『1日外出録ハンチョウ』で大槻達が外出した日数や使ったペリカを数えてみた

『1日外出録ハンチョウ』

 

1日外出録ハンチョウ』、面白いですよね! 私はスピンオフ元の『賭博破戒録カイジ』もリアルタイムで読んでいた世代なのですが、あんなにも敵として憎たらしく、そしてカイジの美しいまでに計算され尽くした策略で完全敗北した大槻班長達のことを、まさかスピンオフで最新話が待ち遠しいほどの存在になろうとは思いませんでしたね。『中間管理録トネガワ』が始まって、かつめちゃくちゃ面白かった時も驚いたものですが、まさかさらなるスピンオフ第2弾がまた別路線の面白さを発揮して長期連載になろうとは……。私なんてハンチョウが面白過ぎるあまりに、第10話[蛤門]の京都聖地巡礼回や、第19話[混沌]の名古屋、第46-47話の長野旅行で訪れていた善光寺の山門、第92話[主役]の新宿タカノパフェリオ本店など、各所の舞台探訪をしたこともあるくらいです。

 

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ところで、『1日外出録ハンチョウ』を読んでいると誰もが最低一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか? 「大槻達、いくらなんでも外出し過ぎだろ!!!」と。そう、1日外出券は50万ペリカもするので、そんな簡単に使えるはずはないのですよね。原作でのカイジも、最初は給料9万1千ペリカを6ヶ月分も貯めようとして挫折したくらいですし、そんなちょっと有給休暇を使うようなノリで1日外出はできないはずです。大槻達は『1日外出録ハンチョウ』でいったいどれだけ浪費しているのか気になっている人も多いと思います。

なので、私が数えました!! 大槻達が外出した日数だけではなく、外出中に使用したペリカについてもザックリと計測してみました。

 

【外出日数ランキング】(※単行本17巻まで)

まずは外出日数から行きましょう。主人公である大槻が一番多いのは言わずもがなですが、2位と3位の順番は分かりますでしょうか?

3位:石和(49.5日)

2位:沼川(59.5日)(※1日個室券の使用日数は除く)

1位:大槻(113.5日)

正解は、2位は沼川で3位が石和という結果でした。沼川は初外出の第2話以降もたまに大槻と2人で外出する回があり、第36話[糠川]では単独外出までしていますが、石和が沼川を差し置いて外出しているのは、初外出の第10話[蛤門](京都回)と第43話[巻貝](大槻半額負担で宝くじを買いに行った回)と第59話[歩旅](大槻との東海道徒歩旅行回)しか無いことによる差が現れました。

なお、第94話は物語が夜から始まり夜まで外出が続いていたので1.5日なのかとも思ったのですが、だとしたら作中で外出日数に特に言及が無いのが不自然なため、コテージ宿泊のために夜開始で夜終わりの24時間にしてくれたのだろうと解釈しました。わざわざ京都とか名古屋まで行ってくれてる回もあるので、たまにはそういう配慮もしてくれてるのかな?と。

 

【格安ビジネスホテル宿泊回数ランキング】

『1日外出録ハンチョウ』16巻・第123話[無垢]より

1日外出録ハンチョウ』頻出ナレーション第1位はぶっちぎりで「大槻(沼川 石和) 解放‥‥!」でしょうが、第2位もこの「就寝‥‥‥ 格安ビジネスホテル‥‥‥‥‥‥!」で文句無しでしょう。1日(=24時間)外出をするからにはどこかで寝る必要もあるため、外出券と同じく必要経費としてどうしてもここの出費は発生してしまいます。もっとも、最近はホテル木村や宮本さん宅という寝床のバリエーションが増えたことで登場頻度は落ちてきたため、単行本1巻では4回もあったこのナレーションも16巻ではたった1回にまで減っており、最新17巻ではとうとう格安ビジネスホテルに宿泊するシーンがありませんでしたが。

3位:石和(9泊)(=45万ペリカ)

2位:沼川(10泊)(=50万ペリカ)

1位:大槻(29泊)(=140万ペリカ)(※うち1泊は木村さんが費用負担)

これもまた、外出日数と同じ並びになりました。ちなみに、「格安」っていったいどれくらいの価格帯なのかをX(当時の名称はTwitter)のアンケート機能で聞いてみたことがあるのですが、一番多かった回答は「3001円~5000円」という結果になりました。よって、格安ビジネスホテルの宿泊費は一律5万ペリカ(5000円)で計算しました。

 

◯使用ペリカ計測

使用ペリカの計測について、まず最初に大きな問題がありまして、それは「大槻達が稼いだペリカの分配はどうなっていて、1日外出時の支払いは誰がしているのか?」というものです。原作でも明確な描写はないためか、『1日外出録ハンチョウ』でも徹底的に曖昧なままにされていますが、いくつか仮説を挙げておきます。

・仮説①

大槻:沼川:石和で6:2:2などと比率を決めて分配している

・仮説②

儲けは全て班長である大槻の元に入った上で、沼川や石和に小遣いを渡している

・仮説③

大槻沼川石和の3人で共有財産のようにしている

仮説①や仮説②のように大槻と沼川・石和の収入に差があるとすると、沼川・石和が大槻と同じような頻度で外出して同じレベルの遊びをするのはけっこう大変になってしまいそうです。年収6百万円の部長と年収2百万円のアルバイト2人が全部割り勘で遊ぶのかっていう話です。ただ、じゃあ仮説③のように3人の共有財産としてるのかと言うと、いくら物販もチンチロも沼川と石和の協力無しでは儲けることが難しいとは言え、それはさすがに大槻の気前が良すぎるでしょう。それこそ、チンチロや沼で勝った時に勝ち分を均等に分配しようとしたカイジじゃあないんですから。なので、その折衷案として下記のような仮説で進めることにしました。

・仮説④(採用案)

沼川と石和の1日外出券や外出時の飲食などは、全て大槻がまとめて支払いをしている

あまり「沼川の分の利益はこれだけ」「石和の給料はこれ」とかハッキリとは分けずに、物販の儲けもチンチロの勝ちも全部大槻の功績なのでとりあえずは大槻が集約して、原作にもあるように大槻の個室にある金庫に入れて管理し、1日外出券や宿泊費・飲食費などは全て大槻が支払いをしてあげる、いわゆる先輩芸人システムにするのが分かりやすいのではないでしょうか。そんなわけで、この支払いは誰の分とかは1日外出券や宿泊費以外はあまり細かく分けずに、3人まとめて計測してしまいました。

 

【1日外出券費用】

・大槻:5590万ペリカ

・沼川:2950万ペリカ

・石和:2475万ペリカ

・合計:1億1015万ペリカ

 

えっ!!!!??? いっ、1億!!???

何回数え直してもこうなるんです。1回50万ペリカで合計200回外出したら1億ペリカになる計算なので当然といえば当然なのですが、あらためて数字を出すとギョッとしますね……。

ちなみに、「外出券購入費用=外出日数×50万ペリカ」になっていませんが、第13話は木村さんが全額負担、第33話は宮本さんが半額負担、第43話は石和の分を大槻が半額負担、第121話では宮本さんがたぶん7割くらいは負担してる、などイレギュラーなケースも多々あるためです。

 

【1日外出券以外の費用】

総計:およそ1203万330ペリカ

1日外出券以外の費用については、正確に計測するのは不可能に近いのですが、とりあえずは外食や買い物などなど描写がある限りは「だいたいこれくらいだろう」でひたすらに数えてみました。たとえば、第1話[玉座]では、夕食の牛丼は4000ペリカ(400円)、日比谷から新橋の電車移動は1400ペリカ(140円)、スーツ一式で50万ペリカ(5万円)、立食い蕎麦で昼からたっぷり酒を飲んで5万ペリカ(5000円)、みたいな感じです。こちらの費用はさすがに正確性がかなり低いことを自覚しているので、使用ペリカ数ランキングのような順位付けはしないでおきます。ただ、第92話[主役]で沼川がパチスロで30万ペリカも負けたり、第101話[勝確]で大槻がパチンコで20万ペリカほど負けたりすると出費が大きくなりますね。そういうギャンブルや、温泉旅館や貸し切りロッジなどの旅行を除くと、みんなでお酒を飲みまくるだけではせいぜい10~20万ペリカ前後くらいです。大槻達、風俗とかキャバクラとかお金が掛かりそうな女遊びを全然しないですからね…(笑)

さて、そんなわけで、1日外出券だけでも1億ペリカ以上、総計だと1億2千万ペリカを超えそうな大金をどうやって集めているのか考察してみましょう。大槻達の集金システムは、原作『賭博破戒録カイジ』第22話[焦眉]で、カイジによってこう語られています。

23人の給料の合計‥‥正規の9万組の17人分9×17で153万‥‥オレたちピンハネ45組が6人でこれが4.5×6で27万‥‥‥‥‥‥‥‥‥合計180万‥‥‥‥‥

このうち半分の90万ペリカが原価で消え、残った利益のうち半分は帝愛に取られるため、大槻達に流れるのは45万ペリカと45組のピンハネ分の27万で72万ペリカほどだと予想しています。

『賭博破戒録カイジ』第22話[焦眉]より
『賭博破戒録カイジ』第22話[焦眉]より

これはあくまでカイジの推察のため、実際はもっと原価が少なく、帝愛との利益配分ももっと割が良いかもしれません。ただ、なんにしても大槻班の給料の合計は180万ペリカ前後であるということには変わりがないでしょう。

チンチロには他の班からも参加しているとのことですが、賭け金の上限は2万ペリカですし、そもそもとして給料を1人あたり9万1千ペリカ程度しか貰っていない以上は、大槻・沼川・石和がどれだけ大勝ちしたとしても1回の開催につき数十万ペリカ程度ではないでしょうか。

この他に、大槻・沼川・石和自身の給料については謎に包まれています。ただ、カイジの場合は1日あたり3500円の給料から借金返済(2000円)や食費・施設利用料(1150円)を引かれて350円になり、それが26日分で9100円=9万1千ペリカということでした。

1日外出券だけで1億ペリカ(=1千万円!)以上使っているのだとしたら、さすがに余裕で借金を返せるだろって話ですし、沼川・石和はともかく、大槻はさすがに給料から借金返済分は差し引かれていないと仮定しましょう。そうなると、それだけで給料は2350円×26日=61100円=61万1千ペリカにもなります。大槻の場合は班長手当のようなものもあるかもしれませんし、毎月7~80万ペリカとか、もしかしたら100万ペリカ近い給料を貰っているのかもしれませんね。それでも実社会の給料からしたらたいしたことないですが、これだけ搾取の仕組みを構築してあるのならば、あえてほんのわずかだけ借金を残しておいて、帝愛の下で班長という肉体的疲労は少ない管理職の立場で働いて、たまにリフレッシュとして1日外出を楽しむという生活もアリなのかもしれません。

もっとも、大槻達の収入を多めに見積もって毎月150万ペリカあると仮定したところで、それでも3人で月1回外出するだけしかできません。総計1億2千万ペリカ以上を捻出するためには80ヶ月=13年以上の年月が必要になってしまい、『1日外出録ハンチョウ』世界の時間の流れはいったいどうなってるんだという話になりますが……。

『1日外出録ハンチョウ』第19話[混沌]より

もうやめましょう‥!

1日外出録ハンチョウ』の時間やペリカについて考えるのは‥!

 

 

記事へのコメント
いのけん

執筆者のいのけんです。
申し訳ありません、1ヶ所訂正があります。

【格安ビジネスホテル宿泊回数ランキング】ですが、
3位:石和(9泊)(=4万5千ペリカ)→(=45万ペリカ)
2位:沼川(10泊)(=5万ペリカ)→(=50万ペリカ)
1位:大槻(29泊)(=14万ペリカ)→(=140万ペリカ)
となります。1桁間違えてました…。

集計間違いではなく文章を書いている段階で間違えたものなので、使用ペリカ総計などには変更ありません。お詫びして訂正致します。

いのけん様

ご指摘の箇所に関しまして、正しい数値に修正を行いましたことご報告いたします。
公開前に気付けず大変申し訳ございません。

1日外出券や宿泊費・飲食費などは全て大槻が支払いをしてあげる

第43話は石和の分を大槻が半額負担
って矛盾してません?

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