設定は王道、展開は邪道?伝説の三角関係恋愛漫画『パフェちっく!』の魅力を徹底解剖

設定は王道、展開は邪道?伝説の三角関係恋愛漫画『パフェちっく!』の魅力を徹底解剖

三角関係恋愛漫画の金字塔『パフェちっく!』をご存知でしょうか?

少し古い漫画ではあるのですが、国内だけではなく海外でもテレビドラマ化されたほどの人気作品なので、タイトルくらいは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

三角関係の恋愛というのは少女漫画ではよくある王道設定なのですが、『パフェちっく!』は一部では“邪道”とも言われているほど展開がまったく予測不能であることが大きな特徴のひとつです。

今回は、そんな伝説の名作『パフェちっく!』の魅力を語らせていただきます。

 

『パフェちっく!』とは?

雑誌『マーガレット』で2000年から2007年まで連載され、コミックスは全22巻です。

女子中高生を中心にコミックスが大ヒットし、2010年から台湾でテレビドラマ化され、2018年には日本でもネットドラマ化されたほどの大人気漫画です。

大筋のストーリーとしては、元気で明るい女の子“亀山風呼(かめやまふうこ)”と、近所に引っ越してきた従兄弟同士のタイプが違う2人のイケメン“新保壱(しんぽいち)”、“新保大也(しんぽだいや)”の3人が三角関係の恋愛をする漫画です。

僕は高校時代に『パフェちっく!』を初めて読んだのですが、壱も大也も男子目線でもすごくカッコよくて、名台詞や名シーンも多くて男子の僕でもキュンキュンしてしまうほどでした。

 

王道設定なのに邪道展開?

冒頭でも述べたように、『パフェちっく!』は設定は超王道でありながらも展開は邪道だと言われています。

(作者のななじ先生自身も、他の作品内で『パフェちっく!』の展開が邪道であることを自ら言及している。)

ごく普通の平々凡々なヒロインと近所に引っ越してきたイケメン2人の三角関係の恋愛という、少女漫画では本当によくある、あるあるすぎるほど超王道な設定です。

『パフェちっく!』(ななじ眺/集英社)1巻より

(最悪の第一印象からスタートするという設定も超王道。)

しかし、こういった王道の三角関係の恋愛漫画で男子二人が完全なる並列で描かれるパターンは実は意外と少なく、序盤から明らかに一方が噛ませ犬っぽく描かれていたり、「最終的にはこっちとくっつきそうな気がする」と序盤から読者がなんとなく予想できたりする作品が多くなっています。

『パフェちっく!』では、壱と大也が完全に並列に描かれており、タイプは違えど読者の人気もちょうど互角くらいになるように、どちらも同等程度に魅力的なキャラとして描かれています。

よくある、三角関係とは言いつつも男子のどちらか一方とヒロインがメインに描かれているのではなく、最初から最後まで三人がメインで描かれ続けます。

それによって、最後の最後まで結末がまったく予想できず、どちらとくっつくのか、もしくはどちらともくっつかないのか、どうなるんだ!?と最後までハラハラドキドキが止まりません。

しかも、最後にどちらか一方を選ぶまでの紆余曲折がものすごく濃く描かれており、ネタバレになるのであまり多くは語れませんが、途中でヒロインの風呼は、両方と恋愛をします。

両方とくっつきそうになったり離れたりを幾度も繰り返し、最終的にどちらか一方を選ぶ、というのが大筋のストーリーです。

『パフェちっく!』(ななじ眺/集英社)22巻表紙

(最終巻の表紙も、ラストでどちらとくっつくのかがわからないようなイラストになっている。)

(ちなみに僕は向かって右側の壱派でした。)

 

22巻という大ボリューム

少女漫画では20巻を超える長編漫画は珍しく、実はそれほど多くありません。

以前、大手少女漫画雑誌の編集部の方から聞いたのですが、基本的に少女漫画は10巻以内での完結を目指すことが多いそうです。

(理由は忘れました…。)

『パフェちっく!』は全22巻という大ボリュームですが、1年と1学期分の物語しか描かれていないため、3人の恋愛模様がかなり深く濃く描かれています。

前述の予測不能な怒涛の展開により、1年ちょっとの短い期間を22巻という大ボリュームで描きながらも、読者を飽きさせることなく進んでいきます。

 

心に残るモノローグ

以前、こちらで紹介させていただいた『あるいとう』にも言えることなのですが(参照:少女漫画を盛り上げる名脇役!『あるいとう』の衣舞(いぶ)が可愛すぎる)、僕はななじ眺先生の作品のモノローグで描かれる心理描写が大好きすぎるんです。

もちろんキャラクターの台詞の中にも切ないフレーズやキュンとくるフレーズなど名台詞が多いのですが、僕が思うにななじ作品の大きな魅力のひとつは、モノローグではないでしょうか。

22巻もあるので、『パフェちっく!』の僕のお気に入りモノローグは無限にあるのですが、最後に、僕が一番好きなモノローグを紹介させてください。

『パフェちっく!』(ななじ眺/集英社)8巻より

これは学園祭の中でのシーンなのですが、学園祭の1日を通して完全に自分の気持ちに気づいたヒロインが、好きで好きでたまらない気持ちが、溜まりに溜まって溢れそうな状態になっている心情を表現したモノローグです。

この表現がすごく好きで、全22巻中で最も印象に残っているページがここです。

これはもちろんヒロインの気持ちを表現している描写ではあるのですが、読者としても、恋の行方をドキドキしながら見守っている中で、ヒロインに感情移入しすぎてドキドキがかなりたぷたぷな状態で読んでいたところでのこのモノローグなので、めちゃくちゃ刺さりました。

はじめて読んだとき、ななじ先生は本当に素敵な表現をしてくださるなぁと感動したのを今でも覚えています。

もちろんここだけではなく、切ないものや読んでいて苦しくなるようなモノローグなどたくさんありますので、これから『パフェちっく!』を読んでみようかなという方は、メインの三角関係恋愛の行方だけでなく、モノローグにも注目して読んでいただけると、より一層楽しめるのではないかなと思います。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

僕は『パフェちっく!』を今でも定期的に読み返しているのですが、何度読んでも初回と同じようにやきもきし、がっつり感情移入しながら楽しめる素敵な作品です。

個人的に本作は、風呼・壱・大也の誰に感情移入するかでまったく見え方が変わってくる作品だと思っていて、読むときの自分の状況によって誰に感情移入するかも変わってくると思うので、一度読んだ方も再読するとまた新鮮な感想を抱くのではないでしょうか。

僕は何度読んでも壱に感情移入してしまうのですが…。

男子キャラにも感情移入できる作品なので、女性だけでなく男性にも是非読んでいただきたい作品です!

 

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