あらすじ学会がかつての最盛期に近づきつつあるというのに、幹部たちの姿を見て戸田の心中は暗く沈んでいた。「彼らは今もって、戦前の経験と惰性で一切が処理できるとタカをくくっている。惰性はすでに保守だ。保守は人を腐らせていく!!そこには使命感はなく、たくましい建設と開拓の精神は薄れるばかり…今は人を育てることに全力を注ぐしかないのだ…!!」人知れず戸田の目に涙が溢れた。新しい動きは確かに始まっていた――だが、それが大きな流れになるには、まだ時間を必要としていた…。