意志強ナツ子が『るなしい』『アマゾネス・キス』を描いた理由|川島・山内のマンガ沼web

意志強ナツ子が『るなしい』『アマゾネス・キス』を描いた理由|川島・山内のマンガ沼web

麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、前回放送の「マンガ家・ガチアンケート 意志強ナツ子編」の模様をお送りします(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。

気持ち悪さは自覚していた

川島 今回のテーマは「マンガ家・ガチアンケート」。今、一番会いたい人です。登場していただきましょう。『るなしい』『アマゾネス・キス』の作者、意志強ナツ子先生です。

意志強 初めまして、意志強ナツ子です。

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 聞いたところによりますと、テレビは初めてということで。

意志強 初めてです。

川島 なんでマンガ沼に出てくれたんですか?

意志強 売れたくて。

川島 ほんまに? そういう野望があるようにも見えない。

意志強 めちゃくちゃあります。

川島 我々、勝手に紹介させていただいたんですよ。『るなしい』も『アマゾネス・キス』も。で、ことあるごとに私が「気持ち悪い」と言ってて。「気持ち悪いけど先が気になる、ほんとに読んだことないジャンルのマンガだ」って、よう言うてたんすけど、その件に関してはいかがでしょうか?

意志強 うれしかったです。

川島 ほんまですか?

意志強 「気持ち悪い」は言われ慣れてて、『アマゾネス・キス』は気持ち悪いことを自覚してたんですけど、ただ、『るなしい』は別に気持ち悪くないと思うんですが(笑)。

川島 「意志強ナツ子」というお名前ですけども、なぜこういうペンネームを?

意志強 受験勉強するときに、「やるぞ!」と決めても、眠たくて寝ちゃったりするじゃないですか。それで「意志の弱さに打ち勝ちたい、頑張りたい」という気持ちで。

川島 意気込みですね?

意志強 そんな私でありたいと。

川島 なるほど、プレッシャーだ。「意志強ナツ子」という名前にしてしまえば、もう逃げられないと。ちょっと弱いときも、「意志強じゃないんですか、あなたは?」って第三者が止めてくれるんじゃないかって、「とにかく明るい安村」と一緒ですね。あの名前つけたら、もう落ち込めないですから。では先生のプロフィールから紹介します。

意志強ナツ子
・山形県出身、37歳。
・2010年、24歳で『第9回漫画アクション新人賞選外奨励賞』を受賞。
・2014年、28歳で『トーチweb』にて『女神』でマンガ家デビュー。
・2017年、31歳で『トーチweb』にて『アマゾネス・キス』の連載を開始。短編をまとめた自身初の単行本『魔術師A』が発売。
・2021年、35歳で『小説現代』にて『るなしい』の連載を開始。
・2023年、第一子が誕生し、現在は休載中。

 

川島 今年出産されたということで。まずはおめでとうございます。

意志強 ありがとうございます。

川島 『るなしい』は現役連載中ということになるわけですけども、今は育児といいますか、子育てに専念してるという状況ですか?

意志強 ネームは描いたりしてます。

川島 休載期間としてはどれぐらいを予定してるんですか?

意志強 それは決めてなくて、作画が出来る状況になれば載せてもらおうかと思ってます。

川島 何か変化ありましたか? 出産を経て。

意志強 けっこう出産にも関わるテーマもあったりすると思うんです、『るなしい』って。だから、自分とすごく関係がある話なので、今後の描き方も、もうちょっと心情をリアルに描けそうだ、という気はします。

川島 旦那さんは何されてる方なんですか?

意志強 出会ったときは警察官、刑事さんをやってました。

川島 どこでデカと出会うの? マンガ家さんとデカって、ほんまに『アマゾネス・キス』みたいな異業種での集いみたいなのがないと、出会わないじゃない。

山内 マンガを読んでマークされてた(笑)?

川島 張り込まれてて、張り込むついでに、ふとした顔が綺麗でみたいな(笑)?

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

意志強 友達が働いてる飲み屋によく行ってたんですけど、その常連同士って感じで。

川島 旦那さんの反響はどうですか?

意志強 旦那は私のことを天才だと思ってます。

川島 何か目に見えない力で支配してるということはないですか(笑)?

実社会ではなかなか言えないセリフ

川島 ではここからは、先生に書いていただいたアンケートをもとに、各作品の魅力に迫って行きたいと思います。では『るなしい』から。

るなしい』(講談社)

・2021年〜『小説現代』にて連載中。・単行本は第3巻まで発売。
・主人公は、地味な女子高生・郷田るな。いわゆる「神の子」として育てられて来た火神(かじん)の子。
・自宅の鍼灸院では、「火神の子」であるるなの血が入ったモグサを売って「信者ビジネス」を行っている。
・しかしクラスでは「宗教の人」と呼ばれ、いじめられている。・そして、そんなるなを助けてくれたクラスの人気者・ケンショー君に恋をしてしまう。
・だが、神の子であるるなに恋は許されない。
・るなは「実家が貧乏で大金持ちになりたい」というケンショーを、「信者ビジネス」に巻き込むことを決意。

川島 これ、どうして描き始めようと思ったんですか?

意志強 当時打ち合わせしてた編集者さんに「新興宗教ものはどうですか?」と提案されまして。

川島 それは『アマゾネス・キス』も読んでっていうことで?

意志強 そうです。それでお声掛けいただいて、次の連載先を探していて、打ち合わせしてたんです。私としては「次はホスト狂いの女の子の話を描きたい」と思ってて。ただ、描いててちょっと行き詰まったりして、うまく行かなかったときに、「新興宗教ものどうですか?と提案しようと思ってたんです」と言われて。『アマゾネス・キス』では、一応そういう側面を描いたつもりだったんですけど、ちゃんと真正面からも描けるなと思って、新興宗教ものを描いてみたんです。

川島 そんな『るなしい』に関する質問です。

 

るなしい』の中で、意志強先生が特に気に入っている渾身のシーンを教えてください。

 

川島 先生の回答こちら。

 

「その気がないくせにオス感見せてきて 私の心をもてあそんだからだよっ」

こんな恥ずかしいセリフ、よく書けるなと思う。

 

川島 1106ページにある、るなちゃんがケンショーに対する復讐を誓う場面ですけども、なぜこのシーンを選ばれたんですか?

意志強 普通はこんなこと言えなくないですか?

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 実社会で生きてて?

意志強 女性がこんなことを言うことって、恥ずかしいことだから。

川島 実社会では恥ずかしいセリフですけど、書いたのは先生ですよね?

意志強 私もよく思うんですよ。「そっちから好きって言って来たくせに!」みたいな。

川島 自分の人生の中で、そういう経験がけっこうあったんですね。

意志強 関係を持ったら冷たくなるとか、よくあるじゃないですか。そういうのとか、そこに行く手前の段階だとしても、「好きっぽい雰囲気出して来たくせに」みたいなのはよくありました。

川島 先生自身の魂の叫びでもあるっていうことですか?

意志強 そうです。

川島 るなに代弁してもらったという渾身のセリフ。先生とるなちゃんは、被ってる部分はけっこうある?

意志強 ありますね。

川島 どういったところが似てるんですか?

意志強 普段は陰キャとして生きてて、イケてる男の子になびかないと思ってても、結局無理めな男の子好きになっちゃうとか。で、すごく恥ずかしい思いするみたいな。

『善いこと・悪いこと』って誰が決めるの?

川島 『るなしい』で先生が伝えたいことっていうのは何になるんですか?

意志強 1話で「るなにバチが当たる」という表現が出て来るんですけど、まわりの人は最初は「金を儲けすぎたからだ」とか言ってるんですよ。ただ、「バチが当たる当たらないとか、善いことしたからついてることがあったとか、その『善いこと・悪いこと』は本当に私たちが思ってる『善いこと・悪いこと』でいいんだろうか? 宇宙レベル、神視点で見たときに、その『善いこと・悪いこと』の判断は誰がしてるんだ?」というところですね。

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

山内 そうだったんですね…………全く伝わってなくてびっくりしてます(笑)。そんな話やったんですか?

川島 まだ3巻や。『ドラゴンボール』でいうと、ヤムチャ出て来たぐらいや。

山内 今からそうなるってことですか?

意志強 そうです。

川島 僕、すごいなと思うのが、1ページ目ですよ。るながいきなり収監されているシーンから始まりますが、これは初めからあったアイデアですか?

意志強 これは最初、ネームで打ち合わせしてる段階ではなかったんですよ。口頭で、「今後るながこうなります」という話をしたときに、当時の編集さんに「じゃあ、その未来のシーンを1話の冒頭か、1巻のラストに持って来るのはどうですか?」と提案されたので、「それやっていいんだったらやりたい」と思ってやりました。

川島 これ、すごいですよね。今は順調に楽しく過ごしてますけど、未来は100%捕まるってことですもんね。つまりこれを描き始めたときに、もう結末まで考えてるということですか?

意志強 はい。

川島 じゃあ今は何割ぐらい?

意志強 たぶん、中腹ぐらいだと思います。

山内 じゃあ、全6巻か7巻ぐらい?

意志強 そこまで行かないかもしれない。

川島 ということは、あと2巻で先ほどのテーマも描いて。忙しなるで(笑)。『ドラゴンボール』で言うたら、あと2巻でもうセルまで行かなあかんねん(笑)。

山内 ちなみに『るなしい』ってどんな意味なんですか? 「るな」は郷田るなから来てるんでしょうけど。

意志強 英語で「lunacy」ってあるじゃないですか。「狂気」みたいな意味の。それって、「月の満ち欠けによって人の血が騒がされて狂気が引き起こされる」というのが語源なんですね。なので、生理とかのモチーフも出て来るので、るなは月で、火神様は太陽ということで。ただ、デビューする前から『るなしい』というマンガは描きたいと思ってて、ずっとタイトルだけはストックしてたんですよ。ただ、ストーリーは全然こういう感じじゃなく、月の満ち欠けによって引き起こされる人間の狂気性みたいなものをモチーフにしたマンガを描きたいなと思っていて。でもそれで持ち込みしても、うまく行かなかったりして。

川島 で、「新興宗教の話どうですか?」と言われたときに、『るなしい』のタイトルがバチーンと合ったんですか?

意志強 そう、はまったんです。

川島 面白い話ですね、タイトルだけはあった。

占い師の言葉がきっかけで描いた『アマゾネス・キス

川島 では、『アマゾネス・キス』に行きます。

アマゾネス・キス』(リイド社)

・2017年から2019年まで『トーチweb』にて連載
・単行本は全3巻。
・主人公は、普段はOLとしてお菓子メーカーで働きながら副業で占い師をしている岡本はづき。
・ある日、自社の大ヒット商品「ボタニカチョコ」を手がけた憧れの上司・天野純子を訪ねると、会社を辞めて新しいビジネスを始めるという。
・その新ビジネスは会員制ジム「アマゾネス・キス」。
・そこで、独自の怪しいトレーニングによって「超感覚知覚力」というものを開発、訓練していく。

川島 これはどういうテーマから描き始めたんでしょう?

意志強 私が占い師の先生のところに、占いしてもらいに行ったんですね。そのとき、マンガのデビューは決まってたんですけど、マンガ家として食べて行ける感じではなかったんですよ。バイトもしてたし、そろそろ正社員として働いた方がいいのかなと思って、それを相談しに行ったんです。

川島 マンガをやめかけてたと?

意志強 続けるけど、趣味でやった方がいいのかなと思ってて。占いでその決断を「そうだね」って褒められるかと思いきや、「生活費のために働いてもいいけど、やり甲斐のある(別の)仕事をしちゃ駄目だよ。あなたマンガ家なんだから」って言われたんですよ。それがうれしくて。

川島 まさに作品中にそういうシーンありますね。

意志強 やっぱり親は、就職すると決めた方が喜んでくれるじゃないですか。でも、占い師の人には、「やり甲斐のある仕事なんかしちゃ駄目だよ」と言われたことがうれしくて。そのあとマンガ家として食べて行けるようになって、お礼に行こうと思ったら、もうその先生がいなかったんですね。で、また会いたいと思って検索したら、ネットにその先生の噂が書いてあって、そこに行ったお客さんたちがみんな同じようなこと言われてるんですよ。「あなたは才能あるんだから」みたいなことを。

川島 みんなにいいこと言ってるんだ。

意志強 私もたぶん、そういう嘘というか、調子のいいことを言われてたんだろうなとは思うんですけど、ただ、実際にマンガ家にはなってる。

川島 救われたわけですからね、嘘じゃないんですよね。

意志強 その「嘘のつもりが本当になった」みたいなところをテーマに描きました。

川島 それで背中押されて描き上げたのが『アマゾネス・キス』。その占い師の先生が見たらびっくりしたと思いますけどね(笑)。そんな『アマゾネス・キス』に関する質問です。

 

アマゾネス・キス』のなかで意志強先生が特に気に入っている渾身のシーンを教えてください。

 

川島 先生の回答こちら。

 

「君 アイドルだよ」

アマゾネス・キス』の肝となるようなシーン。私が実際に占いに行ったとき言われた言葉がもとになっている。

 

川島 まさに今、言ったところですね。第1回の105ページにあるシーンですが、人気のない地下アイドルのアケミが、バイト先から「社員にならないか」と言われ、アイドルを辞めようかと天野純子に相談するシーンです。これはやっぱり自分と重ね合わせたシーン?

意志強 そうです。「地に足つけなさい」って純子はアケミに言うんですけど、普通、「地に足つける」って働くことじゃないっすか? でも、アケミにとってはアイドルをやることが「地に足つけて生きる」ということで。

川島 じゃあ、この作品の中で、先生と似てるキャラクターもいるんですか?

意志強 はづきちゃんです。

川島 やっぱり主役のはづきちゃんということですね。担当編集の方にもお伺いしたいんすけど、どうなんですか。読んでみた感想というか。

担当編集 やっぱり読むと、自分の中の超感覚知覚が完全に目覚める感じ。

川島 毒されてるじゃない(笑)。

山内 大丈夫ですか?

担当編集 意志強さんの魔術師としての才能というか、エンターテイナーとしての本領が『アマゾネス・キス』で目覚めたと。

川島 描いてて編集の方ともめたりはしない?

意志強 ないですね。

川島 先生の好きなように描けた作品ではある?

意志強 『アマゾネス・キス』はそうですね。最初は私が勝手に「連載します」と言い張って、頼まれてもないのに連載用のネームを描いていったんですけど。

川島 決まってないのに?

意志強 はい。頼まれてなかったんですけど、「次は連載します」と言って連載用のネームを描いて、(編集者は)「まあ連載するかどうか分かんないけど」という感じだったんですけど、もう押し切った感じで連載にしてもらいました。

川島 「超感覚知覚力」というのは、先生が考えた?

意志強 これは造語じゃなく、普通にWikipediaにも載ってる言葉なんですよ。いわゆるESP能力のことです。

川島 簡単に言うと超能力?

意志強 はい。

川島 でも超能力とは言わないんすね?

意志強 やっぱり分解して説明した方が分かりやすいし、ちょっと怪しさも備わって。

川島 先生自身は、そういう能力を信じてるということですか?

意志強 信じてます

覚悟を決めて引いたカードは、絶対その通りになる

川島 では、我々の気に入ってるシーンを紹介さしていただきましょう。まずは川島の好きなシーンでございます。

 2巻で、「サイコロで4のゾロ目を出すよりも 1のゾロ目を出す方がむずかしい」というセリフがグッと来て。そんな気するよね。確率的には全部の目が一緒やんか。でも、チンチロリンでも、4のゾロ目より1のゾロ目の方が倍率高くなってるということは、昔の人は1のゾロ目を出す方が難しいと考えていたってことでしょ? マンガでこんなにはっとさせられたこと、あんまりなかったです。

意志強 分かっていただけて、ちょっと泣きそうです。算数とか数学で言う確率って、この話はそれじゃないですよね。それで通用しないっていうか。

川島 トランプでも「ハートのエース」とか、「1」ばっかり特別視してるのは、世界的に「1」という数字を難しいことだ、特別なものだって思ってるんですよ、絶対に。これは面白いですよ。よくこれを描き上げましたよね。

山内 先生はギャンブルするんですか?

意志強 しないです、全く。

山内 その「1」は、どうやって気になってたんですか?

意志強 占いもけっこう似てるところがあって。タロットカードも絵柄によって、「カードを引くとその人の今の状態が分かる」みたいなのがあるじゃないですか。それとすごく近いというか。たとえば、「次のカードの言う通りにします」みたいに思い切り覚悟を決めて引いた1枚は、絶対当たるに決まってる、絶対意味のあるカードが出るに決まってるという気がするんですよ。たとえばそういう状況でイチローが引いたカードって、絶対当たるじゃないですか?

川島 まあ当たりにするでしょう、あの人なら。「持ってる」という言葉で片付けてしまいますけど、平等ではないよっていうところはありますよね。

山内 僕の好きなシーンはこちらです。2巻の55ページ、純子がおっぱい丸出しの衣装で、「特別に私が招待する 入って」というシーン。このページ見て、「これ、何のマンガやったかな?」って完全に見失いました(笑)。「何をしてんの? もう変態やん」って。

川島 異業種の方と集まるパーティーでの一幕なんですが、これは絵力すごいですね。初対面の2人に対して、全然動じないおばちゃんがおっぱい出して来た。

意志強 おっぱいが大きくて、刈り上げしているおばさんが好きなので。

山内 それ、どういうことですか?

意志強 理想の女性なんです。確か、この回のネームって、1回ボツになってるんです。それで打合せをしてたら「じゃあ純子がおっぱい出して登場するのはどうですかね?」「それだ!」ってなったんです。

担当編集 僕も初めて読んだときには、山内さんおっしゃったように、もう何の作品だか……高次元に行ってしまって。ただ、いま思い出しましたけど、「これは純子の晴れ舞台で、異業種交流会の中で、カリスマとして自分を示す場だから、もっとそういう登場の仕方があるんじゃないか」みたいな話をしたんですよね。それでこうなったと。

川島 だから、これは正装なんだと。純子さんのモデルはいるでんすか?

意志強 います。軽作業の物流のバイトに行ってたときに、男性に交じってこういう女性の方がいたんですよ。倉庫にあるパレットを持ち上げるリフトありますよね。あれの使い方を教えてくれた人で。

川島 けっこう似てるんですか?

意志強 似せて描きました。

川島 本人びっくりしてるやろな。

意志強 でもそもそも1回だけしか会ったことないんです。

山内 その人おっぱいを出していた?

意志強 出してないです(笑)。

キスシーンの「んっ」に感じたエロス

川島 続いての質問こちら。

 

人生で初めて描いたマンガは、どんな作品ですか?

 

川島 先生の回答こちら。

 

小学5年生のとき、ノートに描いた少女マンガ。

唐突なキスシーンの「んっ」を描きたくて、それが描ければ満足して、また次のマンガに移って行った。一杯練習していた。

 

川島 たまに少女マンガにありましたよね、ドキッとするシーンフェチだったの?

意志強 そうなんです。やっぱ子供だから、これが一番エッチなことだったんですね。すごくエッチに思えて、なんかそればっかり描いてましたね。描いたら満足しちゃって。

川島 「んっ」でエンド?

意志強 エンド。

川島 まあ知ってる中の一番のエロですから、それ以上ないですよね。「んっ」は今も好きですか?

意志強 やっぱりこのセリフが好きなんですよね。「んっ」という声が。

川島 『るなしい』でもありましたね? 学園祭のお化け屋敷でケンショー君が突然キスするシーン。

意志強 そう言えばありましたね。

川島 あれ確かに「エロっ!」思ったんすよ。

山内 渾身の「んっ」やったんですね。

川島 続いての質問こちら。

 

先生が影響を受けたマンガは?

 

川島 先生の回答こちら。

 

玖保キリコ先生『シニカル・ヒステリー・アワー

 

郷田マモラ先生『モリのアサガオ

 

森下裕美先生『大阪ハムレット

 

川島 まずは玖保キリコ先生の『シニカル・ヒステリー・アワー』ですけども、これは?

意志強 そんなにマンガを読む親じゃなくて、家にマンガはほとんどなかったんですけど、『シニカル・ヒステリー・アワー』はあったんですよ。いとこのお姉さんが読んで置いてったものだと思うんですけど。それをひたすら可愛いと思って読んだのがルーツになってて。

川島 『モリのアサガオ』は? 

意志強 郷田マモラ先生の「郷田」って名字は、郷田るなにいただいちゃってるんですよ。まず、絵がすごい独特な作家さんじゃないですか。なのに、ストーリーがすごい骨太の社会派で、文句なしに面白いんです。

川島 そして森下裕美先生の『大阪ハムレット』。

意志強 大人になってマンガ家目指そうと思ったときに、いろんなマンガを読んでたら巡り会って。絵がめちゃくちゃ可愛いのに、キャラクターの描き分けというか、いそうな顔じゃないですか、全部。そういう中で人間模様がめちゃくちゃ深く描かれてて、読み切りの短編集なんですけど、全部がクオリティが高すぎるんです。

川島 この3つが、今の先生の血になっているという部分があると。僕も読みます。今日はお忙しい中、ありがとうございました!

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

次回放送は「クイズ!置きマン 銭湯&芸人の家」をお送りします。

 

(構成:前田隆弘

 


【放送情報】
マンガ沼 公式サイト
次回放送
読売テレビ●7月22日(土)深1:28~1:58
日本テレビ●7月27日(木)深3:29〜3:59
「クイズ!置きマン 銭湯&芸人の家」を放送。
TVerでも配信中!)
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