しんきらり
山川ちはるは二人の娘と夫との4人暮らしの平凡な主婦。夫は家庭に興味を示さず、毎日小さな淋しさを背負う…。たまらなく淋しい時間があり、静かな喜びに浸る時間がある――。平凡な日常の中で生まれる様々な思いをやまだ紫が繊細に描いた不朽の名作。
カメラマン・相沢耕平とイラストレーターの松沼純生は、会社を辞め金が底を突いたため、純生の姉・薫が住む軽井沢の別荘へ。さっそく津野田絵里にフラれた純生をよそに、耕平は薫と関係をもち、自身が初代総長を務めた暴走族「DEEP」と因縁をもつ久遠寺紀子(ノン)とも深い仲に…。80年代軽井沢を舞台に繰り広げられる無邪気な若者たちの伝説的青春群像! 二代目総長・恩田二郎、喫茶店「ら・くか」のマスター蓑輪貴成と妹のみるく、ノンの親友・木下久美子、そして吉沢まなみなど主要人物が一堂に会する第一巻!
HOTEL
ホテルは、ひとつの巨大都市でもある。レストラン、美容室、宝石店、薬屋等々……病院から靴磨きまで、生活に必要な物は全て揃っている。そして、ルーム・キーは、ホテル内では万能である。レストランの食事からクリーニング、高価な宝石の購入まで現金を持たずに行うことが出来る。それ故に様々なドラマが、今日も繰り広げられる。勿論、この巨大ホテル「プラトン」でも……。テレビドラマ化でも話題をさらった大人気作、開幕!!
ザ・シェフ
法外な報酬を要求するが、依頼人の希望に応じて料理を作り上げる天才シェフ・味沢匠(あじさわ・たくみ)の活躍を描いた料理劇画。石油産出国であるパミール王国でその全権を握る大臣は、外務省関係者がもてなす帝都ホテルの晩餐をほとんど食べ残して帰る。そこで「幻の料理人」と呼ばれる天才シェフ・味沢匠が、大臣を満足させる晩餐を作るように依頼されるが、味沢はその報酬として500万円を提示して……!?
まじっく快斗
世紀の宝物を予告通りに手中し、闇から闇へと消え去る紳士・怪盗キッド!!見事なマジックで名刑事らの裏をかき、目指すは「正義」の完全犯罪!!今宵、神出鬼没の彼が狙う宝石は、時価4億円の「月の瞳」だ!!
究極超人あ~る
春風高校に転校してきた、飛び切り奇妙な少年、R(あ~る)・田中一郎君。夏休みに授業にでたり、暑い中、冬服を重ね着したりと、ヘンテコな行動の連続。これには、おかしなことではひけをとらない光画部員たちも押されぎみ。Rをめぐって、さまざまな憶測が飛びかうが、なんと彼の正体はアンドロイドだった!
アニメ界の天才デザイナー、永野護の記念すべきデビューコミックス。ラキシスとソープの物語。
逮捕しちゃうぞ
辻本夏実(つじもとなつみ)と小早川美幸(こばやかわみゆき)は婦人警官。しかしこの2人にハンパな常識は通用しない!!次々に起こるトラブルも、2人の絶妙なコンビネーションにかかればまるで遊園地のアトラクション!町の安全を守るためスーパーミニパトに乗り込んで、夏実と美幸は今日も行く!!
幻想の巷を彷徨う、少年探偵、夢幻魔実也!緻密な頭脳と異能な感性が、世にも奇怪な難事件を解く!初登場の「マンガ少年」版。
鳥山明○作劇場
トントン村の駐在さんのとこに惑星マイクロンから可愛い女の子チョビットが出現!!なにをやってもドジなポリスマンが、彼女に助けられてお手柄の数かず。「CHOBIT」をはじめ、全7編を収録した鳥山明短編集第1弾!
陽だまりの樹
蘭学医・手塚良仙(てづか・りょうせん)の息子良庵(りょうあん)と府中藩士の伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)は、美女・おせきを巡り犬猿の仲だった。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立った。万二郎は、江戸を襲った大地震で、民衆を安全な場所へ誘導するという大手柄を立てる。一方、良仙は奥医師たちの激しい妨害の中、娘婿の大槻俊斎(おおつき・しゅんさい)らとともに種痘所の江戸設立に向け頑張っていた。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編時代作品。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT326~327『陽だまりの樹』第1~2巻収録 <初出掲載>1981年4月25日号~1986年12月25日号 ビッグコミック連載
おおかみ書房より刊行された白取千夏雄「全身編集者」を読んで、やまだ紫作品を読み返したら更に面白かった。白取さんはガロの元編集者でやまだ紫さんの旦那さんなのですが、尊敬する作家であり最愛の人への言葉がとても真を突いていて、より深い作品の理解に繋がった気がする。 この漫画の主人公は主婦である。最小限に抑えられた線と研ぎ澄まされた言葉で彼女の心情を描いたことから、少女漫画ではなく女性漫画が誕生したと評価されたけど、決して女性しか共感できない内容ではないと思う。 夫と子供の世話に追われる日々を過ごしながら、それらの役割から解放されることが自由だというのではなく、初めから自分は自由であったことに気づく。実は幸福とは成るものではなく気づくものであり、ただそれだけのことで世界も変わるのだ。その為には彼女のように考えることをやめてはいけない。 今回読み返してやまだ紫さんの描く絵の魅力を改めて感じた。正面を向いた顔でもあえて表情を描かないことで、その余白に読み手の想像が生まれる。こうした大胆なテクニックがすごく格好いい。「全身編集者」で白取さんも語られていた、漫画ならではの省略の美とはこういうことなんだと思い知った。