秋の夜長はやっぱりサスペンス、と思い立って探したらひっかかったのがこの作品。とでんか=とでん課=都伝課=都市伝説課って伝わりにくいタイトルだな、表紙も狙い過ぎ、と第一印象は良くなかったですが、ページをめくったら意外やこれがツボを突かれまくりでした。民俗学を専攻していたことがきっかけで都職員として働くことになった月極(つきぎわ)。しかしその職場は都市伝説問題を処理する課だった…という内容。冒頭から普通に出てくるのは口裂け女に人面犬、ダルマ男など伝説の怪人たち。そして起きる事件も怪人赤マント、リトルグリーンマン、神隠しといった新旧の都市伝説をモチーフにしたもの。さらに小ネタで噂の広がり方の実験や、都市伝説風の病気、謎の映像などを解説してくれる。その手の話が好きな人にはたまらないでしょ? しかも一見コメディタッチな構成ながら、裏サイトや戸籍売買などの情報を絡めてあるので、妙に納得できる話になっているのがニクい。毎日欠かさず東京スポーツを愛読している私にとって、ホント楽しく読める作品です。そのうちゴム人間も出るかな?
ヤンマガで漫画が始まった那須川選手は、なんと1998年生まれ。まだ21歳だったんですね…!存在感がありすぎてそんなに若かったのかと驚きました。 少年マンガ誌では昔から様々なスポーツ選手が漫画になっていますが、若干21歳にして半生が漫画化されるというのは異例ではないでしょうか。偉業とファンの絶大な支持があってこそ漫画化に繋がったのだろうなと、あらためて那須川選手のすごさを感じました。 第1話では、お母さんを探してお稽古を逃げ出してしまうほど泣き虫で、また才能の片鱗の見えない那須川選手。ここからどうやって「神童」へと成長していくのか、漫画らしい熱い描写を期待しています…! https://twitter.com/TeppenTenshin/status/1168375788690796545?s=20 https://yanmaga.jp/c/teppen
小学生のときに好きだった漫画!背の高い主人公せあらちゃんに憧れて毎日牛乳2リットルを真似して飲んだりしました笑 卒業文集の将来の夢は、身長163cm 笑! これもこの漫画の影響です! 叶わなかったけど!笑
祝・本格連載化! 超上手いのに独特な個性を感じる絵柄が印象的だったので読み切りとして掲載された第1話から気になってました。その時はせっかく前髪を切ったのにフラれたんでしたね。 第2話も面白かったです。しめりけ一家は前髪も名前も全員あんな感じなんですね。威厳あるおじいちゃんが目元を隠せと渡してきたのが手ボウキでセンスを感じました。今後そっくり過ぎるしめりけ兄妹ネタがあることを希望します!
目付きの悪い生意気そうな男の子が、子供の頃にお姉さんと約束した「私より大きくなったら結婚してあげる」を信じ続けるけど、お姉さんの身長高っ!!!という話。 絵もうまいし、構図も、表情選びもいい。ヤングマガジンのいい箸休め漫画になりそうな予感。 はじめはTwitterでバズった漫画なんだけど、結構手が入っていて、より読みやすく、物語に引き込まれる創りになってる。比較してみるのもオススメ! https://twitter.com/mifuyu23?lang=ja
近年、ややニッチな分野をテーマにした医療マンガが人気になりつつあります。ドラマ化された作品だけでも、病理医が主人公の「フラジャイル」、産婦人科が舞台の「透明なゆりかご」そして平成最後の月9ドラマとなった放射線科が舞台の「ラジエーションハウス」などなど…そして、"病院薬剤師"である葵みどりを主人公として描かれるのが今作です。 今作には、何でも解決できるようなスーパードクターも、私腹を肥やす倒すべき悪徳医師も登場しません。そのかわりに描かれるのは、主人公の葵先生を始めとした「患者さんのため」を想って日々の業務に携わる医療従事者達。彼女達は患者の「当たり前の毎日」を守るために日々の業務を遂行していきます。 そのため、この作品は従来の医療マンガとは少し異なった雰囲気を見せます。例えば、葵先生は主人公らしく熱血漢気味の性格なのですが、その熱血の心で突っ走るだけで問題を解決することは決してありません。突っ走りそうになるところを周りが諭したり影ながら支えたりして、気持ちだけでなく薬剤師としての知見をちゃんと駆使しながら解決を図ろうと奔走します。 また、主人公が医師ではなく薬剤師ということから、患者の生死に関わるような大きなイベントを常に扱ってはいないというのも特徴の1つです。あくまで日常の業務の中で、薬剤師として患者に接する中で直面する問題を描いており、他作品に比べてドラマチックな展開はないかもしれませんが、その分心構えをすることなく読むことができ、でもしっかり心に残るものがある作品となっています。 そして、私がこの作品の1番の魅力と感じている点が「チーム医療」を感じられる作品という点です。医療マンガ・医療ドラマといえば、スーパードクターが問題をバリバリ解決していく、もしくは悪徳医師が登場してそれを仮想敵として打倒していく、という作品が多いように思います。また、ドラマではナースが主人公の作品も多々ありますが、そのような作品も物語の舞台はナ―スステ―ションが中心で、他の医療従事者との接点が薄い作品が多い印象があります。でもこの作品は、仮に初出で性格の悪そうなキャラが出てきたとしても、それは敵対すべき存在ではなく、共に医療を作っていくチームの一員という描かれ方をします。そのため、意見が違った場合には、相手を論破するのではなく今後長く協力していくための"説得"もしくは"議論"するという様子が描かれます。実際、医師と薬剤師が治療方針について"議論"をしている様子を描いている作品はこれまでに殆どなかったのではないでしょうか。この作品は主人公の薬剤師だけでなく、医師、看護師、その他の医療従事者も含めて病院の全てのメンバーで"チーム医療"を支えている様子を垣間見ることができる、稀有な作品だと思います。 このように、色んな意味でこれまでにない医療マンガになりつつある、それがこの「アンサングシンデレラ」という作品だと思います。 2巻では"調剤薬局の薬剤師"という、同じ薬剤師でも特徴の異なる存在も描かれており、今後もたくさんの面から医療の現場が描かれることを期待しています。 2巻まで読了
新連載の第1話を読んだとき直感的に好きなやつだな―と感じたのでこれからが楽しみ。 1人だけで音楽さえあればよかった主人公はSNSを通じて世間と繋がっていくのか。 バズるのは彼にとってノイズでしかないのかどうか。
コミックス3巻で一応は一章一区切りっぽい。 エロティック群像劇みたいな触れ込みですが、性欲を持て余した既婚の大人たちが、各々の欲求とどう向き合い、その結果どう関係性が変わっていくのか、みたいなシリアスな話で大変興味深かったです。 変な宗教観・倫理観に囚われず「不倫」を当人たち同士の問題と割り切ったドライな世界観だからこそ、さらに一歩深く踏み込んだ内面まで描き出せているのではないかなと。 1話から登場する園芸店の男ムラタの印象的なセリフ「女は強いね」。これに「夫を噛む」で作者がやりたかったことが端的に表れてる気がしました。弱さの中に隠れた強さ。どうしても他者に頼るしかできない「弱い」女性が複数登場しますが、ふとしたきっかけで人は強くなれるし変われるのだという前向きさを感じました(作中強くなれなかった人もいましたが…笑)
Amazonで偶然見かけてジャケ買いした作品だったのですが、表紙通り可愛らしい素敵な作品でした…!まさかフルカラーだとは読むまで知りませんでした。 http://webcomic.ohtabooks.com/soda-water/ 海辺の街に住む住む女の子・リサは、海岸で拾ったガラスのバイオリンを弾いたり、友達のもな子ちゃんと灯台に遊びに行ったり毎日楽しく過ごしています。そしてリサの周りではいつも、パラソルで旅をする少年が訪れたり、灯台が歩き出したと…不思議な出来事が起こるんです。 エーゲ海の白い街のような美しい町並みと、優しくて幻想的で不思議なお話。ページを隅から隅まで舐めるようにして何度も読みたいし、永遠に読んでいられます。 電子で購入しましたが紙でも書い直したいくらいほど良かったです…! 藤子・F・不二雄、星新一、九井諒子の描くSF(すこしふしぎ)なお話が好きな人は絶対気に入る作品です。優しくて綺麗なものが見たくなったときに、「8月のソーダ水」おすすめです…! https://i.imgur.com/HX5IFmx.jpg
※ネタバレを含むクチコミです。
『僕たちがやりました』『ヤンキー塾へ行く』の荒木光先生の新連載! これ絶対面白くなるでしょ!っていう雰囲気がビンビン伝わってくる! 秋葉原駅での強烈で謎な殺戮現場を目撃し、ターゲットのあとを追うケンジ。 場面はそこから1年前に戻り、幼馴染やケンジの日常を何かが少しずつ浸食していく様子を描いていく。 悪魔、能力、バトルものかな。 まだ現時点で出てる2話までしか読んでないけど、情報量が多いのにギュッと読みやすくていい。 日常の描き方が抜群すぎる。 画面の見やすさと、表情のリアルさ、感情のエグり方はやっぱりさすが。 ちょっと若くてエロい友達の母ちゃんとか、ちょっと元気ないヒマワリの意味深さ、ちょっとかわいくてエロい女の子の安さ、ヤンキーの嘘みたいなほんとみたいな画面の緊張感、ゲロ、最高! 自分の体が自分じゃなくなっていくような変貌の過程で哀しみと絶望とがないまぜになるようなあれって大好きなので今後が楽しみ。 試し読み→http://shonen-sirius.com/series/sirius/raisinghell/
主人公の忍は、これからどうしていくのかな。 正直、年上女性と年下男子のよくある恋物語かなと思っていたら、意外に奥が深かった。 アシスタントの男の子の過去も明らかになっていましたが、闇が深そうな印象。 しかしながら、この物語の1番の被害者は何も知らない息子(5巻あたり、少し勘付いているのかな)ではないかと勝手ながら思った。
妻に離婚を切り出された中年が久しぶりの風俗でスッキリしようと思っていたら、ひょんなことから高校時代(80年代)にタイムスリップしてしまった…という話。 いじめられていたとかではないが思い残すことの多かった高校時代を、ある種中年の吹っ切れによってちょっと楽しくやり直している。その中でも、のちに結婚することになる妻と、あとはクラスの美人な女の子の間で少し恋心が揺れていたりする。 人生をやり直し、恋もするっていうタイムスリップものの王道ストーリーながら 80年代ならではの文化とか空気感がいい味付けをしている。最終的にはきっと現在に戻ったりするんだろうけど、その糸口もまだ見えないし、とりあえず恋の行方を見守りたい、第一巻だった。
西野ナントカみたいな、あるいはHoneyW〇rksみたいな、J‐POPの歌詞をそのまんま漫画にしたようなラブコメという印象。とはいえこの作品を人気足らしめているのは作者の頭の回転の良さを感じさせるバランス感覚のよさとコミュニケーションの妙なのかなと思います。 もちろん先輩と主人公の可愛さと、ゆるくのんびりとした空気が一番の売りだと思われますし、卓越してると思います。少女漫画でもこれくらい絵が上手い方が、表情も動きも豊かでいろんなシチュエーションが映えますね。
道を歩けば天狗と挨拶、友達の家では飼い猫が猫又に!クラスにも先生にも妖怪がいっぱい! ……この作品世界では、妖怪と人は価値観を共有し、一つの社会を構成する。新たな妖怪を受容する法整備もなされ、さらに人と妖怪が交わり、家族を成す事もある。 一方、しばし起こる、不可解で危険な災厄には、力のある者が対処し、その者を皆でサポートする。 日常から非常時まで、人も妖怪も隔てなく助け合い、笑い合う優しい世界線は「怪異物」作品の常識をあっさりと越えてくる。 妖怪達の産まれ方は様々。神に魂を吹き込まれたり、人の言霊が集まったり、彷徨う虚無が意識を持ったり……。 いつの間にか産まれた妖怪達は、存在理由に悩む。自分が何故生まれ、どう生きたいか、というところまで掘り下げて、大小様々な「自分探し」の物語が語られる。 人間だって、大体何となく、産まれてくる。自分探しに思い当たる人なら、妖怪達の悩み方に、思わず己を重ねてしまうだろう。 そして、迷いを経て辿り着く、妖怪達一人ひとりの晴れやかな決着を、周囲の人や妖怪と共に祝福する気持ちになれるのだ。 静岡県遠州地域の自然・風物と、妖怪の怖くない造形の、素朴なイラストレーションは、児童書の挿絵のような温かさ。ごく当たり前に互いに関わり、想いを寄せる妖怪達と人間達の優しい物語を、じんわりと味わいたい。
"鬼の愛染"の異名を持つ日文組の若頭・愛染恭司。彼が一目惚れしたホステス・幸善子に「俺の女になれ」と詰め寄ったところ、幸善子は愛染にビンタして一言「お断りよ!わたし、"こいまん"みたいな恋がしたいので!」 "こいまん"とは今巷で大人気の少女マンガ「友達以上恋人未満」のこと。この日から幸善子"こいまん"みたいな恋に落ちさせるため、"こいまん"ファンの舎弟・ヤスの協力を得ながら"こいまん"の作中シーンを再現しようとする愛染の日々が始まった…という作品。 愛染のほうは幸善子を好きな気持ちに偽りはないものの、ヤクザらしく暴力で問題を解決しようとしたり心のなかでは欲望丸出しだったりと、少女マンガとは似ても似つかない人物。 一方の幸善子は普通の女の子かと思いきや、頭の中をかなり"こいまん"に侵されているのか、わりかし普段どおりのヤクザっぽい振る舞いをしている愛染に"こいまん"の主人公の姿を勝手に重ねて勝手に胸キュンしていく。最初に愛染をビンタした勢いはどこへ行ったのか、ただただちょろい。 そんな噛み合わない2人の関係が絶妙なご都合設定を駆使して上手く回っていく様子にはニヤニヤが止まらない。 そして、愛染を始めとした彫りの深い顔面の作画と"こいまん"のベタな少女マンガ展開とのギャップ、そしてそれが(主に幸善子の脳内で)重なり合うというアンマッチな感じが最高に面白い。舎弟のヤスや日文組組長・権三郎、幸善子とSNSで繋がった"こいまん"ファンの女子高生・康江と、サブキャラクターもおしなべて味付けが濃くていい感じ。雰囲気は「ヒナまつり」や「Back Street Girls」に近いので、このあたりのコメディ作品が好きな方にはオススメ。 しかしこうやって並べてみると"ヤクザ"と"コメディ"って案外相性が良いみたいですねw 1巻まで読了
不定期連載?なのでゆっくり進んでいる。 親同士の再婚で年頃の子供達がひとつ屋根の下でなんやかんや。志村貴子の漫画でこういうコマは初めて見たかも。笑
圧巻のSFダークファンタジー巨編。 バンドデシネ好きや、松本大洋、大友克洋、寺田克也、弐瓶勉、宮崎駿、鶴田謙二、ドロヘドロが好きな人には特に響きそうな構図のダイナミックさ、話の壮大さ、絵の緻密さ、気持ちの良いシーンや動きがあって素晴らしい。 その系譜に連なる凄味がある。 これは紙で買ってよかった。 装丁もいいし大型本で万歳! 先日、サイン会があったらしいが行けなかったのが悔やまれる。 冒頭に出てくるアリスとヘビと番号とドア。 ページをめくるたびにいろんな世界を見せてくれる。 中盤までのそれぞれの欲望を描くのも悪夢のようで不気味で良かったが、中盤以降の加速度的に変わっていく展開にはどんどん前のめりになって読んでしまった。 少しずつ世界の仕組みや謎が解かれていくポイントも気持ちよく、いいラストだった。 この単行本自体、鈍器になりそうな重さがあるがこのマンガのテーマとも合っていて、それでこそという感じ。 いろんな人に知ってほしい一作。
面白かった
新年の少年ジャンプ2020年6・7合併号に載ってた4コマが2本立てで載ってた(「頼もしい初夢」と「何も問題ない」) いやあ、ワニ先生4コマを描かせても上手いねぇ・・・。 本編で深刻な展開が続いてるだけに、こういうコミカルな4コマが読めるのホッとする。 無惨様と玉壺さんのパワハラネタが面白すぎるので今後シリーズ化してくれないかな〜
本作の主軸となる自衛艦「みらい」は、自衛隊活動としてエクアドルへの遠征の途中で突如タイムスリップ。1942年のミッドウェー海戦のど真ん中にいきなり飛ばされてしまう。 自衛艦っていうのは自衛隊員が乗っているわけなのだが、"自衛隊"を本当の意味で理解していなかったなと深く考えさせられる本作。 同じくかわぐちかいじ著書の超名作「沈黙の艦隊」の主人公:海江田四郎のようにゴリゴリのカリスマが率いるのかと思いきや、自衛隊員としての葛藤を全員が抱えているため割と登場人物が強め。 ちなみに歴史上の実在の人物たちも多く登場している。 「やってみせ言って聞かせてさせてみて~」の山本五十六ぐらいしか私はすぐにわからなかったけど、当時の"大日本帝国"がそのまま存在する設定なので「艦これ」とか好きな人はたまらないのではないだろうか。 私は戦艦も戦争も本当に全く知らなかったけど、それでもストーリーを追っていくだけで考えさせられるシーンが多々あり、感心しながら読み続けられた。長いけど。 読後にWikipediaとかブログとかを探してみたけどやっぱりかなり熟考されてる方がいるようで、実際の史実との差異であったり細かな指摘はあるもののみんなジパング大好きだなーっていうのはよくわかった。 絵がリアルで大人向け感強く見えるかもしれないけどめちゃくちゃ難しい話だけということでもなく、画力と雰囲気とテンポの良さによってかわぐちかいじという稀代の漫画家の実力を知ることが出来る素晴らしい作品だと思う。 かわぐちかいじ先生はきっと若い世代の人たちからすると「沈黙の艦隊」や「太陽の黙示録」「イーグル」そしてこの「ジパング」と戦争や政治ものを描く漫画家というイメージなんじゃないだろーか。 最近はたしかにそんな感じだけど「アクター」とか「ハード&ルーズ」とかみたいな時代の色が強く反映されている作品も多く、こっちの方が個人的に推しだったりもするので是非もっと若い人たちにも読んでいただきたい。 政治とか戦争とかとっつきにくいと思うし(私はそう)
親の再婚で姉弟になる、亜麻音と直耶。きょうだいに過度な期待を抱く二人だったが……「思ってたのと違う!」初対面の異性と同じ屋根の下で過ごすドキドキと、家族としての距離感の双方を往き来する、悩める高校二年生の物語。 ----- 思春期の二人にとって、同い年の異性と「姉弟になる」は一大事。相手の呼び方ひとつとっても、なかなか前進せず、二話も話が作れてしまう。 二人は基本いい子なので、家族になろうと努力しつつも、相手を異性として意識する心に悩み、ジタバタする。 姉弟として時を共有し、互いの優しさを知り、家族としての信頼を深めるにつれて、却って相手への「別の」感情も募らせてしまう様が切ない。 この二人のままならなさに、亜麻音の親友・郁乃も加わり、事態は複雑になる。 亜麻音の隣は自分のものと思っていた郁乃。どんなに「親友」を積み重ねても、ポッと現れた男に一瞬で攫われてしまうことに、思い至った時……。 それぞれの苦悩が、二巻までで一通り提示され、振り回す亜麻音に、大人しく振り回される直耶という構図も定着して、安定の面白さ。 ここまで純粋に、恋愛未満のドキドキだけで構成されている作品も、最近では珍しいのでは? 初々しいラブが足りない、とお悩みのあなたに、今イチオシの作品だ。 三巻は2019年12月26日発売。ハマるのは今からでも、遅くない!
とっても懐かしくて、心躍る気持ちで読んでしまうし、こんなに時が経っても色褪せない作品だと思う! スマホもないから翠が家の前でアキラのことを考えながら、時にネガティブな気持ちになりながら待ってて会えた瞬間の高揚感とか、今の時代こんな気持ちや場面に遭遇鬼龍駿河ことあるのかなー。って考えたり。 年数が経ってるからこその読み応えを感じられて、楽しかった!
ヒグマは日本に生息する哺乳類の中で最大にして最強。 体重が300kgを超える固体もいる。 一振りで人の首の骨ぐらい簡単にへし折れる腕を持ち、 しかもその腕の先には巨大な爪をも持つ。 人の頭など噛み砕く牙も持つ。 巨体でありながら時速80kmで走れる足腰も持ち、 犬の数倍とも言われる臭覚も持つ。 爪を使って木にも登れる能力すら持つ。 人間が戦って勝てるわけがなく、逃げることすら不可能。 しかし一度、人肉を喰らい人間の味を覚えたヒグマは、 ひたすら人間を襲い、食うようになる。 北海道の奥地、絶滅危惧種のシマフクロウが生息する森林。 電話などの通信手段も車などの移動手段もない、 大学の研究施設のプレハブ小屋に、7人の男女。 外には巨大で既に人肉を喰らったヒグマ。 逃げようにも篭城しようにも戦おうにも、 あまりにも何もかもが足りない。 それまでは絶滅危惧種鳥獣を笑って密猟していた男が、 散弾銃など全く効かないヒグマに引き裂かれ苦痛にのたうつ。 それまで「自分の死で自然が守られるなら本望」 とまで言っていた動物学者が、生きたまま食われて悲鳴を上げる。 我が娘だけは命にかえても守ると決意した母の前で、 強大な爪と牙が娘の体にくい込む、宙に舞う。 人間たちの心の中で、生きたい、死にたくないと 明滅する希望と絶望を、 ヒグマが森が雪が、そして互いの心の中の闇が飲み込んでいく。
生理ちゃんかわいい。 性欲くんと童貞くんのゲスさも好き。 1冊まるまる彼らの作品を読みたいぐらい。 出てくるキャラクターがゆるかわで線が好き。 2巻「小学生と生理ちゃん」 分けられてしまった道がまた交わって、理解し合えればいいなと思った。 いじめや不妊、「人様に迷惑かけない」という呪縛についてや、「わたし」について、生理を交えながらも広いテーマをも含んでいて、読んだあとすこし心が軽くなる。 共感するところも多い。
一見小難しそうな本かと思いきや、親、同僚、パートナーとの対人関係がちょっぴりうまくいかない男女の「あるある」な日常を切り取った作品! 軽度の対人恐怖症でグループセラピーを受けている6人の男女。 対人恐怖症とあるが、ちょっと他人との対話がうまくいかないという感じで、誰にでも共感できる内容。 対話が途切れてしまったときに生まれる気まずい間とか、描き方がまた秀逸なのだ! 表紙だけ見るとマンガというより専門書のような難しそうな本に見えるが、ぜひお手にとって読んでほしい。淡々と、でもしっかりと、人間関係の細やかな機微が描かれている!
「小説家になろう発」と聞いただけで「ああ、自分の趣味嗜好の外だな」と思ってしまう方もいることでしょう。 しかし、この『最果てのパラディン』はなろうのメインストリームとは一線を画す純然たる素晴らしい王道ファンタジーです。このご時世には珍しく美少女の一人も出てきません。そして主人公もチート的な能力で無双する訳ではなく、世界の理の中で苦渋を舐めながら研鑽し葛藤し成長して行きます。 とりわけ個人的に好きなのは、最新の3巻で描かれる不死者たちによる疑似家族の絆です。一つ一つのセリフに重みを持たせて紡いだ上でのあのシーンには思わず目頭が熱くなりました。 世界観の設定による昂揚もありそれを描く奥橋睦さんの絵も非常に良く、続きが待ち遠しくなりこの世界に浸っている時間を幸せに思える作品です。ファンタジー好きの方にはぜひ手に取ってみて欲しいです。
「これを読んで人生が変わった」と言っている人がいたので気になってた作品。初めて読む三宅乱丈作品としてもオススメできると思います。 人間の記憶には「ヤマ」と「タニ」がある。その人を支え続ける記憶が作った「ヤマ」と呼ばれる場所と、その人を痛め続ける記憶が作った「タニ」と呼ばれる場所。他人の脳内に潜り込み、この二つの場所を操作する能力を持つ者は「ペット」と呼ばれ、彼らの力は組織によって悪用されていた。 ペットになれるのは現実社会に適応できないようなヤマもタニも持たない子供達で、その素質を見抜けるのはペットとしての能力を持つ者だけであり、自分のヤマを共有するので絆は深くなり、親子のような関係でもある。 ヤマとタニというオリジナルな発想も、ペット同士の複雑な人間関係や心理描写も、めちゃくちゃ面白くて夢中で読んでしまう。2020年1月からアニメも放送されるので楽しみにしている。
美味しいものは美味しい!そうでもないものにはそうでもない反応をする(なら美味しくなるにはどうするかを考える)、とても等身大で親近感がわくエッセイでした。今まで読んだ食エッセイ漫画の中でいちばん好きかもしれません。 大げさに表情だけで美味しさを表現する漫画よりも、リアルな生活感が伝わってきて好印象です。 スケラッコさんは「自分で作る」ことにこだわりがあるようで、食べたいと思った時に食べたいのもを作る!という率直な行動は憧れるのですが、ブリトーやピザを生地から自作したり、小豆を炊いてあんこを作ったりとなかなか真似するにはハードル高いぞというものもあります。 ただコンビニのブリトーにハマってた時期は自分にもあったので、一話目から共感指数がすごい高かった。笑 料理という行為が、必要に迫られてするものではなく自分の欲を満たす手段というか、好きな時に好きなものを…という気持ちの良い素直さの先にあるんだなと読んでて思いました。自分は特に、料理は年に数回しかしないもののストレス発散になるのですが、この漫画を読んでいると自分は料理してないのになんだかストレスが軽くなるような気がします。 あくまでも姿をしょうゆさしで描いているだけなので、手巻き寿司の回で醤油を忘れてしまい、買いに行っている姿は矛盾してるんだかしてないんだかわからず、シュールでした。
平成3年生まれですが初めて夢中になった漫画はあさりちゃんだと記憶しております。冬になると親にスキー教室に入れられて毎週日曜日は雪山に通っていたのですが、行きたくなくてゴネてたら1回行くごとにあさりちゃんを2冊買ってもらえるようになりました。凍えて帰ってきてこたつで読むのが至福の時間でしたね。今でもクッキーを食べる時は心の中で「クッキッキ…」とつぶやいています。あと貯金が趣味のタタミお姉ちゃんがピン札は使わずに取っておくと言ってたので真似してます。大きくなるにつれて徐々にあさりちゃんを読まなくなりましたが、100巻で完結した時は感慨深かったです。さみしいというより、こんなに続くと思わなかった!うれしい!おめでとう!という気持ちが強いです。読んで子供に戻れる作品といえば自分にとってこれしかないと思います。
連載の途中から読み始めましたが終盤近くのあまりの急展開に驚き、第1話から読んでみたら「全てがつながっている」事実にまた驚かされました。とんでもない作品です。 笑いたい人、驚きたい人、 新しいギャグ漫画に出会いたい人 にぜひ読んでほしい。 高い画力による常に安定した作画、キレッキレのネーム(台詞等)、もはやクオリティの暴力。作者さんの天才を通り越しもはや変態的にも思えるほどの含蓄深さに殴られるような感覚です。 画面における文字の割合はそこそこ多めにも関わらず、これほど無理なくすんなりと読ませてくるものはなかなか他ではお目にかかれないと思います。 おすすめです。
世界の古典や民話をモチーフにした全4話の短編集。 「いまさら面白くもなんともない…」と思われがちな古典作品を、 漫画界のストーリーテラー・戸田誠二(←私が勝手に呼んでる)が、現代にも通じるヒューマンドラマとして鮮やかに生まれ変わらせています。 <収録作> ロシア民話 『大きなかぶ』 李氏朝鮮の古典 『春香伝』 アイヌ民話 『金の刀』 中国の古典 『化けの皮』 奥付によると、2002年から2003年にかけ「まんがグリム童話」シリーズに掲載された読切とのこと。 グリム童話を集めた短編集「唄う骨」も別にありますので、興味のある方はそちらも是非。 どの話も出色の出来ですが、やはり表題作『化けの皮』がすばらしいです。 原典は蒲松齢の「聊斎志異」。 道教の思想に基づく、独特の世界観のある作品です。 読者が想像もつかないような展開が多く、非常に絵に落としにくい場面をマンガにするのは物凄い想像力が必要だと思うのです。
林田球でこの絵柄だからかっこよくてハードボイルドみたいな感じの漫画かな、と思ってしまった しかし読むと… 可愛い!!!??? これもうよつばと!では!!?? この絵柄で可愛いコマもあれば、かっこいいシーンはちゃんとかっこいい 死ま田めちゃくちゃかっこいい!!
で、おなじみの山手線。読み方は「やまてせん」か「やまのてせん」か、どちらが正しいのか?なんて知識はネットで検索すれば一発で分かるでしょうが、この漫画を読めばより身近なものとして感じられるかと。 山手線の全29駅を舞台に、駅と同じ数の29話のエピソードが入っており、1駅1話、駅にまつわる小さなドラマが、鉄道トリビアを交えて描かれます。 時代背景は昭和30年代でちょうど戦後10年経った頃。 当時の山手線を利用していた人達が、さらに過去を振り返る視点というのが、読んでいて何とも不思議な感覚を与えてくれます。 単にノスタルジックな鉄道漫画というだけでなく、苦い戦争の記憶と向き合うエピソードも少なくないのですが、物語の水先案内人・山野照美の性格が明るいので、読後に悲壮感はそこまでなく。ただ、駅にも戦争の記憶が深く刻まれていたのだ、という事は覚えておきたいです。 ちなみに山野照美のお兄さんが、山手線の運転士でして、二人の屈託のない仲の良さも見所の一つです。山野兄妹は、作品通してホント良い働きしてました。
第一話に「この本は事実に基づいたフィクションです」 と書いてある。 このフレーズを掲げる作品は危険だと思っている。 「ようするにフィクションだよね」 という話になりがちだから。 「手打ち風うどん」「本場風中華」 みたいなやつになりがち、とどまりがち。 それで面白い作品(例としてあげれば梶原一騎先生の作品) になっているならよいけれども、 たいして面白くもない、という作品も多い。 「水族館で働くことになりました」は 事実に基づいたフィクションという描き方を 最適に活用した面白い良作品だと思う。 別の言い方をすれば、 わざわざこのフレーズを書かなくても済ませられた かもしれないが、正直にあえて書いて、 そしてそれが正しかった漫画だと思う。 ノンフィクションには「真実という価値」があるが 真実には過激だったり不快だったりする面が 含まれていることもある。 そこを除外したり脚色すれば、 ノンフィクションという価値は 下がるか無くなってしまう。 水族館の仕事も、真実を忠実に描こうとすれば もっと肉体的にも精神的にもキツイ面を 描かざるを得なくなると思う。 早出・遅番・宿直のつらさ、衛生面や匂い、 怪我や病気や、潜水仕事などでの命の危険。 そして何より命を預かっているという重圧。 だがそれをノンフィクションで忠実に描くことは 水族館側が望むことでは無いと思う。 お客様には、生き物を飼育することが大変だと 知ってもらいたい面もあるだろうと思うが、 知ってしまったら、単純に楽しむことが 出来なくなるかも知れず、それは水族館としては 避けたいことだろう。 そこに配慮して「水族館で・・」は 事実に基づいたフィクションということで 上手く、そして面白くて、良い意味で 水族館側が望んでいる漫画にしていると思う。 その点で、日高トモキチ先生は凄く上手い。 主人公が活き活きと明るく仕事をしている。 大変なんだろうな、と適度には思わせながら。 読んでいるほうとしてはホノボノする感じを受ける。 愛嬌のあるキャラの仕草やセリフで。 そういったいかにも漫画的な手法で。 読んだら水族館は楽しいところだなと感じ、 飼育員さん大変だけれど頑張ってね、と思うようになる、 事実に基づいたフィクションだからこその とても面白いと感じる、お仕事エッセイ漫画だった。
超お堅い課長が仕切る経理課に、明るいギャルが入ってきて課長を翻弄するギャグ読み切り。真面目人間とチャラいギャルの組み合わせはテッパンですね!永遠に見てられる…
恋愛マンガで数学となると、何事も理屈で考える人間が答えのない恋愛に振り回される話と予想はつきそうなもの。まぁそれで大体合ってるんだけど、意外と出てくる数学のモチーフや小ネタが本格的で面白かった。 「2人は平行線なので交わることはない」は双曲幾何学では否定されるので、数学好きはこれを見た瞬間フラグだなと思うはず。あとはどうやってそれが回収されるかなんだけど、これがめちゃくちゃロマンティックで溶けてしまいそうになる。
今日発売のイブニングに読切掲載されてました! 連載はあまりちゃんと読んでなかったんですが(なにせ離乳食と縁のない生活なので…)読切読んだら面白かったので単行本買おうかなと思いました。 かよちゃんと小早川くんの関係その後が気になる人は読んだほうがいいかも? しかし単行本の表紙、育児書に寄せてきましたね!笑 内容考えれば当然なんですけども漫画のクチコミサイトにあるのはちょっと違和感あります。 離乳食の本って大きめが多いイメージだけど判型どのくらいなんだろうか? 書店で手にとっていいなと思う人たくさんいると思いますが、実用的な面で考えると結局はカラーの写真入りがわかりやすいと思う(そんなこと私が気にしてもしょうもないが)。 実際に読んで作ってみた人のクチコミが読みたいな〜
極道から主夫になった主人公のドタバタ奮闘っぷりに癒されながら笑わされちゃいます! ど天然の主夫ヤクザにツッコミながら読んでたらあっという間に1冊読み終わっちゃった!
週刊マンバ通信?でちょっと気になったので読んだら面白くて悔しい。 異世界モノなんてもう読みたくないのに…面白いよ… イケメン眼鏡(おっさん)+金髪幼女(おっさん)。かぐや様は告らせたいに通じるものがすこしあるような気がする。そして、(おっさん)とは言うものの、30代のイケメンとフツメンだからBLとしてのポテンシャルを十分秘めていると思うとすごい人気でそう。
アナログな少女漫画家のタムコと、高校時代の友人沙耶、同じく友人で新しくタムコの担当編集者になった美衣子の3人。 高校時代にはまった「ハイスクールダイアリーズ」という少女漫画のそれぞれの推しキャラにそっくりの男性が現れて…といういかにも少女漫画な展開だが、 3人とももう30歳。現実がなにかを知っている分どこか冷静に俯瞰してしまい、いまのところラブコメ展開は起きない。 少女漫画にハマりすぎて恋愛経験がほぼないタムコと、 同棲予定だった彼に自らの裏切り行為によりフラれる沙耶、 一見家庭円満に思えるが、意外とストレスフルな生活を送っている美衣子。 自分にとっての幸せとはなにかを見つめながら、今までにない目線と切り口でアラサー女子たちの悲喜交交を見せてくれそうな期待の新連載。 1巻ではタムコと美衣子の仲がもとに戻ったかなと見せかけて、最後に「こ、これは…!!」という終わり方をしてくれちゃって続きが気になってしかたない!!
格闘技を習ってたせいで戦闘力だけは高い、でも見た目性格諸々は可愛らしい主人公・小高峯さんのキャラクターがこれまでになく新鮮。お相手の芹沢くんの天然人たらしだけど誠意があって嫌味のない感じも良い。 小高峯さんのキャラは女の子らしさを求める旧来の少女マンガの主人公っぽい感じ。一方の芹沢くんも校内での扱われ方は少女マンガのイケメンらしい感じ。でもお互いどこか考え方がズレていて、それに小高峯さんの格闘技設定が加わって上手く噛み合ってる。男女問わず万人に薦められるラブコメ。
2017年にPixivで読んで衝撃を受けたハチャメチャにすごいやつ。まず絵がとても良いんですよ。生々しさと繊細さの両方を兼ね備えた画風、心の動きを見事に描写する美しいコマ割り、そして2人のコミカルな部分を表現するのにピッタリな独特のデフォルメ。最高すぎます。 そしてなにより**2人の人物像がすごく解像度が高いのが、良い。** 主人公の月島一騎(いっき)と先輩の唐木田透真はともに美術講師を努めるクリエイター。いっきは「誰かを好きになるけど性欲は一切ない人」。唐木田は「自分を好きになってくれた人の気持ちに応える人」。 どんなファッションが好きとか、お互いのいないところでどんな風に振る舞っているのかとか。**読み進めていくうちに2人のことが実写映画のようにハッキリ見えてきて、存在感が本当にすごい。** https://i.imgur.com/ln6cZ2P.png (『初恋、カタルシス。』鳩川ぬこ) 出会い、破局、交際…1年にわたりいろいろな場面での2人のやりとりを追っていくことで、大長編を読んだような充実感があります。 この作品は起承転結のストーリーがある物語ではありません。2人が壁を乗り越えたり、何かを手に入れたりという大きなゴールがない。そしてそれが、この物語の最大の魅力だなと思います。 **2人の日常をただ切り取って、絵と文章で丁寧に心の動きを追っていく。**あまりにも良すぎる…最高です。 そして**「まず恋愛をすることに焦点があって、それを語るうえでいっきのノンセクシャルの部分について言及が必要不可欠」**…という話の構図が作品を洗練されたものにしていると思います。** https://i.imgur.com/wscQM9W.png (『初恋、カタルシス。』鳩川ぬこ 「この部屋物が多くてバカみたいだ」っていうセリフは悲しみの底にいる人にしか出てこない素晴らしいセリフだと思います) 「本屋でどの本棚に置くか」と言われればBLなんだろうけど、一つの恋愛漫画としていろんな人に読んでみてほしい作品です。 https://www.pixiv.net/en/artworks/66054688 https://manba.co.jp/boards/111584 【おわりに】 「フィクションであっても正しく(理想的・模範的)に描かれるべき」という当事者の方の主張について意見することは避けますが、私は「初恋、カタルシス。」の描く現実的な不完全さ(唐木田の無理解・性暴力の強要)を理解したうえで大好きです。
国民にとって利便性を重視した施設や建造物ばかりが増える中、その存在自体を国民の手で守ってゆくべき新たなシンボルが必要であると考え、江戸城の再建を計画する男、堀川。 しかも当時と同じ完全木造建築として!ロマンがある!! 主人公は決して行き当たりばったりの夢みたいな話をしているのではなく、経済効果や建築技術の継承、日本の伝統に対する国民の意識向上など多方面から鑑みて、現実的かつ日本に必要不可欠な計画であると考えている。 しかしせっかくの歴史的建造物の再建、ただの観光スポットに成り下がるわけにはいかないが、主人公がいう「国民自身が守る」という意識を共有させるのは相当ハードルが高いように思う。 一話目の後ろに掲載のコラムも興味深い。江戸城があっての今の東京なんだとびっくり。 正直、城に関わる日本の歴史にほとんど関心がない自分だが、もし本当に東京に江戸城が…と考えるとワクワクする!
コテリ先生のVeilを買いに久々に本屋に行って見つけたのがこの作品。あまりにも表紙の雰囲気が良すぎて読む前からすごく期待していたのですが、その期待に200%応える最高のやつでした。 https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/301208/d84f9ae2-0d12-4fb4-a70b-f9d362622d12.jpg まるで小説や映画のようなゆったりとしたテンポで二人の日常が進んでいき、じっくり2人のいる世界を味わうことができるのがとにかくいい…! そしてさらに、そのゆったりした物語が、スッキリとした細い線で描かれる繊細な絵とマッチしているのが最高。時折2人の顔が「簡単な顔」になるのだけれど、それが古き良きの少女漫画のデフォルメみたいで可愛くてホッとします。 https://i.imgur.com/9qOsRho.png (『月とすっぴん』アケガタユウ 「しほに電話できるから外回り大好き!」と言うアカリちゃんの尊さよ…!) **最初のエピソードを読むだけで、「ああ、2人はこういう子たちで、いつもこのぐらいのリズムと距離感で付き合っているんだな」というのがビンビン伝わってくるのが、んも〜〜〜っ!すごくいい…!** しほのことが好きで好きで、それを全身でアピールするアカリ。そっけなくて口数は少ないけど、アカリのことをちゃんと想ってるしほ。 はあああああ、尊ぇ〜〜〜…すご…。 個人的には、アカリちゃんがしほのことをメッチャ深く理解しているところに最高に愛を感じます。 1話でしほはアカリちゃんがウキウキ楽しみにしているデートに寝坊してくる(※当然のようにお洒落しないですっぴん)のですが、アカリはそのことを責めない。 ちゃんと「しほちゃんはそういう人だから」と、ありのまま受け入れている。**相手を自分に合わせて変えようとしないところがもう、愛。** とにかく読んで良かった。2019年の締めにこれが読めて本当に良かった…!今は「こんなに良いものを描いてこの世に送り出してくださり誠にありがとうございます」という、感謝の気持ちでいっぱいです。 優しい世界に触れたくなったらとき、ぜひ本作を手にとってみて下さい。 https://twitter.com/akegatayu/status/1204612716704325633?s=20 https://manba.co.jp/boards/113866
どことなく小西明日翔とか市川春子とかっぽくて、マガジンよりもっと大人っぽい感じの画風が好き 「平凡な主人公が女優のヒロインを誰にもバレずに教室に連れて行く」だけの、平凡で王道なストーリーなんだけど、絵柄は「少年誌らしくないデフォルメと塗り」というギャップが面白かった。
秋の夜長はやっぱりサスペンス、と思い立って探したらひっかかったのがこの作品。とでんか=とでん課=都伝課=都市伝説課って伝わりにくいタイトルだな、表紙も狙い過ぎ、と第一印象は良くなかったですが、ページをめくったら意外やこれがツボを突かれまくりでした。民俗学を専攻していたことがきっかけで都職員として働くことになった月極(つきぎわ)。しかしその職場は都市伝説問題を処理する課だった…という内容。冒頭から普通に出てくるのは口裂け女に人面犬、ダルマ男など伝説の怪人たち。そして起きる事件も怪人赤マント、リトルグリーンマン、神隠しといった新旧の都市伝説をモチーフにしたもの。さらに小ネタで噂の広がり方の実験や、都市伝説風の病気、謎の映像などを解説してくれる。その手の話が好きな人にはたまらないでしょ? しかも一見コメディタッチな構成ながら、裏サイトや戸籍売買などの情報を絡めてあるので、妙に納得できる話になっているのがニクい。毎日欠かさず東京スポーツを愛読している私にとって、ホント楽しく読める作品です。そのうちゴム人間も出るかな?