麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、前回放送の「マンガ家ガチアンケート・池田祐輝編」の模様をお送りします(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。
『サンダー3』池田祐輝に関する3つの説
川島 今回のテーマはマンガ家ガチアンケート! 今回は山内さんのリクエストです。
山内 僕が以前お薦めしたマンガ、『サンダー3』の作者・池田祐輝先生です。
川島 山内が紹介したの、めちゃくちゃ早かったよね。
山内 佐藤健さんとマンガの情報交換した時に、教えてもらったんですよ。まだ2話、3話しか出てない時点で、「まだ分かんないけど、これやばいかも」って。それで僕が紹介したんですけど、今や『サンダー3』の第3巻の帯にはマンガ沼のコメントが使われているという。
川島 今回、先生をお呼びしたかったんですけど、忙し過ぎるということで、アンケートのみの出演ということになりました。
山内 そこなんですよ。池田先生についてはいろんなうわさが出てますから。だからスタッフから「マンガ家ガチアンケート、池田先生OKしてくれそうです」と言われたとき、「え? 来てくれるなんてあんのかな?」と思ったら、案の定、来ません。
川島 そこは読めてます。だって来たら都合悪いですもん。何かあるんでしょうね。来れない何かが(笑)。
山内 実は池田先生は正体を一切明かしていない上、『GANTZ』で知られる奥浩哉先生の絵のタッチと似ていることから、ネット上で3つのうわさが出てます。
川島 今日はここに切り込みます。報道番組です。
山内 池田先生の3つの説。まず1つ目の説がこちら。
① 奥先生の元アシスタントだった説
山内 この説の根拠としては、『サンダー3』が始まったときに、奥先生がTwitterで「アシスタントが独立して頑張っているな」とつぶやいていたと。
川島 『サンダー3』とは言ってない?
山内 言ってないんですよ。ただ、タイミング的に怪しいなという。そして2つ目の説がこちら。
② 奥浩哉先生の子供説
山内 奥先生は結婚はされているんですけど、子供がいるかどうかは明らかにされていません。しかも年齢が56歳。お子さんがいても不思議ではないですし、お子さんがもし早く生まれてたら20歳超えてて、マンガ家になっててもおかしくないんじゃないかなという年齢。『刃牙』の板垣先生の娘さんの、板垣巴留先生みたいな感じで、実は子供がマンガ家デビューしていたパターンもあり得るんじゃないか。
川島 あり得ますよね。そうだったらもう英才教育受けてるでしょうからね。
山内 さあ、そして僕が強く推しているのは、3つ目の説です。
③ 奥先生が別名義で描いた、奥先生ご本人説
川島 ついに来ましたね。
山内 実は奥先生は、デビュー当時は「久遠矢広」名義でマンガを描いていた。なので、今回も別名義でやってる可能性は大なんだよね!
川島 だよね、もう分かるよね。山内さん、私も3番が本命ですね。俺らの間でも、1巻の段階で言ってたんだよね、「あまりにも酷似してる」と。絵、展開、見せ方。これはもう奥丸出しじゃないかと。
山内 おそらく奥先生は自分のネームバリューでマンガを評価されたくないと。だから先入観持たずにフラットに……。
川島 作品だけを見てくれっていう。
山内 だから別名義を使うのは、あり得るんじゃないかと思ったんですよ。
川島 ただこれ、本来やったらこんな詮索するのはタブーですよ。楽屋じゃないんだから。なんと今回、池田先生はこの企画も全て理解したうえでアンケートを書いてくれてるんです!
山内 ほんまかいな(笑)。
川島 受けて立とうと。
山内 いや俺、コバさん(ケンドーコバヤシ)としゃべってても、「3の説めちゃ濃厚やな」と言ってましたよ。
川島 だって1巻、2巻、3巻と読み進めていくと、もう奥節が出てるんですよ。アシスタントでは出せないような味ですよ。なんと、そんな池田先生からわれわれにメッセージが届いてるそうです。
山内 ええっ!?
川島 こちらです。
『マンガ沼』のおかげで打ち切りが免れそうなので、さらなるプッシュお願いします。必死です。
山内 打ち切りなんかなるわけない! ほんで筆跡から鑑定されないような字で。
川島 怪文書です、これは。
山内 左手で書いてますね、これ。利き手じゃないほうで書いてます。
出身も年齢も非公表!?
川島 まだ読んでない方もいるかもしれないですから、まず先生のプロフィールを紹介したいと思います。
山内 出身地隠すのおかしいよね(笑)?
川島 年齢も別に言ってもいいんじゃない(笑)?
山内 ちなみに池田先生の補足情報があります。こちら。
山内 X、旧TwitterなどのSNSもやっていないそうです。写真やアイコンもないので、今回『マンガ沼』用に初めて本人自画像を出してくれたそうです。
川島 この番組用に書いてくれた?
山内 さあ、こちら、池田先生の初の自画像がこちらです。
山内 おかしいよね。ウサギなうえに、後ろ向いてる。
川島 どういうメッセージなんだろうね。ウサギなのか。
山内 ……奥のほう見てますよね?
川島 今週はここまでに(笑)。
山内 核心に迫り過ぎた(笑)。
川島 では現在連載中の大人気マンガ、『サンダー3』を紹介しましょう。
池田祐輝『サンダー3』(講談社)2022年〜
・『月刊少年マガジン』にて連載中
・単行本は第4巻まで発売中
・主人公は幼い妹・ふたばに、やけになつかれている中学生の手塚ぴょんたろう
・そんなぴょんたろうと親友のお茶の水ひろし、吾妻つばめの3人は、背が低いことから「スモール3」と呼ばれていた
・ある日、3人は担任教師・ドクから借りたディスクをぴょんたろうの家で見ていたところ、テレビが異世界へと通じてしまい、妹のふたばがそこに入り込んでしまった
川島 入り込んだ瞬間のコマ、衝撃でしたね。
山内 この辺から「おやおや?」ってなります。
川島 「あれ、このマンガ普通じゃないぞ」っていう。
・そんなふたばを探すため、スモール3も追って、異世界へ入っていくことに
・マルチバースと呼ばれる異世界は、ぴょんたろう達がいた世界とは違うリアルな世界で、空には宇宙船が浮かび、街は異星人に支配されていた
・そんな異星人にふたばがさらわれたと知った3人は、ふたばを救うために立ち向かっていく
・マンガの常識を覆すSFアクションマンガ
川島 これ、かねてから言ってますけど、本当は何の前情報もなく読んでほしい。そのほうが衝撃がすごいから。僕、1巻の表紙が大好きで。
山内 これをみんなに薦めると、まず表紙が目に入るから、「え、こんなマンガ?」みたいな感じで言われるんですよ。
川島 そう、ナメられる。
山内 まずナメさせてくるんですよね。
川島 これが全く『サンダー3』の設定にぴったりというかね。まずナメるのよ、異星人は。このルックスで来られたら。
山内 そうなんです。「日常を描いたゆるい系マンガなんですか?」みたいなところからの。
川島 日常に急に異星人が現れて危機が訪れ、そこで戦うというのがもう『GANTZ』やけどな。もう出てるもん、3巻の表紙に(笑)。先生、我慢できないんですよ。1~2巻まではかわいらしかったのに、3巻でもう欲が出てますから。丸出しです。奥丸出し(笑)。
65インチのテレビで原稿確認
川島 さあここからですよ。では池田先生のガチアンケートに参りましょう。まずは先生に7つの質問をぶつけました。最初の質問こちら。
『サンダー3』の設定を思いついたきっかけは? そして伝えたいメッセージは何ですか?
川島 もういきなり核心を突いたような質問ですけども。
山内 今までなさ過ぎじゃないですか、こういうマンガ。どう思いついたのか。しかもデビュー作で。
川島 その辺の回答からも、われわれは捕まえられるはずなんです。頑張りましょう! 回答はこちら。
『ドラえもん劇場版』のような子供向け冒険活劇が描けないかなと思っていたところに、マルチバースを絡めたらどうかな?と思って描いてみました。
僕が思う子供に向けてロマンある冒険物にしたいので、子供に読んでいただきたいですね。
川島 まずこのQとAが合ってないよね?
山内 おかしいよね?
川島 「誰に読んでほしいですか?」とか聞いてないんだよね。QとAをずらしてきてる。いや、分かりますよ。1巻のあの表紙の絵でいうと、藤子先生とか昔の冒険活劇の絵を非常に大事にされてる方というのは。
山内 もちろん子供が読んでも面白いんですけど、マンガを読みまくってる人に刺さるマンガだと思うんですよ。さらに「作品作りについて苦労している点」も聞きました。それがこちら。
爆発などのエフェクトは手で細かく描いてるので、人物より時間がかかって大変です。
山内 えっ。
川島 CGとかでやってないの?
山内 さらに池田先生の補足情報がこちら。
「背景やメカはデジタルで描いている。人間と爆発はアナログ。構想には約5年かけた」
山内 とのことです。続いての質問こちらでございます。
『サンダー3』の中で特にお気に入りのシーンはどこですか?
川島 先生の回答こちら。
1巻の31ページの1コマ目です。2つの世界をつなぐのに、トンボを入れたのは自分でもうまくいったと思います。
あと、同じく1巻の78、79ページの見開きは、この後大冒険が始まるワクワク感が出せるといいなと願いを込めて描きました。
川島 このマジトンボね。
山内 マジトンボなんですよ、急に。
川島 「あれ?」ってなるんですよ。向こうは向こうで生きてるんだっていう。でもこれすごいやん。向こうの生物が来てるけど、擬音はこっちの世界の音だっていう。「ぶぶぶぶ」をあの字体にしてるというね。このシーンは確かにすごく印象的でした。
山内 ここから「おっ? 何や、このマンガ」となっていくんですよね。
川島 そしてもう1つのお気に入りのシーンは、第1話ラストの見開きですね。
山内 これは大冒険始まるな……。
川島 続いては『マンガ沼』恒例のこちらの質問です。
マンガを描く時の7つ道具は何ですか?
川島 先生の回答はこちら。
パソコン
Wacom Cintiq液タブ
Photoshop 3Dソフト
資料を探す際のスマホ
65インチテレビ
山内 65インチ、でっか! さらに池田先生の補足情報がございます。
・本人いわく、狭くて汚い部屋で描いてるらしい(約10畳)
・テレビはネームを描く時もつけっ放し。テレビを65インチにしたのは大画面で原稿を見るため。
山内 モニター代わりにして原稿の細部までチェックしていると。
川島 10畳の部屋でテレビが65インチって、まあでかいっすね。
山内 デビューして、そんな原稿料もらえますかね? 65インチの大きいテレビを買えるほどの……。
川島 しかも打ち切りがどうとか心配してる人が。液晶タブレットも実はめちゃくちゃ高いですからね、あれ。それを平気でポンといきなり買えてる。
新人にしては回答が堂々としている?
川島 さあ、続いての質問こちらです。
マンガ家になりたいと思ったきっかけと、マンガ家になるまでの経緯を教えてください。
山内 どう言うんでしょうね。
川島 どう言うのか。聞かせてください、どうぞ!
小学校低学年の時に、漠然とマンガ家ってかっこいいなと思ってたので自然と。ひたすら子供の頃から我流でマンガを描いてました。
少年ジャンプの賞に出しても引っかかりもしませんでしたし、直接持ち込んでもボロカス言われて追い返されたので、なかなか芽が出なかったですね。
全く駄目だった時に講談社さんが拾ってくれました。
山内 はい、よくできた話です。
川島 デビューしたての浅いキャリアやったら、他の出版社のことをあんまり言わないほうがいいんです。将来的にお世話になるかもしれないわけだから。なのに、「少年ジャンプにボロカス言われました」ちょっと恨みが出たな。よっぽど大御所やないと、これは言えない。
山内 言えないっすね。
川島 ボロカス言われたのは、たぶん本当だと思うんですよね。例えば「こういう面白いマンガを描こうと思います。第1話、これどうですか?」「いや先生、これは伝わりにくいですわ。うちじゃ無理ですよ」となって生まれた人格が池田。
山内 それが池田(笑)。
川島 別アカウント。続いて、もうちょっと攻め込んだ質問しました、こちら!
初めて『サンダー3』を編集部へ持っていった時のリアクションはどうでしたか?
川島 回答はこちら。
「こんなマンガ見たことない」と言われたので、相当舞い上がってしまいました。
山内 それはそうでしょうね。
川島 って講談社に言われたんだよね。集英社にはボロクソ言われて。
山内 これは見つけた編集マンは「すごいやつ来た!」って普通思いますよね。
川島 われわれが読んで、そう思いましたもん。さあ、ここまでで山内さんどうですかね?
山内 いや、肝心なことを一切言わないなっていう。
川島 かわされてるよね。
山内 そうなんすよ。もし俺が逆の立場だったとして、自分が奥先生と疑われてるみたいな切り口で入られたとしたら、「いや、それよく言われるんすけど、奥先生じゃないんすよ、僕は」ってまず言いますよね。
川島 恐れ多いですと。
山内 「いや、これは僕の考えた僕のマンガなんです」って主張したいじゃないですか。それ言わずに。
川島 子供に読んでほしいですわ、とか。
山内 おかしいよね?
川島 続いての質問こちら。
影響を受けたマンガ家や作品は何ですか?
川島 さあ、ここよ。
山内 これで言わなかったら逆にもうおかしいから。
川島 もうおかしいからね。そんなわけないからね。ゼロなわけないんだから。
『GANTZ』の奥浩哉先生です。先生の影響で映画は大好きです。ハリウッド作品では最新の映画は行くようにしてます。
山内 ここはね、言わざるを得ないよな、これは。
川島 ここは1枚切らないとな。でも、すぐ違う話題にするやん? ここはもっと先生の話しないと。「先生の昔から模写してました」とか、「『GANTZ』は映画館まで見に行きました」とか、「よく言われるんですけど、そんな方に間違われるのはありがたいです」とか。なんで「映画は好きです」って方向に行っちゃう?
山内 そうじゃないのよ。普通の人の会話って。
おかしいやないか!
山内 さあ、次が最後、7つ目の質問になります。最後は僕がどうしても聞きたかった、核心に迫る質問です。
ズバリ!「先生が『GANTZ』の奥浩哉先生説がありますが、実際ここだけの話どうなんでしょうか?
川島 これ聞いたん(笑)?
山内 アンケートで聞きたいことを書くときに、ズバリ書いたんすよ。「答えてくれないだろうな」と思いながらも書いたんですけど、これに答えてくれたってことっすね?
川島 もう直球投げたんだ。で、ここに出るっていうことは返事が来たってことだ。「それはパスで」とはならなかったんですね。
山内 ここで「『ミッション:インポッシブル』面白かったです」とかはぐらかしたら、もう終わりです。
川島 いいんですか? ここまでいって。
山内 これはもう今、数字がグングン上がってます(笑)。
川島 期待してください、『マンガ沼』ファンの皆さん。ここで決着つきます!
山内 さあ、先生の回答がこちら!!!!!
いろんな説が飛び交ってるってことは、話題になってるってことですね。光栄です。とてもうれしいです。
山内 おかしいよね!?!?!?!?
川島 これは……デビューしたばかりの人はこんなこと言えない。若い人がこんなこと言えない。
山内 「光栄です」じゃないのよ。「残念ながら違います」くらいは言いますよね?
川島 「ほんまに申し訳ない、違うんです」とか、最後の最後で言うチャンスやったんですけど、「いろんな説が飛び交ってるってことは話題になってるってことですね」って。
山内 何、新人の池田が、奥の可能性を残しとんねん! おかしいやないか、お前!
川島 聞いてんのか、池田!
山内 おまえがもし新人の池田やったら、奥先生に失礼やぞ!
川島 池田やったら来いや!
山内 こっち来い、来いよ、お前!
担当編集との駆け引き①「賞取らなくても?」
川島 なんとここで『サンダー3』の担当編集者・須藤さんがスタジオに来たそうです。
須藤 こんにちは。
山内 須藤さんが担当してるんですか?
須藤 そうです。
川島 なぜこのタイミングでの登場なんでしょうか?
須藤 いました。ずっと見てました。
川島 ずっと見てた? ここに来てた?
須藤 来てました。奥で見てました。
川島・山内 「奥で」。
川島 え、どこでって?
須藤 そっちの奥で。
川島 「奥で」。素材だけもらっときます(笑)。
山内 「奥です」って言いましたから。
川島 音だけもらいました。どうしてもこれは編集の方にも聞きたいけど、池田先生にはこのうわさ(奥浩哉本人説)がつきまとってるんです。これはやっぱり編集さんも知ってる?
須藤 知ってます。さんざん言われてます。
川島 池田先生が講談社に持ち込んでこられて、そのとき受け取ったのは須藤さん?
須藤 僕じゃないんですよ。違う人が受け取って、僕が引き継いで。その時はまだ『サンダー3』は生まれてなかったんです。
川島 違う作品で持ち込んだ。
須藤 そうです。それは僕は見てなくて、担当を引き継いでから『サンダー3』を作ったという経緯です。
山内 じゃあ『サンダー3』については生まれる瞬間から?
須藤 はい、1話目から。
山内 『サンダー3』の設定はああいう感じやけど、持ち込んだときはまだ完成形じゃなかった?
須藤 いや、全く別物の作品です。
川島 第1話のつかみがすごかったと思うんですけど、どうでした? 感想としては。
須藤 普通は新人賞とかがあるし、やっぱり賞取ってからじゃないとデビューできないんですよ、という話をして。でも「1話目を描いちゃったんだけど」ということだったので、編集長と一緒に行って、原稿を見たんですよ。読んでみたら、その場で連載決まっちゃった。
川島 そんなことってあるんですか?
須藤 普通ないです。過去に前例ないんで、珍しい話だと。
山内 「新人がそんな強気なのおかしいな?」という印象を受けたんですけど。
須藤 でもたまにありますよ。読み切り1本しか描いてなくてデビューしちゃったとか。
川島 賞取らなくても?
須藤 取らなくても。「もうこれで行こうよ」となってデビューしたケースも結構あります。
川島 でもそれは読み切りですよね?
須藤 ベースは読み切りです。
川島 でも池田先生が見せてきたのは「第1話」ですよね?
須藤 普通はそれだとデビューできないですけど、マンガが普通じゃなかったので、デビューしちゃったっていう。
担当編集との駆け引き②「僕にとって?」
川島 須藤さんもわれわれ読者と同じ感想だったと思うんですけど、奥先生感がありますよね。「あれ? これ『GANTZ』と共通点がある。画力、展開、おもろさ、『GANTZ』の1巻ともう双璧をなすくらいおもろいぞ」と普通に思うんですけど、それを先生には伝えなかった?
須藤 伝えました。伝えたというか、(奥作品が)好きだという話をよくしてたから、「似てるね」って。
川島 似てるんだったら、編集として止めないですか?
須藤 でも丸パクリじゃないので。奥先生が訴えてきたらそれまでの話ですけど。
山内 訴えられる心配はないと?
須藤 今のところ、来てないですね。
山内 本人だから。
須藤 本人からは。
川島 そんなのおかしいですよね。原告と被告が同じ裁判ってないですよね? 訴えられるわけがない。
須藤 奥先生は奥先生、池田先生は池田先生です。
川島 全くの別人だと。
須藤 僕にとって池田先生は池田先生です。
山内 僕にとって……?
須藤 僕は奥先生と仕事したことないですから。
川島 お会いしたことは?
須藤 ないです。
山内 池田先生の顔をわれわれが見せていただくことはできないんですか?
須藤 それはご本人がやっぱり嫌だと言ってるんで。
川島 テレビで流さないとしても?
須藤 流さなくても……ないです。
山内 われわれ、奥先生の顔は分かるんで、池田先生の顔をチラッと見せてもらえれば納得するんです。それだけの話なんですよ。
須藤 お写真、撮らせてもらったことないです。嫌いなんです、写真が。
川島 若手マンガ家が? いや……おいくつなんですか?
須藤 年齢も教えてくれないんです。
川島 あなたが思った印象でいいので。
山内 分かるじゃん。だいたいパッと見て。
川島 実年齢じゃなくて、あなたが思った印象で。
須藤 非公表なんですよ。
川島 結構注目されてるけど、メディア出演は今までないんですか?
須藤 一切ないです。出たがらない。
川島 お仕事は早いですか? 先生は。
須藤 早いです。ただずっと描いてるんで、(他に)何にもやってないから早いというのはあると思います。
担当編集との駆け引き③「お人柄?」
山内 マンガ家の先生って、どこかでアシスタントされて、修業されてからデビューされる方多いじゃないですか? 池田先生はどこかでアシスタントとか……。
須藤 やってたことありますね。
山内 されてた? どこで?
須藤 想像されてる場所ではないです。ちょっと名前は言えないんですけど。
川島 あの先生ではない?
須藤 ではないです。
川島 結構有名な方ですか?
須藤 有名な方です。それも言えないんですが。ただ、さっきの説に出てきた「奥先生のアシスタント説」、あれは間違ってます。
山内 3つのうちの1個が消えた。
川島 じゃあ奥先生の子供説。
須藤 僕、奥先生を知らないんで、息子さんがいるかどうかはわからないですけど、池田さんと話してて「お父さんがマンガ家だった」とか「親類にマンガ家がいる」とかいう話は聞いたことがないですね。
山内 3つの説のうち、2つが消えました。さあ、本丸です。
川島 行きましょう。
山内 池田先生は別名義の奥先生本人っていう可能性は?
須藤 もし別名義なら、僕は止めますけどね。
川島 別名義やったら止めるってどういうこと?
須藤 奥先生がそれをやっても意味ないと思います。
山内 別名義でしなくていいんじゃないですか、と。
須藤 だって(新人の名義だと)売れない可能性のほうが高いわけですから。
川島 でも奥先生ほどの人だったら、おそらく印税はもう『GANTZ』や『HEN』で入ってくるだろうし、集英社に断られて、別名で実力で売れたろかという流れは非常に自然かなと思うんですけど……。
須藤 ただのファンかもしれません。ガチファン。
山内 池田先生が奥先生のガチファンだと。
川島 でもそこまでファンだったらもっと回答であがめるというか。
山内 そうなんですよ!
川島 普通は「そんな私の大好きな人を……恐れ多いです。もっと本人と間違ってもらえるようにこれからも頑張ります」やけど、この回答って。かわいくないんですよ、回答が。はっきり言ってしまえば、全ての回答が(笑)。もうほんとに警察を翻弄するようなやり方で。
須藤 そういう意味では単にお人柄っていうか、たぶん性格もあるんだと思います。池田先生の。すごくストレートに物事を言う方なんで。
川島 講談社歴としては須藤さんのほうが、池田先生よりも長いんですね?
須藤 そうですね。マンガの部署はまだ10年未満ですけど、それまでにいくつか部署を経験してるんで。
川島 そこが引っかかってるんですよね。さっき「お人柄」って言ったのよね。後輩に言うかね? 「お人柄」って。
須藤 いや、作家さんですから。(年齢に関係なく)作家さん全員尊敬してるんです。
川島 俺らの感覚だと、「お人柄」って師匠に使う言葉なんよね。「お」を付けるのって……。
池田先生、初めてのサイン
川島 ここでなんと! 池田先生からサイン色紙が届いてるそうです。実は池田先生は今までサインを描いたことがなかったそうで。これが初めてのサインだそうです。
川島 俺、さすがにこれは断られると思ったのよ。でも……鉛筆の下書きの痕もありますよ。「川島 明」に下書きがあるのは分かるんですけど、なぜご自身の名前まで下書きをしているのか……。
山内 普通、サッといきますよね。
須藤 どういうサインにしようかとか考えてたので、「思いついた感じでいいですよ」と言ったんですけど。
川島 結局もう清書するしかなかった?
須藤 そうですね。
川島 今回、限りなくグレーやと思うんです。これを見る限り、池田先生というのはやっぱりいるんじゃないかという気もしてきました。奥先生とは別に。
山内 だからとりあえず、次回マンガ家ガチアンケートで、奥先生お願いします!
次回は「川島・山内のおすすめマンガ」をお届けします。
(構成:前田隆弘)
【放送情報】
次回放送
読売テレビ●9月30日(土)深1:38~2:08
日本テレビ●10月5日(木)深2:09〜2:39
「川島・山内のおすすめマンガ」を放送。
(TVerでも配信中!)
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