バガボンド
「強い」とはどういうことか……。 六十余戦無敗だった男「宮本武蔵」を、井上雄彦が圧倒的画力で描く超話題作!
1999年の日本。平和な地方都市杜王町に空条承太郎がやって来た。この町に住む高校生、東方仗助はジョセフの浮気で産まれた息子だったのだ。そしてこの町に無気味なスタンドが迫っていた…。
賭博黙示録カイジ
上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押しつけられる。遠藤に誘われるままカイジは負債者に借金一括返済のチャンスを与えるというギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。そこで行われるのはカード12枚を使った「限定ジャンケン」。うまく勝てば借金は帳消しだが、負ければ命の保証は無いというものだった……。
ドラゴンヘッド
20世紀最後に放たれた、恐怖の大巨編「世紀末サバイバル」!!修学旅行帰りの新幹線は、突然のトンネル落盤事故によってすべての光を失った……!!闇につつまれ、血みどろになった凄惨な“墓所”。生存者はテル、アコ、ノブオ、3名のみ。ほか全員、即死……。酸素も食料も出口すらも断たれた少年たちは、次第に壊れゆく「心」と闘いながら、動きはじめる。たったひとつの“希望”――「東京に、家族のもとに帰ること」を、生き延びるための支えとして……!!!!
ご近所物語
実果子はヤザガクに通う高校生で、ツトムという幼なじみがいる。バディ子と付き合い始めたツトムだが、勇介が実果子を狙おうとしたことで自分の本当の気持ちに気づくのだった。スーパーハッピー・ラブパワー第一弾!
冴島翠は新設の聖学園に通う元気な女の子。第一期生徒会の副会長になったが、会長はなんと気になっていた須藤晃に。生徒会の初仕事が学園祭に決まり楽しい毎日を送っていたが、晃にヒロコという彼女がいることを知り…?
幽★遊★白書
教師も手をやく不良の浦飯幽助。ある日子供を助けて事故にあい、幽霊になってしまう。予定外の死に閻魔大王は、生き返るための試練として、人の心を映す霊界獣の卵をかえすことを命じるが…!
将太の寿司
関口将太は一流の寿司職人を目指し、東京の名店・鳳寿司で働く18歳。まだ寿司は握らせてもらえない。ある日、中退した高校の同級生、藤原美智子が店の常連である父とともにやってきた。ほのかな恋心を寄せる将太。しかし美智子は、高校卒業とともに結婚するという。彼女に最高の寿司をプレゼントするため、猛特訓の末、究極の「型」をマスターする将太。将太の寿司職人としての人生が始まった。
行け!稲中卓球部
“変態”前野、“あしたのジョーおたく”井沢、“ムッツリスケベ”田中、“ハーフでワキガ”田辺ミッチェル五郎、“女殺し”木之下、そして部長の竹田。稲豊中学校、卓球部の六人は、今日も練習に励んでいた。ある日、前野に告白しようとする女子が現れた!前野と「女なんかくそくらえ会」会長と副会長の間柄だった井沢は激怒して…!?あの伝説のバカたちが帰って来た!
狂四郎2030
西暦2030年。第三次世界大戦が終結して5年後の日本だ。核ミサイルによる戦争は、80%に及ぶ地球上の人間を消滅させていた。生き伸びた狂四郎は、空を警護するヘリ巡査になっていた。そんなある日、科学者の脳を移植された言葉を話す犬・バベンスキーと出会う。
銀河英雄伝説
遠く、遠く、遥かなる未来――“常勝の天才”と“不敗の魔術師”と称される二人の英雄、ラインハルト・フォン・ミューゼルとヤン・ウェンリーがこの世に生を受ける。時代の波濤に煌めく二つの灯火が銀河を翔け、人類の命運を動かす――。悠久の戦乱に終止符を打つべく現れた、二つの巨星の運命を描くSF英雄譚!!
●あらすじ●マサラタウンの超元気少年、レッドは町いちばんのポケモントレーナーだ。ひょんなことからオーキド博士に気にいられたレッドはポケモン図鑑をもらい、図鑑の完成をめざして旅に出る。同じくポケモン図鑑の完成をめざすグリーンや、カスミとの出会いをとおして、少しずつ成長していくレッド。そして、かれらの前に立ちはだかる悪の秘密結社ロケット団。レッドの行く手には、なにが待ちかまえているのだろうか!? 超人気ゲーム『ポケットモンスター』の冒険と感動をまんが化! ポケモンの息づかいが聞こえてくるぜ!! ▼第1話/VSミュウ ▼第2話/VSゴーリキー ▼第3話/VSガルーラ ▼第4話/VSピカチュウ ▼第5話/VSイワーク ▼第6話/VSギャラドス ▼第7話/VSサイドン ▼第8話/VSスターミー ▼第9話/VSオニドリル ▼第10話/VSビリリダマ ▼第11話/VSエレブー ▼第12話/VSカビゴン ▼第13話/VSコダック ▼第14話/VSアーボック
「ジブン不器用ですから」 日本人ならば誰もが一度は聞いたことのあるであろうこの台詞は1980年代放送された日本生命のCMで故・高倉健さんが放ったものだ。 僕はこのCMを一度も見たことがないし、実際に高倉健さんがこのセリフを言っているところを見たこともないが、自分を含めた多くの日本人男性の気質を言い当てた見事なセリフだと感じるのと同時にこの台詞が残り続けてしまうところに日本人男性の生来の生き辛さと悩みが集約されているように思う。 そして、そんな不器用な日本男性の頂上決戦漫画がこの『バガボンド』なのかもしれない。 なにせ、登場する侍達がみな周囲から誤解されながらも実直に己の剣を磨き続けることしか出来ない不器用な男達ばかりなのだから。 おそらく、多くの人はこの漫画を主人公宮本武蔵が『ドラゴンボール』の孫悟空よろしく「強ぇやつ戦いてぇ」と様々なライバル達と死闘を繰り広げるチャンバラ漫画だと思っているであろう。 確かにその認識は全く間違っていないし、大まかに理解するとそう言った作品だと思う。 しかし、今回初めて読んだ僕が最も心震えたのはかっこいい剣劇シーンではなかった。むしろかっこいいとは正反対とさえ言える不器用な生き方しかできない男達の姿に心が震えたのだ。 僕自身もそうであるように多くの日本人男性は陽気ではないし、無口であることが多い、それ故に誤解されやすくそのことを気にしていないふりをしながらもやはり心の奥底では寂しさを抱えている そんな男達の理解されないことの苦しさと その救済を真正面から描いているのがこの作品だと私は思う。 天下無双を目指す主人公宮本武蔵は両親からの愛情を受けることができなかったという生い立ちから自分の感情を表に出すことができないキャラクターだ。 だからこそ彼は相手を打ち負かすための斬り合いという方法でしか自分の内面を表に出すことができない。 自分の経験や考えというものを言葉ではなく剣でしか伝えることができないのだ。 そんな武蔵の剣と相対する敵キャラクター達も彼に負けず劣らず不器用な人たちばかり、そんな剣でしか自分の気持ちを面に出すことができない男達が「斬り合い」というコミュニケーションという言葉からは大きくかけ離れた場所でお互いの気持ちを探り合うのがこの漫画の本質のように不器用なまま20年以上生きてきた僕なんかは感じてしまう。 ネタバレになってしまうから明言はしないが、武蔵のライバルとして有名な佐々木小次郎もそこに本質があるからこそあのアレンジがされているのであろう。 こうして生まれた豊かな交流とつながりも自らが相手を斬ることで断たなければならないという残酷な結末を迎えたとき その言葉を介さない濃密で一瞬の交流に最上級のロマンを感じ僕は震えた 「あぁ!この繋がりをこの豊かで濃密な時間を相手を斬り自ら断ち切らなければならないのか武蔵は!こんな不器用な生き方があるだろうか!?いや!ない!」 とこんな具合に脳内で熱い実況解説をしながら読んでしまい、しばらく『バガボンド』の世界から帰ってこれなくなってしまった。 いい年した男の脳内をこんな風に真っ赤に燃え上がらせるというところに この漫画に込められた熱量を察してもらえれば幸いだが この熱量はどこから生まれているのだろうか? おそらく、それは作者の井上雄彦先生自身の性格からだと私は思う 以前、井上先生のドキュメンタリー見たことがあるが 「なんだか不器用な人だな」というのが全体を通しての感想だった。 おそらく先生自身も武蔵の剣よろしく漫画でしか自身を表現することができない人なのであろう。 その不器用さ故に書かれた漫画は読者を作者と感性をぶつけ合わせる「真剣勝負」の場に誘い、その末に読者は井上先生の実直な漫画に感銘を受けてしまうのであろう。 だからこそ、この作品は20年以上多くの読者を魅了し続けられたのだろう。 不器用もここまで来ればあっぱれとしか言いようがなく、僕自身井上先生や武蔵のように磨き上げた何かで人に衝撃を与えてみたいと一瞬思ってしまった。 まだ、完結はしていない今作だが、井上先生にはどうかこのスタイルのまま本作を描き切ってほしいと勝手ながら願うばかりである。