あらすじ何が起こっているのか把握できず止界(しかい)を彷徨う翼(つばさ)と幼い真(まこと)。一方、樹里(じゅり)は子供の頃、止界に入ったことを思い出しつつあった。あの時に出会った少女・翔子(しょうこ)こそ、今回のことの発端であったのだ。他人を止界の外に追い出すという特殊な能力を発動させた樹里は、止界をもたらした謎の石を真純実愛会(しんじゅんじつあいかい)から奪取する。目覚めた樹里の異能は、この世界を突破する光明となるのか?
この漫画が他の作品と比べて、優れている決定的な点はサスペンスである。 サスペンス描写が圧倒的に上手い。世界観設定に対して、キャラクター同士の命のやり取りが行われる際の‘間’の使い方、駆け引きが適切なコマ数で描写されていく。サスペンスを急ぎすぎることも、もてあそぶことも無い適切なコマ数である。線による描写はガッチリと安定感のある線で止まった時の中を表現するには運動的な線よりも、こちらの方が良いのかもしれない。ただ、線は寄生獣の作者、岩明均と似ていてこの作家特有のものは感じられなかった。