服デートをしたことがない人間だ…!″ というモノローグから始まる本作。 皆さんは中高生のころに制服デートしたことがありますか? 私はマンガとゲームが恋人だったので、来栖川家のご令嬢と二次元でデートしたり、三次元では制服の女子3人と麻雀を打ってたりしたくらいがせいぜいです。同じ部活の友人ふたりが付き合いだして先週の土曜日にデートしてたらしいという話を尻目に、タイガーランページとグリフィススクラッチはどっちが強いか談義で盛り上がっているような青春時代でした。 いいんですよ、恋愛がなくても人生は楽しいんですから。でも、実際にその青春時代にしか放てない眩い輝きを目の当たりにすると、ラピュタのポムじいさんさながらに「その光は強すぎる」という状態に陥らざるをえません。 本作の主人公は、大学デビューしたものの青春への憧憬を捨て切れず拗らせた想いを抱えている茅野わかば。そんなわかばが、制服への憧れを捨て切れずに20歳になってハロウィンへ制服姿で繰り出し、そこでイケメンの郁斗と出逢うところから始まるラブコメです。 20歳ならまだ全然いいですよね。20代後半とか30代まで未練や心残りを抱えるよりは、若い内に昇華してしまう方が全然良いと思います。そして、子供のころには大人に見えていた20歳なんて、実際に通り過ぎてみればまだまだ青春真っ只中。わかばの遅れてやってきた青春、存分に謳歌してほしいなと思いながら楽しんでいます。 新鋭ながら吉良はなまるさんの絵がとても良く、わかばはかわいくて外見も性格も推せるヒロインですし、郁斗のイケメンっぷり、特に決めゴマのパワーは凄いです。デフォルメ絵もかわいくて好きです。 設定こそ少し尖った部分はありますが、中身はまさに少女マンガの王道。遊園地デートや学園祭など定番のイベントや女子が憧れときめくシチュエーション満載で、青春の光輝に満ち満ちています。1巻分だけでも特濃の甘みを堪能できます。 自分の人生では体験できなかったことも、こうした作品を通して擬似体験できるのがマンガのいいところですね。
嘘とか恋とか
編集者はなぜ希望部署に行けないのか #1巻応援
嘘とか恋とか
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兎来栄寿
兎来栄寿
女性向けファッション誌の編集部で日々激務をこなす緒野ひよりが主人公の本作。 いきなり枝葉の話なんですが、主人公が読んでいて非常にかわいそうなんですよ。メインの恋愛面ではなく、サイドの仕事面において。 ひよりは文芸志望で出版社に入ったもののまったく畑違いのファッション誌に配属されて、 「こんなところにいたって誰かの心を動かす仕事なんて出来るはずもない」 と思いながら仕事をしているんです。こんな悲しいことがあるでしょうか。 私が受け持っている連載の「となりのマンガ編集部」の取材やそれ以外でも、「本当はマンガ志望ではなかった」あるいは「本当はマンガ編集になりたかった」「マンガ編集にはなれたけど希望する雑誌ではなかった」という方に数多くお会いしてきました。結果的に上手くいっているパターンも多いですし、たとえば伝説の編集者である壁村氏なども元々マンガなど一切読まなかったといいます。ただ、それらは生存バイアスでしかないとも言えるかもしれません。 何十年も昔からずっとこのシステムが続いているのは、個人的にはすごく不思議です。どう考えても自分の好き・得意を活かせる部署に行ってもらった方が三方よしではないでしょうか。 作中で、編集長が主人公に ″文芸も女性誌も全くの別物ってわけじゃあないの 目の前の読者のために作るのは同じ 一度本気でやってみたらきっと面白さもわかるわ″ と諭す良いシーンがあり、また思い人にも ″きっかけ次第で変わることってあるよね″ と重ねて言われます。 しかし、しかしですよ。仮に本には年間で数十万円課金しているけどその分服飾代に年平均1万円もかけず「チュニックって何? シュミゼットって何?」というレベルの人間がファッション誌に行ったとして、まるで興味を持てない対象に対してどんな仕事ができるのかと。 逆も然りで、文芸やマンガにまったく思い入れがない方がその編集部に配属されて作家やアシスタントや関係者と揉めて大きな問題に発展してしまうケースも少なくない気がします。 どんな仕事も本気で取り組めば見えてくるものは確かに多いとは思いますし、さまざまな知見は別の場所でも生きるのは解りますが、それでも文芸に詳しい人には文芸を、マンガに詳しい人にはマンガを担当してもらった方が読者のためにもなるのではと。 同じマンガ編集部であっても、例えば『アフタヌーン』と『なかよし』ではまったく違いますしね。そういう点では、白泉社などは新人は必ず行きたい部署に行けるシステムがあるそうですごく良いなと思います。 ものすごく脱線しましたが、冒頭からスタイリストさんに朝まで詰められる主人公が本当に不憫でならないのです。 本筋は歳の差ゆえに破れた片思いが記憶喪失という事件を通して蘇り、ひとつの嘘をついて危ういバランスを保ちながら進んでいくハラハラ感と恋のドキドキの二重奏の引きが強いです。 また加瀬アオさんの絵がとても良くて、全体的にすっきりと読みやすくありながら女子はかわいく男子は格好よく、適度なデフォルメ部分も愛らしいです。文字が詰まっていても気にならないほどネームも読みやすくて、今後ますます人気を博していかれるでしょう。 シンプルにエンターテインメント性が高い恋愛ストーリーで、仕事面でも恋愛面でもこの先が気になります。
まわるドーナツと金曜日
思い出のドーナツをめぐって #1巻応援
まわるドーナツと金曜日
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兎来栄寿
兎来栄寿
先日、かりんとうを気に入ったアメリカ人がその正体を砂糖たっぷりの小麦粉の生地を油で揚げたものだと知って友人に「これは日本のオールドファッションドーナツだ」と紹介したら「日本のドーナツは硬いな……」というコントが成立してしまっていたという笑い話があり、好きでした。 皆さんはドーナツはお好きですか? 私は大好きです。サクサクでシンプルな味わいに飽きが来ないオールドファッションも良いですし、香ばしいチョコレート系も美味しいですし、ソフトな食感のシュー系も魅惑的ですし、ふわふわのエンゼルクリームやもっちもちのポンデリング系も外せないですし、ヘルシーで優しい味わいの豆乳ドーナツも好きです。食べ過ぎには注意ですが、ドーナツ最高です。 そんなドーナツ好きが読むと、ドーナツを食べたくて仕方なくなってしまうマンガが本日発売されました。『かわうその自転車屋さん』のこやまけいこさんが描く新たなハートフルストーリーで、移動販売のドーナツ屋さんのお話です。 幼稚園の栄養士だった亡き母が作ってくれた思い出のドーナツが忘れられない赤髪の少年わたる。恩義ある園長の孫であるわたるのために、そのドーナツを何とか再現しようと奮闘する黒猫の黒鉄(くろがね)。 キッチンカーの外装のデコレーションや内装の設備などが整っていくさまにとてもワクワクします。食品衛生責任者の講習を受けに行く件などもリアルで笑ってしまいましたが、大事なことです。また、キッチンカーといえど好きな所で勝手に営業して良いわけではなく、その場所を見つけるためのやり取りの部分も好きです。 イーストドーナツとケーキドーナツの違いや、実際にドーナツを試作してみるところまでかなり詳細にドーナツ描写もなされていくのでドーナツ食べたい欲がモリモリ高まります。 そして何より良いのは、お店を通して関わる人々にドーナツを通して美味しさのみならない幸せを振りまいていくところです。例えば1話では、人と喋ることが苦手な引っ込み思案の美容師のエピソードが描かれます。彼女が、まわると出逢い彼らの作った温かみのあるドーナツを食べることで救われていく様子に心が和みます。 今日はホワイトデーでもありますが、ドーナツと一緒にこちらを楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。
トワ・エ・モア
鮮やかに咲く二輪の百合 #1巻応援
トワ・エ・モア
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兎来栄寿
兎来栄寿
toi et moi。 フランス語で「あなたと私」を意味するこの作品。 女子校を舞台にした二組の「toi et moi」、凛然と咲く二輪の百合の物語です。 最初に登場するのは、クールで孤高で背が高くボーイッシュな緒河聖羅と白いレースの日傘を常に差しているかわいいお嬢様系の野瀬千草。彼女たちが最初にお互いを意識し出して関係し始めるようになるところを描いた第1話から、もう最高極まりないです。 この美しく咲く百合物語において、仲藤ぬいさんの画風はベスト。涼やかな聖羅の眼差しも、千草の可憐な表情や仕草も堪りません。 そして、2話から登場するもう一組の女の子同士。小説を書いている伊江島やえと、目立つ容姿が原因で過去に悶着があり役者をしている有栖川雪世。よりセンシティブな部分を縁に繋がる、やえと雪世の関係性がまた良いです。 そんな彼女たちに、クラスが同じであることもあって交流が生まれていくのも面白いところです。ふたりだけではそのままであったものが、外の風を入れることによって訪れる変化もありますからね。 繰り返しになりますが、仲藤ぬいさんの生み出すヴィジュアルがまずお強い。個人的に千草の外見が好みなのは言うまでもないですが、普段であればそこまで強くは惹かれないはずの雪世もまたかわいくて惹かれます。ひとえに絵力によるものでしょう。セピア調の表紙も絵の力があるからこそ映えます。 甘くもありほろ苦くもあり、1粒で2度美味しい百合です。読めばさまざまな滋養を心にもたらしてくれます。新しい季節が近づく今、読むのにぴったりかもしれません。
株式豚野郎、異世界で杖になる。【単行本】
『電波教師』作者が描く異世界×株式投資 #1巻応援
株式豚野郎、異世界で杖になる。【単行本】
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兎来栄寿
兎来栄寿
日経平均株価がATHを迎え一時は4万円を超えた今日この頃。ビットコインも1千万円を超えて話題になっておりますが、さくらインターネットの急落などもあり投資はあくまで自己責任で、大事なお金には手を出さないようにしましょう。 というわけでこちらは『電波教師』や『異世界シェフと最強暴食姫』でお馴染みの東毅さんの新作、異世界転生×株式投資の物語です。 天才投資家の大蔵雑華(おおくらさいか)24歳が、会社で億単位の損失を出して自殺を図った妹の命を救うために女神が課した「1年で2兆円稼ぐ」というミッションを果たすべく、異世界に杖の姿で転生するというストーリーです。 冒険者は皆ギルドで自らの株を発行してそれを活動資金としており、クエストの成否や将来性などに応じて変動する株価や戦利品の配当などが投資家の利益となるという世界設定にまず面白さがあります。 何で女神が人間界の貨幣を欲しがるのか、本気で2兆円稼がせたいならもう少し初期所持金を優遇してあげるべきではとか、言語・通貨・株のシステムなどは異世界でありながら日本仕様であるなど設定的には大雑把なところもありますが、一方でこの異世界においては魔物よりも飢饉や疫病で死ぬ人の数の方がずっと多いという設定もなされています。 その際に出るもうひとりのヒロイン・ソルスの母親である勇者ルーチェが呟く 「私の剣は、病も貧困も斬ることができない」 といったセリフなどは流石の味わいです。随所で東さんの良さが出ており、鍛冶屋のシーンなども好きです。 ソルスが5年で1000億を溶かしたというところから見ても世界にある富の総量はかなりのものであるように考えられますが、それでも飢餓や貧困が蔓延しているとなると極一部に富が集中しているであろうことが予想されます。そんな海千山千の世界で、雑華がどのように現実の投資テクニックを用いて無双し稼いでいくのかが見どころです。 PER、PBR、ROE、スキャルピングなど基本的な株式用語を楽しみながら学べるのは良いと思います。一方で、S級冒険者の名前が「ミズホクリミナル」であるなどの小ネタには笑います。 しかし、作者コメントによると何やら東さんの近況が穏やかでないようで心配になってしまいます。
27時のシンデレラ
Vパパとファムファタール #1巻応援
27時のシンデレラ
兎来栄寿
兎来栄寿
創作者にとって、その喜びはいかほどでしょうか。 自分が生み出したものを目の前で泣くほど感激してもらえるというのは。 フォロワーは何万人もいても絵を描くこと以外に人生に何もないし、その絵についてもいつまで経っても納得はいかず好きにもなれないイラストレーターの青年・むらさめ。ある日、彼に「Vtuberになりたいので絵を描いて欲しい」というDMと共に自撮り写真が届きます。見た目はパリピで美人なものの、中身は破滅的で「インターネットにしか居場所がない」と語る女の子・みなカス。後の人気Vtuber貴峰あーくとなる彼女との関係が始まっていきます。 見ただけでも解るし、話してなお解るみなカスのヤバさ。関わらない方がいいということは、理性的に考えれば瞭然としています。しかしながら、それでも彼女がくれたのは創作者にとっての最大の悦楽。 中学生以来、女の子と喋ることもなく孤独に荒んだ人生を歩んできた人間が、こんなことをされてこんな言葉をもらってしまったらそれはもう無理でしょうというものをみなカスは的確に与えてくれます。 どれだけ危険な沼でもその甘美で魅惑的な芳香には抗えず自分から進んで嵌り沈んでいくしかない。そんな破滅をもたらすファム・ファタールのような魔性の魅力を彼女は感じさせます。 ″なんかさ きれいなものをきれいに描くより 汚れてるものをきれいに描ける方がすごいじゃん?″ という配信の中のさりげないほんの一言が、むらさめにとってどれだけ救いになるか。社会で上手く生きるには向いていないからこそ、彼女もそんな要素を持っているからこそ、より深い部分まで突き刺されすべてを捧げたくなってしまう。現実で関わってしまったら恐ろしいですが、物語として見ればその危うさは非常に魅力的です。 SNS、配信画面、コメント欄、スマホやタブレットの画面など物語中でもとにかくデジタルなもの、現実空間ではないものが演出含めて多く描かれているのも特徴的です。閉塞感、虚無感、刹那的な悦楽、承認への渇望。現代的かつ今のリアル感を生み出しています。 花守ゆみりさんが出演するPVも公開されましたが、BGMが「愛の夢第3番」なのも象徴的で良いです。 夢幻のような世界と、それを縁に紡がれる愛のような何か。シンデレラのように、遠くない終わりの刻限がある夢物語。 他の人気Vtuberなども登場して疾走していくストーリーは、果たしてどこへと向かい辿り着くのでしょうか。この妖しさと危うさから目が離せません。 https://x.com/ichijinsha_info/status/1769559357782696273?s=46&t=S5wm4E-TmT39NBg4BgQsPA
ドラゴン養ってください
ドラゴンが焼いた焼きおにぎりを食べてみたい #1巻応援
ドラゴン養ってください
兎来栄寿
兎来栄寿
今年は辰年なので、龍マンガやドラゴンマンガは積極的に推していきたいです。ということで、今日も良いドラゴンマンガが発売されました。 『スティアの魔女』の牧瀬初雲さんが元々は同人で描かれていた作品を、『しいちゃん、あのね』の東裏友希さんが作画を担当してリメイクした作品です。 皆さんも、一度はドラゴンと一緒に暮らしてみたいと思ったことはありませんか? 私はあります。とはいえ、大人になってから考えるとその大きな体を保つために必要な大量のカロリーを摂取するためにはどれくらいの餌が必要なのかとか、そもそも田舎の広い家でないと飼えないよなぁとか現実的なことを考えてしまうわけですが。 本作の主人公、村上もさまざまな苦労を抱えながらアパートの一室でドラゴンのイルセラと暮らしていくことになります。 上位種としてプライドは高いけれどチョロいところもあるイルセラとの掛け合いが面白いです。 「人間はホモ・サピエンス、賢い人という意味」 と伝えると 「思い上がってますね クソザコハダカザルとかで十分」 と返してくるシーンなど大好きです。 4話で描かれる人間の愚かしさを描いたエピソードなどはさもありなんという感じで、こちらもかなり笑えました。焼き氷屋さん、好きです。その前提となる、3話で焼きおにぎりを焼かされるドラゴンという構図も珍妙で良いです。 舞台となる辰居町は、読んで字のごとく竜神にも縁がありドラゴンと龍が共演していくのも辰年に読みたいドラゴンマンガとしてポイントが高いです。 商店街の皆さんやヒロインの犬飼さんも癖が強くて良いキャラしています。 たまに大きい設定が出てきつつも、概ねギャグに回収されていくので肩肘を張らずに気楽に読んで楽しめます。 見た目は高貴、中身は知的と見せかけて人間味溢れるドラゴンとの暮らしを楽しんでみたい方はぜひ。
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