麺料理と落語が好きなサラリーマンがそばにうどんにラーメンに、ひたすら麺を食べるお話。 ハンター錠二や噴飯男みたいな奇天烈なキャラクターは出てこないものの、土山しげる先生らしい食欲をそそる食事シーンと絶妙に古臭い世界観にグッときます。 麺への愛と情熱で、仕事や恋愛までもうまくいく姿はまるで進研ゼミの漫画のよう。進研ゼミの漫画を土山しげる先生が描いてたら、わたしも今頃部活のレギュラーで志望校合格して憧れの先輩と付き合えたんだろうなあ…とありもしない妄想を膨らませてしまいました。 麺好き漫画だけど高級店や独創的なメニューなどは登場せず、町の中華屋やカップ焼きそば、B級グルメ中心なのがまたよいところです。読んだら絶対麺食べたくなること間違いなしです。
少年誌らしい、アクションあり、コメディありで、いきなり赤ちゃんができたり(?)とドタバタなスタートをきった新連載! らんま1/2を彷彿とさせる、身体能力に長けた少年少女の運命的な出会い。 バトルシーンがかっこよすぎる… 古武術「花形流」の本元である須崎家と縁を切るために、長男の愛一郎へ決闘を申し込みに来た、分家・柊家の千絵。 ふたりが剣を交えた瞬間、なんと剣は消えそのかわりに「赤ちゃん」が生まれた!!???? てのひら創世記というタイトルから、きっと想像できない新たな世界を描いてくれるんだろうと期待。設定とか世界観とかちょっと懐かしい感じがするのは狙いなのかな…
※ネタバレを含むクチコミです。
タイトル通りまさしく「ニセミコさん」。 そしていつも神社の前を通って拝んでいく青年。 このとてもいい二人の関係が見れた。 会話のやりとりのリズムが心地良い。 ずっと見ていたくなる! 心の声がないのもフラットな感じがして好き。 2話とも裏切りもあっていい読切だった。 http://www.moae.jp/comic/nisemikosan
コンデコマ原作の「鍋田吉郎」と蟹工船/諸国グルメ放浪記の「原恵一郎」が組んでかいているのだから面白いんだろうなと思いながら読んだけど予想通りに面白かった。宮本武蔵との決闘に敗れた佐々木小次郎が実は生きていて、八丈島に流された大名・宇喜多秀家と一緒に各地の揉め事を解決していくストーリー。あらすじにもあるが佐々木小次郎が記憶喪失の状態で話が進むのかなと思ったらすぐに記憶が復活していた...
漫画ゴラク2020/2/14号より連載開始。戦国時代を駆け抜けた武将の死に様を描いた作品。一話で一人のペース。 いまのとこは足利義輝、松永久秀。画力もさることながら戦国武将の死を「死亡カルテ」と称したり、松永の死を「子供向け番組の怪人のように爆死した」といえる台詞センスが素晴らしい。今後も楽しみだ
今年もノーベル賞発表の季節がやってきたので、ここぞとばかりに積ん読していた『木曜日のリカ』を読みました。 松森正先生の作品は初めて読んだのですが、白黒メリハリがはっきりした絵が魅力的で、精緻な描き込みも本当にすごかったです。 最近『マッチョテイスト』を読んだばっかりだったので「世界でただひとりノーベル殺人賞をもらった女・リカ」があまりに普通の女すぎてビックリしてしまいました(笑) 小池一夫先生の作品はこれで2作目なんですけど、作品をどう受け止めればいいのかちょっと悩んでしまいましたね。シリアスな作品だと思って読めばいいのか、シリアスな笑いを描いていると思って読めば良いのか…。 個人的にはギャグとしてめっちゃ面白かったです!
衰退する日本橋の呉服店が、デパートへと華麗に生まれ変わる姿を描いた作品。 海外のデパートと見てきた若旦那が、古い体質の呉服店を改革する様は痛快で、女性の地位向上なども併せて社会派作品としても読み応え抜群。
めっっちゃ面白かったです!! いじめられていた女の子がドラゴンヘッドのノブオのように全身に模様を描き、何をするのかと思ったら・・。 ページめくる度に驚きがあるのはもちろん、気味の悪いデザインも最高だし、表情のインパクト凄いし、痛快な展開でした!! 本当にデビュー作なの?ってくらい好き。他の作品も読みたくなってくる!
風景がたまらなく愛おしい。体験したことがないはずなのに、何となくこんな日があったような気持ちになる。僕らが歴史的な風俗画を眺めて昔の人ってこうだったんだなぁとしみじみ思うように、200年後の人が読んでも面白いんじゃないだろうか。
サメ映画は好きで結構見るんですがマンガだと『バスタブに乗った兄弟』くらいしか知らないな…と思って手に取りました。シャークパニック。何が起こるか全部わかるいい副題ですね。 気になる本作のサメはオーソドックスな巨大ザメ。地元の漁師と戦いを繰り広げた伝説を持っていて、主人公たちの中型ボートと同サイズくらい。デカすぎもせず小さくもない、リアルなデカさが怖いタイプのサメです。 パーティ7人も地元でくすぶっている主人公、気立ての良い親友、ちょっといい雰囲気の女の子、東京にかぶれたいけ好かないヤツなどバランスよし。誰から食われていくか読めないのがいいサメコンテンツだと思っているのですが、本作でもテンポよく犠牲者が積み上がっていきます。 1巻のヒキもまさに見たかったものを提供いただけてお腹いっぱい。とにかくサメに期待していることは大体味わえると言っていいでしょう。安心して読んでほしいです。 王道をいくサメパニックマンガ、満足感がありました。
令和2年でイチオシしたくなるような、読めば絶対ニヤニヤしちゃう魅力を本作は持っている! 人間は恋愛対象外、蛇にしか恋愛感情を頂けないことを隠しながら生きてきた学園のアイドル的女子高生・財部つくしが、なぜか新任教師の加賀美肇に恋してしまうというラブコメディ。 ファーストコンタクトで人が恋に落ちる瞬間を読者が目撃してしまうのけれど、なぜ好きになってしまうのか……というのはもちろん読んでいけば分かる。異種間ラブコメと謳っていることから、色々と察して欲しい。 ただ一言、**ヒロインの嗅覚が凄すぎる……(笑)** 自分の感情を確かめるために、先生をグイグイ押していくヒロインの姿は可愛いし、自分の感情の理由を自覚してからはさらに推していくヒロインの可愛さは無限大。 フェチズム全開で頬ずりしようとするわ、嬉々として舐められようとするわ、タイトル通りで押しまくり。 駄目でも引かない、前進あるのみ! ファーストインプレッションでヒロインに抱いた優等生的なイメージが、読み進めていくうちに崩れていく。 **学園で被っていた仮面など、「好き」というエネルギーの前にはあっさりと剥がされてしまうのだ。** 舐めるという行為が、実は教師の加賀美に取っては大事な行為なのだけれど、JKを舐めるというあまりにも非日常的な光景(というか普通なら教育委員会案件)が、時にえっちな雰囲気があったり、邪魔できないような尊い雰囲気が漂っていたり。 先生はペロリスト(舐める人)として照れを持つ稀有な存在だし、つくしちゃんはペロラレリスト(舐められる人)として反応が完璧。 舐めたい人と舐められたい人で、需要と供給が見事に満たされている!WinWinの関係性なのが素晴らしい(!?) 舐めるという行為にこんなに魅了されるのは、かつてアフタヌーンで連載していた『謎の彼女X』以来と言っても過言ではない(これもヒロインのよだれを舐める良い漫画なんだ) **ヒロインが作った手料理よりも、ヒロイン自身が一番美味しいというから、先生も読者も困ってしまうんだよなあ!!!(笑顔)** まさにタイトルに書いた、「君が1番美味しいラブコメディー」が嘘ではないことが、読んでもらえれば絶対に分かる。 読み終わった頃には、すっかり胃袋を掴まれてしまっているはずだ。読者はつくしちゃんを舐められないので、熟読して胃袋を満たすしかない! **つくしちゃんが美味しく食べられる様(嫌らしい意味ではなく)を、ぜひ楽しんで欲しい。** また、めちゃくちゃ押しまくるつくしちゃんだけど、実は赤面シーンが多いのも大きな魅力。 赤面しているヒロインは人類の文化遺産なのだ。押して押して押しまくりながら赤面するつくしちゃんを、みんなで堪能しよう! **訳アリ高校教師✕訳アリ女子高生=ニヤニヤ必須のラブコメディ** 令和2年以降の人類史では上記方程式が成り立つということを、漫画好きの全ての人間に、ぜひ提唱させて頂きたい……! 電撃マオウ2020年6月号の表紙のつくしちゃんも最高に可愛いことを、最後に報告してこの文を終える。
力強い絵から繰り出されるジワジワくる笑いの威力がすごい! これ始めはどこにいるのかざっくりとしかわからなくて(地方と島々が広がる風景だけが手がかり)、クライマックスで初めて地名がわかるんですよね。 「こんな辺鄙な村さ何しに来たのや」っていう言い方がうわメッチャ自分の地元っぽい〜〜と思いつつ読んでたらホントにそうで、地名を最高の威力でオチにしてあってマジあっぱれでした。 いぎなしすげぇ!! https://twitter.com/k_sato22/status/1311594213084024832?s=20
自分がイケメンであることにとにかく迷いがない変な子、池田くん。変な子なんだけど腹筋がバッキバキでした。 なんかいろんな芸人を混ぜたらこうなったという感じもしなくないです。
こちらの青い表紙はFinal Phaseの『出版社ビーグリー版』です。Final Phaseはこの他に赤黒いダークな表紙の『PHP研究所版』もあるのですが、**作品の内容は全く一緒**です。 ▼ビーグリー版のPHP版との違い ・表紙が違う ・標題紙がない ・絵のコントラストが強い **・扉絵と目次・人物紹介がない** **・「特別収録 羽貫ファイル」がない** 自分は断然PHP版の方が好きですね。 コントラストが丁度いい感じで、色がきれいで見やすいです。ビーグリー版は、妙に色が濃くて主線が浮いている感じがしました。 そしてなんと言っても扉絵(目次)と巻末の特別収録…!! 羽貫が過去に発生した疫病についてまとめた(という体の)資料は、現実で発生した感染症で読み応えがありますし、これを**『本編を読み終わった余韻に浸りながら読むところまで作品の一部』**と言って過言ではないと思います。 そして読後に気づいたのですが、巻頭の扉絵と目次も非常に素晴らしいんです…!**『目次の扉絵から、実は物語は始まっている』という演出がニクい。**巻末の特別収録がないため目次も削除したのでしょうが…だったらせめて扉絵だけでも残してほしかったです。 あえてビーグリー版の良いところを探すとしたら、ページ数が少ない分200円ほど値段が安いところでしょうか…。作品を120%楽しむならPHP版(赤い表紙の方)をオススメします。 ▼PHP版(赤い方)の配信元 ・Kindle ・honto ・BookLive ・BOOKWALKER ・紀伊國屋書店 ・ブックパス ▼ビーグリー版(青い方)の配信元 ・ebookjapan ・まんが王国 ・シーモア (画像はビーグリー版とPHP版の比較画像)
生活に根ざしているネタだけど、閃きがあるところがいい。のんびりと読んで楽しめるところもよい。今週はセクハラ上司に会うのに、強面の家族をレンタルって話が良かった。レンタル家族、ほんとにあるのかな?
絵の魅力はもちろんのこと、魔法が存在する世界が緻密に描かれてて説得力がある。久し振りにこういうの読めて嬉しい。
微笑ましくもあり、常人にはたいてい思いつかない突飛なストーリーです。 両親が居ないので、同居する「おばあちゃん」と「ひいおばあちゃん」と「ひいひいおばあちゃん」のためにカラオケ大会て優勝して10万円を手に入れ、ビッグサイズの湿布を買ってあげたいさちるちゃん。でも優勝できるわけないし人前で歌なんか…といろんな思いに自信が押しつぶされていると、突然頭のてっぺんから何かがプリンッと絞り出されます。そう、それが"自信"でした。ちょっとスタイルが良くなったおでんくんっぽいビジュアルです。 こんなふうに自信を漫画として描くことがあるのか…と感心。果たしてさちるちゃんは再び自身を取り戻してビッグサイズの湿布を買うことができるのか!?
面白かった! 一つ気になるのは本来のケンちゃんが一切存在せずに生きて死んでるところだけれど。 あとちょっと泣けばいいのか、笑う話なのかわからない。 この父親がうっかりで人を殺しすぎてる気もする、そこがちょっと話の枠先行で作ってる感じも…。 でも完成度高すぎて全くストレスなく読めてしまった! 男に好かれて変な感じだけど実は息子思いの父親で、気づいていないけど轢き逃げしてしまった男性と歩み寄っている、そこが面白い! 実の父親より優しくすんなよぉ、と言う「ケンちゃん」が切ない。 全く見ず知らずの男同士になってしまったけど双方はこれから父と子のような関係を築くんだろうなと想起させる! 22歳、天才ですね。
これは良作アニメになるに違いない やはり姫が可愛いんですよね〜
花板虹子は全部読んだのだが、このバージョンには単行本未収録の95話分が入っているということでまた最初から全部読んだ。 前半もいいがやはり後半の四条再建編がいい。料理漫画のテンプレートのような食材の仕入れを邪魔する嫌がらせから、料亭ならではの接客/配膳を仲居さんの派遣を邪魔する、主人公の店の料理人を金属バットでボコボコ殴る、色仕掛けを仕掛けて借金を背負わせる、出店するデパートの管理者を脅迫して主人公の店の鍵を開けさせて米を交換するなどいろんなパターンがある。 特にすごいのはライバル店が主人公の店の無料食事券を勝手に作成して配って、揉め事を起こして評判を落とそうという作戦まであった 色々料理漫画を見てきたがここまでやる料理漫画ってのは初めて見た。
ビットコインを作った人の正体は今も明かされてないって知ってました?それこそ漫画みたいな話ですが、この実話をベースにしている漫画です。ホワイトハッカーの主人公がネットアイドルと一緒に謎の「人質ゲーム」に巻き込まれるという話で、本格ITサスペンスと謳われてますが仮想通貨?なにそれ?みたいな私でも楽しめるエンタメな内容になってます。えりちん先生の描く女の子はやっぱり可愛いですね。ファンなので連載もってくれて嬉しいです。
池波正太郎の「男の作法」を漫画化したもの。『男の』とはいうものの万人に通ずる「粋」を学ぶことができる。台詞回しや空気感が独特でいい
たまたまツイッターで流れてきたものを読んで、すごい話だと思ったので感想書きます。ちょうど2年前のモーニングに載った読切なんですね。 本当に厄介で嫌になる、親子という関係が上手く描かれてると思います。子を思うあまり無意識に縛り付けてしまう親。それを心底嫌悪し、切り捨てようとする子供。こう書くと最悪な感じがしますが、なんも珍しいものではないでしょう。どこにも明確な悪意はないから。同じではないものの、自分と重なる点もあり、ウッという場面がありました。 あー、親と子の関係って、本当に面倒臭い。 ちなみにそのツイートはこちら https://twitter.com/segawatamaki/status/1311210272875520000?s=21
ドラマ化が決まったというので1巻初めて読みました。 実はほんとに初めて読みました。私の中では築地魚河岸3代目とほぼ同じ内容でしょ?っていうイメージだったんです。築地魚河岸の方は結構好きなのですが…なんだろう、比べてみるとちょっとほのぼの感が足りない?いや魚河岸と寿司職人じゃもちろんちがうんですが。厳しい。空気が。 それでオヤジさんがまぁえらい男前。 インターネットで江戸前の旬と検索したら読む前に読め的なブログがあって、雑誌連載を少しづつ読むのがちょうど良く、まとめてコミックで読むのは向いていないと書いてありました。
めっちゃいいところで1巻終わってるー…早く2巻が読みたい! 次から次へと恨みを晴らしていくのかと思ったけど意外とキャラの過去とか心情とかしっかり描かれてるので、ふざけた表紙のイメージからいい意味で変わりました。あと絵も普通にうまくて読みやすいです!
いや〜!!実はこれ本編を読む前からすでに、モーニング公式のツイートでカラー絵を見た瞬間一発で好きになっていた作品だったんですけど、ワクワクしながら雑誌(巻頭カラー)を読んだらストーリーもまあ最高でした!! 【第1話】 https://comic-days.com/episode/10834108156691507213 第1話は「大学進学を機に一人暮らしを始めるため新しい街にやってきた主人公・井ノ山春が、道すがら次々と個性的なおじさんたちとすれ違う」という話なのですが、たったそれだけなのにメチャクチャ面白い…! **「いや乙女ゲーかよ!!」と内心叫ぶくらい多種多様なおじさんたちが次々登場するのに、笑いを堪えられませんでした。** 乙女ゲーと書きましたが、若い女性が主人公でイケてるおじさんからゆるふわなおじさんまで出てくるにもかかわらず、**物語の雰囲気がしっかりと青年誌**なところが素晴らしかったです。1話の最後の日記に登場する「おじさん」の回数が多すぎるオチも最高でした。 **「陰キャ女子大生と平均年齢50オーバーのおじさんたちが織りなす、ゆるゆる町めぐりコメディ」**が、今後どう展開していくのかメチャクチャ楽しみです…!! 【モーニング】 https://morning.kodansha.co.jp/c/misters.html
オムニバスなんですね。 芸大が舞台で、登場人物に色を当てはめてまつわるストーリーになってるみたいです。ふたばの豆餅というワードが出てきたので、京都芸術大学がモデルかな? 芸大だから生徒にフォーカスがあたるのかと思いきや、初っ端は事務員さんが主人公。爽やかでわくわくする1話目でした!短期集中とのことなのですが、どのくらいやるんだろう。
よしもとよしとも、なんてふざけたペンネームを掲げてしまったことが全ての発端なのかもしれません。永遠の放課後居残り組ことよしもとよしともは、いつまでも漫画界から反省文を書かせられて家に帰れないのです。 大友克洋、高野文子、さべあのま、岡崎京子、望月峰太郎等からの大きな影響を受けて、遅れてきたニューウェーブとして彗星のごとくデビューしたのがこの『日刊吉本良明』になります。基本軸は、業田良家の『自虐の詩』や、吉田秋生の『ハナコ月記』の系譜にあたる同棲4コマ漫画ですね。とはいっても、どこまでが本当なのかは分かりませんけども、作者本人の生活臭が全面に押し出されていて、途中からは同棲生活や大学生活に原稿生活が紛れ込んできますから、そういう意味では漫画家漫画としても機能しています。ファンレターについて描かれた回があったと思ったら、幕間に実際に届いたファンレターを載せたりしている。メタフィクション的というか、挑発的というか、まあ、かなり挑戦的なんですよね。 それで、まあ、1ページめの初っ端から、あからさまに高野文子のジーンズの描き方で同棲する二人が描かれています。そして、ページが進むごとに、大友克洋の漫画を隣に置きながら原稿を描いているとか、『バタアシ金魚』のファンから猛攻撃を受けているとか、人の絵をめちゃくちゃパクって描いていることを隠さなくなる。そういうのをどんどん自虐ギャグにしちゃう。このように数々の作家の長所だけを寄生虫のように吸収し、すげー絵を描いていく俺、将来大物、なんてセリフまでありますからね。いっぽうでは、岡崎京子のところにアシに行く回とか、とても貴重な記録もあったりします。 で、ダラダラとしょうもない4コマが続いていくんですけど、これが不思議と滅法おもしろいんです。ギャグなんかだいたい滑ってるし、絵は人からの借り物だし、それはそうなんだけど、エルヴィス・コステロのPump it upのポスターが部屋に貼ってあったり、XTCのセーターで喧嘩したり、妙にディティールが行き届いていたりするのが憎めないんですね。その後、よしもとよしともは何本かの何とも言えない中編を残して消えてしまい、今となってはテレビ番組の『消えた天才』みたいな状態になっていますけど、デビュー作の『日刊吉本良明』をはじめとしたいくつかの漫画には荒削りで未完成なところが多分にありながら妙な魅力が記憶に残って離れないんです。 たぶん、よしもとよしともという漫画家は、漫画というものを見る目と想起する才能には溢れていたけれども、致命的なことにそれらを自らの手で具現化する体力みたいなものが欠けていたんだと思うんですよね。そういう意味では江口寿史に似ているのかも知れません。そんなこんなで決定的な傑作を残せないまま、いまだに放課後居残り組として家に帰れないでいるわけですけど、じつは二本だけ隠れた大傑作を残しています。 黒田硫黄と組んだ『あさがお』(『大王』収録)と、 衿沢世衣子と組んだ『ファミリー・アフェア』(『おかえりピアニカ』収録) がそれにあたります。両方とも、よしもとよしともがネームまでを描いている。しかも、それらの収録された二冊の短編集は、黒田硫黄にとっても、衿沢世衣子にとっても、ともに単行本デビュー作にあたるわけです。これはただ事ではないというか、なんて怖ろしい目利きをしているんだろうと驚かずにはいられないのです。数打って当たった二本ではなくて、めったに仕事をしなくなったよしもとが重い腰をようやくあげて選んだ二本ですからね。 しかし、まあ、かれこれ10年くらいは沈黙しちゃってますから、そろそろ次の反省文をしたためてもらいたいものですなあ。
ここが好きだよテリーマン! 「しかしこのテリーマンの説はそのどちらでもない」って言ってる時のテリーマンとかがすごい好き 一番良識派のようで一番ぶっ飛んでいるようにも思うんだが
ほぼタイトル買いです クライムサスペンスものを期待して買いましたが、想像以上…!このイケメン狂気じみている! 人間を他者と関わり合いたいと思わせてその境界を超えさせるものはなんなんでしょうか。 その人のことが好きだったから、その人に救われたから…? この狂気じみた「アメリ」と言う存在がキャラ立ちしすぎていて、グロいのにページを捲る手を止められません。 彼のことをもっと知りたいと思ってしまう。 絵もめちゃくちゃうまくてすごいです。 ただのグロさだけじゃなくて論理的な思考が面白いと思った作品
歴史マンガ・動物マンガ・コメディマンガの良いとこどりしたすごい作品。 日本の妖怪漫画といえば、人間と妖怪が心を通わせる姿に胸を締め付けられる夏目友人帳と、民俗学的に「ありそう」と思わせるリアルな妖怪の百鬼夜行抄。 そして千年狐はこの2つの良いとこどりをしてあり、舞台は中国。そんなん面白いに決まってる…! 物語に説得力を与える高い画力。そしてキレのいいギャグ。いったい天は作者に何物を与えたんだ…!? あぁ〜ッ!!もふもふかわいいし、ストーリーはしっかり歴史要素あるし…面白さ一人じゃ抱えきれない🙈 買って絶対後悔しない作品です! 続きはよ〜〜〜!!!
ふみふみこ先生と志村貴子先生のファンだったため購入 自分がボーイズラブにハマるきっかけになった作品でもある 本来ボーイズラブ作品では脇役のはずの女の子達の視点から物語が進行すると言った変わった作りになっていて いろんなBL漫画家が女子が主人公のBL漫画を書いている この漫画で描かれることは終始一貫して女子はBLにおいて脇役であり添え物であると言うことである あくまでも男の子たちが主役であり女子は脇役 そんな脇役の視点からBLを覗くことのできる本作は 1歩引いた目線からBLを読むことができるので初心者にもオススメだし、いろんな作品を読んできた人にとっても新たな発見がある作品だと思う 特に最初の秀良子さんの短編は BLと言う垣根を超えていろんな人が様々な感情を感じると思うし 絶対に読んで欲しい作品である また10人の漫画家がこのアンソロジーに参加しているため この作品からお気に入りの漫画家が出てきたら購入してみてもいいだろう 【執筆陣】秀良子/志村貴子/西田東/ふみふみこ/ はらだ/市川けい /小鳩めばる/糸井のぞ/ためこう/ プルちょめ
今でこそ細かいこだわりをネタにする漫画は増えたが、これを37年前に描いていたのはすごい。描いていたというか、描き続けているというのが正しいか。毒や下品さ、かっこ悪さを誤魔化さないところに風格を感じる。しりあがり寿さんの解説も良かった。自分の滑稽さを笑える余裕を持っていたい。
恋愛漫画って、学園イチのモテ男とか、眼鏡とったら実は美人とかそういう感じになりがちで、自分にとってはファンタジーみたいなものなんですが、本作は違います。 モブみたいに背景のような女子と寡黙な眼鏡男子という、どこにでもいる地味同士の恋愛なんです。 ・・・いや、わかりますよ。 恋愛漫画に美男美女を用意するのは、そこに花があるからで、別にリアリティもいらないし、なんなら石油王とかCEOとかアイドルとか、ド派手なほうが良いとかいうのもわかります。 どこにでもいる地味カップルなんて、ドラマもクソもないだろうと。 でも違うんだ!ということを声を大にして言いたい。 この初々しい感じが、とにかく可愛いんです! 些細なことで悩んだり、一歩踏み出す勇気がなかったり、かと思えば急に大胆だったり・・・ 地味ゆえに経験がないからコントロールできず、全てに全力で一生懸命なんです。 これがもう、読んでいてドキドキして、つい感情移入してしまい、2人を応援したくなるんです。 というか、見守る感じに近いですね。もう、保護者かと。 久々に清いものを見させていただきました。 しかし、何気ない日々も美しくなってしまうんだから、恋愛ってすごいですね。
吸血鬼の次はなんだ? 楽しみにしてたけどショウジョウ? 感染討伐刀ネガティヴ主人公バトルアクションとでも言えようか! (長いけどなんといったらよいか) 死にたいネガティヴ系主人公がイケメンそう これからが楽しみ
麺料理と落語が好きなサラリーマンがそばにうどんにラーメンに、ひたすら麺を食べるお話。 ハンター錠二や噴飯男みたいな奇天烈なキャラクターは出てこないものの、土山しげる先生らしい食欲をそそる食事シーンと絶妙に古臭い世界観にグッときます。 麺への愛と情熱で、仕事や恋愛までもうまくいく姿はまるで進研ゼミの漫画のよう。進研ゼミの漫画を土山しげる先生が描いてたら、わたしも今頃部活のレギュラーで志望校合格して憧れの先輩と付き合えたんだろうなあ…とありもしない妄想を膨らませてしまいました。 麺好き漫画だけど高級店や独創的なメニューなどは登場せず、町の中華屋やカップ焼きそば、B級グルメ中心なのがまたよいところです。読んだら絶対麺食べたくなること間違いなしです。