おはようございます。『マンバ通信』の伊藤ガビンです。
あのう、マンガ家さんが描いた絵本があるじゃないですか。あるんですよ。結構な数が出版されてんですよ。なんなら自分の好きなマンガ家さんを何人か思い浮かべて、名前+絵本で検索するとよいでしょう。ざっくざくと出てきます。
そりゃそうですよね。
マンガも絵本も、絵と文字で出来ているのだから。マンガ家さんが絵本を作ろうと思ったり、絵本の作者として駆り出されるのはあたりまえの考えでしょう。
さてそのマンガ家の描いた絵本なんだけど、実のところ僕はわりと苦手なものが多いんですよね。買っては見たものの、パタパタとめくって(紙が厚いんでペラペラとはめくれない)、そして閉じて、なかったことにすることも少なくない。
とりたててつまらないってわけじゃないのだけど。
多くの場合、「これはマンガだな」と思うんですね。1ページ1コマのマンガになっとるな、と。
あるいは、普段大人向けに描いている作家が、子供向けに描いたんですなーと。
さらには、いつもはペンでモノクロの世界で描いているマンガ家さんが、カラーの画材で頑張っとりますな、と。
これは別に悪いことじゃないのだけど、基本的にはその作家に興味がある人が、作家のいつもとはちがう一面を見て楽しむというもののように思う。実際僕自身も、作家への興味でそういう絵本などを購入し、楽しんでいるわけであります。
だけど、それを「絵本」という表現として見ると、結構不満なんですよね。絵本には絵本にしか醸せない面白さがあって、オレはそういうものが読みたいのだな、と気づく。
とはいえ、マンガ家が描いた絵本で、「絵本」としてすこぶる面白いものもあります。いずれここでちまちま紹介したいと思うけれど、例えば高野文子さんの『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』は、たまらんですねこれは。
これから眠ろうとする人が、しきぶとんさん、かけぶとんさん、まくらさんにお願いをして、それにまかせとけいとふとんたちが語るというテイなんだけど、いやあ………素晴らしいんです。何度も何度も何度も読んじゃう。さいこーです。
ま、それはそれとして、今回ご紹介したいのは、タナカカツキさんが最近出した2冊の絵本のことです。
僕が好きな絵本のタイプのひとつが、声に出して面白く、何度も何度も繰り返し読みたくなる中毒性があるもの、なんだけど、今回タナカカツキさんが出した2冊がこのタイプの典型的なものだった。
『あいててて』
『あ、ひょい』
まずは、『あいててて』の一部を見てみましょうかね。
(作者と出版社の許諾を得ています)
あーあ、あたっちゃった。
と思ったらこんどは、かきがおちてきたー!
これが延々続いていくんですよ。いろんなものが飛んでくる。しょうねんのうん命やいかに。
これ絶対に子供に過剰な演技を交えつつ読みたいじゃないですか。うきゃきゃきゃ! ってなるやつでしょう。
で、セットで買いたいのが『あ、ひょい』。
見てみましょう。
ふー。あぶなかった。
うわ! こんどはぶろっくがとんできたー!
これが延々続きます。しつこいなあ。
『あいててて』であたまにいろんなものが当たった後だと、『あ、ひょい』の効きがよくなりますね。
タナカカツキ先生は、30代40代の読者にとっては天久聖一さんとの共著『バカドリル』の人でしょうけど、世の中的には『コップのフチ子』の作者ですよね。
最近ではサウナ大使としてサウナ界でも活躍してますね。
さらには水草水槽の世界コンテストではランキングがえらいことになってる。
昨年2016年は、世界ランキング4位。なんなんだ。
IAPLC2016 TOP27 | ADA – NATURE AQUARIUM
ADAは水槽や照明・CO2添加器具などの製品をデザイン・開発し、水草が茂り、熱帯魚が泳ぐネイチャーアクアリウムを提唱しています。
そして、叙情派マンガを描いていた時代の代表作『逆光の頃』が映画化。
タナカカツキのデビュー作「逆光の頃」が映画化!主演は高杉真宙
タナカカツキ「逆光の頃」の映画化が決定した。監督・脚本は映画「ももいろそらを」や「ぼんとリンちゃん」の小林啓一。主人公の赤田孝豊役は高杉真宙が演じる。
と、まあ、器用過ぎる面白おじさんなんですが、実は子供用の書籍も、この2冊の他にもしれっと出してるんですよね。
『学研のヒラメキトレーニング あそぼん ぬる・かく』
この本は、幼児が本に直接塗ったりぐりぐり描いたりして楽しむ本。しれっとしすぎでタナカカツキファンにも気づかれてないやつです!
わたしの方からは以上です。
マンバにはタナカツキ先生の『逆光の頃』や『サ道』のクチコミも集まっています!
映画化するってんで読んでみたらめちゃ面白かった 今日覚えた英単語のすべてが 夜空に落ちていったのもそのせいかな とかモノローグもすごくいいんだよな