ヒカルの碁
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あらすじ

ある日小6のヒカルは蔵で古い碁盤を見つける。その瞬間、碁盤に宿っていた平安の天才棋士・藤原佐為の霊がヒカルの意識の中に入り込んだ。佐為の囲碁に対する一途な想いが、徐々にヒカルを囲碁の世界へと導いていく…。

はんたーはんたーからーばん
HUNTER×HUNTER カラー版
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あらすじ

父と同じハンターになるため、そして父に会うため、ゴンの旅が始まった。同じようにハンターになるため試験を受ける、レオリオ・クラピカ・キルアと共に、次々と難関を突破していくが…!?

きせいじゅう
寄生獣
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あらすじ

ごく普通の高校生・新一は、ある晩部屋で、ヘビのような生物を発見する。叩き潰そうとしたその生物は、新一の右手に侵入してきた。その生物の正体は、他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物だった…!寄生に失敗し、新一の右手に寄生したミギーと新一の奇妙な生活が始まる。やがて二人は、お互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物と戦い始める…。全人類必読!未来への警鐘の書が登場!!

不徹底と言う名の慈悲

「人間が何故泣くのか分かった。俺には涙は流せないが」-『ターミネーター2』  再読して思ったがつくづく不思議な漫画だ。今現在の漫画は『童夢』を一つの里程標として映画的な立体を備えた場面や編集(コマ割)で事件を描きその「アクション」で以てテーマを射影するのであるが、『寄生獣』はそれに比べると余白が多い。ならば、手塚治虫のような捲し立てる戯曲風かと言えば、やはりあの余白やコマの多さを考えるとそうでもない。  モノローグの豊かさや情報の緩急のコントロールは正しく他の作家の系譜と言い切れない、アラン・ムーアやフランク・ミラーとかとは意味が異なるが正しく「グラフィック・ノベル(絵のついた小説)」とでも言うべきものだった。  この作品の「結論」が出るのは恐らく「田村玲子」の死亡からだと思う。田村は一種の心尽くしとして拳銃弾の雨に背を穿たれている最中に、回避、防御され二の次にしながら新一の亡くなった母の顔を模し彼に「不格好でもパラサイトも他人を慮れる」事を示しその心を解し、ミギーを驚愕させる。即ち、パラサイトが「人間味を持てる」事を示したのだが、その反対に市長の広川(パラサイトと共存していない純粋な人間)はディープ・エコロシー(敢えてこう言えば地球と言う自然全体の保護のために人間の淘汰さえ辞さない発想)に基づく、或いはナチス・ドイツさえ彷彿とさせる虐殺と管理を提唱し、人間でありながらパラサイトと誤認される。  要するに、「相手に対する慮り」こそが「人間」の得難い性癖であるが、それは人間の条件や特権ではないと言う事、それを元に環境を考えなければならない事がこの作品のテーマだと思う。  恐らく、最初は広川的なディープ・エコロジーこそが結論だったのかも知れないが、彼の示す如き全体主義を現出させる事に気づき、涙ながらに後藤を殺める新一が新たに象徴として浮き上がったのだろう。  私はこの変遷を見て『ターミネーター2』を思い出した。この映画も「歪な生き物」が現代社会に登場し、人間の過ちや罪深さを浮き彫りしていくのだが、ターミネーターが「命の大切さ」を学んだ事―又はこれを通してサラが未来の為と言って他人を殺める事は出来なかった―で黙示録を回避できるのではないかと言った希望が紡がれる所で終わる。  広川やスカイネット的な計画と管理ではなくこの「感情」を軸にした他者へのシンパシー、自己の尊重こそが世界的な終末を避けると言う結論はあるいは失敗するかもしれないが、岩明やキャメロンのようにそれに賭けるべきなのかもしれない。その面でもいい漫画だと思う。 P.s 投稿より約9時間後、「「相手に対する慮り」こそが「人間」の得難い性癖であるが、それは人間の条件や特権ではないと言う事」、「広川やスカイネット的な~」との文言を追加、編集

阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)

誰もが認める名作「寄生獣」

人に寄生し、その体を乗っ取り、人間を捕食していく謎の生物…これだけ言うとホラーの趣がありますが、これはヒューマンドラマです。 テーマも環境問題がどうのと言う、今の時代ではありふれた陳腐な物に感じられるかも知れませんが、逆にそれが寄生獣(パラサイト)の「自然の摂理」的な物を感じさせます。 パラサイトには悪意があるわけではなく、単に「この種を食い殺せ」と言う本能に従っているだけなので、弱肉強食の摂理に従えば、彼らは普通に生きているだけと言うことになります。 つまり彼らも自然の一部なのです。 それが環境を破壊している人間へのカウンターとしての生物なのかが分からないため、パラサイト当人達も「我々は何故こうして生きているのか」と考察する者もおり、中々深いです。 結局、パラサイトの中で一番の能力を持ち、リーダー格である「後藤」は、環境破壊の権化である、ゴミ捨て場の毒を主人公に打ち込まれてトドメを刺されますが、これも皮肉が効いています。 主人公に寄生し損ね、共同生活を送ることになる「ミギー」にも妙な愛嬌があり、明言はしませんが、最後彼らがどうなるかは涙無しには見れないかもしれません。 名言や名シーンの多い漫画でもあるので、それだけでも読んで損はしないでしょう。 作者の岩明氏の絵も、人間と人間で無い何者かの違いがきちんとわかる辺り凄いです。 特別綺麗とか特別美しいとかそういうのではありませんが、生きた眼とそうでない眼の描写が抜群に上手い。 視線だけで「コイツはヤバイ」とか「コイツ人間じゃねぇ」と言うのを分からせるのは類い希なるセンスだと思います。

名無し
ふうとたんてい
風都探偵
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あらすじ

『仮面ライダーW』正統続編始動! 小さな幸せも、大きな不幸も、常に風が運んでくる風の街・風都。左翔太郎とフィリップはその風都で鳴海探偵事務所に所属する私立探偵である。「街を泣かせる悪党は許さない」という二人の元に、今日も数々の超常的な事件が持ち込まれる…! 平成仮面ライダーシリーズ最高傑作との呼び声も高い『仮面ライダーW』が漫画に舞台を移して再始動!! これで決まりだ!

どくたーすらんぷ
Dr.スランプ
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あらすじ

天才科学者(?)の則巻千兵衛が作った人間型ロボット・アラレちゃんが暴れまくるパワフルGAGワールド!ペンギン村を舞台に、個性あふれるキャラクター達が続々登場!

しずかなるどん
静かなるドン
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あらすじ

近藤静也は下着会社プリティで働く平凡なサラリーマン。しかし、その実体は関東最大の広域暴力団・新鮮組の総長の一人息子だった…。ある日、仕事をしている静也の元に、父の総長が狙撃されたとの一報が入る。静也は望まずして、新鮮組の三代目となってしまったのだった!!昼は、静かなる平社員。夜は、静かなるドン!!ドンの二重生活が始まった。

これが男の仕事?は天才の仕事

主語デカの老害感満載で、かつ雑な括りで申し訳ないんだが、昭和の漫画の頭の悪さって最近の漫画とは比べ物にならないよな。 静かなるドンが無料で読めたから久しぶりに読んでる。そんで、母親のブラジャーで声出して笑ったわ。「これが男の仕事?」って。まさしくこれは男の仕事だよ。女には作れない。だけどさ、よくよく読めばこのときの穴あきブラジャーの情報量はすげーと思うんだ。ヤクザの息子が会社での評価がよくなさそうなのにブラジャーを自作するくらい頑張ってるんだなとか、ただ壊滅的にセンスねぇなとか、でも授乳のためで下心とかはないんだなすげぇなこいつとか。冷静に読めば色々考えるんだ。もしかしたらこのコマはすげー考えられた上での一コマだったのかもしれない。 でも、こういう後からよくよく読めば考えられることってのは、母ちゃんの圧倒的な初見殺しで全部吹き飛ばされてたんだよ。旦那の葬式に別室で息子と二人、組の今後について真剣な面持ちで話してると思ったらおもむろに脱ぎ出す。この流れは背中の紋々を見せて「如来像の前でも同じことが言えるのかい」とでも言うのかなと思うじゃん。でも、飛び出してきたのは穴あきブラジャーと穴から覗いた綺麗な乳首と「これが男の仕事?」だぞ。笑うだろこんなもん。だけど、一つだけ強烈に伝わってくんのが、こいつブラジャー作る男じゃねーわってこと。ゲラゲラ笑いながらでもそれだけはわかる。天才の仕事だよ、このコマは。 俺はこういう頭悪いんだけど説明抜きの説得力みたいなもんがあってかつ笑えるのが好きなんだ。最近の漫画は良くも悪くも綺麗で穴あきブラジャーみたいなのはお目にかかれない。まぁ需要がないのかもしれないな。だからこうして久しぶりに昔の漫画を読むのが楽しいわけで。まぁ言いたいこととしては、みんな読もうぜドン。そんでブラジャーを見てくれよ。んじゃ、続き読んでくるわ。

名無し
じょじょのきみょうなぼうけんからーばん001
ジョジョの奇妙な冒険 第1部 カラー版
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あらすじ

19世紀末英国。貴族・ジョースター卿は恩人の息子、ディオを養子にする。しかしディオはジョースター卿の実の息子、ジョナサン(ジョジョ)を退け、財産の横取りを計画!謎の石仮面でジョジョを殺そうと画策する。

『ジョジョ』の基本思想が詰まった始まりの部

大ヒット漫画『ジョジョ』の 記念すべき開幕を告げる部 ではありますが、 ファンの人でもわざわざ読み返すことは あまりないのではないでしょうか? 私の周りでも「1部が一番好き!」 という人は1人もいません。 確かにその後の部に比べて バトルも地味なものが多く 現代から見ると時代を感じるキャラクターが多いので若い人たちが見ると 物足りなさを感じてしまうのは 仕方ないことだと思います。 しかし、今回久々に読み返して 私はビックリしました! 第1部にはこの後30年近く貫かれ続ける 「ジョジョの基本思想」が 詰まっていたのですッ! それは3巻で語られる ツェペリさんの3つの教えです! ①相手の立場に身を置く思考。 ②「勇気」とは怖さを知ること  「恐怖」我がものとすること。 ③「成長」には犠牲が付き物  「犠牲」成長につなげられる人間こそ   美しい人間である。 おそらく『ジョジョ』はこの3箇条をもとに 作られているのでしょう。 相手の立場に身を置くことで、 敵キャラの造形を 細かく描写することができる。 そして、「恐怖」を我がものとする。 つまり、克服しようとするからこそ 「ホラー映画」に影響を受けた シーンづくりをする。 そして、ジョジョたちが犠牲を成長に つなげていくからこそこの漫画は 「王道」なのだと思います。 これらの基本思想があり、 そして、ジョナサンの正義漢としての描写も 少し過剰ではありますが、 キチンと入っています。 このジョナサンの過剰なまでの 「いい子」「正義漢」描写があったから 後のジョジョはどんなに不良でも ジョナサンの子孫だからという 土台の安定感から ヒーローとして自然に 読者に迎え入れられる のではないでしょうか? そんな感じで、あの『ジョジョ』の 始まりの部がただの旧時代の 漫画の訳がありません。 一回読んだだけで その後読み返してないという人は 是非一度読み返してみてください! 自分の好きな 『ジョジョ』のエッセンスが 生まれた瞬間を 何個も発見できると思います!

TKD@マンガの虫
TKD@マンガの虫
ゆうゆうはくしょからーばん
幽★遊★白書 カラー版
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あらすじ

教師も手をやく不良の浦飯幽助。ある日子供を助けて事故にあい、幽霊になってしまう。予定外の死に閻魔大王は、生き返るための試練として、人の心を映す霊界獣の卵をかえすことを命じるが…!

てつなべのじゃんしん
鉄鍋のジャン
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中華の名店「五番町飯店」に突如あらわれた秋山醤(ジャン)。中華の覇王と称された祖父から中華の真髄を叩き込まれたジャンは、弱冠16歳にして筋金入りの料理人だ。「料理は勝負だ」を身上とし、オーナーの孫娘、天才料理少女・キリコや、性根は最低だが舌だけは最高の料理評論家、大谷日堂などと料理勝負を繰り広げる!

勝つための料理を追求した男ジャン

もう28年前?の漫画のようですが、めっちゃ面白かった。 タイトルに記載したとおり、当時のグルメ漫画って『美味しんぼ』や『中華一番!』など、より美味しいものを競ったりや食べる相手を満足させるための要素が強かったと思うのですが、本作はそれらとは一線を画す。 中華料理界において偉大だった祖父の教えを叩き込まれ、とにかく料理とは勝負で、彼が追求するのは勝つための料理。 美味しいとかではなく、勝つためなら何でもするということ。 ここが他の料理漫画とは違う。 最初のうちこそ、祖父のライバルだった男の店「五番町飯店」へ修行にいき、祖父から仕込まれた料理の腕を発揮して、他の料理人を圧倒したり、時に挫折したり、といったオーソドックスな少年漫画的な展開なのですが・・・・ 1巻からすでに、マジックマッシュルームを使って審査員を撹乱させるようなこともはじめていきます。 他にも上げればキリがないのですが、特に最高なのが、若手料理人選手権大会の予選課題「チャーハン」の回の時。 火力がほしいからとガス管潰して自分のところに集中させたり、あげくスプリンクラーをまわして他の料理人のチャーハンを水浸しにするんです。(自分はラップまいて、さっさとその場から逃げる) 基本的に上記であげた料理漫画で出てきたら 「絶対悪役だったろ!」 と言わんばかりの悪行がでてきます・ 料理マンガのダークヒーロー的な存在。 顔つきもドンドン悪くなっていく(気がする) 料理=幸福を与えるもの というのが、ある意味定説になっていただけに、勝つためなら何でもする、主人公の潔さが斬新な作品でした。

六文銭
六文銭
さいきょうでんせつくろさわ
最強伝説 黒沢
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「オレが求めているのは……オレの、オレによる、オレだけの……感動だったはずだ……!!」――。うだつが上がらない中年男が、不器用ながらも様々な修羅場に奮闘して、男気ある人間へと成長していく人情コメディ。目標もなく働き続け、年齢を重ねてきた土木作業監督・黒沢(くろさわ)は、ふとしたことで自分の生き方に不安感を覚える。そして、誰にも祝福されず44歳の誕生日を過ごした孤独な黒沢は、人望が欲しいと強く願って……!?

ふじこえふふじおえすえふたんぺんぱーふぇくとばん
藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>
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あらすじ

藤子・F・不二雄のSF短編112話を全8巻に完全収録した“PERFECT版”が登場! 鋭い風刺精神を存分に発揮した「藤子美学の世界」にどっぷり浸かれる作品集! ある日突然、ある町のスーパーマーケットのむすめが、スーパーマンになってしまった。「女の子のくせに、えらいものになってくれたね」と嘆く両親だったが、町内会長がやって来て、「スーパーマンの店と大はやりになるだろう」と言ったことから、両親は大喜び。「がんばってスーパーマンをやりなさい」と言われるものの、むすめは何をしたらいいのかわからず……(第1話)。乗っていた惑星間航行ロケットが故障し、生き残ったのはオレ1人。水、食料ともに底をついたが、救助艇がくるのは23日後だという。やっとの思いで不時着した地球型の惑星。そこには低い段階ながらも文明があり、ミノアというかわい子ちゃんとも出会うことができた。ところが、その文明というのが実は……(第2話)。目次 第1話 スーパーさん 第2話 ミノタウロスの皿 第3話 ぼくのロボット 第4話 カイケツ小池さん 第5話 ボノム=底ぬけさん= 第6話 ドジ田ドジ郎の幸運 第7話 じじぬき 第8話 ヒョンヒョロ 第9話 自分会議 第10話 わが子・スーパーマン 第11話 気楽に殺ろうよ 第12話 アチタが見える 第13話 換身 第14話 劇画・オバQ 第15話 イヤなイヤなイヤな奴

だいちょうへんどらえもん
大長編ドラえもん
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あらすじ

●あらすじ●ドラえもんたち五人が活躍する愛と友情がいっぱいの大冒険物語。のび太が偶然発見した化石の卵から、小さな恐竜が生まれた!! 名まえはピー助。とてものび太になついたが、ピー助のことも考え、のび太とドラえもんは、ピー助の仲間がたくさんいた時代、約一億年前の白亜紀にピー助を帰すことにした。途中、謎の黒い男が現れ、ピー助をうばおうとするが、なんとか切りぬけ、ピー助を仲間たちのいる海に帰すことができた。しかし、数日後、のび太とドラえもんは謎の黒い男におそわれたときの銃撃によるタイムマシンの故障で、仲間たちが存在しない別の海にピー助を帰してしまったことを知る。二人はしずちゃん、スネ夫、ジャイアンたちといっしょに、故障中のタイムマシンに乗りこみ、ピー助のもとへと急行した!! はたして、のび太たちはピー助に会えるのか? そして、謎の黒い男の正体は? 大長編ドラえもんシリーズの記念すべき第1作!!

メジューサやギガゾンビやニムゲが本気で怖かったあの頃

『ドラえもん』の単行本セットを一式、幼馴染みの御母堂からいただいたことでマンガ人生が始まった私ですが、その中には『大長編ドラえもん』の単行本もありました。 そこからコロコロコミックでのリアルタイム連載を追っていた作品もありますが、『大長編ドラえもん』シリーズも本当に思い入れの深い作品です。 不思議と今でも特に強く思い出せるのは、各作品から与えられた「恐怖」の感情です。 『小宇宙戦争』での、『1984』のパロディである将軍の肖像の監視装置。 『魔界大冒険』で、タイムマシンで航行する亜空間の中すら追ってきて石にするメジューサ。 『海底鬼岩城』で海底の家を大王イカに攻撃される時。 『鉄人兵団』で地球を滅亡させてくる悪のロボットたちが、鏡の世界に気付いてこちらの世界に侵攻してくる時。 『パラレル西遊記』でおかしくなってしまった世界や人々。 『日本誕生』で割れても自動再生して襲ってくる土偶やギガゾンビ。 『アニマル惑星』に登場する得体の知れないニムゲや禁断の森。 今思うと何でそこまで、と思うのですがそれらすべてが心から恐ろしかったです。それらを経て日常の『ドラえもん』に帰った時の安心感は、非常に強いものでした。 しかしながら、ただ怖かっただけではなく怖さもありながら純粋に質の高いエンターテインメントとして楽しんでいたのも確かです。 描く題材が尽きないのかなと子供心に心配になったくらいにありとあらゆる場所へ冒険し、仲間と共に助け合いながら困難を乗り越えていくドラえもんとのび太たち。 『大魔境』のラストの展開などは子供心に大変興奮しました。『竜の騎士』でスネ夫が珍しく単独で見せ場を作る構成も好きでした。『ワンニャン時空伝』で一旦幕が閉じられた時は寂しさを覚えました。 『ドラえもん』があるから日本人はSFを難しいものではなく身近なものとして楽しめるという言説がありますが、私は『ドラえもん』によって物語の楽しみ方を沢山教わったと思います。

兎来栄寿
兎来栄寿

大長編の異色作「夢幻三剣士」

大長編ドラえもんのシリーズ14作目となる、三銃士をモチーフとした編。 > 夢はいいなあ・・・。 > 現実の世界はどうしてこんなにつらくきびしいのだろう・・・。 日々の現実がイヤになったのび太は、ドラえもんに懇願し、思い通りの夢を見ることができる道具「気ままに夢見る機」を未来デパートから取り寄せてもらう。自分の思うがままに夢を楽しむのび太だったが、現実世界に謎の使者トリホーが現れ、『夢幻三剣士』という夢カセットを見るようすすめられる。その夢の内容は、RPGゲームのような剣と魔法の世界だった。そこでは”ユメミル王国”を侵略しようとする妖霊大帝オドロームと戦うことになり…。 一見すると、小説『三銃士』を題材とした冒険活劇かと思いきや、一気にシリアスな流れへと変わってゆく。 この作品、他の大長編と特徴を比べてみると、かなり異色であることに気付かされます。 例えば、 ・夢の中が舞台なので、現実世界の動きがほとんど無い ・ジャイアンとスネ夫の影が薄い(のび太の夢の中に出てくる人格に過ぎない) ・しずかちゃん本人も夢の中の人格として現れる ・仮想世界でも死ぬと本当に死ぬ ・トリホーの目的、ラストシーンの意味が謎のまま終わる などなど。 非日常が日常を侵食する怖さ、みたいな不気味さは今までのシリーズでもありましたが、読み終えたときの拭い去れない違和感みたいなモノは、子どもの頃からずっと残っています。 此処ではないどこか違う世界へ行きたい、別世界で活躍してみたい、という願望は誰しもが抱くものですが、それを仮想現実という舞台で時代を先取って見せてくれたのが、この無限三銃士であると思います。 子ども向けとはいえ、現実と虚構の境界をまざまざ見せつけられたようで、その境界線とは何なのか?うなされるように悩んだことは忘れません。 ラストシーンを読み返すたびに、江戸川乱歩の「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」という言葉が浮かぶのでした。

ひさぴよ
ひさぴよ

のび太と鉄人兵団

私が初めて観たドラえもん映画、はじめて買ったドラえもんコミックス、新ドラに呼び戻してくれた作品、思い出いっぱいです。 大長編ドラえもんの中では、珍しいと思われる 「のび太たちの世界の直接の危機」 終始ミリタリー風味が感じられ、限られたリソースと鹵獲したザンダクロスでどのように鉄人兵団を迎え撃つか? ドラえもん作品と言うより、「ひとりぼっちの宇宙戦争」などのハードSF寄りな異色作では無いかと思っています。 敵である鉄人側にも彼らなりの正義で動いており、「ロボット奴隷を開放するために人間を労働力として使う、奴隷ロボットは幸せになれる」が、40年近くたっても刺さる内容です。 そしてゲストキャラクタであるリルルとしずかちゃんの交流もまた刺さる 「やっぱりほっとけないわ・・・。」刺さる ラストについては、藤子・F・不二雄先生自身「納得がいっていない」と何処かのあとがきに書かれていたと思います。(ソースは忘れしまいましたが・・・) 私は、あのラストには結構納得しており「藤子先生でも、ああする意外のび太たちを勝たせる術がなかったのだ」と思っています。 また、これは意見が別れるかもですが、 この作品は「原作漫画」「旧映画」「新映画」の3つのタイプで楽しむことができます。私的にどれが一番かと言うと、圧倒的に「新映画」となります。 原作・旧映画で薄かった、のび太サイドがキレイに補完されいるのが、原作主義派だった私に「ドラえもんと言うコンテンツが、藤子先生の手を離れた今でも、まだ生きているコンテツ」だという事を実感させてくれました。 好きすぎて映画館に毎週行っていた 「新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜」超名作だから観てくれ・・・頼む・・・

なかやま
なかやま