たか2023/01/10ジャンププラスは本当にすごいな水彩の扉絵からしてビビり散らかしたんですけど、のデフォルメの効いた絵のタッチに心の機微を描いた繊細なストーリーと、トーチとかマットグロッソに載ってそうなしっとりした大人っぽい作品でした。ジャンプラは四季賞っぽい作品が増えてきてるどころか、本当にオールジャンルなんでもOKなレーベルなんだなと改めてすごさを思い知らされました。すごい・・。初恋西尾拓也3わかる
たか2023/01/06ネタバレたけうちしおり先生の新作読切good!アフタヌーン読んでたら、あの『豹柄と青春』のたけうちしおり先生の新作読切が載っててアガりました!やった〜〜!!今回は俳句がテーマ。 「自分の思ったこといい感じに伝わった」と森広さんがへたり込んだシーンがすごく印象的でした。 俳句に限らず、絵や歌や小説。 作品という形を借りて表現したかったものが通じた喜びは、思わず噛みしめてしまうような尊い感情で、それをそれを女子高生の森広さんが味わうことできたことが本当に素敵だなと思います。 そもそも何かを表現して人に見せること自体、羞恥と人から貶められるのではないかという恐怖を乗り越えてすることなので、乗り越えた先に芹沢くんや小鳥くんのような受け止めてくれる優しい人たちがいてよかったなぁとも。 それにしても芹沢くんが有能すぎて何者なのかメチャクチャ気になるし、句会やるって言って簡単に5、6人集まる高校すごすぎる。 いまから次回作が楽しみです!いろは手帖たけうちしおり1わかる
たか2023/01/05ネタバレ絶対に結婚したくない男女vs絶対に結婚させたい幽霊 #読切応援📷すごく良かった!「おひとりさま」で生きていきたい主人公に、「結婚=女の幸せ」と言われて育ち若くして死んだ幽霊が取り憑くという発想が天才。 おひとりさまライフをエンジョイしている28歳の女性・美月の前に、ある日、先祖に怨みがあって代々取り憑いて来たという霊のトヨコが現れる。 美月が結婚も出産もする気が全くないため、家系が断絶し晴れてトヨコは成仏できてめでたしめでたし…と思いきや、見守りすぎた結果もはや逆に「幸せになってほしい」らしく、美月は結婚を急かされることに。 困った美月は、同じく生涯独身を貫きたい友人でオカルトマニアの男性・竹谷に除霊を頼むが…。 美月が「私の幸せを見せてあげる」といってトヨコを雪山に連れて行く展開は痺れました! 3人の中では「おひとりさま派(竹谷と美月)vs結婚派(トヨコ)」で的にはおひとりさま派が優勢なパワーバランスや、トヨコが安易に竹谷と美月をくっつけようとする「結婚推進派あるある」が上手いなぁと思いました。 そして、トヨコ自体は古い時代に生まれた女性ですが、そんな彼女が持つ「結婚=女の幸せ」という価値観のことを美月は決して「古い」と呼ぶことはなく、「そういう価値観があるのはわかる」と認めているところがいいなぁと思いました。 WEBで公開されたらTwitterでメチャクチャ伸びそうなポテンシャルを感じました。沢山の人に読まれてほしいです!おせっかい幽霊とおひとりさまたちいわさきふみ3わかる
たか2022/12/26忍者のお仕事は地味だし辛い #読切応援📷現代の忍者がどんな仕事をしているか、就職したばかりの新卒忍者が友達にその地味っぷりを語るだけのギャグ読切。 しょっぱなから忍者の風呂の入り方してて最高でした。 あと面接官がおじいちゃん忍者過ぎ!かわいい。 伝統的な憧れの仕事だけど現場は厳しいみたいな…新人職人さんの密着をみるような感じがありました。 アンダーニンジャが載ってるヤンマガに載ってるという事実もかなり面白かったです。 面白かったからこの作者誰だろうとマンバで調べたら『憤怒♡激昂エンジェル』であぁ〜(納得)となったし、『憤怒♡激昂エンジェル』の自分の感想には『貸した漫画返してください!』の人って書いてあって笑った。 西村たまじ先生ですね。いい加減覚えました。 (▼『忍者の伊藤くん』より。エクセルびゅーみたいな分身好き)忍者の伊藤くん西村たまじ2わかる
たか2022/12/16ネタバレ妖怪になった夫が妻のもとに帰る話 #読切応援📷狸の妖怪の豆が山奥の家屋で出会ったのは、元人間で戦で死に妖怪・一つ目になってしまった男。豆の妖力を借りた男は、人間として死にたいと最期に妻のもとに会いに行く。 NHKのアニメでも見てるのかというくらいクオリティの高い和の妖怪譚で、ぜひ連載で読みたいなと思いました。豆の過去がメチャクチャ気になる気になる…!約束の帰り吉藤里1わかる
たか2022/12/15百田稜助のホラーファンタジー📷『カクレミ』百田稜助先生の新作読切。(その後『きょうせいキノコ』も描かれてますがまだ『カクレミ』の人と言っちゃう。) 読む度に新しい表現に挑戦されていてそれがばっちりキマってるのが本当にすごい…! 今回の作画は、線の太さやタッチのラフさに芥見下々を、構図やキャラの見せ方に龍幸伸のスピリッツをメチャクチャ感じました。 ストーリーはかなり攻めてて全然説明しないというか…読者を楽しませるエンタメではなく、見せたい場面を描いて繋げた映像作品のような仕上がりで、理解が難しい所がいくつかありました。 でも逆に言えば ・爆高い画力 ・超かっこいい演出 ・個性が立ってるキャラ だけで引き込まれて読まされてしまうすごい作品で、従来の少年マンガだったらここまでストーリーにエンタメ性が欠ける挑戦的な作品は載せられなかっただろうと考えると、ジャンププラスのありがたみを感じます。 今後百田先生がどんな作風を確立して連載を描くのか今から本当に楽しみです! (▼百田稜助『幽霊いない』より。かっこよすぎる見開き)幽霊いない百田稜助6わかる
たか2022/12/15優しい神隠し📷進路に悩む女子高生が神社で神様の探しものを手伝うことになる話。別に探しものが見つかったり大きな話の起伏があるわけでなく、人ならざる者たちが棲む緑に溢れた穏やかな場所に行って帰ってくるだけど「和ファンタジー&すこしふしぎ」なお話。 不思議な空間に行くけど特に何があるわけでない…というところがエモくて憎いですね。探し物の日偉智川いと
たか2022/11/28ネタバレよしながふみの新連載がココハナで開幕!【最新話の感想】ココハナ2023年1月からスタートした「“好きのかたち”を描くオムニバス」を描く新連載。 https://cocohana.shueisha.co.jp/assets/img/cover/202301.jpg 第1話のテーマは家族の風景。 中3の娘が同級生の女の子とキスしているところを見てしまった母親。 自分も中学生のころ同級生の男の子が好きだったことを胸に秘める父親。 娘が洗濯物を自分のだけ別で洗いたいと言い出したことで言い争いとなり、ヒートアップした母親が例の件を持ち出して…。 よしながふみの描く人間関係って本当に面白いですね…! 『愛すべき娘たち』のような緩やかに繋がり合う構成になるんでしょうか。楽しみです。環と周よしながふみ2わかる
たか2022/11/22ネタバレエネアドを最新話まで全話読む【各話の感想・考察】どのくらいかかるか分かりませんが全話レビューしていきたいと思います!(エロい展開がある話数には*マークを振ってあります。) ▼PV https://www.youtube.com/watch?v=CBLh_ooVSv4 ▼公式サイト https://www.b-boy.jp/special/ennead/ ▼登場人物 相関図(公式サイトより) https://www.b-boy.jp/special/ennead/img/img_chart.pngENNEAD【タテヨミ】MOJITO6わかる
たか2022/11/16これはいいSF…!📷とにかく漫画がうまくて危なげない。演出がちょっと昭和のコメディっぽいのがレトロでいいですね。 先生のデザインが最近ファミレスとかで見るロボットっぽくもあり、一方で懐かしいロボコン的なアームがついてたりしてかわいい。 ただのほのぼのSFかと思ったら、自我のないロボットの悲しい宿命や、創作とはなにかという本質に迫った熱い内容で面白かったです。ロボットマンガ家と、一人の孤独な少女深津左1わかる
たか2022/11/16ネタバレ不動産営業のエースが超能力を使えなくなる話面白かったです!「お客さんに超能力を使えない=人間じゃない」という展開が見事…! 藤田律先生の『原色宝石図鑑とか、石井まゆみ先生の『歌うたいの黒うさぎ』のような女性誌で掲載されてそうな繊細さと、すこし不思議な設定がすごく素敵でした。 超能力がなくてもお客さんにピッタリな物件を提案できるあたりセトカワさんはやはり優秀ですね。連載で読んでみたくなりました!リアルエステート阿記江衣子
たか2022/11/10勝海舟を描くかわぐちかいじ先生の新作読切!今朝コミックDAYS開いてモーニングの表紙を見て一気に目が覚めました(完全に個人的な話しなんですけど、私がかわぐち先生のファンになってから初めての新作読切なのでめちゃくちゃテンション上がりました)。 https://morning.kodansha.co.jp/content/images/_magazine/morning/2022/mo_2022_50.jpg テーマが勝海舟という良く知られた人物だからか、物語についての説明が最低限でちょっと物足りないように感じていたのですが(長編シリーズの1話を読んでるような感覚)、クライマックスで『剣と六分儀』というタイトル回収が“劇そのもの”で行われたのがメチャクチャかっこよかったです。 最近はクライマックスで極太ゴシック体で背景にドーンとタイトルバックが出てくるの流行りでよく見るので、こういうやり方もあるんだ…!と痺れました。 実は『兵馬の旗』未読なので読みたくなりました。読まねば…!剣と六分儀かわぐちかいじ1わかる
たか2022/11/03ネタバレ誰にでも起こりうる過酷な現実がひっくり返るSF!うお〜面白かった〜!最初の女の子いつ出てくるんだと思ったらそういうことか。極限まで追い詰められて、会社・家族・友達。自分が属する世界の全てから寄り添ってもらえなかった主人公はある能力が開花する。 その追い詰められ方というのが、誰にでも起きそうなしんどい内容で感情移入してしまう。 四季賞ということで、感情の動きを丁寧に紐解いたエモい作品なのかな?と思ったらまさかの能力バトル(?)SFでびっくりしました。50階層に収容されてるやつら気になりすぎるので連載で続きが読みたいです! https://comic-days.com/episode/31611289686700900377:PRINCESS水田マル2わかる
たか2022/11/02ネタバレドラゴン異類親子譚面白かったです!「面白い映画やドラマにはいつも家族愛がある」と東村アキコ先生がタラレバ娘シーズン2で書いてましたが、本当にそうだなぁと思わされる作品でした。 ドラゴンに育てられた人間の少年が初めて自分以外の人間に出会い父親を失うというストーリーで、少年マンガらしいスッキリしたデフォルメ&イマドキらしいクソデカゴシック体の書き文字の演出がかっこいい良い読切。最後の泣き顔の迫力もすごかった。 特別な力を持っているヒロインがサラッと言っていた、「洗濯とかお金の使い方とか1人で生きる力を持っていないのがショックだった」というくだりがとても印象的で、読切のなかにこういうキャラの奥行きを感じさせるセリフを入れられるセンスが本当に素晴らしい。 今後の作品も期待しています! https://shonenjumpplus.com/episode/316190246926297375竜と少年と鎧平梶ハスキー4わかる
たか2022/10/31DKがイケメン家庭教師に翻弄される1年間の物語📷奥嶋先生の新連載ということで序盤だけ日刊月チャンで読んでいた作品。そういえば最後まで読んだことなかったなと改めて単行本で読んでみたら心温まるいい話でした。 私自身BLは全然バリバリ読むのですが、日刊月チャン作品ということでどんな顔で「サービスシーン」を読めばいんだろう…?と実はずっと戸惑っていたのですが、最後まで読んでみた結果サービスシーンはサービスシーンなのでおっしゃラッキーと読めばいいのだなとわかりました。 「美人の先生と2人っきり」いうシチュエーションはやはりロマンがあるものですが、それを男×男やったっていいじゃない!サービスシーンたっぷりで見たいじゃない!というシンプルなメッセージがとても好きです。 最後まで先生と生徒という関係を崩さなかったからこそ、健全なサービスシーンのドキドキの特別感がましてるところが素晴らしいなと思います。家庭教師の岸騎士です。奥嶋ひろまさ1わかる
たか2022/10/31初めて読んだ萩尾望都作品私が読んだ初めての萩尾望都作品がこの『Marginal マージナル』でした。高校生のときに地元のブックオフで読んだのを覚えています。 当時萩尾先生のことは、当時ドハマリしててた小説家の恩田陸先生が思春期に読んで多大な影響を受けたマンガ家として認識していたので店で見つけて「あっ、恩田先生が好きな人じゃん」と手にとった気がします。 そのときは読んで「さすが恩田先生が好きなだけある」なとメチャメチャ面白かったのを覚えています。 男性しかいなくなった未来を描いた少女マンガSFというのが、漫画にもSFにもあまり触れてこなかった高校生の感性に刺さった記憶があるのですが、数年前に電子版を購入したのを機に読み直した際は「あれ?こんなもんだったっけ」となり意外でした。 『11人いる!』なんかは再読しても面白かったので…。 再再読してみるとまた違った感想があるのかもしれないので、今度読むのが楽しみです。Marginal マージナル萩尾望都2わかる
たか2022/10/31潔くかっこよく働いて生きる90年代の女性の姿 #完結応援📷私が槇村さとる先生を知ったがこの作品でした。「女はクリスマスケーキ」「仕事はお茶汲み」が当たり前の時代に、短大生の女の子が洋食屋を存続させるためにシェフとしての道を歩みだす物語。熱さありときめきありシリアスありのエンパワメントの塊みたいな作品です。 主人公の百恵ちゃんは90年代のヒロインらしく(というか月野うさぎっぽく)お洒落が好きでやや考えの甘い可愛らしい女の子。しかも時代柄か実家が今から考えるとすご〜く裕福で「本当に美味しいものしか食べたことがない」という。 そんな子が働きつつ恋しつつ自分の脚で立って力強く生きるようになるまでが描かれていて、長期間に渡って主人公の成長を追う朝ドラ的な魅力があります。 裕福な家庭でのびのび育てられた素直な感性と品の良さ。愛嬌があって喜怒哀楽がハッキリしてて楽天的。技術も知識もまだまだひよっこだけど、「美味しいものだけを食べさせてもらった」という両親の愛情が百恵ちゃんに繊細な味覚をもたらし、その自分が持っている強みを生かしてシェフの道を歩んでいくところが素敵。 そして恋のお相手というのが今は街の洋食屋なんかで働いているストイックな凄腕シェフ・織田。実は子供の頃レストランに置き去りにされたという悲劇を背負っていて、「美形・硬派・悲劇」と女子が好きになる要素しかないすごい男。 ストーリーもさることながら、とにかくコマ割りが素晴らしくて繊細かつ立体的な紙面構成が美しく初めて読んだ時は圧倒されました…! 百恵ちゃんの服装も時代を反映したファッションでものすごくかわいい!! 紙で大事に持ってる作品の1つで元気が欲しいときに読んでます。 同じく槇村先生のReal Clothesは今度は2000年代を生きる働く女性のお話でこちらも大好き。合わせて読むと時代の変化も感じられるのでおすすめです。 ▼槇村さとる『おいしい関係』1巻よりおいしい関係槇村さとる1わかる
たか2022/10/27中国の学生のドタバタ日常マンガ! #1巻応援📷最近5期の最終回が放送された『兄付』。2017年にジャンプラで連載されたのがきっかけで読んで好きになった作品で、久々に読んでもう5年も前になるのか…と驚いてしまいました(アニメは当時1〜2期を観ました)。 親が離婚し、基本的に2人だけで暮らしている高校生の兄・時分(シーフン)と時秒(シーミョ)のドタバタした日常を描いたお話。絵のタッチ・デフォルメ・色使いが柔らかくてすごく可愛いし、食事や行事(労働節・新年のお祝い・軍事教練など)に現れる中国文化がすごく面白い! 異文化を感じるところと同じくらい、それ以上に学生の日常マンガだけあって国を超え共感できるところがたくさんあって読んでてただただ楽しい。兄が妹にボコボコにされるのってどこもそうなんだなぁ。 そしてドタバタギャグっていうだけでなく、家庭環境のシリアスさも垣間見えて作品全体の緩急のバランスもすごくいい。 そして翻訳がすごく自然で読んでて全く引っかかりがないのも個人的に超推せます。 (原文を尊重しすぎて日本語でしない表現をしてしまい訳がぎこちなくなることってよくあると思いますが、そういうのが全くと言っていいほどなくて100%作品に集中できます。最高) ずっと続刊を待っていたのですが結局出ず本当に悲しい……。 2巻以降に相当する30話より先のお話は全部無料で公開されており読めるには読めますが、本になってほしかったです。 (中文では3巻まで出てるみたいです→幽·灵 『快把我哥带走』) 今回読み返すまでずっと、どうして著者の幽・霊先生は名前に中黒が入ってるんだろうと思っていたのですが双子の姉妹でらしたんですね。 他にも『我的表哥去留学』『头条都是他』など作品を書かれているそうで、こちらもぜひ読んでみたいです。兄に付ける薬はない!幽・霊3わかる
たか2022/10/26ネタバレ小学生男子優等生が問題児を観察するだけの話 #読切応援📷読み終わって「たまんねぇな…!」ってなりました。信楽くんの作品が好きになっちゃったあとの清水くんはほとんどファンみたいな、恋してるみたいな感じで可愛かった。周りに合わせて暮らしてる優等生の清水くんも、定期的に死んだハムスターを校庭に埋めたり落ち着きのなさから爆弾扱いされてる信楽も、周囲へ溶け込めてないという点では同類なんですよね。似た者同士の2人。 この1ページが良すぎました。「キー」って去っていく信楽、目を爛々と輝かせて信楽の残した清水くん、良…。どくだみの花咲くころ(読切)城戸志保3わかる
たか2022/10/24ネタバレ死体の魔術師と新しい弟子 #読切応援📷すごいよかった!絵の平面的な感じが舟本絵理歌とか紺野アキラっぽくてかわいくて、ジャンププラスってよりはゲッサンとかに載ってそう。 魔術のある世界のファンタジーな空気と、ほのぼのしてスッとぼけた感じと、その奥にあるシリアスが全部合わさっていい雰囲気のドラマになっててすごくよかったです。 好きなだけエビの死体出せるの最高だし、「2回火葬した」は名言。 不二海先生の新作楽しみにしてます!!花と死体不二海
たか2022/10/19これは連載で読みたいフィギュア「ペア」漫画! #読切応援スポーツマンガとしてきちんと競技シーンが描かれると同時に、1話の中できちんと内面的な成長が描かれているすごく完成度の高い読切でした!というか、絵柄もコマ割りも少女マンガなのですが、ここぞというシーンでは少年マンガ的な硬質な印象を与える直線的なコマ割りになったり、アオリ・魚眼・集中線・スパッタリングといった迫力のある効果が使われたりと、少女マンガと少年マンガのハイブリッドな作風が私の性癖にドンピシャ…! ▼風に髪がなびく少女マンガっぽいモノローグ(葉月めぐみ『アリアのつづき』) https://i.imgur.com/qr0WTn2.png ▼効果やコマ割りが少年マンガっぽい見開き(葉月めぐみ『アリアのつづき』) https://i.imgur.com/G1mXDJv.png 元々ジュニアでシングルだった選手が10代後半でトライアウトを受けてペアに転向することは多いため、読みながらすごくリアリティを感じました。 最後の制服のまま演技するシーンが青春っぽくてエモくて素敵でした。 ただ気になったのは波瀬がLINE IDを紙に書いて渡したところ。 登場人物にマンガあるあるの「ベタ」な演技をさせただけだとは思いますが……。この作品は非常に説得力のあるリアリティ・レベルの高いマンガだと個人的に思っていたので、急にここだけ作り物めいた嘘っぽい行動をしてて違和感を覚えてしまいました。 この作者マンガが上手すぎるけど何者…?と思ったら、『お嬢様はお嫁様。』の葉月めぐみ先生でした。そりゃ上手い……!(生意気なこと書いて恐縮です) 最近はオクショウ/田中ててて『サギ』など、すでに他社で活躍されている中堅・ベテランの方がジャンプラで読切を発表されていてすごい時代になったなぁと感慨深くなりますね。 久々にジャンプラで連載で読みたいな〜と思った作品。連載化してくれ〜〜!アリアのつづき葉月めぐみ3わかる
たか2022/10/17と、とてたま〜〜!!📷絵も話も「とてたま(とてもたまらないの意)」すぎる〜〜!このレトロで可愛らしい絵柄で、可愛い4姉妹を描くなんて…そんなんただ最高じゃないですか。いずれ短編集などお出しになってほしい(買います)雛森家のはいから四姉妹綾城まめ1わかる
たか2022/10/172022年読切TOP5に入る上質な「古書ドラマ」📷脱サラして6年目の古書店・十月堂の店主が主人公。店の写真撮りに来ただけの客にイラッとし、趣味の合う読書家のお客さんと交流し、そして人知れず不良在庫を古紙回収に捨てる。 ある日買取の仕事が来て家に向かうと、そこは生前読書家だった80代の男性が住んでいた家だった。 グラシン紙で保護された小説、ラノベ、絶版となった漫画、ホビー・フィギュア。 年齢を感じさせない選書、大切に保管された本、個人の蔵書印。 2つの書庫だけでなく居間までが本に埋もれた部屋をみて「ゾクッ」とした店主は、約束の時間までにと査定を済ましていく。 古書店主というのは、蔵書を通じて持ち主の人柄に触れ続け、その愛おしい空間が壊される最後の瞬間を看取る人間なんだと、否が応でも感じさせられた読切でした。今までがそんなこと全く考えたこともありませんでしたが、本が好きであればあるほど辛い仕事ですね…。 タイトルを読まずに読んでも「この作品のタイトルはこれしかない」と思えるほど、テーマを克明に描いた素晴らしいお話でした。 アフリカ文学の『やし酒飲み』、読んでみようと思います。 https://www.iwanami.co.jp/book/b248495.html本を葬送る児島青18わかる