旧石器時代から1990年代までを網羅した大長編。国際社会の中の日本という位置づけで、史実はもちろん文化史、庶民生活や人間の精神・感性までもが織り込まれている。第1巻は、後漢王朝へ朝貢し、光武帝より金印を授けられる「倭人」と弥生文化の発展を描く。【目次内容】序章 後漢王朝へ、倭の奴国より……/第一章 稲作文化、海を渡って日本列島へ/第二章 自然を征服する人々の歓びと怖れ/第三章 百余国の王と民衆
Y大経済学部教授、柳沢良則。道路は右端を歩き、横断歩道以外で道を渡らない。安くてうまいさんまのためなら、足を棒にしても歩き続ける。これは、道路交通法を遵守し、自由経済の法則に忠実な学者の、克明で愉快な記録である。今日は、柳沢教授の末娘・世津子のY大入学式の日である。教え子となった世津子と共に教授は出勤しようとするが…!?
夏休み……バイト先の海岸で、あこがれの串田先生にバッタリ会った時には……死ぬほど恥ずかしかった。――男子高校生・上野晋平は、通っている学校で英語を担当している教師・串田枝理子とプライベートで遊ぶ機会を偶然得て大喜び。楽しい秘密の時間を過ごした上、キス以上の関係に…。嬉しさのあまり舞い上がる晋平だったが、枝理子にたしなめられて傷付き苛立ってしまい…。――まだまだ精神的に未熟な男子高校生と、大人な女性教師。ふたりの心理を細やかに描いた、ほろ苦い純愛ストーリーの大傑作!
悟(さとる)と守(まもる)は双子の兄弟。悟は中学受験に向けて塾通いをしているが、守はもっぱら草野球やゲームをして遊んでいる。しかし彼らの勉強の成績は同じレベルだった。母親は不思議がり、悟に対して苛立ちを露わにし始め、そして思い詰めて…。(収録作「反抗の時間」より)。――他、昔家族を捨てたおじいちゃんからハガキが届き…(「幸福の黄色い麦わら帽子」より)。孤独な少年が誘拐事件を自作自演するが…?(「バスの中」より)。等、家族のあり方について考えさせられる印象深い作品を収録したヒューマンドラマ作品集。
看護婦の石井花恋は、そのハチャメチャぶりで勤めていた病院をクビになり、紹介された私立の大病院へ…。移った初日からハチャメチャぶりを発揮し、危うくクビに!? 花恋を救ったのは病院の御曹司・中嶋志郎だった。彼は花恋にとって理想の男性! 彼を巡ってライバルと激しい攻防が開戦! 果たして花恋の恋の行方は…!?
日本でも指折りの花岡産業グループの娘・花岡典子はロック好きの元気娘。しかし父親の妙な意地で、20年来のライバル西園寺家のお嬢様・和音と上品さと美しさを競うことに…。結果は惨敗で豪華屋敷を明け渡し貧乏長屋暮らしへと転落。それでもめげない典子は花岡グループ再興へ向け行動開始! ご先祖の隠し財宝を狙うのだが…。
横浜市行政法務課取締官・芦辺駿平(26歳)は、毎晩違う女を部屋に連れ込んでは夜景を見せて口説き落とすハードボイルドな青年。しかし彼には若干26歳にして中学2年生の娘・雪乃が居る。雪乃の母親・鈴香は難産に耐え切れず出産後すぐに他界し、雪乃と駿平は離れ離れに…なったはずなのだがひょんな事から感動の再会!? 「鈴香の死後、他の女と付き合ったりせず母を愛し続けている」と信じている雪乃を傷つけない為に、理想の父親像を守っていく事を誓った駿平だったが…!?
私立探偵冬木英司は、16歳の高校生でありながら、アメリカ海軍横須賀基地内に自宅兼オフィスを持ち、ライブハウス「ロックシティ」のウェイター兼ヴォーカリストだ。イケメンで腕もたち、情にも篤い英司が、日米の思惑入り乱れる横須賀の街を舞台に、ポップでロックなハードボイルド・アクションを繰り広げる!
▼第1話/蛍の宿▼第2話/原人の墓▼第3話/鬼泪(第1章/今浦島、第2章/迷子、第3章/キリサキ、第4章/赤の家、第5章/石喰い、第6章/女星が消えた) ●主な登場人物/▼蛍の宿:京子(蛍を持って海辺の旅館・磯屋を訪れた謎めいた女性)、明(磯屋旅館の一人息子)▼原人の墓:斉藤(伝承を信じ、山奥まで日本原人を探しに行く青年。天城観光ホテルに勤めている)、天城八重子(天城観光ホテルの経営者・天城重蔵の娘。斉藤と共に原人を探しに山へ向かうが…)▼鬼泪:石神栄次(27歳。東京で職を転々としていたが、5年ぶりに帰郷。故郷で働き口を探す)、磯貝松造(65歳。今も古い木製の船で海へ出る、腕のいい昔気質の漁師) ●あらすじ/上京してはみたものの、都会の空気が肌に合わず、5年ぶりに故郷へ帰ってきた石神栄次。帰郷した栄次は、浜辺で漁師の松造に出会い、その生き方に影響を受ける…。漁師、陶芸家、採石場作業員らの姿を通し、誇りを持って仕事に向かう男たちの姿と、近代化に伴う自然破壊の弊害を描いた力作(第3話)。●本巻の特徴/表題作の他、海辺の旅館・磯屋の家族と、謎めいた美女・京子をめぐる物語「蛍の宿」、長野の山中へ日本原人を探しに行く二人の男女の顛末を描いた「原人の墓」の全3編を収録した、異色作品集。いずれも初出は81年。●その他のデータ/巻末に映画評論家・門間貴志氏によるエッセイ「『鬼泪』のキャスティングを考える自分がいる」を収録。
▼第1話/雨女(あまめ)の島 (神話伝説シリーズ今昔物語より)▼第2話/泣き原(なきがはら) (女星シリーズ)▼第3話/犬狩り (女星シリーズ) ●主な登場人物/▼雨女の島/八州一(やしまはじめ。復員後、山中で倒れていた雨女を助けた事をきっかけに、波瀾に満ちた人生を歩み、後に日本を代表する実業家になる)、鏡雨女(かがみあまめ。山の中に隠れるように建つ名家の美女。自分を救ってくれた一に夢中になる)▼泣き原/磯村香(神奈川県平塚の宿・虫窪で、一人小さな峠の茶屋を営みながら、戦争から戻ってこない夫を待ち続ける)、磯村五郎(春の夫。南方に出兵したまま、20年間行方知れず)▼犬狩り/山田(都心から2時間ほどの地方都市で、市役所の苦情係を担当する平凡な中年公務員)、ゴロ(猟犬の血を引く、山田家の飼い犬。最初はおとなしかったが、後に手がつけられないほど凶暴に) ●あらすじ/磯村春は終戦から20年間毎日、「泣き原」と呼ばれる、海に向かった丘に立って夫・五郎を待っていた。五郎は南方へ出兵したまま、戦争が終わっても復員してこなかったのだ。女手一つで一人娘・道子を育ててきた春は、道子の結婚を機に気持ちの整理をつけるため、夫の戦死地である南方への墓参団に参加。ソロモン諸島のある島で、春は聞き覚えのある懐かしい草笛の音色を聞くが…(第2話)。●本巻の特徴/戦争のため海の向こうで死んでいった人々の慟哭が聞こえ、残された者の悲しみが痛切に伝わってくる表題作の他、復員兵・八州一、名家の美女・雨女と、裏で糸を引く謎の老人を巡る、戦後の混沌の時代から現代までの物語「雨女の島」、野性を呼び覚まされた動物の恐ろしさと、動物を飼う事に対しての人間の身勝手さを描いた「犬狩り」の全3編を収録した、異色作品集。いずれも初出は81年。●その他のデータ/巻末に美術館学芸員・美術評論家の正木基氏によるエッセイ「白土三平――絵が物語ること」を収録。
甲子園出場を目指すマンモス校、希望ヶ丘学院に新たに赴任した教師、新藤今日作。その破天荒な振舞いと背中にしょった刺青から「唐獅子教師」と呼ばれ、札付き教師として有名であった……。型破りな教師によって新風を吹き込まれた旧弊な学園に波瀾が巻き起こる――! 激しく、時に微笑を、時には涙を。愛と感動の大作学園ロマン!
短大一回生の南波咲の祖母・お鹿婆さんが、悪質な轢き逃げに遭い当分安静の状態に。その祖母の代わりに、自称・咲の恋人、高田のボンと共に祖母の仕事である取り立て屋をすることになった咲。しかし、向かった先はなんと極道の事務所で…!? 大阪の繁華街の一部、通称ミナミで繰り広げられる銭と人情のロマンアクション!!
橋本健一、23歳。九人姉弟で八人の姉を持つ、末っ子にして長男。九番目の男。健一は大学を中退し、流浪の果てに商社にもぐりこんでサラリーマン生活を送っていたが、元来落ち着いた生活はどうにも燃えない気質の持ち主―――。「オレの人生は自分で創る!」ふとしたきっかけで始めたボクシングだったが…… この男はすばらしい素質を秘めていた!
一九七四年晩春 夏の甲子園大会の予選がもうじき始まろうとしていた――― コントロール抜群で武蔵中学のエースだった桜木雄は、球拾いや雑用を嫌い入学した東征高の野球部に入らず軽口を叩く日々を過ごす。キャプテンの小田切はそれでも桜木の実力を信じ、不満を爆発させるチームメイトをなだめ彼を入部させるが… 色仕掛けあり、男色ありの戦う青春の物語。
女優、デザイナー、そして芥川賞作家と、まるで昆虫が脱皮をくりかえすように次々と華麗な変身を続ける女、十村十枝子。はたして彼女は神が作りあげた天才なのか、それとも!?ヘビのように貪欲な女の執念を描く野心作!
やり手のディレクター、門前市郎がスカウトした新人歌手、小百合チエには門前自身も驚くような“秘密”があった。彼はこの秘密を利用して芸能界に君臨すべく策謀をめぐらせるのだが…。異色のSFドラマ、ここに登場!
昭和20年、満州から祖国への道は、まさしく離れて遠き何百里だった。飢餓と危険におおわれた逃避行に、少年は生存の適応力を身につけ、暗い瞳を虚空にむすび身体を震えさせた。昭和34年、武居捨郎と名付けられた少年はボクサーとなっていた…。虐げられた男たちによる敗者復活戦。そのゴングは鳴った。天才劇画家・宮谷一彦によるエロスと暴力の讃歌、もしくは日本近代文学へのひとつの返答!「肉弾人生嫁賣ジャイアンツ篇」併録。
昭和11年2月、青年将校らのクーデターに遅参した猪野矢一郎少尉は、死に場所を求めて彷徨するうち、スペイン公使館に保護された。そして時あたかも共和政府とフランコ軍との間で内乱たけなわのスペインへとおもむく…!!
一見、軽薄さを与える人物に見えますが、そこには男の気位と一抹の哀感を漂わせているおとぼけ課長。人間の実像を、軽妙なテンポとペンで描いた4コマ漫画の真髄です。思い切り笑って、ストレスを吹き飛ばしてください!
最低ランクの競輪選手・山川素一は、故郷に向かう列車の中で、やくざに追われている小浜ばっちゃと再会。ばっちゃは学生時代、競輪のイロハを教えてくれた恩人だ。そんな素一は今場所かぎりで登録抹消の危機を迎えている。ばっちゃの借金返済と、自分のB級脱出をかけて、素一はレースを勝ち進むが……!? 若手競輪選手の日常をユーモラスに描く表題作ほか、おちこぼれチックな高校球児の姿を綴る傑作短編集を収録!!
80年代の旧ソ連を舞台に、実在の最高指導者「チェルネンコ書記長」本人ズバリそのものを主人公として(何故?)当時の国際事情を描いた珍妙な政治時事パロディ漫画。「チェルネンコ」とか言われても知らねーよ、なんて人も多いはず。当然です。現実に「最も影の薄い指導者」として名を残した人ですから。作中でもそういうポジションでいじり倒されてます。ちなみに、連載中に現実のチェルネンコが死去し、作中でも主人公がかの有名なゴルバチョフに交代します。
主人公は60過ぎの大学教授・柳沢教授。いつもスーツ姿のおじ様です。大学教授らしく頭脳明晰、思考は理路整然としているのですが、少し度が過ぎる部分がありそこが笑えるポイントです!四角四面なところがありつつも、情が深いところもありそれも魅力。この漫画で「枯れセン」に目覚めた女子も多いのではないでしょうか。ギラギラしたところがなく、優しいおじ様は年老いた秋田犬のような魅力がありとても癒されます...!柳沢教授の家族や周りの人は至って普通、むしろかなり俗っぽく描かれているので、柳沢教授とのコントラストが際立っているのも魅力です。