麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、前週から2回にわたって放送される「マンガ家ガチアンケート・四方山貴史先生編」を前後編まとめて紹介していきます(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。
マンガ家になるために商社に就職!?
川島 今回の企画は「マンガ家ガチアンケート」。山内くんがずっと言うから、もうスタッフも根負けしました。今日来ていただいたのは、山内くんが愛してやまない『終の退魔師 ―エンダーガイスター―』の四方山貴史先生です!
山内 めちゃくちゃ男前ですね……。
川島 まずは『終の退魔師 ―エンダーガイスター―』がどんなマンガなのか、紹介をお願いします。
山内 2019年、Webコミック配信アプリ「サイコミ」で連載が開始。現在電子書籍版は第8巻まで、紙版は第3巻まで発売中でございます。ストーリーなんですが、最強のエクソシスト・アキラが、相棒の美人エクソシスト・千景と共に、悪霊やクリーチャー、超凶悪な殺し屋たちとド派手なバトルを繰り広げていく、ハリウッド級の爽快アクションマンガです。巷では「NEXT呪術廻戦」と話題になってる大注目の作品でございます!
川島 巷というか、山内さんがずっと言ってるやん(笑)。四方山先生、山内くんがこのマンガ推しまくってるんですが、知ってました?
四方山 今は当然知ってます。でも最初に聞いたときはびっくりでしたね。
川島 そもそも山内くん、この番組でも『終の退魔師』しか言ってないとき多いよね。なんともうマンガ沼だけで、過去7回紹介しております。1つの作品を7回も紹介したというのは、これはもう番組記録です。
山内 そうですか? 番組記録は『こづかい万歳』の8回じゃないですか?
川島 いや、8回もない(笑)。でもイーブンくらいかもしれない(笑)。
山内 それでもまだ足りないくらいです。芸人界隈はマンガ読んでる人が多いんで、自分が面白いと思ったマンガでも、すでに他の芸人が発信してたりするのがほとんどなんですけど、『終の退魔師』はマジで俺が1番最初に見つけたという自負があります。むしろ俺が『終の退魔師』です!
川島 楽屋でこれ言い過ぎて嫌われてるんですよ(笑)。でも四方山先生とは初めましてなんですよね。ちょっと先生のプロフィール見てみましょう。
山内 四方山先生なんですが、お母さんがドイツ人のため、ドイツ出身です。中学までドイツの日本人学校に通い、高校進学と同時に来日、青森に移住されます。仙台の大学に進学し、卒業後は東京で就職。しかし1年後、子供の頃からの夢だったマンガ家を目指して退職。その後約10年間、たくさんのマンガ家さんのアシスタントを経験。そして2018年、サイコミにて『VS EVIL』で初連載。2019年には『終の退魔師』の連載を開始されます。
川島 ちょっと格闘技をされてたとか。
四方山 極真空手部に入ってました。ドイツにいたときは何もしてなくて、高校から日本なんですけど、高校は陸上部で、大学のときに「男は戦えないといけないな」と思って、極真空手部に入りました。
川島 1回就職されたということですけど、どんなお仕事されてたんですか?
四方山 商社ですね。たまたま受かったんで。
山内 それ、めちゃめちゃいい会社なんじゃないですか? 商社って将来も安泰そうじゃないですか。
四方山 あまり長く働くつもりはなくて。もともとマンガ家になりたかったんですけど、大学卒業してすぐマンガ家になっても、なかなかすぐは売れないだろうなと思ったんです。で、世間体的に、1回就職して辞めてからマンガ家を目指したら、「こいつは就職はできるけど、辞めてマンガ家になるんだな」と思われるだろうなと。
川島 社会人にはいつでもなれるんだぞと。というか、実際になったんだぞと。その大義名分を作るために……。
四方山 アリバイ作りです。だから面接のとき、心苦しかったですね。
川島 「アリバイ作りのために就職します」なんて、そんなこと正直に言えないですよね。
四方山 言えないですよ。ちゃんと下調べして、「この会社のこういうところに感銘を受けました」と言って。
川島 でも心ではペンを握ってるんでしょ?
四方山 はい(笑)。
川島 会社には何年間いたんですか?
四方山 1年です。
川島 1年! そうか、アリバイ作りのためだから。
山内 つまり、1年後に辞める気満々で行ってたと。
四方山 いや、「いつ辞めようかな」とは思ってたんですけど、ちょうど組織改編があって、今まで上司だった人がいなくなったんですよ。「新しい環境でみんな再スタートだ」みたいな感じだったので、「辞めるならここじゃね?」と思って。
10年のアシスタント経験はどんな心境だったのか
川島 それからいろんな先生方のアシスタントを経験されて。これはやはり修行という意味もありますか?
四方山 いや、これは単純に僕がデビューできなかっただけで。
川島 10年間、マンガ家のアシスタントを経験されて、2018年に連載デビューされたと。
山内 アシスタントを10年間やるのって、長い方なんですか?
四方山 本当にピンキリですよね。憧れは久保帯人先生の「アシスタント経験なしですぐデビュー」でした。僕もそういうルートかなと思ってたんですけど……。
川島 だって1年で仕事辞めてきてんのやから、「自分は絶対いける」と思ってたわけですよね。
四方山 今はそんなこと全く思わないですけど、売れる前はどのマンガ読んでも「俺のほうが面白いの描けるのになあ」と思ってたんですよ。
山内 とがってたんですね。
四方山 だから最初は(編集者に)ちょっと邪険にされてたんですよね。僕は「こいつ本当に見る目ないな」と思ってたんですけど(笑)。今考えたら、当時はしょうもないマンガだったから、デビューできないのもしょうがないと思います。思いますけど、やっぱり編集って「原石を見つける仕事」じゃないですか。だからやっぱり見る目がなかったのかも……。
川島 まだ言うてるやん(笑)。
山内 僕、もしかしたら先生とすごく気が合うかも知れない。
川島 10年間、それでもマンガ家の夢を諦めようと思ったことはない?
四方山 そうですね。
川島 10年ってずいぶん長いじゃないですか。周りの人もどんどん出世していくし。
四方山 僕、あんまり現実を直視しないタイプなんです。普通はアシスタントが長いと不安になるんですよ。「何もかも失って、そのまま死ぬんじゃないか」みたいに。でも僕はそう思わないんです。「たぶんいつか売れるだろうな」って思ってました。運が良かったのかもしれないです。
川島 どういった先生のアシスタントをされたんですか?
四方山 会社を辞めてお金がなくなってきたんで、「アシスタントでもするか」と思って。でもやったことないんで、どこも採用してくれなくて。そんなときに、たまたま『LIAR GAME』の甲斐谷忍先生がアシスタント募集してて、面接に行ったら20人くらい応募者がいたんですけど、受かりまして。あとで「なんで受かったんですか?」と聞いたら、「四方山くんが一番話が面白かったから」と言われました。
川島 面接でトークがおもろかったから採用してくれたんだ。
四方山 普通は面接に行くときに「今まで描いた絵の見本」を持って来いと言われるんですよ。どれくらいの絵が描けるかを見るために。でもその面接では「持ってこないでください」と言われて。とはいえ、みんな持ってきてて、僕も一応持って行ったんですけど、面接では一切触れられなくて。バイクでコケて血が出た話しかしなかったです。それで合格。
川島 先生はそういう人を待ってたんだ。それはやっぱりさっきおっしゃったように運が良かったですね。
四方山 そう、運がいい。ちょうど金がなくなったときに採用されて、しかもその職場で一番下地になるような技術を身に付けられたんですよ。マンガ家さんってみんなやり方が我流なんで、職場によって全然やり方が違うんです。ちょうど一番いい職場に採用されたんですね。
川島 まずレベル1から教えてくれたというような。
四方山 でもそこを1年くらいで辞めて。泊まりの仕事が続いてたんで、職場を変えようと思って、『怨み屋本舗』の栗原正尚先生のところでアシスタントをしました。甲斐谷先生と友達というのは知らなかったんですけど。
山内 それ、どういう状況なんです? 自分のところを辞めたアシスタントが、友達のアシスタントになるって。
四方山 だから甲斐谷先生のところを辞めるときに、「辞めても、こいつのところでは働いてほしくない、みたいなところってありますか?」と聞いたんですよ。「栗原先生のところで働くかもしれないんですけど」と言ったら、「友達だよ」って(笑)。
元同僚・ジャスミン・ギュ先生について
川島 栗原先生のアシスタント時代、なんとあのジャスミン・ギュ先生と一緒に働いてたんですよね?
四方山 はい、そうです。
山内 ジャスミン先生、この番組で素性を一切明かしてくれなかったんですよ。アンケートに答える形で、先生本人はいらっしゃってなかったんですけど、男性か女性かも、1人か複数人かも教えてくれなかった。
川島 年齢もわからなかった。
山内 四方山先生、もう全部言っちゃってください!
四方山 僕もよく知らないんですよ。(記憶が)おぼろげなんですよね。
川島 同じ環境で働いてて、同じストレスもあるわけだから、「ちょっとご飯行こう」とかなるでしょ?
四方山 ありますね。少なくとも毎月は行ってました。
川島 ほう。毎月「2人」で?
四方山 片方がお金ないときは、もう片方が払ってましたね。だいたい僕がおごってました。
川島 引っかかりましたね? 今の発言でジャスミン・ギュは1人だと判明しました!
四方山 いや、いつもそのとき職場に来てた人と……。
川島 もう遅いです(笑)。
『スナッチ』を見てからマンガを読むと発見があるはず
川島 それでは四方山先生のガチアンケートに行きましょう。
山内 最初の質問はこちら。
「『終の退魔師』を初めて読む読者に対して、『ここは他のマンガ家さんには負けない』という作品の見どころを教えてください」
山内 先生の回答はこちらです。
「カッコよくて、読みやすくて、楽しい」
川島 わかりやすい。これは山内さんもずっと言ってたことですね。とにかくカッコいいと。
山内 他の作品にないテイストのカッコよさがあるなと思いました。
川島 洋画の感じもあるじゃないですか。洋画のちょっと派手な感じも。
山内 だから僕、殺し屋連中が一気に登場するときの紹介シーンが、ハリウッド映画の『RED』の(元スパイのチームの)登場シーンのカッコよさにめっちゃ似てて。だからそういうのを意識されてるのかなあ、と思ってました。
四方山 『RED』はつい最近見た映画なので、そのシーンを描いたときは意識してなかったですね。殺し屋の登場シーンは、ガイ・リッチー監督の『スナッチ』という映画のオマージュです。『スナッチ』は僕のマンガを見る前に見ていただくと、ちょいちょい見たシーンが出てくるなと気づいてもらえるかもしれない。
川島 この映画、大好きなんですか?
四方山 そうですね。いろんな映画が好きなんですけど、地味な映画って、マンガの参考にはあんまりならないんですよ。演出に癖がある映画のほうが、マンガの参考になりやすいですよね。
川島 このマンガ、けっこう異質な敵と戦ってますけど、キャラのデザインはどう決めてるんですか?
四方山 時間がないので、ネームはすごい雑な絵で描いておいて、ペン入れをする段階で決めてしまうことが多いですね。
山内 続いて、僕からの質問はこちらです。
「今、ストーリーは全体のどの辺りですか?」
川島 これ聞きたい?
山内 聞きたいんですよ。「もうすぐ終わりです」とか言われたらどうしようと思って。
川島 なるほど。まだ今の段階だったら説得して延命できるかもしれんと。
山内 先生の回答はこちらです。
「正直なところ全くわかりません」
四方山 本当にわからないんです。
川島 どういうことですか?
山内 先生の中で全体の最終のゴールは一応ある?
四方山 なんとなくは。
山内 その道中のどのあたりかが、まだわからない。
四方山 わからない。もともと、スタートの時点で慌ただしく始まったんです。これの前の連載があって、「この感じだと売れてもおかしくないから、リスタートしよう」ということになって。でも間の休みが長いといけないから、前の連載が終わって1ヶ月後に始めようという話だった。
山内 そんな経緯だったんですね。
四方山 でも新連載を始めるにあたって、考えなきゃいけないことはすごく多いんですね。だからあんまり細かく決める余裕がなかったんです。勢いで始めて、でもありきたりな感じになっちゃうといけないので、いつも打ち合わせしながら、意外性のある展開を模索している。その模索の連続で今まで来てるんですよ。
自分でさえ先の展開はわからない!?
川島 じゃあアレですか、ここ来ていただく先生によく聞くことなんですけど、描いている途中でちょっとストーリーが変わってきたりとか。
四方山 というか毎週、先週に思ってた展開と違う展開になってます。
山内 ええええええ!?
四方山 毎回、ストーリーが途中で終わるので、そのちょっと先の展開までは話し合ってるんですけど、1週間空くので、また打ち合わせをしたときに「先週決めた展開はやっぱり違うな」ということは、よくあります。そうなると僕も、先がどうなるか全然わからないですね。
山内 そんな感じだったんだ。
四方山 殺し屋が5組出てくるんです。ちょうどストーリーの山場があって、その後また何かを調査しに行くんだけど、強いやつが出てくる。で、その戦いがいったん終わって、邪魔された調査の続きをしなきゃいけないんですけど、それだと面白くならないなと。そのときに担当さんが「殺し屋いっぱい出しちゃいますか?」と素晴らしいアイディアを出してくれて。
川島 ざっくりと(笑)。
四方山 ちょうど主人公が殺されそうになるところがあったんで、それは殺し屋に狙われてるはずだから、ここでどんと出しちゃいましょうと。で、もうこの話は殺し屋を紹介するだけの話にしましょうと。で、殺し屋がいっぱい登場する回が出てきた。
山内 ここ、めちゃくちゃカッコよかったです。
四方山 (殺し屋の1組の)キャッスル・ブラザーズは、そんなに言われないんですけど、ブラッド・ピットとエドワード・ノートンをイメージしてます。『ファイト・クラブ』の2人ですね。(殺し屋の1組の)ラウロンについては、これはよく気づいてもらうんですけど、サモ・ハン・キンポーをイメージしてます。
山内 じゃあ(殺し屋の1組の)レッド・アイは?
四方山 これはおわかりいただけると思いますが、スティーブン・セガールです。
山内 桑マンかと思ってた……。
川島 日本人をモチーフにした方はいないですか?
四方山 (殺し屋の1組の)茶渡理人は、岸辺露伴を演じられた高橋一生さんをモデルにしてます。高橋一生さんにマスクをかぶせたくらいの感じですね。あんまり似ると逆にそれがノイズになっちゃうから。
*ちなみに『終の退魔師』に登場する映画ネタについては、マンバにスレッドが立ってます。
山内 『終の退魔師』というタイトルの意味はなんですか?
四方山 連載と連載の合間で急いで考えてる中で決めたんですけど、前の連載が『VS EVIL』というタイトルだったんです。気に入ってるんですけど、このタイトルだと検索しても全然引っかからないんです。タイトルが全部英語だと、日本語以外のページもヒットしてしまうし、あとプロレスラーの方が出てきたりして。
川島 新日にいますからね。EVILというプロレスラーが。
四方山 なので「次の連載はちゃんと引っかかるタイトルにしよう」と思って、いろいろ考えました。「退魔人アキラ」と今のタイトルと迷って、今のタイトルに決まりました。
山内 サブタイトルの「エンダーガイスター」ってどういう意味なんですか?
四方山 これは「ドイツ語のサブタイトルをつけよう」という話になって。単行本の表紙をよく見ると、「Ender aller Geister(エンダー・アラー・ガイスター)」と書いてあって、これがドイツ語なんです。映画のサブタイトルで、よく「THE」を取ったりする(=原題についている冠詞や助詞を取る)じゃないですか。あれと一緒で、ドイツ語は「Ender aller Geister(エンダー・アラー・ガイスター)」だけど、日本語では「エンダーガイスター」にしようと。「全ての幽霊を終わらせる」みたいな意味合いです。
「つらい」と気づかせないために映画を流す
山内 続いてマンガ沼恒例のこの質問です。
「マンガを描く上での七つ道具は?」
山内 先生の回答がこちら。
四方山 道具などにこだわりはありませんが、椅子はちょっといいものを使ってます。
川島 道具にこだわりはないんですか?
四方山 昔、鳥山明先生の短編集(『鳥山明○作劇場』)を読んだら、「サインペンで描きます」みたいなことが書いてあって、「絵が上手い人はサインペンでパッと描いても超うまいんだな」と思ったんですよ。それで自分も、どんな道具でもやっていけるようになりたいなと。
川島 逆にこだわらないように、ということですね。
四方山 「いい道具使った方がいい絵を描ける」って、なかなかそんな簡単にはいかないですよね。
山内 『終の退魔師』が連載されてるサイコミって、そのマンガごとに買えるから、売り上げが露骨に出るじゃないですか。週刊誌の連載だと、何か目当てのマンガがあって買って、その流れで他のマンガを読んでお気に入りになるということがありますけど、サイコミはそのマンガ自体の人気がなかったら読んでもらえない。
川島 ある意味、すごい残酷なシステムですね。
山内 めちゃめちゃ厳しいバトルの場で戦っているなと思って。
四方山 だからやっぱり悔しいときありますね。パーンとデビューできると思ってたのと一緒で、最初はサイコミに載ったら1位になると思ってたんですよ。載ったらもう『鬼滅の刃』みたいにいくんじゃないかと思ったんですけど、なかなかそうはいかないですね。
川島 (仕事場の映像を見ながら)先生の仕事場、モニターが多いですけども。
山内 デイトレーダーくらい多いですね。
四方山 モニターの1つは、だいたい常に映画を流してます。何もないと飽きちゃうんで。つらいんですよ。マンガ家の方は皆さん言ってると思うんですけど。作画してる間って、マラソンみたいな感覚なんです。僕、昔陸上やってたんで、わかるんですけど。
川島 どういう意味ですか?
四方山 マラソンって、つらいことに気づいたらもう地獄なんです。一瞬でも、「あ、疲れた」と思うと、その後もずっと「疲れた」という気持ちに支配されてしまう。マンガもそうなんです。作業の後半になると、「まだ終わらないのかなあ」と思いながらやってるんすけど、なるべくそのことに気づかないように、映画を流して意識をそっちに向けておく。
川島 そうすると、ちょっと紛れると。
四方山 (作業中に見る映画では)あんまり感動とかしたくないんです。ヘビーで胃もたれするみたいな感じになって。「感動超大作」とか、見たら超面白いんですけど、作業中はそこにカロリー持っていかれると疲れちゃうんで。もう、人がいっぱい死ぬ、何のストーリーも内容もない映画を見たいです。
山内 ちょっと待ってください……めちゃめちゃ一緒です。僕も映画で感動とか泣いたりとかしたくないタイプなんで。
四方山 でも、そういうのを見たい気分のときもありますよ。
川島 だから「作業中は」ということですよね。
四方山 そう。だから作業中はなるべく「何にも考えてない大学生が、湖畔に行ってどんどん殺されるような映画」を見たいです。
川島 『13日の金曜日』やないですか(笑)。
四方山 あまりにもつまらないと、それはそれで疲れちゃうんです。なかなかちょうどいい映画がないんですよね。せっかくテレビに出たので言いたいんですけど、これを見てる監督さんがいたら、ぜひ「そこそこ面白い、人がいっぱい死ぬ映画」をどんどん作ってほしいです。
『バガボンド』と『終の退魔師』には共通点があった!
最後に、四方山先生から番組宛てに色紙を描いていただきました。その作業中の会話です。
川島 先生これ、男の裸体を描かれてますね。
四方山 これに服を着せていくんです。
川島 え?
四方山 先に服を描いちゃうと(体型が)崩れちゃうから。
川島 最終的にこれに服着せるために、いま裸を書いてるということですか?
四方山 そうですね。
川島 これ、井上雄彦先生と一緒。井上先生がそれ言うてたわ。『バガボンド』のとき、そうやって描いてたんですって。
四方山 ウェーイ(笑)。
川島 うれしがってるやん(笑)。裸で1回描いて、その上に着物を描くから、着物のしわが全部自然になるんですよと言ってました。その裸体は、先生以外誰も見たことがないんですが。四方山先生、それを同じことやってますよ!
四方山 ウェーイ(笑)。
川島 「ウェーイ」はやめてください(笑)。
次回放送は「マンガ家ガチアンケート・四方山貴史先生編」後編をお届けします。
▼元同僚ジャスミン・ギュ先生のガチアンケ回はこちら!
(構成:前田隆弘)
【放送情報】
次回放送
読売テレビ●3月5日(土)深1:28~1:58
日本テレビ●3月10日(木)深1:59~2:29
「マンガ家ガチアンケート・四方山貴史先生編」後編を放送。
(Tverでも配信中!)
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