たか
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2022/09/23
「姫×女中」史実がベースの昭和ロマン溢れるガールズ主従バディ学園ドラマ!
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これはすごいものを読んでしまった…!「うおお〜〜こういうのが読みたかったんだよ!」と心の中で叫んでしまう最高の物語でした。 ・歴史ドラマ(昭和10年=1935年) ・実在の人物の登場 ・女学園 ・上流階級の世界 ・派閥争い ・意地の悪いお嬢様ライバル ・主従関係 ・ハンサムで気高いお姫様 ・戦闘に強い従者 お子様ランチか?という勢いで、みんなが好きな要素がブチ込まれていて面白いとしかいえない。 もう1巻の表紙からして最高。 最後の将軍・徳川慶喜公の孫娘・久美子様がセーラー服に身を包み凛々しい表情でコートを肩にかけ刀をついている。う〜ん痺れる……! ▼西山優里子/井手久美子『徳川おてんば姫 ~最後の将軍のお姫さまとのゆかいな日常~』第1巻 https://i.imgur.com/PeEia3T.jpg 主人公の2人はともに13歳の女の子で、 慶喜公の孫であることに矜持を持ちつつも葛藤し、下々の者に心を配ることを忘れず、広大な邸宅(第六天)の外の世界に憧れ男装にパーマで脱走しようとするおてんばハンサム久美子様。 “会津”の出身で、妹弟のためになんとしても女中として働きたい父母から様々な格闘術を仕込まれた健脚で元気な“お次”のはな。 「もう来年プリキュアの枠で放送してくれ〜〜!!」って感じのたまらないキャラ設定。 はなをひと目みた瞬間、髪型がすごくいいなぁと思ったのですが、あとがきにキャラの初期デザインが載ってて「元ネタはあしながおじさんの主人公」と書かれてて膝をうちました。確かにジュディだ……!通りでキュンとすると思った。 コミカライズにあたり、西山先生の好みで久美子様は男前に描かれることになった(最高)とのことですが、西山先生ご自身が『スケバン刑事』の大ファンだということで納得。 意地悪なお嬢様ライバル(山縣有朋の孫娘)との投扇興バトル。気品溢れる女性だが明らかに只者ではない英語教師。久美子様より上手な妃殿下との薙刀バトル。世が世なら将軍様で線の細いエリート文学青年の慶光侯爵。何やら久美子様と因縁のありそうなシュッとした帝大生2人組。 も〜〜う全部面白い!全部……!! ガッツリ取材して描かれているので、歴史ドラマとしても読み応えがすごい。 原作は“久美子様ご本人”によって描かれた同名の自叙伝とのことで、こちらも読んでみたくなりました。 「ヒストリカルな上流階級の世界」という女子の好きな設定で少女マンガ的な絵で描かれてはいるけれど、アクションシーン満載で構図やコマ割りも迫力があり強さを秘めた女の子たちがパワフルに活躍するという、少年マンガと少女マンガのハイブリッドのような作風が私にぶっ刺さりました。最&高。 NHKで夕方のアニメになるまで応援します! ▼第1話より こんなかっこいいお姫様を嫌いな人類がいるか(反語)
たか
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2022/09/02
後方彼氏面できて嬉しい漫画2022第1位!!今読むべき珠玉のホッコリ和風オカルト漫画
ニコニコ漫画でいつも楽しく読んでます!1話読んだ瞬間にもう痺れました。こいつぁスゲェぜ……! 『ダンダダン』『光が死んだ夏』などの人気作品によって、オカルトマンガ界隈が盛り上がっている時代に呼応するかのように現れたとんでもなくレベルの高い作品。 画力の高さが素晴らしいのはもちろん、「和」「オカルト」要素にとどまらず「ホッコリ」「フェチ」までブチ込んで1つの作品にまとめ上げているのが素晴らしい……! 「次にくるマンガ2022」Webマンガ部門14位とのことで、大ファンの私としても本当に鼻が高いです(後方腕組彼氏面) ……まあ実は残念ながら『ダラさん』に投票するのは完全に忘れていたのですが、昔から推していたのは本当です! https://manba.co.jp/topics/31992/comments/198996 ご自分で初見で味わってほしいためあまりネタバレは書きたくないのですが、ネタバレにならない部分でいうと、作中に登場するオタク女の解像度が異常に高くて何気にこれが一番怖かったです。リアルすぎる……。 オカルトマンガ好きや強烈なフェティシズムを味わいたい人は絶対お見逃しなく…! https://twitter.com/TomotukaHaruomi/status/1564995887167746048?s=20&t=xt0PHHm400N3R0pRgpR71g https://seiga.nicovideo.jp/comic/57766
たか
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2022/08/16
ネタバレ
あまりにもエモ #読切応援
「もしも教室にテロリストがやってきたら」という誰でもする妄想が現実に起きた教室が舞台。シーンは陰キャくんが「テロリストを簡単にいなす俺」を現実にやって失敗したあとから始まり、主人公の不良くんはそんな彼に苛立ちを覚える。しかし苛立ちを感じた本当の理由は…。 読む前から、扉絵の構図や絵柄があまりにも少年マンガとして完成されててすごく期待しながら読んだのですが、この短さできっちり主人公の心のトゲを解消する&読者にメッセージを伝える内容となっていて本当に素晴らしかったです…!! 月足透水『元野球部とテロリスト』 https://i.imgur.com/QjHZ57M.png 無様だけど勇気があるオタクくんのお陰で、余計なことをして失敗して周囲から叩かれることを恐れていた不良くんが救われるところがとにかくいい。 過去の自分が救われた嬉しさと、オタクくんへの感謝と、そして命が助かった安堵と。様々な感情を入り混じったであろう不良くんが、初めて絡むオタクくんを抱きしめるシーンがたまらなく好きです。 「もしあのまま失敗したら…てめえ責任取れんの!?」 「取れないよぉ…取れるわけないじゃないかぁあ!」 辛い世の中・下手に人助けに関わって不利益を被ったり余計なことして責められたくない気持ちになることも多いですが、状況を良くしたいと取ったアクションやそれによって起きた結果は必要以上に責められるべきではないと思っているので、このセリフは染みました。 そしてハグについても、日本の男性が公衆の面前でハグするのなんてワールドカップで点を獲ったときぐらいでしょうが、「命が助かったときは言葉にできない感情や感謝を伝えたいときはハグでええんやで」と常々思って生きている自分には本当にグッと来ました。 個人的に本当に刺さったお話でした。これから月足透水先生の過去作を少しずつ読んでいきたいと思います!
たか
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2022/07/23
ネタバレ
美しくて涙出た #読切応援
これ自分で自分にびっくりしてるんですけど……読み終わったあとにジワって涙が出ました。いま私には寝ても覚めても考えてる推しがいるので、おきぬが目をキラキラさせながら決して想いが届くことのない「首」へ、愛おしそうに丁寧に丁寧に真心を向けている姿が尊くて共感が止まらなくなくて……胸が締め付けられました。 いまも書きながらずっと鼻すすって泣いてます……。こんな想像もしてない角度からクリティカルヒットを食らうとは。 絶対に想いが届かなくても全然よくて、ただただ自分がその人を大切にしたいという感情。もう、痛いくらいわかります。 戦場で見つけた美しい首。 「カラスにくれてやるなんて」と、思わず持って帰ってしまうほど惚れてしまったその人のために、その人を安置する周りを綺麗に掃除して。人目に触れないよう隠さないといけないときは「ごめんね」って言って。櫛を欲しがったのは、自分を綺麗にするためじゃなくその人の髪を梳いてあげるためで。綺麗な紅葉や梅を見つけたらその枝をそばに置いて。 プラトニックな、人を愛するということの一番根源的な部分をまざまざと見せつけられて、こんなに美しいものを見せてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。まだ思い出して泣いてる……。 ▼雨瀬シオリ『首をまつる』 https://i.imgur.com/QmISMZh.png >「あんたは歯まで綺麗だなや……」 作中だと、このセリフがエモさ限界突破してて尊くて好きです。 推しがいる人なら1000%思ったことありますよね。「〇〇は〜〜まで綺麗」って。誰かを好きになると、自然と普段なら見過ごしてしまうような、その人を構成する些細なひとつひとつに美しさを見出すようになる。 おきぬの愛の深さを、自分のことのようにリアルに感じることのできるセリフで本当に大好きです。 そして何より好きなのが、おきぬが首を埋めるシーン。 紅葉の季節から時が移ろい梅が咲く頃になると、その人の顔が損なわれ始める。それを見ておきぬは母の隣に彼を埋めることにする。 決して利己的に、自分のためだけに彼をいつまでもそばに置き続けようとはせず時が来たら別れる。 自分の愛を無理に押し付けて強制せず相手のことを尊重するところ。本当に真の愛(アガペー)……。 >「おっかあよう……おっかあの隣に」 >「おらのいい人 埋めていいべな……」 おきぬにとって彼は“““いい人”””だったんだって……ただただ感極まりました。 「首を愛する」という刺激的な題材で、エロスでもサイコラブでもなくあくまで「純粋な愛」を描ききった雨瀬シオリ先生。本当に偉大だなと思います。 一生好きな読切になりました。美しい……! ぜひいつか短編集やなにかの単行本に収録してほしいです。
たか
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2022/07/16
海外旅行「超」上級者がぬいぐるみと行く世界一周の旅! #1巻応援
「ぬい」という文化があることは前から知っていましたが、ぬいママが具体的にがどんなふうにぬいと接しているかは知らなかったのですごく勉強になりました。 そしてなんと言っても。英治あかり先生の旅力が高すぎる……!!! 行動力・コミュ力・語学力・トラブル処理能力・危機管理能力。どれをとっても一級で見ていてとにかく爽快。 (しかも絵やマッサージなど、いざとなったらその場でお金を稼げるスキルも持ってる) 個人で海外旅行をするうえで、出会ったばかりの人について行ったり治安の良くないエリアを訪れるなど、危ない橋は渡るのは避けるべきです。でもその橋を渡った先にでしか得られない、人とのふれあいや楽しさというのが確かにあるんですよね。 これだけの旅力を備えていれば、こんな痛快な旅ができるんだ…!!とただただ痺れ憧れてしまいました。 スポーツでも芸術でも何事においても、一流の方のテクニックを見るというのは楽しいものですが、この本を読むと同じような満足感を得られます。かっこいい。 そしてなにより、こんなに旅慣れしててしっかりオタクなところが好き(相棒のぬいちゃんも某超有名女性向け青春水泳アニメのキャラ) 旅を終わらせた理由がうた○リのライブがあるからというのがめちゃくちゃかっこいいです。オタクの鑑。 全オタクにめちゃくちゃオススメしたいエッセイ&旅マンガです!