あらすじ凍てつくような大晦日の夜に、張り込みをする柴田勘太郎(しばた・かんたろう)と文吾(ぶんご)。そこへ、会社の金を使い込んで逃げていた寺島(てらしま)が、病院に駆け込んできた。さっそく逮捕しようとする文吾を引き留める勘太郎。そして柴田を追って、病院へと集まった捜査課の仲間たちに、勘太郎は「自分の独断で逮捕を来年まで待ってやろうと思う」と告げて、みんなを帰らせてしまう。そこには勘太郎のある想いが込められていた――。
しょっちゅう意見は対立するものの、互いを認め合っている父・勘太郎と息子の文吾。そして個性豊かな下ノ町警察署の面々。そこには泣ける人情話もありクスリと笑える楽屋落ちもある。一話完結で読みやすく、恋も友情も出会いも別れもあって、どんな年代でも楽しめるはず。現存するカラーページをすべて復刻版したもので、またそのカラー原稿の美しいこと。こんなもん見せられたらやっぱり復活させてくれた人々に感謝ですよねえ。