あらすじ京都で西陣織をしている瞳子(とうこ)を尋ねてきた、タレさんこと垂水二郎(たるみ・じろう)。彼は自分が捕まえた殺人容疑者・生田(いくた)が、犯行当日は京都にいたと言っていることを確認するために京都にやってきたのだった。生田は京都の寺で瞳子と会ったと話すのだが、瞳子はまったく思い出せずにいた。タレさんは瞳子にその日のコースをなぞっていこうと提案する。古都の町を歩いていくふたりは、恋人同士のような雰囲気となり、つまづいて足首をひねった瞳子をタレさんが抱き上げた時、瞳子はある出来事を思い出す――。
しょっちゅう意見は対立するものの、互いを認め合っている父・勘太郎と息子の文吾。そして個性豊かな下ノ町警察署の面々。そこには泣ける人情話もありクスリと笑える楽屋落ちもある。一話完結で読みやすく、恋も友情も出会いも別れもあって、どんな年代でも楽しめるはず。現存するカラーページをすべて復刻版したもので、またそのカラー原稿の美しいこと。こんなもん見せられたらやっぱり復活させてくれた人々に感謝ですよねえ。