ダイエットと恋とSEXに思い悩みつつもだらだらとすごす女子大生の夏の日々を描いた表題作をはじめ、1984年~85年まで「ガロ」誌上ほかに掲載された12編の短編集。解説・斎藤慎爾。
母子関係に苦悩するボーイッシュな少女・森展子(もり・のぶこ)の、恋愛と成長を描いたウーマンドラマ。海辺の町へやってきた森展子は、水を飲もうとした公園の水道が壊れていたのがきっかけで、近所に住む年上の女性・佐野(さの)と知り合う。そして子供服のデザイナーをしている佐野から展示会に誘われた展子は、その帰りの電車で、スカートがうまくはけないという悩みを佐野へ打ち明けるのだが……!?
1年間の交際期間を経て結婚した、まち子と靖夫。3年目を迎え、まだ子供なし。いくら愛し合って結婚しても、他人であった男女が一緒に暮らすと、見えなかった部分が見えてくるのは当たり前。最初は新婚ということで見逃していても、時が経つにしたがい、理想と現実のギャップが広がっていくことを痛感するまち子だが…。
中学3年生の神野多々里は、みんなと仲良くしたくても、暗くて薄気味悪いと言われてイジメられ、気が付くといつも一人ぼっち。そんな仲間外れの多々里にも、唯一親友と呼べる友達・よっちゃんがいるけれど…ある時、そのよっちゃんにも裏切られてしまった多々里は、「みんないなくなればいい!」と願ってしまう!すると、本当に誰もいなくなってしまい…!?その後、祖父の不思議な力で中学1年からやり直すことになった多々里は、奇妙な道具を使ってクラスの悪い子達に巣くう“スキ魔”を退治する!
古代超人類の血を引き継ぐ超能力少女・小松崎蘭(こまつざき・らん)の活躍を描いた紅い牙シリーズ。赤ん坊の頃からの5年間を狼に育てられた高校生・小松崎蘭(こまつざき・らん)は、自分が狼少女である事を隠しながら平凡に生きていた。そんなある日、新任の生物教師・寄木冴子(よりき・さえこ)から狼少女である事をバラすと脅された蘭は、彼女の仕事部屋へ連れて行かれ、自分の出生の秘密を知らされるのだが……!?
人はなぜ神を求めるのか。約一万二千年前、人が神と接することのできた古代の日本。ある村に暮らす少年・鷹野(たかや)は、捨てられた赤子を拾った。赤子はとおこと名づけられ鷹野の妹として育てられた。とおこが七歳になったある日、村は邪悪な威神(いしん)の徒党に襲われる。生き残ったのは鷹野ととおこ、そして青年・青比古の3人。彼らは威神と対立する、亞神(あしん)の信奉者たちと出会い…――SF大河ロマン堂々開幕!!
カスタムカー・ファイアーバードトランザムで、公道をかっ飛ばす高校生・久住諒(くじゅう・りょう)。そんなある日、小谷家の令嬢・奈々緒(ななお)の専属運転手である父親が病気で倒れ、代わりに諒が運転する事に。そして自分の父親に会うために高級レストランに向かっていた奈々緒だったが、その約束をいきなりキャンセルされて自暴自棄になり、運転手の諒へ遠くに行って死ぬと言い出して……!?
パプリカ小学校6年生のカカオは、両親が経営するコンビニ・コングルGoodで、日曜日にだけ開店する子供たちだけの店の店長を務めていた。彼は、相棒のコンビニロボット・ポテトトと共に、店に置いてある食品を使って、カレグラパン、地獄うどん、ポカポカオレンジなど、様々なコンビニグルメ、“コングル”を生み出す!手軽に作れるアイディア料理がたくさんつまったグルメマンガ!
美しい日本の自然界。だが、そこには食うものと食われるもの、栄えるものと滅びゆくものの厳しい大自然の掟がある。空翔ぶ風呂敷と呼ばれるムササビに恋の季節が。やがて3匹の子が生まれ、父となったムササビは子供たちに生きる術を教える。イタチ、テン、キツネ、そしてフクロウなどの恐ろしさを。しかし、飛ぶ練習をしていた子供たちの前に、突如フクロウが現れ…。『ムササビ(空翔ぶ風呂敷)』/など、大自然の脅威や素晴らしさを、様々な視点から描いた全4話を収録した第1巻!
「ロータスの狼」と呼ばれる一匹狼の走り屋・風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)が、さまざまなライバルとスーパーカーバトルを繰り広げるレーシングアクションコミック。夜の街では、暴走族「ナチス軍」「極道連」「影法師」の三大グループが我が物顔で車を走らせていた。愛車のロータス・ヨーロッパを駆る一匹狼の走り屋・風吹裕矢は、彼らに対して次々と勝負を挑んでいくこととなる。ある日、嫌がる女をしつこくナンパする極道連の男に、裕矢はシグナルグランプリを挑んで……!?
一般市民に横暴の限りを尽くす鬼人組に敢然と立ち向かう青年、宏道館の四天王・本郷隼人。鬼人組の3人をアッという間に倒した隼人に復讐するため、活殺流の八島元吾は宏道館に乗り込むが、宏道館師範の矢野正二郎に追い払われる。そして花火大会の夜、隼人を探し出した八島は彼に試合を挑むが!?
人間以上の人工頭脳を持つという曽我博士が造ったロボット・人形紳士。シルクハットを被ったその人形は、曽我博士を殺害し、消えてしまった。そしてその後も次々と怪事件が起き、三平少年は叔父の鍛冶川と共に事件の謎を追うも、残虐な事件を止めることはできなかった…。警察は、曽我博士の兄が真犯人だとして捜査を進めるが、この事件の裏には深い秘密が隠されていた…!
「ガロ」等に掲載された珠玉のファンタジー短編集。漫画家デビュー作である『クシー君の発明』ほか、全13話を収録。※収録作品:NIGHTWALK/COMIN’SOON/LUNAR/シガレット一本の話/お父さんのクリスマスツリー/向こうから来た人/工事の夜/流れ星整備工場/プラトーン・シティ/ラムネ水は月の光/ムーンライトシネマ/キチンポット氏の土星旅行/クシー君の発明
1968年に上京した畑中純は、新橋のマンガ学校に通うが、学校は1年で倒産。その後、川崎の海岸近くで配管工として働くことになる。マンガ家になることを目指して上京した畑中氏だったが、マンガ界は青年コミック誌と100万部を越え始めた少年誌が注目されるようになっていた頃で、畑中氏は、マンガがわからなくなってしまっていた…。人気作『まんだら屋の良太』が誕生するまでを描いた自伝コミック!
第二次世界大戦の時代、ひょんなことから激しい戦地となった北アフリカに降り立った大学助教授・吾典(ごすけ)とその妻・久美(くみ)、そして妻の実母であるドイツ伯爵夫人・ローリーの3人組が巻き起こすドタバタ珍道中を描いた戦争コメディ。実母・ローリーが暮らすドイツで結婚式をあげた久美とその夫・吾典は、そのままヨーロッパ一周の新婚旅行を計画していたが、式後にローリーが手配した飛行機がなぜか北アフリカへ……!?
鎌倉時代末期、南北朝時代の知将・楠木正成。後醍醐天皇からの信頼を受け、庶民の出でありながら異例の大出世を遂げた男が、十万対二千という勝算なき戦いに挑む!稀代の戦略家として語り継がれる、楠木正成の波乱の生涯!
喧嘩に育ち、喧嘩に情熱をたぎらせ、喧嘩に気概を抱く、そんな喧嘩馬鹿がいた。喧嘩は芥一兵(あくた・いっぺえ)の紋章であった――。小六にしてヤクザに喧嘩を売るほどの気概を持つ芥一兵が高校進学!悪名とどろく芥が入学するとあって、港進高校の教員・生徒は上を下への大騒ぎ。喧嘩上等、ウルトラ高校生・芥一兵の大活劇がはじまる!
ヨーロッパ在住の漫画家、香山哲はポーランド滞在時にカフェで出会った男から「心のクウェート」という妙に魅力的な響きの国の話を聞いた。さて、著者はさっそくその地を目指し、ドイツ・ベルリンから架空のヨーロッパ世界を舞台に空想の旅に出る。初めて訪れるさまざまな国の文化、生活を楽しみ、街の様子からその社会を分析しつつ、旅を続ける著者が辿りついた「心のクウェート」とは。そこで見つけた大切な「心のあり方」とは。紀行エッセイの形式をとりながらも随所にフィクション、空想、哲学的思索を巡らせた内面の旅の記録でもある。(※本作品は紙書籍『心のクウェート』を分冊しています)
仕事、恋愛、人間関係…、果ては唯一の趣味のマンガすらも満足に描けない。なにもかもが上手くいかず、若さを持て余す青年、中道シーゲル。だがこのシーゲルの隠れた才能を知るメフィストフェレスと出会うことで、自身が持つただ一つの能力「懐力(ノスタルヂカラ)」に覚醒! メフィストフェレスによって一度死ぬことを決意し、新たな世界「β世界」に旅立った! 6年の歳月をかけて作られた、「少し低い孤高」の漫画家、香山哲の半自伝的作品。第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 審査委員会推薦作品。(※本作品は紙書籍『香山哲のファウスト1』を分冊しています)
山川ちはるは二人の娘と夫との4人暮らしの平凡な主婦。夫は家庭に興味を示さず、毎日小さな淋しさを背負う…。たまらなく淋しい時間があり、静かな喜びに浸る時間がある――。平凡な日常の中で生まれる様々な思いをやまだ紫が繊細に描いた不朽の名作。
あの人はわたしを抱くように妻を抱くのだろうか――それは、ある日ゆらゆらと落ちてゆく私を救い上げるように始まった恋愛だった。妻子いる男との恋愛の始まりと終わりを、やまだ紫が描く――。
「カトレア養老院」の美しく、可憐な美人姉妹。長女の八重子、三女のつぼみは70歳を越えてもリボンやフリルのついたお洋服を着てお出かけ。次女の花苗は、昔から地味で、2人に冷やかされてきた。そんな花苗に若い男が恋をして…!?年をとっても恋したい!可愛らしく、女らしく生きるお婆ちゃんたちを描いたハッピー・コメディ!
プロ野球界の名門巨人軍の秘密兵器として、さっそうと登場した椿投手。その快速球は、セ・リーグの強打者連をなぎ倒し、守備面でも超人的なファインプレーを再三にわたって演じ、またたくまにプロ野球界のヒーローにのし上がった。椿投手の名コンビとして、バッテリーを組む大船捕手、打倒椿をねらう大洋の強打者、柳生選手。これら若きプレーヤーが織り成す熱血感動の大長編コミックス!
平田弘史の貸本期作品。1959(昭和34)年に発表された『邪剣破れたり』と『肉剣』を収録。若虎城松千代君の剣道指南役をめぐり、兄弟子そして師を斬った戸川源四郎。一方、二人の兄弟子に代わり指南役となった播間龍之進。居合抜刀術の源四郎と無想動殺流の龍之進。対峙する二人の勝負の行方は…(『邪剣破れたり』)。剣に生きる男たちの壮絶な生き様を描いた2作品。
母との関係が上手くいっていない展子が新しい街で出会ったのは、おひとりさま女性デザイナーの佐野さん。年上の女性への憧れのような淡い気持ちが、いつしか… 打ち寄せては引いていく波のように、静かにこころを寄せていくふたりの女性の様子が淡々と描かれます。 百合作品に何を求めるか、は読者によって様々だと思います。私が求めるのはズバリ「悩む女性」。 女だからこその生きづらさを抱え、茨の道と知っても自分と同じ身体を持つ女性を愛してしまう。その懊悩に胸を熱くさせているひとりです。 お互いのこと、親のこと、仕事のこと。展子も佐野さんも悩みます(いや、佐野さんも悩んだんだと思うんですよ…)。だから私はこの作品をとても上質な百合作品だと感じていますが、百合が主題ではなく、ジェンダーに悩む少女が自分を受け入れていく話なので、いつの時代でも「刺さる」ひとはいるのでは? ふたりの結末は苦いもので、男性も多少話に絡んできます。 けれど、読後感は海風のように爽やか。(人によって違うかも…) 奥付を確認してみたら、発表年は1980年! これを40年以上前に描いた樹村みのりさんは凄すぎる! 展子が自分と自分の身体を愛せるようになっていれば良いな、と心から願います。