あらすじ貴文(たかふみ)の奇襲で、致命傷を負ったかに見えた佐河(さがわ)。しかし身体の多くを失いながら、彼はまだ人間として生きていた。神ノ離忍(カヌリニ)の力を借り、凶器と化した佐河の身体が、樹里(じゅり)たちに牙を剥く。異形のモノが跋扈する、時が止まった世界。長きにわたる戦いの行方は――!?
この漫画が他の作品と比べて、優れている決定的な点はサスペンスである。 サスペンス描写が圧倒的に上手い。世界観設定に対して、キャラクター同士の命のやり取りが行われる際の‘間’の使い方、駆け引きが適切なコマ数で描写されていく。サスペンスを急ぎすぎることも、もてあそぶことも無い適切なコマ数である。線による描写はガッチリと安定感のある線で止まった時の中を表現するには運動的な線よりも、こちらの方が良いのかもしれない。ただ、線は寄生獣の作者、岩明均と似ていてこの作家特有のものは感じられなかった。