読むとお腹が空いてくるけど精神的満腹感を得られる不思議な漫画。 Yなが先生の美味しいものを追求するその姿勢に、マシンガンのように放たれる食レポと蘊蓄に、豪快な食いっぷり呑みっぷりに圧倒されて…いやあ食った食った、みたいな気持ちになります。 でもお腹は空いている。 食に対する姿勢の違いで恋人と別れたお話がありますが、これはなんかわかる気がします。美味しいを同じテンションで共有できるのって大事だよね…だって死ぬまで飯は食うもんね!と思いました。 愛がなくてもなんてタイトルにはなっていますが、ここまで愛して追求したくなるものがあるYなが先生かっこいいです。 うなぎとベーグルめちゃくちゃ美味しそうです。やっぱりお腹は空いている。
同著者の『ワニ男爵』で、その唯一無二な笑いの感性にやられた者です。 その特徴は、大笑いする感じではなく、クスリというか、じわるというか、独特の言語センスが染み込む笑いを提供してくれるのです。 本作『愛しのアニマリア』も、同じ流れを踏襲しつつ、ワニ男爵よりもややテンション高めに設定されて、個人的にはドツボでございます。 握力500キロラブを筆頭に、主人公オラミが最初はネタキャラだと思っていたのですが、なんだか段々可愛く見えてくるから不思議。 ケダモノなのに、もう可憐な乙女です。 思い人の隣に住むオジサマに振り向いてもらうため、一途に、けなげに想いをぶつけていくのです。 (物理的にも。壁に穴とかあけちゃうし。) また、オラウータンだけど、ギャルっぽい言葉遣いなのも一周まわって良いです。 親友フリルとのかけあいが最高です。 恋する乙女は無敵なのだと痛感します。色んな意味で。
※ネタバレを含むクチコミです。
あらすじには書かれてないけど、主人公が勤めている会社が中堅のSE会社なんですね。自分もシステムエンジニアかつ喫煙者なので、SEの仕事ぶりの描写に興味津々でした。細かいところで気になる部分はあるにせよ、オフィスラブより職場の人間模様だったり、タバコや恋愛のメインテーマからは少し離れて、主人公が技術者と積極的に関わるようになり、少しずつ成長していく物語として、自分は読みました。SE業界では、なぜ未だに喫煙者がこんなに多いのか?とても客観的に見ることができました。客先常駐の実情、本社開発部門との待遇の差、職場でのエンジニアと非エンジニアの関係性などなど、どうしてもそちらに目が向いてしまいますが、そこに本筋よりも面白さを感じましたね。細かい所だと、顧客との機能追加打合せの場で、「テーブルに2カラム追加すれば対応できます」と安易に答えてしまうシーンには苦笑いしました。全体として、中堅SE会社の雰囲気というものが非常によく現れていると思います。容姿など見た目の部分を除けばですが、SEという仕事の内情を知るのにも良い作品じゃないかと思います。
「幸村誠氏困惑の奇才現る!」、「ボクの守備範囲の外にあるこの漫画と出会えたことは幸運です。」の欄外コメントを読んで期待しながら読んだ作品。なんというかホント奇才としか言えないシュールな内容だった。 絵柄は今でも漫画ゴラクとかビッグコミックに短いページ数で載ってそうな、昭和のエロス溢れる感じ(うまく説明できない)。 サラリーマンのカラスくんは、ベロベロに酔ってそのまま頭がタコの女とヤッて同棲中。作品にはこのタコ女とあとホタテ男が出てくるけど、こいつらが一体何なのか、なぜ頭が魚介なのかは全く説明されないまま話が進み、そのまま終わる。 面白いかといわれると自分は全然だったんだけど、それはともかくこんな突飛なコメディを描ける発想力のヤバさはマジですごいと思う。 http://www.moae.jp/comic/takotokarasu
政宗と景綱といえば「景綱が政宗の目を抉り出した」エピソードは有名で、戦国時代に詳しくない自分ですら知っている。とは言え、筆まめだったとか、やらかしたあと死装束で謝りに行ったとか、美食家だったとか…政宗については断片的に知ってるとのの、景綱との関係やその生涯の歩みはキチンと知らなかったので読んでみた。 13歳で結婚してたとか、奥さんの愛姫が坂上田村麻呂の子孫とか、毛虫を模したかざりを兜に付けてた臣下がいたとは知らなかった。5歳でめっちゃ賢いこと言ったりして片鱗現しまくりだったんだなー。 絵が可愛くてギャグも面白いからゆるく楽しめた。
かねてよりファンだったザキコ先生が商業で単行本を出されていることに気付き買った作品。絵は言うまでもなく超美麗…!主人公のドールのような顔立ちと、虹彩の筋が美しいガラス玉のような瞳にはうっとりしてしまう。 舞台はダークという怪異が蔓延る19世紀のアメリカで、「西部劇×ダークファンタジー」という世界観が超スタイリッシュ。スティール・ボール・ランとD.Gray-manを足してゼロサムで割ったという仕上がりで、ハマる人には絶対ハマるお洒落でかっこいい作品になっている。 全2巻と短いけどすごく雰囲気があって、もっとこの世界を見ていたかった。
やや近未来の怪盗モノ漫画。 70歳の爺さんなのにやたら足が速くて、安いモノしか盗まない泥棒、ハープが主人公です。 都会の中を縦横無尽に駆け回り、随所にパルクールのような動きが取り入れられています。 盗みを働いては刑事に追われつつも、市中の人達を助ける、言うなれば人の心を盗んでいくタイプの怪盗です。 と言っても、1話目の万引きエピソードにはややドン引きでしたが。そこ以外はハートフルな話ばかりなので、安心して読めます。爺さんのとぼけた演出がなければ、もっとスタイリッシュで格好良い漫画になってたと思います。
りぼんに描かれた初期作品がまとめられています。最初はりぼん掲載とは思わずに読んでいたので後から知って驚きました。かなり自由ですね!でもこんなにユニークな話を読んで大きくなったりぼんっ子は幸せだなぁと思いました。男の子にフラれて動物園でふてくされてた女の子が30年ぶりに初恋の人と再会してゴジラを観てきたおじいさんと出会う「ゴジラサンド日和」と、朝起きたら男の子の背中に天使みたいな羽が生えていて飛んだり出来るようになったけど実は宇宙人の仕業だったという「飛行少年モッくんの場合」が自分は好きでした。どういう人がこの話を描いたんだろうと気になった方は、自伝的猫コミックエッセイ「じゃあまたね」を読まれるといいと思います。「花岡ちゃんシリーズ」の蓑島くんがなぜハゲ頭なのか理由も分かりますよ。
こちらの作品、工業高校が舞台なのだが、男子がほぼ出てこない。汗臭くもなければ、あんまり油臭くもない……工業高校を舞台にした、カワイイ学校生活物。 意外とリアルだな、と思うのは、工業高校に入る人が皆、物作り大好き!とかではないところ。 ●物作りガチ勢の若乃は技術はあるが、物作りが好きすぎて暴走。余計なことをする。 ●強い吹奏楽部に入るために学校を選んだやなぎは、部活以外はポンコツ。 ●就職に有利そうだと学校を選んだ朱莉は実は男子が苦手。どうしてここを選んだ…… ●ふんわりお嬢様のサヤは機械大好き。そして朱莉との距離が近い百合担当。 一年生の四人は、実習からPCまで工業のエッセンスを広く浅く学ぶ。マニアックな事は出てこないが、色々な事が出来そうな夢が広がるのが楽しい。 一方部活については、四人は様々。熱心に吹奏楽部に打ち込むやなぎ。水泳部を作ろうとする朱莉と、彼女を支えるサヤ。部活はいいやと物作りの事ばかり考える若乃。それぞれの方向に頑張りながら、互いを応援し合う四人はとてもいい感じ。 一年生の終わりで、それぞれの進路選択をするまでの全二巻。工業高校らしさもカワイさに変換し、何とな〜く工業高校が楽しげに見えてくる作品として、男女問わずおすすめしたい。
戦後の日本人にとって一番の娯楽だった映画を撮る人々の物語。最初は助監督の風間と大部屋俳優の宮藤が主役の成り上がりバディ物かと思ったのですが、読んでいくうちに当時の映画業界や組織にもフォーカスするような群像劇になっていきました。戦前からの看板ベテラン俳優や世界的名監督の仕事樣はやはりかっこ良くて夢中になります。映画に詳しい人だったらモデルが誰なのかを考えながら読めるので更に楽しいのではないでしょうか。紙版だとカバー裏の本体におまけ漫画が描かれているのですが電子でも収録されてるのかな。師匠である浦沢直樹との会話も映画作りと繋がるところがありセリフとして使っていると描いてありました。最終話の後日談もここに描かれていて、これを読むか読まないかで読後感の好印象もより深くなるので重要だと思います。
そこそこお洒落で社交性もあってルックスも悪くないけどなんか滑ってるみたいな男性を描いたら右に出る者はいない。それがトータス杉村先生。 たぶん普段は別に滑ってなくて、それなりに卒なく生きてるんだろうけど3人集まるとしょうもないノリになっちゃうんだと思うんです。ああ、愛おしい!! 大の大人がいつまでも仲良くて、ご飯作ったり食べ歩きしたりお祭り行ったりしてるのがほんとにほんとに可愛くて仕方ないんですね。女っ気ないわけじゃないのに3人でいるのが結局楽しい、つまり最強の友達なんですよね。 大人になればなるほど、中身のない会話ができて精神年齢だだ下がり状態で付き合える友達ほど大事なものはないなと思います。 滑ってる自分を笑ってくれて、適当な飯をうまいうまいと楽しめる友達、まじで最高ですよね。 新しい生活様式回でも変わらずわちゃわちゃ3人だけは楽しそうでこちらもニコニコになっちゃう…ベランダハンバーグかわいいねえ
老舗呉服店再建物語、物語が進むほど引き込まれ、面白くなってきました。 女性が働くことって今じゃ普通の世界だけど、この頃(明治)は当たり前じゃなかった。三つ星が、どんな風に再建されていくのかも読み応えあると思いますが、女性が社会に出て働くこととは。って視点で読んでも面白いと思います!
海の底に静かに佇む、寡黙なタコが営むバーが舞台のお話です。 リトルマーメイドみたいなファンタジー&ロマンティックというよりは、私たちが生きる地上と変わらない日常が"底"にありました。海の中にも季節があって、会社があって、飲み会がある。面倒な同窓会、うざったいナンパ、給料日だけのちょっとした贅沢。一緒ですね。主人公も、お酒が弱くて人見知りな人魚の女の子で個人的に親近感がすごいある。そんな主人公でも通いたくなる気持ち、わかります。バーオクトパスの居心地はものすごくいい。 (というかスケラッコさんの漫画自体の"読み心地の良さ"がそのままお店の居心地の良さに変換されているんだと思う。感情が激しく揺さぶられることはないけど無感情でもなくて、限りなく良い心の状態で読める感じ。だけど途中で絶対飽きが来なくてページを捲る手は止まらない。) 基本無言だけど、口から出す墨で素敵なリアクションをとってくれる優しいマスターや、対象的におしゃべりな常連さんなど、キャラクターたちも見た目は魚類だけど年齢とか性格とか個性があるのがよくわかる。マスターが客が来なくてひとりのときのエピソードがいちばん好きだな…。 1巻完結かぁ。。読み終わるのがこんなに寂しい漫画久しぶりでした。
『にれこスケッチ』をきっかけに鴨居まさね先生を知って過去作を読み始めました。『SWEETデリバリー』は「もうすぐ2000年だ!21世紀だ!」なんてセリフも登場する20数年前の作品ですが、読んでて古いな〜と思うような違和感とか物足りなさが全くなかったです。ドラマ化したらいいんじゃないか!?と思ったら、もうしてました!そりゃそうか。でも原作とは大幅に違う筋書きだったようですね…。原作ではオリジナル・ウエディングの制作会社を経営している実与子とマコトはもう5年も付き合ってるという設定なんです。これがいいのに変えちゃったのか。仕事もプライベートもずっと一緒だけど、実与子はマコトのことが好きで好きでたまらない、だから不安になっちゃう…でも、そんな実与子をただの重い女と感じさせないのが鴨居先生の力量ですね。喜怒哀楽の心の動きにユーモアを含めてくれるから重い愛情も毒っぽくないのかな。ウェディングを依頼した新郎新婦も社員のデコラちゃんも第2の主役のような感じなので脇役らしい脇役がいない、登場人物全員が主人公のような漫画でもありました。
ギャル漫画増えた気がする昨今。 私「元気バカ」というキャラが好きなので、ギャル漫画って、基本そういうキャラが多くて好きなんですよね。 大体、学園設定が多いのですが、本作はなんと「医者」です。 失礼承知で言います。 ギャル=頭悪い という、偏見と言う名の方程式が前世から刷り込まれている私としては、この医者設定が意外過ぎて、これだけ面くらって、逆に興味津津。 立ち読みして、面白すぎて即買いしました。 患者の病気に対しても 「しらねーし」「キモいんだけど」「なにそれウケる~」 というギャル語で対応。 レントゲンをデコったり、スマホで自撮りしたりする。 極めつけは 「やっべぇええええ、ミスったぁあああ!」 高らかに宣言。 (実際は大したことない感じですが。) また、黒ギャルに誇りをもっていたり、ギャル特有の文化と謎の高いコミュ力をベースに展開される4コマは、大爆笑必至です。 ギャル漫画特有のおバカキャラをもちつつも、医者という舞台を見事に生かしており、ギャルもグルメぐらい広がりある分野になるのでは?と 可能性感じちゃいましたあぁああぁあ、うぇえええええい!
人間には変身願望という本能があります。現実の自分の姿や状態に満足できず別の何者かになりたい、という感情を持つことは古今を問わず普遍的なものです。 とりわけ現代社会では、おっさんはおっさんであるというだけで虐げられることも多いです。もし自分が冴えないおっさんではなく、誰からも憧れられる美少女になれたら……。意識したことはなくとも、あなたも潜在的にそんな願望を持っているかもしれません。 そんな、ifが起きた時の物語がこちらです。アラフォーのおっさんが、キラキラ輝く美少女アイドルの体に入ってしまったお話です。 とにかく荒木宰さんの描く女の子は常にかわいいのですが、フルカラーの本作ではより魅力に磨きが掛かっています。最早、暴力的。そして、そんなかわいい女の子たちの絡みがたっぷり描かれ、女の子同士の交流に心ときめく嗜好をお持ちの方は満たされること請け合いです。 夢のような状況ですが、主人公は側から見ているだけでは解らなかったアイドルの水面下の苦労などを実際に体験することで、考え方を変えていきます。 結局、どんな人にとっても他人の芝生は青く見えるけれど、そこには本人しかない苦労があるのだと思います。 最後に彼はどういった着地をするのか、華やかな世界の芳しさを味わいながら楽しみに見届けたいです。
無類の夏好きとしては、日に日に日没が早くなり、重々しいほどの陽射しと蝉時雨が軽やかに感じられるようになる、この晩夏という季節には、言うに謂われぬ気持ちが沸き起こってくるのですが、そんなときは秋の楽しみを言い連ねて心を落ち着かせています。 秋の夜長、秋晴れの高い空、お月見の秋、紅葉の秋、食欲の秋、芸術の秋、そして、読書の秋。むかしの人は、夏が終わるというのに、今度は秋のなかに次々と醍醐味を見出していて、何て前向きなんだろうと感心してしまいます。 さて、「夏草や 兵どもが 夢の跡」とは、芭蕉が平泉の古戦場(源義経が追い詰められて討ち死にした場所)を目にして詠んだ俳句ですが、夏の終わりが来ると、この句のことを自然と思い浮かべます。兵どもを熱かった夏の思い出に置き換えているんだと思います。兵ども、それは今年も涙した高校球児たちのことかもしれませんし、狂ったように鳴き続けるセミたちのことかもしれません。過ぎていった夏の数々の記憶に、芭蕉の句がふしぎと寄り添うんです。 そうはいっても、時も季節も前にしか進んでいきませんから、せっかくの秋の夜長なら、その時間を読書に費やしてみる。そうだ、長編を読もう。久しぶりに横山光輝の『三国志』を読み返してみよう。 読み始めて驚いてしまう。なんと、桃園の誓いを先駆けに、そこには熱かった夏の記憶のような熱戦や駆け引きが繰り広げられているんです。兵どもが頁のそこかしこで腕を奮っているんです。蜀の面々だけで言えば、劉備、関羽、張飛の三人が出合い、趙雲が仲間に加わり、関羽の右腕として元山賊の周倉、養子として関平が加わり、劉備の養子として劉邦が加わり、そして諸葛亮孔明に三顧の礼をつくし、さらには孔明についで龐統までが加わり、黄忠・厳顔の老将コンビが加わり、馬超一族が加わり、ここに関羽・張飛・趙雲・黄忠・馬超からなる五虎大将軍が生まれます。まさに夏の絶頂。 しかしながら、いつの世だって季節のというものは過ぎてゆきます。関羽、関平、周倉、劉邦の相次ぐ死を皮切りに、五虎大将軍たちがあっけなく逝ってしまいます。季節というものは驚くほど正確に時を刻んでゆくのです。 新世代の台頭として期待された張苞・関興の義兄弟コンビもあっけなく逝ってしまい、泣いて馬謖を斬り、姜維との新たな出会いや馬超一族から馬岱の献身的な活躍などがありながら、蜀の戦力はしだいに痩せ衰えてゆき、ついに孔明が逝き、後を継いだ姜維が孤軍奮闘しているさなかに首都成都を襲われた蜀は簡単に降参してしまう。なんというあっけない最期。 そして、また芭蕉の句が頭によぎるのです。 夏草や 兵どもが 夢の跡
『咲-Saki-』シリーズをこよなく愛しており、どんどん増えて多層化していく世界観から織り成される重厚な魅力を愛して止まない私ですが、このスピンオフは予想外でした。 まさかの、元祖『咲-Saki-』のメイン登場人物をほぼ男女逆転させて、ストーリー展開はまったく同一で進めていくというもの(異性化していないのは今のところ須賀京太郎くらい)。 「美少女麻雀物語」が「美男子麻雀物語」となった訳です。数多ある作品を読んできた私でも、これは予想外すぎる展開でした。 しかし、元々『咲-Saki-』は美少女要素を抜きにしても非常に熱いストーリーが魅力のひとつ。故に、美少年になっても理論上は熱いスポ根青春作品として読めるはずです。そして、美男子が増えた分、今まで興味のなかった女性が楽しく読めるようになっているのではないかと推察します。 ただ、私は冒頭に述べた通り『咲-Saki-』シリーズが好きすぎて思い入れが常軌を逸しており客観的に見ることが難しいので、皆さんが読んでみた感想を、特に今まで『咲-Saki-』シリーズを読んだことがない方や女性の感想を聞いてみたいです。
続きがありそうなお話も、これでさよならなお話も、エロい話もエロくない話も、全部可愛くて照れくさくて胸がギュッとなる。どのお話も愛おしい。 一夜を共にして、全部さらけ出しているはずなのに、朝の光のもとではなんとなくよそよそしくなるのがなんともリアルでいじらしい。大人も学生も男も女も、ワンナイト明けの朝ごはんの前ではみんなみんな可愛い。 そして、朝ごはんが美味しそう。 コンビニのパンもお茶漬けも立ち食いそばもとても美味しそうに見える…ワンナイトの魔法なんでしょうか。 人間って愛おしいなあ、と思わせてくれる作品でした。
ピッコマで連載されているWEBトゥーンの中でも特に人気を博している作品で、2019年12月には「ピッコマ BEST OF 2019」マンガ部門第1位を受賞しました。 そして、2020年3月には、 何と月間販売金額が9800万円を突破。4月には1億円を超えました。これはマンガ業界全体においてもエポックメイキングな出来事でした。 従来では、マンガは単行本を売ることで儲けるビジネスモデルでした。雑誌はあまり部数が出なくて赤字でも、単行本売上が立てば成り立つので何しろ単行本を売ることが大事で、そこに注力する出版社がほとんどでした。 しかし、この『俺だけレベルアップな件』に関しては、単行本に頼らず配信のみで月間売上1億円を叩き出したのです。これがどれくらい凄いことかというと、500円の単行本を20万部売ると1億円と言えば伝わるでしょうか。月刊作品だと年に2回ほど単行本が出るのが平均的なペースですが、月刊作品換算なら120万部売れているほどの大記録です。 「WEBから大ヒットは生まれない」と言われてきましたが、これはもう本当に時代が変わったと思います。 そこまで人気を博す本作ですが、その内容はタイトルが示す通りRPG的な世界観をベースに、元々は最弱と言われていた主人公が極限状況を生き延びて躍進していく物語となっています。 いわゆる「俺TSUEEE」系作品ではありますが、無条件に強くなる訳ではなく強くなることに逐一理由付けがなされており、納得感は損なわれていません。 また、とにかく展開に澱みがなく、非常にテンポよく物語が進行していくのも気持ちよく読めるポイントです。 何より、スタイリッシュで迫力あるフルカラーの絵柄が物語の没入感を深めています。従来のマンガにあった見開きなどが使えない分、WEBトゥーンならではの演出も効果的に行われています。 普段縦スクロールマンガを読まないという方も、こちらから触れてみてはいかがでしょうか。
文明崩壊後の世界で生きる人類の末裔たちの海洋SFロマン。STONeの世界の海というのは、戦争によって変わり果ててしまった海が舞台になります。むさい男達ばかり登場する中、キュートな少女・ジジの活躍が光ってました。前史文明の遺物の設定や、巨大兵器、主人公ジジの生い立ちなど、ちょっと風の谷のナウシカを彷彿とさせる部分があって、アレを凶悪にしたようなダークな世界観に近い感じがしますね。おそらくヒロモト森一作品の中では一番スケールがデカくて、壮大なストーリーだと思うのですが、たった2巻でこの漫画は完結します。クライマックスまで怒涛の勢いが続き、後半は駆け足な展開になるものの、次から次へと見せ場があるので大作映画を観ている感覚で読み進められます。言わずもがなですが、作画に関しては圧倒的すぎるほど上手い。筆のような線の荒々しさだったり、迫力あるイメージボードのような見開きに、どこを切り取っても凄まじいレベル。凄すぎて、海が砂なのか水なのか最後までよく見分けがつかなかったのはここだけの話です…。
女の子が可愛い漫画読みたいな ライトな知識ものが読みたいな 冒険遭難ものが好きだな という人にはこれです! 遭難しても殺伐感がないので読みやすいと思いますオススメ!
沢木という老人が、ひとり徘徊するはなし。 どこからどう見ても立派な年寄りだが、身なりは小綺麗で頭もはっきりしている様子。しかしところどころで「ん?」という点が。しっかりしているのかボケているのか、よくわからない。あのコンビニのお姉さんの態度は何なんだ?笑
音楽フェスに行くなんて考えたこともないほどインドアかつダウナーな人生を歩んできた私ですが、このマンガを読んで考えが180度変わりました。 行きてぇ、フェスに。 フェス、爆音の中酒を片手に夜通し熱狂する狂乱の宴だと思い込んでおり「近づくまい!」と頑なに距離を取っていたのですが、『デイズ・オン・フェス』のなかには優しく楽しく賑やかなフェスの世界が描かれています。 のんびりキャンプとかしてるんですよみんな。いいなぁ。 登場人物は主人公・奏と音葉のJK初心者コンビと、喫茶店を営む音葉兄(楽さん)とバイトの律留のベテランチーム。計4名のコントラストが小気味いいです。 奏がフェスに魅了されていく新鮮な過程と、律留たちがフェスの“よさ”をじんわり味わっているようす。互いが互いのパートを引き立たせていて、読んでる自分も「早くこうなってこうなりたい」という欲求が湧いてきます。 行かなきゃ味わえない空気感が内包されてるんですよ…。 奏が自身の推しバンド「デイズ・オン・ユース」を起点に、どんどん自分の興味に従って世界を広げていくのも心地良いです。何かにハマるのってそういうことだよな、という原初的な喜びが押し付けがましくなく描かれていて。 そして3巻にはその「デイズ」の結成エピソードが収録されているんですけどこれもまたいいんですよね…。音楽に救われた者がまた音楽で人を救っていくという円環が完成するんです。美しい。 とにかく読んだら絶対にフェスに行きたくなることでしょう!!行きたい!!フェス!!
人間交差点と書いてヒューマンスクランブルと読ませる。時代を感じますし、時代作ってたんだなぁと思うとゾクゾクしますよね。しない?そうか。 (昔はこういう↑語り口調のナレーション多かったんです) 本作は弘兼憲史の懐の広さ…とだけいうと原作者に失礼かもですが、なんとも素晴らしい弘兼憲史の「SF」になります。 聞いて驚くなかれ。 一言にSFと言い切っていいかは読者に任せますが、手塚治虫よろしくな組み立てと星新一のショートショートのような喜劇が素晴らしい作品です。 昔から見てたけど電子書籍でキレイに読めるの嬉しいですね、当時は子供だったからなー ともかく名作!
『ぼくの忘れ物』、『アルティストは花を踏まない』の小日向まるこさんの新作。本作は、桜井美奈さんの小説をコミカライズしたものとなっています。 原作は未読なのですが、女子刑務所内で受刑者が美容師を務める美容室という題材の非日常感で興味深く読めました。受刑者との雑談は禁止であるためお客さんは横につく刑務官としか話してはいけない(でもそれは受刑者を守るためでもある)、900円という料金の安さなどなど初めて知ることが多々ありました。 ただ、何と言ってもこの作品の魅力は人間の繊細な心の機微です。これまでの作品でもそうでしたが、小日向まるこさんは写実的でありながら優しい絵柄があいまって心の奥深くにまで沁みる空気感を醸成してくれます。 本作も、悲しい瞳が印象的な受刑者で美容師の葉留(はる)から発される嫋やかな言葉が、雑多な日々にささくれた心を穏やかに慰撫してくれるようです。 また、刑務官の菅井さんや78歳のお客さん・鈴木さんなど、歳を重ねた登場人物たちのエピソードは絶妙で巧いです。とりわけ、鈴木さんのお話では「生きる」ということそのものを感じさせられ、今後高齢化がますます進行する社会にあって大切なものを描いていると思いました。読む人の年齢によってさまざまな心情を寄せながら読める作品でしょう。 残念なことに短期集中連載のため全1巻なのですが、もっとずっと読んでいたい魅力に溢れていました。 幸いにもTwitterでご本人による1話試し読みが広く拡散され、多くの人が知るところとなりましたが、SNSなど使ったことのないような方、普段マンガを読まないであろう方にもお薦めしたい、優れた作品です。
趣味友と恋愛、と聞いて ①「話が合って楽しそう!」 ②「別れたら趣味友が減るのか…」 どちらを考えるかが、その人の恋愛への「前向き度」を示しているように思う。 ②を恐れつつ、恋は①から始まりがち。 避けられない、趣味友との恋愛。 □□□□□ 歯科技工士の藍川寛乃は、武器のミニチュア作りが趣味。ずっと一人で楽しんでいたが、偶然の出会いから大人の物作りサークル「アトム会」に入会する。 鉄道ジオラマ男子、ミニチュア店舗男子、デコスイーツ女子……初めて出来た趣味友と、部室に集まって個々に制作したり、道具を共有したりと、すごく楽しそう! そんなサークルは、誰にも趣味を打ち明けられなかった藍川にとって、居心地の良い空間。大切にしたいのに…… それを邪魔するのは「恋愛」。 それぞれの思惑がすれ違い、さらには藍川の同僚も喰い込んで……時にギクシャクしてしまうサークル。しかし面倒はあるものの、それぞれが誰かを傷付けまいという優しさで動くので、そこまでドロドロしない。 それでも傷つきたくなくて、恋を諦め趣味に逃げがちな藍川。気持ちは痛い程分かるが、それで本当に幸せになれるのか?……人間関係を避けてきた彼女に訪れた、遅い初恋の行方は……? 舞台は湘南地方だが、オシャレスポットよりも、武器模型の聖地・山海堂が何回も出てきて、登場人物がみんなビックリしているのがまた可笑しい(ただのお土産屋じゃないんですよ、知ってました?)。
表紙とタイトルに惹かれて購入。「八月九日 僕は君に喰われる」という見た瞬間「!?」となったのは久しぶり。 と、漫画を読むとその内容に衝撃を覚えた。周りは美人だらけでハーレムなのに、ものすごく羨ましくない…のに、羨ましい。特に主人公を守るミヤコの淫靡で不思議な魅力はすさまじい。 まだまだ内容としては序盤もいいところだが、これは続きが気になって仕方がない。怪異や依存体質の女の子、ハーレム系の作品が好きな方は是非手に取ってみてほしい。 新しい形のハーレム&愛を見ることができる。
登場人物の豊かな表情が好き! 特に、表紙にあるようなエイトの表情は、守ってあげたくなる。 繁華街にある車型の店舗もお洒落て素敵♪ センスを感じる。 覚醒した、エイトが今後どうなっていくのか、楽しみ過ぎる!!
微笑ましくもあり、常人にはたいてい思いつかない突飛なストーリーです。 両親が居ないので、同居する「おばあちゃん」と「ひいおばあちゃん」と「ひいひいおばあちゃん」のためにカラオケ大会て優勝して10万円を手に入れ、ビッグサイズの湿布を買ってあげたいさちるちゃん。でも優勝できるわけないし人前で歌なんか…といろんな思いに自信が押しつぶされていると、突然頭のてっぺんから何かがプリンッと絞り出されます。そう、それが"自信"でした。ちょっとスタイルが良くなったおでんくんっぽいビジュアルです。 こんなふうに自信を漫画として描くことがあるのか…と感心。果たしてさちるちゃんは再び自身を取り戻してビッグサイズの湿布を買うことができるのか!?
すごい色々な視点で描かれていて、ストーリーも普通に良かったし勉強にもなりました。 実際に自分の兄弟姉妹が同性婚した、ないしはカミングアウトしてくれたとして、その事実をどう解釈するのかなーと思いましたが、やっぱり本人が幸せだったらなんでもいいんじゃないかなと考えたりしました。 複雑なようでとてもシンプルで、「愛」と「世間体」と「親」「家族」をテーマとしたいい作品でした。 正直、最初は面白半分で(というか下世話な興味で)1巻無料の時に読んだんですが、すごく真剣なマンガだったなぁ
なんで我が家にはパンダがいないんだ!!と暴れ出したくなりました。百歩譲って我が家じゃなくていいです。せめて近所にいてほしいです。 そんなことを思うくらいに、パンダの大福さんが可愛いですし、日常に溶け込んでいます。 日常に溶け込んで疑問をもたれない動物の漫画(はぐちさんとかぶたぶたとか)を読むと暴れ出したくなります。だっていないんだもん!! 無条件で愛されたいし愛したいし、自分のことも周りのことも知らなくていいけど本当のところはわかって受け入れてくれてる。みたいな存在が欲しいんですよね。母性とか父性とか全部混ぜて柔らかく仕上げたみたいなもので包まれたいんですよね。 大福さんなら包んでくれそうです。よもぎちゃんのことが大好きで大切なんだということが伝わってきます。ひたすらほんわかしている漫画なのに優しすぎて泣きそうになります。 こんなごちゃごちゃしたことを考えながら読む漫画ではなく、単純に大福さんとよもぎちゃんが可愛くて癒されます。本当です。 やっぱり我が家にも大福さんが来てほしい。いい子にするのでせめてクリスマスだけでもいいから来てほしい。
今までにもいくつかラップをテーマにした漫画はあるし、監修でラッパーが参加してたりもするけど、これは作者が90年代の東京でヒップホップ文化にどっぷり浸かった当事者で、現在もシーンの重要人物。 フィクションと史実を織り交ぜつつ、MIX TAPEとかグラフィティとかドラッグも含めてラップだけじゃないトータルな文化を描いているので、好きな人にはたまらない(もしくはちょっとイキってた頃を思い出して恥ずかしい)と思う。背景や小物に当時のものが散りばめられてるし、BUDDHA BRANDのCQとNIPPSも少し出てくる。かといって単なる懐古趣味や教養主義でもなく、今につながる文脈を伝えるものとして正しくヒップホップ的なんじゃないかな。 私は地方在住で至って普通の高校生だったからこの辺の文化は完全に後追いだけど、引き続き応援したい。
20巻一気に読んでしまった。 主人公だけでなく、お笑いに取り憑かれ、その世界で生きていくことを決断した「芸人たち」の人間ドラマな作品です。 苦悩や葛藤、お笑いに対する哲学が、登場人物によって様々で、 メインキャラだけでなく、脇キャラまで本当に魅力的です。 また緻密な調査をしたのでしょうか。 お笑い界の良い面も、そして厳しい面も、本当に丁寧に描いており、リアリティが凄いです。 実際の番組のオマージュや、漫才の大会、ビッグ3など、現実にある設定も生かしているので、よりそのように感じますね。 このキャラのモチーフは誰かな?とか考えると、それも楽しいです。 また、本作の特筆点は、漫才のライブ感。 これがもう紙面からもビシビシ伝わってきて、よく静止画の漫画で表現できたなとうなります。 ネタにあわせて計算されたコマ割りが、テンポよく進み読んでて小気味よいんです。 著者自身も、2018年のM-1の3回戦までいったというから、ネタの完成度も高いです。 笑いあり、涙ありの本作。 一気読みをおすすめします。
ロシア育ちでバレエをやっていたという主人公は精悍な顔立ちの気が強い青年なんだけど、母から日本語を覚えたため喋り方が女っぽい…というキャラのパンチがすごくよかった。 面白いかって言われるとうーんって感じなんだけど、とにかくキャラがよくて歌舞伎の描写もリアルで重厚で読み応えがあった。
東日本大震災の爪痕が深く残る石巻。 主人公のサキはJKで、いじめられっ子。 原因はほんの些細なこと、「絆」で支え合っていこうと強制される被災地の現状に「絆」という言葉が好きじゃないと言っただけ。 ただそれだけ、と思ったけどよく考えるとそれを聞いた子たちにも大切な人たちを失った経験や絆に支えられて生きているギリギリの背景があるのかもしれない。 たった一度の失言でこんなに目の敵にされるのか、というのはあるけどそこが田舎であることと幼さの重なった条件下では仕方ないのかもしれないなと妙に納得してしまった。 ちなみにいじめについては本作の主題ではない。 ただ、そういう背景があるからこそ出会ったんであろう無頼漢(マスター)との物語が面白い。 潮が底に在る石を中心に巻くことから名付けられたという石巻(らしい)での潮のような渦がサキを中心としていく・・・ のかどうなのかはまだ2巻までしか読み終わってないんでわからないけど、意外とほのぼのしてアットホームな空気がどんどん出てくる。 ハードボイルドばかりなイメージのあるたなか亜希夫作品だけど、「軍鶏」でも「リバーズエッジ〜」でも不思議な脇役たちに支えられて味わい深い作品になっていった。 今作は果たしてどういう流れになっていくのかしっかり読んでいきたい。 間違いなく面白い作品なので是非多くの人に読んでもらいたいなぁ
新刊ページを見てて見つけたやつ。色使いも絵も可愛かったので買ってみたらも〜〜〜すんごい可愛い!フルカラー作品なのですが、1ページ目を見て一瞬で好きになってしましました。内容もふわふわした優しいお話で心が全回復しました。 妖精のもぐ、元ぬいぐるみのぷうちゃん、ぺろぽんは3人暮らし。 もぐはネットで手芸作品を売って暮らしている妖精。作家だから他のすごい作家と比べてしまい落ち込んだり、自分の創作に自信を持てなくなったりしてかなり人間臭い。 ぬいぐるみのぷうちゃんはもぐよりしっかり者で、ぺろぽんは全く喋らないんだけど振る舞いがすんごくかわいい…! この3人のほのぼのマイペースな暮らしぶりがとにかくいい…。見ているだけで心の疲れがグングン癒やされました。 調べてみたら、ダルちゃんなどを連載していた資生堂の「花椿」で連載しているんですね、素敵。 https://hanatsubaki.shiseido.com/jp/comic4/7194/ 紙で読みたい本No.1です。単行本楽しみにしています…!
人気投票一位にも関わらず、 李牧との戦いが終わって以降、全く登場しないのだが… 寿命を削りすぎて身体を壊し戦線復帰できなくなったのか、 それとも緑穂が壊れたから? 戦えないにしても、信がついに将軍となったときに姿を現さないのは不自然では・・・? なにか羌瘣を登場させてはいけない理由でもあるのか分からないけど、1コマでいいから出してほしい。
平平なすこ先生の新作待ってました。スクナビコナって神様は居るみたいですが神を自称する痴女であるという可能性はまだ捨てきれない… アホ毛引っ張るとお湯が出るのは銭湯としてめちゃくちゃ助かりそう
アプリで出会った夏純と、純の恋愛物語。 年齢偽るなど、山あり谷ありの二人だけれど、壁にぶつかる度に乗り越えて、恋をすることって、人生が豊かになるのかな。良いものだな〜と思いました。 個人的には、夏純が働く会社の同僚2人との会話(3巻)が特に印象に残っています。
まるでティンカーベルのような可愛らしいビールの妖精さんが印象的ですが、読んだら作品ごとに絵柄もストーリーも雰囲気が変わるので驚きました。あなたも読んでみたら必ずお気に入りが見つかると思います。私は「雨ののち、晴れののち、」を読めたので本当に単行本を買ってよかったと思いました。戦時中の国立競技場で学徒出陣を見送った女性が、終戦後に同じ場所で東京オリンピックの開会式を見届けるという話です。単なるいい話ではなく、その日を複雑な心境のまま迎えたことが描かれています。あの日が今日に繋がっていることを忘れてはいけないと身に沁みました。ちなみにTwitterバズり漫画に無知な自分でも知っている「金曜日、蟹をのせて」も収録されていました。
読むとお腹が空いてくるけど精神的満腹感を得られる不思議な漫画。 Yなが先生の美味しいものを追求するその姿勢に、マシンガンのように放たれる食レポと蘊蓄に、豪快な食いっぷり呑みっぷりに圧倒されて…いやあ食った食った、みたいな気持ちになります。 でもお腹は空いている。 食に対する姿勢の違いで恋人と別れたお話がありますが、これはなんかわかる気がします。美味しいを同じテンションで共有できるのって大事だよね…だって死ぬまで飯は食うもんね!と思いました。 愛がなくてもなんてタイトルにはなっていますが、ここまで愛して追求したくなるものがあるYなが先生かっこいいです。 うなぎとベーグルめちゃくちゃ美味しそうです。やっぱりお腹は空いている。