クレー射撃をする安斎彦三(あんざい・ひこぞう)が、額を撃ち抜かれ殺された。狙撃場所には「標的一我が悲しみの終わることなく狙撃兵」というメッセージが。そして今度は弁護士の俵(たわら)が射殺され、同様のメッセージが発見される。柴田文吾(しばた・ぶんご)は安斎と俵の関係から、昨年の猟期に三人のハンターが、キノコをとりにきた近所の女性をあやまって撃ち殺した事件にたどりつき、狙撃犯はその女性の恋人・東郷(とうごう)だと判明する。文吾と勘太郎(かんたろう)は、次の標的となる鮫島(さめじま)の元へ向かうが……!?
しょっちゅう意見は対立するものの、互いを認め合っている父・勘太郎と息子の文吾。そして個性豊かな下ノ町警察署の面々。そこには泣ける人情話もありクスリと笑える楽屋落ちもある。一話完結で読みやすく、恋も友情も出会いも別れもあって、どんな年代でも楽しめるはず。現存するカラーページをすべて復刻版したもので、またそのカラー原稿の美しいこと。こんなもん見せられたらやっぱり復活させてくれた人々に感謝ですよねえ。