あらすじ昭和29年の秋、日本の政局は混迷の中にあった。……いつの時代も政治家たちは権力の争奪に専念するばかりで、常に民衆が犠牲になってきた。人類は愚行を繰り返して今日に及んでいる。いつの時代も、人間は政治権力の魔性に魅入られ操られてきたといってもよい。しかし、これは単に政治の次元で解決のつく問題ではない。政治そのものに巣くう魔力が問題なのだ。この魔というものは、政治を支配する者、つまり政治家の内に巣くっている。