男の部屋で朝を迎えた三姉妹の次女・佳乃(よしの)に父の訃報(ふほう)が届いた。母との離婚で長い間会っていない父の死に、なんの感慨もわかない佳乃は…。鎌倉(かまくら)を舞台に家族の「絆(きずな)」を描いた限りなく切なく、限りなく優しい吉田秋生の新シリーズ!!
1966年初夏、横須賀から地方の高校へ転入した薫。幼い頃から転校の繰り返しで、薫にとって学校は苦しいだけの場所になっていた。ところが転入初日、とんでもない男と出会い、薫の高校生活が意外な方向へ変わり始め…!?眩しくてほろ苦い、直球青春物語!!
時は幕末。文久3年(西暦1863年)の京都。富永セイは、兄と父を「幕府を倒し天皇政治を起こそうとする長州勤皇派」に殺されてしまう。仇を討とうと考えたセイは、長州勤皇派に対立して兄が入隊したかった、「壬生浪士組」の入隊試験を受けた。そのために、名前を神谷清三郎とかえ、性別も男と偽った。なんとか入隊を許され、副長助勤の沖田総司の下に付くことができた清三郎。ところが、まわりはケダモノのような浪士だらけで…!?幕末青春グラフィティ!!
ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!
「とりかえ・ばや」のさいとうちほ最新作! 今は昔 竹の中に いと美しき人居たり… たった一人の肉親である兄の敵をとるために、「血の十五夜」の真相と兄の死の謎にせまるために、少女が一人運命の中に飛び込んでいった。『少女革命ウテナ』『とりかえ・ばや』のさいとうちほが放つ、新たなる逆転劇登場!
緑峰山(りょくほうざん)の天狗の娘、秋姫(あきひめ)は、下界で母親と暮らしながら中学校に通っている。お山で修行にはげむ幼なじみの瞬(しゅん)ちゃんから、天狗になるための修行をするようにいわれるが、断り続ける毎日だ。そんな秋姫の心の中は、同級生の「タケル君」のことでいっぱいなのだが…。ヘンテコ青春ファンタジー!!
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやりB国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい――― そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!? 「町でうわさの天狗の子」の岩本ナオが292Pのボリュームで贈る、おとぎ嫁婿ものがたり。
東京の大手電機会社に勤める堂薗つぐみは、長期休暇を田舎の祖母の家で過ごしていた。そんなある日、入院中の祖母が亡くなってしまう。つぐみは、そのまま祖母の家でしばらく暮らすことに決めるが、離れの鍵を持っているという謎の男が現れて…!?晴耕雨読的女一匹人生物語!!
“ちいさこ”と人が紡ぐ、大人のための童話 森に棲むといわれる“ちいさこ”たち。絵本好きな少女、恋愛小説家と編集者、引きこもりの男子中学生…… 生きる時代も性別も立場も違う人間たちが“ちいさこ”に出会い――? “ちいさこ”と人間の不思議な体験が詰まったファンタジックオムニバス
男らしい姫君と女らしい若君それならいっそとりかえてしまいませう―――ベテランのさいとうちほが、新たな衝撃作をスタート!“男女逆転ドラマ”の原型である古典「とりかへばや物語」を大胆にアレンジ。男として生きる女君・沙羅双樹と、女として生きる男君・睡蓮の禁断の運命は―――!?
東京から転入してきた蛍子(ほたるこ)は、町の伝統「おわら」を踊れるが人前では緊張して踊れなくなってしまう。そんな蛍子にひかれる地元の高校生、光(ひかる)。どうやら、光の叔父と蛍子は昔からの知り合いらしいが、2人は何も語らない。小さな町に吹き込む、謎と秘密の風。情緒と青春を瑞々しく描く、新しい小玉ワールドを堪能ください!
長崎・波佐見を舞台に始まる、器と恋の物語 波佐見焼きの窯で絵付けの仕事をしている青子。その窯に、海外で作陶していたという龍生がやってきた。無愛想で人を寄せ付けない龍生に「絵付けされた器に興味ない」と言われ、自分の生き方まで否定された気持ちの青子だが、反発しながらも龍生の器に惹かれていき…? 器に魅せられた男女が出会ったことで、大人の恋が動き出す――!
神主の息子・恭太郎、住職の息子・孝仁、牧師の息子・工のへたれ3人組。世間が思っているほどラクじゃない宗教法人ならではの喜怒哀楽の日々。もてそうでもてない苦悩。跡継ぎの重圧。失敗の許されない儀式。今日も憂鬱な日々が始まる!?『読経しちゃうぞ!』の続編。新感覚のライトな宗教コメディ!!
いま再び届けたい「あの日」からの物語 3.11の震災とそれに続く原発事故に衝撃を受けた著者が立て続けに発表した作品の数々。フクシマに住む少女が主人公の表題作「なのはな」や放射性物質と人間との関係を描いた3部作など、2012年に上製本で発売され注目を集めた『萩尾望都作品集 なのはな』に加えて、ビッグコミック本誌に掲載された「福島ドライヴ」を収録した、コミックスサイズ(B6判)の新装版。新装版にあわせての書きおろし「あとがき」も掲載。
短編の名手が贈る珠玉のよみきり集!! 満月と音楽が遠距離恋愛中のカップルを優しく繋ぐショート作品「ムーンライト・セレナーデ」が雑誌掲載時と同じ2c刷りで収録されるなど、ファンタジー作品から等身大ラブストーリー、そしてあの名作へのオマージュ作品など、バラエティに富んだ収録作の数々が大人の心をくすぐります。
もう恋愛だの結婚だのは煩わしいと思っている独身女性ヨリ(39歳)の前に、突如として幼なじみと名乗る怪しいイケメンが現れる。新手の詐欺かと思いきや、本当に少年の頃からヨリを慕っていた精神科医・真木。しかし彼は妻帯者だった……。避けよう避けようとするヨリを追い詰める真木。さらに真木の妻はヨリにそっくりの容貌だった。同居する妹の心配をよそに事態はだんだん泥沼に。この恋愛(?)の行く末はどこに落ち着くのか?
東京でカフェの店長を務めていた小松 薫。40歳、独身。突然 故郷・角島の店舗への転勤が命じられ行くことに。それをきっかけに地元の同級生達との交流も再開するが、その肝心の転勤先の店には大きな問題が!? そして、薫の人生にも大きな転機が訪れて――!?
ケモノの僕と天使なキミが同じ世界にいる奇跡。デビューコミックス「いちばんいいスカート」が朝日新聞、書評誌、女性誌で 取り上げられ大好評を博した気鋭の新人・谷和野(たにかずの)。その待望のよみきり集第2弾がついに発売!! 本作は、通学電車で天使と出会ったみにくいケモノの「僕」を主人公にした 表題作の他、ワンダー&ハートフルな5編が収録されています。 ●萩尾望都先生からのコメント ここにあったの? 探していたの。手編みのような手触りの谷和野ワールド 不思議で甘くてビター風味、癖になりそう。 ―――まさに谷和野ワールドですね。素晴らしい作品たちです。 <収録作品>「魔法自家発電」通学電車で天使と出会った みにくい僕は…!? 「ソファベッド・ツアー」夜のとばりが降りる頃、少年が旅立った先は…!? 「Whoにつける名前」博士につくられたロボットのフー。その心の名は―― 「おてんきはんばい」ご入り用のお天気はございませんか? 「2人時間」目が覚めたとき、僕の横にいたのは…!?
世界有数大富豪、宝塚家一人娘・菊花に仕えるは、青い瞳金髪青年・コンチキチ。彼望みはただ1つ、菊花お嬢様成長を生暖かく見守ることだっただが!? 作者初純愛ラブコメ、愛と感動をあなたに。宝塚(たからづか)家の一人娘・菊花(きつか)お嬢様に身を尽くしてお仕えしている青年・コンチキチ。彼のクローン・喜稔(きねん)も新たに宝塚家の一員として加わり、にぎやかになりました。中学生になったお嬢様を取り巻く環境も少しずつ変わってきていますが…? 若干常識外れな方々を巻き込んでのラブコメ少女まんがをあなたにお届けします。
古地図大好き女子高生・ちづか。風の向くまま気の向くまま、今日も古地図片手に街散策! あなたの住む街にも現れるかも? 街歩きが楽しくなる、出会いと感動の“街再発見”コミック!
2024年に画業20周年を迎えた大人気作家・岩本ナオ。初の電子配信&単行本初収録よみきりなどを集めた珠玉の作品集! 漫画「もしも東京」展で発表されたよみきり「海が見える大井町」に加え、2019年刊行の「岩本ナオ 古今東西しごと集」に収録されたよみきり作品がついに配信! <収録作品>海が見える大井町/紅い果実と花飾り/夏の桜/100年生きた猫/6日しかない一週間
独自&独特なる審美眼を持つ謎の美女「マダムG」と、その助手・雨宮青年の数奇でアカデミックな日常。今回、美の深淵へと誘うのは、切手から幽霊画、高峯秀子まで多種多様。摩訶不思議、眉目秀麗なエッセイドラマ!
いつも私たちの傍にいてくれる犬や猫、動物達。彼らとの絆を描いた、flowersアンソロジー第一弾! ねむようこ、篠原千絵、逢坂みえこのコミックス未収録作に加え、波津彬子、西炯子の猫ショート作品も収録。
20年ぶりの完全新作! 新たに語られる物語「少女革命ウテナ」完結から20年。アニメ監督・幾原邦彦とさいとうちほが再びタッグを組み、新たに紡がれる物語――!! あの最終回から時を経た鳳学園で、それぞれの道を進む生徒会メンバーの前に現れたのは…!? 「この世界で、少女革命ウテナを見つけてくれてありがとう。」――幾原邦彦 <収録作品> After The Revolution/美しき棘/ふたりの革命前夜/寄稿・幾原邦彦
私事ながら、先日、夏の休暇に鎌倉へ遊びに行ってきました。一日じゅう海だ山だと方々歩きまわって、さいごは海岸の小さな橋に足をぶらんと投げ出して海と日没を拝みました。 帰ってきて翌日、そういえば、鎌倉といえば『海街diary』だったと思い立ち、本棚を漁って、およそ2年ぶりに頁をめくりました。連載のスピードがあまりに遅いのでしばらく放っておいたんですね。するとどうでしょう、鎌倉で目にした風景のあれやこれやが数頁に2,3度も描かれている。とりわけ、私がさいごに腰を落ち着けた海岸の小さな橋、これが何度も出てきてですね、しかも三姉妹それぞれの重要な逢瀬の場になっている。そのときは涙でぐしゃぐしゃになりながら読んでいたわけですが、後になって冷静に考えてみると、じぶんの無意識がおそろしいのか、すべては吉田秋生の手中にあるのか、それは分かりませんけども、とにかく場所の力というのは物凄いと感じました。この海岸の小さな橋以外にも、おなじ風景はたくさん描かれていて、しかも、違う人物がそこに居たりする。おそらく、それらの場所は、鎌倉において人がしぜんと足を止めてしまうところなのでしょう。 海街diaryを通して読んでいくと、とくに人の生死やお金にまつわる問題をめぐって、いかに人と人とが分かり合うことが困難か、というより、そもそも分かり合うことはできないけれどそれでも生きてゆく、というモチーフが繰り返し描かれているように思います。でも今回、鎌倉にじっさいに足を運んでみて、そんな人それぞれの胸の内の想いが、おなじ鎌倉の風景の下で人知れず交わっている、そんなことを考えると胸が熱くなってくるのです。