おおかみ書房より刊行された白取千夏雄「全身編集者」を読んで、やまだ紫作品を読み返したら更に面白かった。白取さんはガロの元編集者でやまだ紫さんの旦那さんなのですが、尊敬する作家であり最愛の人への言葉がとても真を突いていて、より深い作品の理解に繋がった気がする。

この漫画の主人公は主婦である。最小限に抑えられた線と研ぎ澄まされた言葉で彼女の心情を描いたことから、少女漫画ではなく女性漫画が誕生したと評価されたけど、決して女性しか共感できない内容ではないと思う。

夫と子供の世話に追われる日々を過ごしながら、それらの役割から解放されることが自由だというのではなく、初めから自分は自由であったことに気づく。実は幸福とは成るものではなく気づくものであり、ただそれだけのことで世界も変わるのだ。その為には彼女のように考えることをやめてはいけない。

今回読み返してやまだ紫さんの描く絵の魅力を改めて感じた。正面を向いた顔でもあえて表情を描かないことで、その余白に読み手の想像が生まれる。こうした大胆なテクニックがすごく格好いい。「全身編集者」で白取さんも語られていた、漫画ならではの省略の美とはこういうことなんだと思い知った。

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ダイヤモンドの功罪

最新話で綾瀬川が覚醒したぞ!!

ダイヤモンドの功罪
かしこ
かしこ

最新話でついに!綾が覚醒をしましたね!エヴァで言うところの覚醒と同じ意味なので心配ではありますが、これから益々タイトル通りの「功罪」っぷりを発揮してくれることでしょう。 ということで単行本を読み返してみました。運動神経だけではなく、身体能力、そして頭脳と、スポーツをする為の全てに恵まれた小学5年生の綾瀬川。U12の日本代表でもエースに選ばれ、他の代表選手からも「俺の世代にはずっとコイツがいるんだ…」と恐れられる程の逸材っぷり。しかし綾瀬川の本心は只々みんなと楽しく野球がしたいだけ。そう、綾本人も自分の才能に傷ついているのです。でも誰もそれを知らない。いてもイガくらいかな? 私は野球に関して全くの無知なんですがそれでもハマるのは、これが「才能」の話だから。やはり圧倒的な才能は人を翻弄するんですよ!!恐ろしやです。 日本代表の並木監督があのまま綾の面倒を見てくれたらよかったけど、このまま足立フェニックスで限界まで投げ続けたらプロになる前に選手生命が絶たれそうで心配ですね。ストーリーの冒頭で何回か高校球児になった綾が出てくるけど「この試合で壊れてもいい…!」と言ってたのが気になる。それがどういう意味なのか。やけっぱちなんだろうか。今のところ理解者になりそうな人が大和しかいないけど、東京と大阪で距離もあるし、大和もプレイヤーになりたそうだし、どうなっちゃうんだろう…。 将来は大谷さんのようになってくれたらいいのにな〜と思うのも綾にとっては大きなお世話なんだよね。とにかくハッピーエンドであってくれ!!と願いながら読んでます。

しんきらり
続・しんきらり
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御伽草子

御伽草子

ふしぎなことが日常にありふれていた中世ニッポン―。そんな時代に書かれた童話色の濃い短篇物語を集める『御伽草子』のなかから六篇を漫画化。明快かつ軽妙なやまだ流“世にも不思議な物語”

はなびらながれ

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子供、結婚、家庭、結婚後の若い夫婦の思いや赤ちゃんが産まれたら? ケッコン後のお互いの関係や考えは? など葛藤を淡く描いく。暮らしの中で湧き出る思いを優しく綴る12編を収録した傑作短編集!

しあわせつぶて

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念願の“南向きのベランダ”の団地に引っ越してきた森田百合と夫のヒロ君。新しくはないけれど以前より広い部屋、良心的なお隣さん。何より“ふとん干し”“育児”に最適なベランダ。二人の新しい生活が始まる。しかし、ヒロ君が何気なく言った“コドモヲツクロウナ”という言葉が幸福のつぶてになり胸をうつ…。

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商店街の外れで化粧をしてお酒を注ぐ。2児の母、愛子さんは無理解な夫と別れてスナック「ブルースカイ」営んでいる。子育てや店の切り盛りに追われる毎日の中である日、アルバイトとしてやってきた一回りも年下の一郎にいつ日か魅かれていき…

ねこのふしぎ話

ねこのふしぎ話

ねことの暮らしは不思議がいっぱい。こころに染みる珠玉の「ねこ話」。急逝した天才マンガ家、やまだ紫。新しいマンガ表現を切り開いた女性作家のねこの漫画や詩、エッセイたち。単行本未収録、お蔵出し作品、ねこエッセイ、ねこイラストを含む詩情のねこ世界。

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性悪猫

性悪猫

憤ったり、すねたり、思索したり、孤独に沈む性悪な猫たちは、性悪女を自覚する彼女の分身。でも、託すべき想いと託される猫との間には距離があり、両者のモノローグが交響し、静謐な詩情の世界が現れる。『さくらに風』にはこんなセリフがある。「やさしい自分であろう、やさしさを失くすまい」;と貴方が思うとき、貴方は淋しいのだ。やさしく在ろうと努めたことが、誰の為になったろう……と思うとき、貴方は傷だらけだ」。自立した女性の繊細な感情を猫のしなやかな姿態に託した鋭利な感性と詩情の世界。急逝した著者の代表作がよみがえる。収録作「出口」「性悪猫」「長ぐつ はかない ねこ」「時間の兵隊」。単行本未収録作1編と新たに発見された貴重な猫イラストを初収録!

しんきらり

しんきらり

夫婦が長く平和に―という望みは「ささやか」な望みなんかじゃなかった―。結婚して10年、2人の子供たちとの平和な家庭で起きるごく日常的なできごと。ささやかな安寧をもとめての日々がなにごとも起きるわけではなく、少しずつ崩れていく…。脆く淡い女と男の絆と家庭という場所のあやふやさを鋭い感性で描きだす。「性悪猫」とならぶ、女性マンガの先駆者であり先頃急逝した著者の代表作。齋藤愼爾氏の解説付。

ゆらりうす色

ゆらりうす色

自立した女性の繊細な感情を鋭利な感性で紡いだ独自の世界で、その後につづく女性マンガの先駆けとなり、先ごろ急逝した著者の入手困難となっていた代表作を復刊します。選集3巻目は、妻子ある相手との関係を透徹した距離感で描き出す表題作に、「コミックばく」に短期連載された異色作「Second Hand Love」を収録。

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女性として母として人としてのさまざまな「愛のかたち」を珠玉の漫画作品。毎日の生活に追われて、何が本当に大切なものかがわからなくなったり、人生の選択に戸惑い、悩む女性たちの心をやさしく包み込みます

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空におちる

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思春期をむかえる少女の心のゆらぎ、母親のとまどい。幼い子を性の現場へ突き出したくなく、ぼかして説明していたものの、年が来ればそういう物を目に触れる時がくる。子育てによって得た物、失った物、親子の情景、家族の情景を温かな眼でみつめて描きだす作品集。

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