どうしてこうなった!?斬新な設定の新感覚ギャグ少女漫画『アクロトリップ』がクセになる…!

『アクロトリップ』

現在『りぼん』で連載中の『アクロトリップ』という少女漫画をご存知でしょうか?
いわゆる「魔法少女モノ」です。
これまでいろいろなバリエーションの魔法少女モノが世に出されてきましたが、『アクロトリップ』はこれまでのものとは一味違った斬新な設定で描かれる、新感覚ドタバタコメディ魔法少女ギャグ漫画です!

ざっくりとどんな漫画か紹介しますと、舞台設定は、悪の組織と魔法少女が日々バチバチやりあっている新潟県のとある街。登場するメインキャラクターは3人。
悪の組織から街を守るために日々奮闘している魔法少女、ベリーブロッサム
悪の組織「フォッサマグナ」の総帥、クロマ
そして、魔法少女オタクの女子中学生、伊達地図子(変な名前)。

地図子はベリーブロッサムの大ファンでずっと追いかけているのですが、ひとつだけ不満を抱えていました。
それは、悪の総帥であるクロマがあまりにも弱すぎる(ヘタレすぎる)ことです。
地図子は、ベリーブロッサムが窮地に陥りながらもギリギリ勝つ、という姿が見たくて応援しているのに、クロマが弱すぎるが故に、満を持してベリーブロッサムが登場しても大体あっさりと一撃でクロマを倒してしまうため、いつも物足りなさを感じているのです。
もう少しギリギリの闘いをしてほしい、もっとベリーブロッサムを追い詰めてほしい、そんな地図子のモヤモヤした気持ちを知ったクロマが、地図子を悪の組織フォッサマグナの参謀としてスカウトする、というところから物語が始まります。

 

『アクロトリップ』(佐和田米/集英社)第1巻より

 

地図子からすれば、大好きなベリーブロッサムと敵対するフォッサマグナになんて入りたいわけがないですよね。
しかしいろいろとすったもんだがありまして、結果的に地図子はフォッサマグナの参謀になってしまうのです。

こうして、何故か悪の組織のお手伝いをする羽目になってしまった地図子の苦悩の日々と、クロマとベリーブロッサムの超ぐだぐだなバトルが展開されていくのです。

……この設定、すごくないですか?
ハチャメチャ感と納得感がちょうどよくバランスの取れた設定というか……。
ぶっ飛びすぎず、普通すぎず、「どうしてそうなった!?」とちょうど良い塩梅でびっくりできるスタートを切っているのではないかと僕は思いました。

それから、メインキャラ3人の立ち位置もものすごくバランスが取れています。

まずクロマのザコっぷりはとても愛くるしくて、悪の総帥と言っても、やっている悪事は街のお店の入口マットを裏返しにするだけだったり、コンビニでアルバイトをしていたり、怪人をなつかせるために鍋パをやったり、と本当に行動のひとつひとつが愛らしいです。
悪の総帥と言いながらも実は作品内で一番かわいいキャラなのではないかと思うほどです。
そんなクロマにキレよくテンポよくツッコミを入れる地図子。
基本はこの二人の掛け合いがとても面白く、メインのコメディ部分になってはいるのですが、実はベリーブロッサムもかなりのボケ要員です。
魔法少女には一般人には魔法を使ってはいけないというルールがあるため、コンビニ強盗と対峙した際には打撃(ラリアット)で闘い、最後は警察に電話して通報するなど、花形の魔法少女でありながらもちょっぴり間抜けな姿が目立つベリーブロッサム。

 

『アクロトリップ』(佐和田米/集英社)第1巻より

 

そして、こういったギャグ漫画にはしっかりとしたツッコミキャラが1人はいるのが定石ではありますが、地図子はそうではありません。
3人の中だと比較的ツッコミポジションではありますが、ベリーブロッサムのことになると地図子は軽い変態と化すのです。
例えば、悪の組織の参謀としてベリーブロッサムと闘って電撃の魔法を喰らった際にも、「これがあのサンダーボルト・ブルーム…ありがとうございます…!」と、ファン過ぎてダメージよりも感謝の気持ちが勝ってしまう始末です。

このように、誰一人としてしっかりした者がいない三者三様の変人たち、という部分がこの作品の醍醐味のひとつであると思います。

とまあここまでいろいろと語ってしまいましたが、テンポとノリがすごく良いギャグ漫画ですので、言葉で上手く説明しようとしても確実に陳腐なものになってしまうため、とにかく読んでみてください!

絶対に読んだことを後悔させません。約束します。
3人の強烈キャラ達の掛け合いがクセになること間違いなし!!

 

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