異世界サムライ

バーサーカー侍少女の無双譚 #1巻応援

異世界サムライ 齋藤勁吾
兎来栄寿
兎来栄寿

齋藤勁吾さんの前作『傷だらけのピアノソナタ』があまりにも早く終わってしまった時は失意に打ち拉がれましたが、新連載の『異世界サムライ』が始まった時は喜びに打ち震えました。 己の師である父親をも斬り捨て、死に場所を求めて関ヶ原の戦いに参戦するも気絶している間に戦が終わり、江戸の泰平の世となっても強敵を渇望しながら気付けば100人以上を斬り伏せていた少女・ギンコ。 「赦しはいらぬ 敵がほしい」 というバーサーカー的発想の彼女の願いを仏様が叶えてくれた結果、彼女は魔物の跋扈する異世界へと飛ばされます。ゴブリン、オーク、ドラゴン……そしてそれら魔物を狩る人間の勇者たちなど未知の強敵の存在に血沸き肉踊りながら、死に場所を与えてくれる相手を探していきます。 異世界ものは言うまでもなく無数にありますが、割と巻き込まれ型や何らかの事故で異世界に飛ばされてしまうタイプの話が多い中で、しっかり現世での生き様を丁寧に描写した上で自分の願いによって異世界に向かうのは少数派であるだけに、異世界ものの中でも新鮮味を感じます。 シスターになってもなかなか攻めた下着を身に着けているルゥちゃんことギブリールや、彼女が助けた少女・ミコ、ドワーフの「爆斧の勇者」ヴォルスなど、サブキャラクターたちも魅力的に躍動して物語の車輪を回していきます。 齋藤勁吾さんの決め絵のカッコ良さはやはり素晴らしく、こうした激しいバトルアクションになるとその魅力は一層引き立ちます。 一方で、 「汝右の頬を叩かれたら私に言いなさい  かわりにボコボコにやりかえしてきます」 というヒスイ教の教えはハンムラビ法典を超えていて好きです。シリアスとギャグの塩梅も好きです。 ところで、くしゃみの「へーちょ」って今どのくらいの人に伝わるのでしょうか。私気になります。

あつあつ!スタグル旅

FC東京サポーター名物「蝗活」がまさかの漫画化!!?!?

あつあつ!スタグル旅 能田達規
mampuku
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「蝗」、それは、アウェー遠征ではスタジアムの出店のみならず道中のグルメを持ち前の食欲と動員力で食い尽くす、FC東京サポーターにつけられた異名である。 「蝗が来るときは倍の量を用意すべし。“『FC東京さんが来るからいつもより多めに用意しておくか』の倍”だ」 そんなFC東京サポーターが「蝗」として恐れられるようになった裏には、とある悲しい歴史があった。 かつて東京の本拠地・味の素スタジアムには数万人にのぼる来場者を満足させるだけのスタジアムグルメが長い間存在しなかった。周辺にもKFCやすき家などがあるばかりで、満足感と、何より「特別感」が皆無だった。時々使用される旧国立競技場はこれに輪をかけて悲惨だった。結果として、サポーターたちの持て余した食欲の矛先はアウェー遠征へと向かうこととなる。 かたや軍隊のごとく統率され試合前から大声で応援歌を歌う浦和レッズのようなサポーターとは対称的に、ビールや弁当を買い込んでお祭り気分で観戦を楽しむ東京人のスタイルもまた「蝗化」に拍車をかけた。 湘南のビール、千葉の焼きソーセージ、鳥栖のミンチ天etc……行く先々で名物グルメを品切れ続出に追い込みながら全国を食い荒らしまわり、その様子はハッシュタグ「#蝗活」をつけてSNSを賑わせた。 ちなみに今では味の素スタジアムのグルメも強化され、場外には毎試合ケータリングカーが所狭しと並ぶようになったが、アウェー戦での「蝗活」は変わらず続いている。 そんなサポーターたちにとって待ちに待ったJリーグの新シーズンがついに昨日開幕した。それにほぼタイミングを同じくして「蝗活」を題材にした漫画がスタートした。北は北海道コンサドーレ札幌、南はサガン鳥栖まで、現地に行きたくなっちゃうグルメ漫画になることに期待せずにはいられない。

爆音列島

爆音の虜になる奴ら

爆音列島 高橋ツトム
さいろく
さいろく

地雷震、スカイハイ、ヒトヒトリフタリ、鉄腕ガール、blue heaven、SIDOOH… 90年代後期のアフタヌーンで自分にとって1番魅力的な絵を描くマンガ家だった高橋ツトムの、まるで自伝のようだと思える漫画(勝手なイメージです。でも族上がりのマンガ家は多くはないと思うので貴重ですよね) 振り返って読み直したところ、ヨンフォアの値段に愕然とする。新車がこんなもんだったんだ、あのバブルの時代に、と。旧車の中でもHONDAでは1番人気と言えるであろう主人公が乗るこの「ヨンフォア(cb400f)」は今やプレミア付きまくりで250万ぐらいしてしまうのです。 そのぐらい憧れの単車だったし、名機だということですね。 ちなみに特攻の拓のマー坊くんが乗ってるのと同じ、だと思う(たぶん) 連載自体が90年代だったはずなのでバイクの価値としては当時もすでにちょっぴり貴重になってたはずなんですが、やはりそれでこそ憧れるわけで、少年達がなんとかして手に入れようとする様には共感を憶えます。 爆音列島も例に漏れず、奔る事に命をかける少年達の物語。 ヤンキー漫画としては意外とメジャーじゃない?と思うんですが、個人的には好きな作品。ギャグ要素が全くないのがホンモノの当時の学生ヤンキー達にウケなかったのはあるかも(あとアフタヌーンだったから月刊だしちょっと高いし?とかあったのかな) ヤングキングで復刻連載したぐらい名作ではあるんですが、それは割と最近(2016年だった…)なので、今の時代から見ると「懐かしい」「あの頃は良かった」みたいな感想になりがちで少し勿体ないですね。 あ、男子は必読だと思います。

サタノファニ

妄想すべし、突っ込むべし

サタノファニ 山田恵庸
サタノファ女塾

サタノファニはツッコミ所が多く、非常に妄想の し甲斐がある作品です。 このクチコミでは、史実や科学的論拠などに基づく 考察ではなく、思い切り妄想を語ったり、ツッコミ をぶつけたいと思います。 では先ず「大相撲サタノ場所」のお題 サタノ山、サタノ富士、サタノ海、サタノ花、 サタノ島、サタノ若 などなど サタノファニは、相撲取りのネーミングと とても 相性が良いです。 コミックスの巻末に、まわし姿のヒロインたちが 現れたら 鼻血ものだ!(笑) では、ヒロインたちの中で 相撲が強いのは誰か!? 先ずは、鬼七瀬と張り合った 千歌です。 エドモント本田のような「フンフンフンフン」という 百列張り手を受け流し、スーパー頭突きを喰らっても 立ち直るタフさは凄いです。 美依那の、おばさん姿の着ぐるみも 相撲向きです。 真理央に「ごむっ」と喰らわせたタックルが強烈です。 カレンの、組長を持ち上げた「ドMの馬鹿力」も凄い! 洋子には、鉄山皐(カオ)の当たりがある。 霧子からは、強烈な張差し(ビンタ)が飛んで来そう。 でも、一番強いのは 小夜子ではないか。 潮の代わりに 毒を撒いて大勝利だ!??