ジャンプ作品より遙かに上質なエンタメ
この漫画が他の作品と比べて、優れている決定的な点はサスペンスである。 サスペンス描写が圧倒的に上手い。世界観設定に対して、キャラクター同士の命のやり取りが行われる際の‘間’の使い方、駆け引きが適切なコマ数で描写されていく。サスペンスを急ぎすぎることも、もてあそぶことも無い適切なコマ数である。線による描写はガッチリと安定感のある線で止まった時の中を表現するには運動的な線よりも、こちらの方が良いのかもしれない。ただ、線は寄生獣の作者、岩明均と似ていてこの作家特有のものは感じられなかった。
親父の無能さがまたいいんだよね。
自分が助かりたいっていう保身と、家族内での地位を向上させたいっていうかなりちっぽけな功名心とか、味方を裏切るにしてはしょうもな!って言いたくなるような理由なんだけど、でもニートな親父にとって家族っていう社会の重みって計り知れないだろうし、そう考えるとあの行動もすごい納得がいく。
親父の無能さは最高。主人公サイド的には最悪のタイミングで邪魔してくれる面倒な仲間だけど、それがいいw
縛られているときの親父が好き。いっそ敵にだった方が楽だったんじゃないかってくらい役に立たないw