あらすじ

母・由布子に似るようにと名付けられた娘・由似は、母亡き後も、周りの人々の愛情に支えられ真っ直ぐに育っていた。母の書き遺した手紙を寄る辺にしながら、命の終わりに触れ、別れに触れ、ひとつひとつ成長していく由似。しかしいつしか、愛されたまま亡くなった完璧な母の存在が重荷になって―!?
由似へ… 上

母・由布子に似るようにと名付けられた娘・由似は、母亡き後も、周りの人々の愛情に支えられ真っ直ぐに育っていた。母の書き遺した手紙を寄る辺にしながら、命の終わりに触れ、別れに触れ、ひとつひとつ成長していく由似。しかしいつしか、愛されたまま亡くなった完璧な母の存在が重荷になって―!?

由似へ… 中

中学生になった由似は、多感な時期を迎えていた。そこに父の単身赴任や憧れの人・卓矢の結婚が重なり、抱き続けていた母へのコンプレックスを一層強くしてしまう。孤独感に苛まれながら訪れた母の墓参りで、やんちゃな青年・平林渉と出会う。彼は、母・由布子の昔の恋人、宏司に関わりのある人物で…!?

由似へ… 下

心を通わせた渉の死に打ちひしがれる由似だったが、母の遺した手紙に胸打たれ、生きることを見つめ直す。同時に母へのコンプレックスからも脱却した由似は、再会した幼なじみの慎二や、親友の志紀と共に高校生になる。そんなある日、憧れの人だった卓矢が、妻と別れ戻ってくる。それぞれの人生に関わりながら真っ直ぐに生きる、由似の青春のゆくえは―!?